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「和菓子wagasi」−東京のお菓子・菓子パンを歩く

2008年10月10日

浅草「菓匠 榮久堂」古風栗むし羊羹
上等な味が茶の間で蘇るってすごい。

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『菓匠 榮久堂』古風栗むし羊羹。ひと包みずつに丸ごとの大粒栗
かわいい〜〜秋の半生菓子。ホントに半なま、深くて美味

9/25に出版された
東京 いとしの和菓子 あんころりんのおやつめぐり
 紀伊国屋書店,ブックファーストはじめ全国書店で
ネットではAmazon紀伊国屋楽天ブックスで購入できます。
皆さま、どうぞよろしくお願い致します。

さて、久々の新規ご紹介
浅草『菓匠榮久堂』は明治20(1887)年創業
上記の本にも掲載のない
知る人ぞ知る江戸菓子の老舗
当ブログでも東京生え抜きの店は久々・・・

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満を持しての登場です。

田原町駅から徒歩8分程、
浅草の喧噪からは離れた春日通り沿い。
趣ある屋号看板に気の利いた植木のしつらえ。

川柳の祖、柄井川柳の菩提寺「龍宝寺」が近く、
江戸名所としても知られるこの辺り。
「榮久堂」は店の人々の白衣姿にもシャキっとした姿勢を感じる、
いかにも東京下町らしい謙虚な清々しさが漂います。

じつは“うちのお寺さん”※からもほど近く、
その距離、かっぱ橋道具街を背に200メートルほど。
しかし多くの方は(蔵前問屋街からも離れているので)、
いささか不便に感じるかもしれません。

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お彼岸の最終日、お参りの後におはぎを 

かくいう本人でさえ、
コロンとしたルックスの「古風栗むし羊羹」。
これに惹きつけれらてようやく訪れたのは昨年終わりのこと。
まったく数十年間もどこ見ていたのやら。
近ごろは墓参ごと母共々に訪れ、3代目にお菓子を戴いたりすることも。
(親子揃ってコドモか)

古風栗蒸し羊かん」とは
粽風にひとつひとつを
竹皮で丸ごと一個の栗を抱かせて蒸し上げた羊羹
手間ひまかけて小分けに包むだけあって
羊羹そのものの香りが良く、口あたりがフレッシュ
竹の殺菌作用って関係するのだろうか?

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たけのかわ包み「古風栗むし羊羹」蒸せば再びムッチリ柔らか 

注目すべきは少々固くなっても、
そのまま蒸して出来たてホヤホヤが自宅で味わえる」ってこと。
これには目からウロコがぼろぼろぼろり。
我が家では栗むし羊羹を作る際は
型に入れてまとめて蒸していましたからね。

さっそく、始めて買った時は試みた。
「持ち前の分析趣味」※ってやつです。

立ちのぼる湯気の奥、ホッカホカの栗蒸し羊かん
熱々の皮をほどくともっちりトロンとして竹の香りが蘇る。
はしっとりと温かい。
には野趣溢れたイベント感が楽しいし、
温かい和菓子」という存在が、やけに新鮮で盛り上がります。

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蒸したて〜ツヤツヤホカホカ 
 
もちろん、
しっとりと落ち着いた栗むし羊羹が本来の美味しさ
であるのは言うまでもないこと。
とは言え、寒さが増せば温かさも味のうち。
蒸すという作業に心が和む季節だなあ
とほのぼのしたものです。

いつぞやここののことを
「国産(小布施)栗を一個ずつ剥いて使っている」と読んだ気がします。
それも頷けるほど今の時期は栗が甘過ぎずホックリしている。
通年菓子なので、保存については機会があったら訊ねてみたいものです。

ちなみに「古風栗蒸し羊羹」、
本来は「たけのかわ包栗むし羊羹」の名があるのですが
「たけのかわ」の文字が変換できないほ難しいせいか、
この本名をあまり見かけません。
(「たけのかわ」=竹冠に手編と「澤」のつくり=出ない〜)

3代目が1969年から毎年一回発行している小冊子
あま味」を読めば
榮久堂」のお菓子をフルネームで確認できます。
でもって。この冊子がすごい
34、35の合併号に寄稿しているのが山本一力や近藤富枝ほか多数。
これまでにも池波正太郎、住井すゑ、田沼武能など豪華な顔ぶれ。
すべて三代目ご夫婦が原稿を頼むそうですから、驚きました。

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洒落た紙袋 店内には貴重な木型がずらり

ここ一年足らずで、好きなお菓子が次々と増えた
江戸風菓子の老舗「菓匠 榮久堂

龍宝寺門前名物、初代創作の「川柳寺門前 柳多留もなか」は
ワンオブマイベスト最中だし
のぼり鮎」も他にないオリジナル、もう!胡麻求肥の歯応えが上等。
浮島を栗のケーキに仕立てた「里の秋」は和洋ボーダレスの美味しさ
かわいいブッセソフト」もママレードが好き。

そしてそして、季節ごとの半生菓子!!!
などなどなど。

書ききれないので、次回画像付きでご紹介します。

印「東京 いとしの和菓子」参照

●「菓匠 榮久堂」(かしょうえいきゅうどう)
台東区蔵前4-37-9
営業時間:平日09:00〜19:00/日・祭日09:00〜18:00
定休日:火曜日
3代目大旦那と4代目主人の双方が店に並ぶこともしばしば。
親切な気風の店、と毎度変わらぬ気持ちの良い接客にも伺えます。

●お菓子データ
(たけのかわ包)栗むし羊羹 280円
表示原材料名 小豆、栗、砂糖、小麦粉、水飴
(当方測定(内容量)約63〜65g)

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(↓一応文末コピー毎回変えてる)
☆☆最後に☆☆
はじめて読まれた方のためにも、
あらためて“あんころりんの本”出版のお知らせです。
『東京 いとしの和菓子 あんころりんのおやつめぐり』」 

2008年9月25日より
strong>全国書店にて発売中です。
出版社は「ソニー・マガジンズ」です。
定価1680円(税込) A5判144P

各書店にて国内紀行、グルメ、菓子等のコーナーをお探し頂くか、
品切れの場合もあるので店でおたずね下さい。
大型書店でないと取り扱いがないかもしれません。
東京、というタイトルから地方の方は取り寄せ等が入手確実。

Amazon」・紀伊国屋楽天ブックスYAHOO!ブックスからの購入も出来ます。


表紙(帯別)です♪

カラー写真も美麗
“いますぐ行きたい東京の和菓子屋さん”を満載。
和菓子の楽しさを再発見する
   小さな旅に出かけませんか


読者の皆さまを筆頭に 
全国の和菓子好き、甘党さん、散歩好きな方には
ぜひ読んで頂きたいと思います。


下町の和菓子めぐりに出かけたくなったら
町の風物詩に心惹かれる秋空の下
この本でご一緒に東京の和菓子めぐりをいたしましょう。
皆さま、何卒、ご購入の程よろしくお願いします

【台東区&江東区の最新記事】
posted by あんころりん at 15:45| 東京 ☁| Comment(21) | TrackBack(0) | 台東区&江東区 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
うひょ〜〜〜蒸したてホカホカあったか栗蒸し羊羹!!! とてもとても魅惑的です。
Posted by kozue at 2008年10月10日 16:04
はじめまして!!
和菓子が大好きで、和菓子関係の本が欲しくて、
本屋に出向いたところ、
あんころりんさんの本を見つけて、
立ち読みして、どーしても欲しくなり、買っちゃいました!!
いやぁ・・・どれもおいしそうで。。。
早速本を片手に、東京に久しぶりに行って、
群林堂の豆大福と鹿子を並んでかったり、
新宿の高島屋や、伊勢丹も行って来ました!!
あー楽しかった。
東京って何でも有るんですね〜
私は地元が神奈川で、しかもおばあちゃんが沢山いるような町なので、
和菓子屋が多いんですー
しかも豆大福のおいしい店があったり・・・

私も和菓子のこと極めたいです!!!!

これからBLOG参考にさせていただきます!!

更新頑張ってくださいっ!!!
Posted by MAPPY at 2008年10月10日 16:36
まさかあんころりんさんが榮久堂のファンとはっっ!
榮久堂は家から5分位の所にあって、地元で本当に優れた和菓子屋さんです。
口の肥えた方へのお土産を買う時に、ソフトなどを持っていくのですがすごく
喜ばれます。私もママレードが一番好きですー。あのようなお菓子は生地にバターや植物油が入ってるのが多いのですが、榮久堂のものは入ってなくて、本当にさっぱりおいしい。あぁ私も長くなってしまう(笑)次のあんころりんさんの記事楽しみ〜。 でもあんころりんさんとかなり近くに接近してますね!
店でばったり会えないかな〜(笑)
Posted by トッコ at 2008年10月10日 20:32
洋菓子に目が無い私は、銀座松屋でソフトバターと
ソフトママレードのみ購入したことアリです。
パッケージもレトロで可愛いんですよね♪
で、とりあえず写真だけ撮って、どんなお店なのか
気になってたところでした。あんころりんさん、ナイスタイミン!
それにしても、なんて美味しそうな栗蒸羊羹〜〜〜!
「次回画像付き」の投稿を心待ちにしておりますっ!
Posted by Risa at 2008年10月10日 23:05
栗蒸し羊羹、私も大好きです。
この時期はあちこちで見かけるので、ついつい買ってしまいます。
しかし、たけのかわで包んだものは初めて見ました。あ〜、食べたい!
Posted by いもすけ at 2008年10月11日 06:38
こんにちは♪
遅くなっちゃいましたが・・・本読みました!
いやいやいや、最後まで読み終わるの大変でした(笑)
だって、美味しそうな写真いっぱいで
その度に『あ〜美味しそう〜食べたいぃ〜!!』と
文を読みながら想像は膨らむばかり。
とりあえず一番身近なたい焼きを近くのお店で買って
その場で食べました♪
最近卵抜きの生活をしてることもあり、
我が家は和菓子ブーム到来です!
東京に行く際には、本を参考にいろんなお店に行ってみたいと思います☆
Posted by kumiko at 2008年10月11日 15:58
10月後半からは、少し余裕が出来そうなので
お菓子旅に行こうかと思います。
最近プライベートで忙しく毎日を過ごしています。
今日、うちでは十三夜でススキを飾っていました。もう秋ですね。
栗も、あたたかい和菓子も秋の訪れに良いですね。
早くあんころりんさんの本を活用したいです。
Posted by yottyan at 2008年10月12日 00:04
kozueさん
でしょ〜〜、まさに中華粽のごとく。そのままのほうが味わい深さが堪能できる気はするけれど、温かい、って絶対魅力あるよね。
Posted by あんころりん at 2008年10月12日 06:21
MAPPYさん
本屋さんでチョイスしてくれたとは!ありがとうございます。感激です〜。和菓子がお好きなんですね。嬉しいわー。群林堂までいらして、しっかり買うこと出来てよかったですね♪

>地元が神奈川で、しかもおばあちゃんが沢山いるような町なので、
和菓子屋が多いんですー
しかも豆大福のおいしい店があったり・

いいなあ、そういう土地にあこがれます。行ってみたい!
本を活用いただいて、著者冥利につきます。またブログにも東京にも遊びにいらしてくださいね。
Posted by あんころりん at 2008年10月12日 06:29
このお店、前を仕事でよく通ります。
風情のあるお店だと思っていましたが、いいお店らしいですね。 機会を作って行ってみたいです。

ちなみに、先日終了したTBSのドラマ、「あんどーなつ」で出ていたお菓子をこさえたのでしょうか?テロップに「協力 菓匠 榮久堂」と出ていました。
http://ameblo.jp/chablis/entry-10139838747.html

ドラマサイト
http://www.tbs.co.jp/ando-natsu/

P.S 本はまだ読み終わっていません(苦笑)
Posted by 笹団子 at 2008年10月12日 21:32
トッコさん
あらま、そんなにお近くとは。つまりうちのお寺さんのご近所さんですね。長いこと墓参後はまっつぐ観音さま方面へ向かう習慣があったので、このお店に通うようになったのは最近のこと。聞けばお寺にお供物も納めてるそうです。私たち、すでにすれちがっているかもしれませんねー。じつは昨日もお寺に参りました。八百屋せんべいなくなっちゃった(大手に吸収されたそうで)のがすごく残念です。ご存知でしたか?
Posted by あんころりん at 2008年10月13日 23:31
お久し鰤です。
遅ればせながら、ご出版おめでとうございます。(遅い?)
小生も購入させて頂きました。
てっきり和菓子グラビア写真集だとばかり思っていたら、意外にも“読む和菓子の本”だったんですね。お店の歴史などを踏まえた丁寧な取材に驚きました。
大好きな清寿軒のどら焼きや谷中岡埜栄泉の浮草も載っていて嬉しかったです。
次狙うは福助さんのぜんざいみたいなヤツ。
その前に「空也餅」の予約も。
11月4日からだそうです。楽しみ。
Posted by モメ吉 at 2008年10月15日 00:52
Risaさん
え〜松屋に出てることがあるの!そのことに驚いたわ。ブッセもいろいろあるけれど「ソフト」のママレードはおいしいと思います。そうそう、それにネーミング&パッケージがナイス。お店では「バターが人気です」、とまずはバターをオススメなさる。私も頂いたけれど、元来バタークリームそのものが苦手で。Risaさんがお好きならやはりおいしいのでしょうね。袋の歳時記も渋いけどとっても素敵ですよー。
Posted by あんころりん at 2008年10月15日 07:48
kumikoさん
こんばんは、ご購入ありがとうございます♪
私もおいしいお菓子を思い出しながら書くの大変でしたよ(笑)お腹減って仕方なかったー。
卵や乳製品を避ける方に和菓子はほんとに強い味方ですよね。小豆はほんとにすばらしい食材だな〜と思います。いつかおいしいお菓子をお持ちしたい♪
Posted by あんころりん at 2008年10月15日 22:43
いもすけさん
ごめんなさい!順番を間違えてしまったわー。
私も今年は栗のお菓子をすでにたくさん食べました。茹で栗も大好き。いもすけさんの地元ならいろいろおいしいお芋コラボ栗菓子がありそうですねー。籜一個ずつの栗蒸しって私も他に知らないのです。
Posted by あんころりん at 2008年10月16日 13:32
いもすけさん
やはり文字化けしたわ。たけのかわ。
Posted by あんころりん at 2008年10月16日 13:33
今日の朝日新聞夕刊に書籍紹介されてましたね!
すごいなあ。
後、地元の本屋でもみましたよ。
勝手に平台に移動させときました。
Posted by 小熊猫 at 2008年10月16日 21:11
yottyanさん
十三夜ですか、むしろ十五夜よりお月様きれいに見えて落ち着いた名月の夜ですね。お忙しいようですが、タイミング合いそうなときにご連絡さしあげてみます。情報関係あれこれあって。本の活用ぜひぜひ実践してみて下さいね。いろいろ参考意見をお願いします。
Posted by あんころりん at 2008年10月16日 23:45
笹団子さん
TVは撮影等で協力してらっしゃいます。役者さんも何度かいらしたそうです。本は文が拙くて読みにくいと思います、一年掛けてゆっくりご笑覧ください。
Posted by あんころりん at 2008年10月16日 23:49
モメ吉さん
ご購入ありがとうございます!
そうなのです、読み物盛りだくさん。個人商店の歴史などを調べることはほんとうに好きなのです。もっと書きたかったくらい(笑)
空也餅!なーーんて時の経つのはやいのだ。年も取るわよね、と思ってしまいます。福助あずきは絶対にオススメします。
Posted by あんころりん at 2008年10月17日 00:43
小熊猫さん
情報ありがとうございます。私もちょうど出版社からの連絡でチェックしたばかりでした♪さすが朝日、懐深いです。やはり新聞に掲載って素直に「わーい」ってかんじです。少しずつ町の書店でも扱ってくれているのかなあ。平台移動恐れ入ります〜。草の根運動ってじわじわ効きそうだから侮れません。ご協力ありがとうございます。これからもよろしくお願いします♪
Posted by あんころりん at 2008年10月17日 18:39
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