ふんわり軽やか、“茂木びわ”びっしりのかわいいびわ型カステラ
焼きたて「かすてら巻」おいしさを心底実感!
10/16版朝日新聞夕刊に紹介されたように
『東京 いとしの和菓子 あんころりんのおやつめぐり』
紀伊国屋書店ほか全国書店で
ネットではAmazon・楽天ブックス等で好評発売中。
……本でもまた和菓子を日々楽しんで頂けます。
さて・・・今回は初登場、長崎のお菓子です。
「茂木一○香本家」は弘化元年(1844年)創業
珍しーいカラクリ饅頭“一口香”の老舗であり、
東京ではびわが丸々入った・・・
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・・・「茂木びわゼリー」で知られた和菓子屋さんです。
おそらくこちらを口にした方も多いのでは?
じつは地元長崎では圧倒的に“一口香”の方がポピュラー。
“一口香”(いっこうこう)とは
かわいい“焼まんじゅう”の姿で中身は空っぽ♪の長崎銘菓のひとつ。
思いがけないほど固くボリンとした歯触りで
見た目とのギャップがいい。
そのうえトースターで温めれば香ばしさとカリカリ感が蘇る!
携帯しやすィおいしィハンディ焼き菓子。
一口香の「一○香」レギュラータイプが一番大きい、中身は?
思いがけず、その「茂木一○香本家」が
実演による焼きたて「かすてら巻」を販売していた。
そうか、さすが長崎の老舗菓子店。
小田急新宿本店でのイベントでのことです。
デモンストレーションそのものは終了していたけれど
ずらりと並ぶ焼きあがった皮のおいしそ〜なこと!
今しがた焼いた生地はほんのり温かさを残しているのでしょう。
濃い黄金いろの皮は薄いセロファンの中で
あたかも呼吸している肌のようになめらかです。
この手の艶肌に滅法弱い。めろめろ〜。
艶っぽいほどの輝き。どら焼き風の皮“千代香”でカステラを巻くフレッシュなお菓子
長崎ではこの焼皮を“千代香生地”と呼ぶそうです。なぜだろ?
(「千代香」は固有焼き菓子名でも存在)
個人的にはこのテクスチャーにいつもジャネット(jackson)を思い出す。
ともあれ
カステラは本店で“太陽卵”を使って焼き上げたもの。
そこに五島椿油と雲仙産卵を用いた焼きたてホカホカの“千代香”
を巻いたフレッシュそのものの長崎的朝生菓子。
店の方は(あたかも「うさぎや」のどらやきのごとく)
「今日中に召し上がって下さいね」
周囲にも大好評。当日消化の杞憂はどこへやら
家で包みを広げると、一段と焼皮が光り輝いて見える。
ひと切れ食べて思った。
「かすてら巻は出来たてを食べるべし!」
一枚ずつ手で焼いた“千代香生地”は香ばしく、
コシのあるしなやかさが格別。
ほどよい甘さのカステラと馴染みあい
新たなおいしさが生まれます。
焼きたてのどらやきのおいしさを知ったら
もう、元にはもどれないように
焼きたて生地を巻いた「かすてら巻」をインプットしたからには
またの出会いを心待ちし、願わくば長崎を訪れん。
そして、ぐい〜と目を惹きよせられたのがこれ。
オレンジ色の果肉がびっしりと乗った
かわいい“びわかすてら”
うーむさすが長崎、カステラがじつに魅力的です。
「黄金の雫」はザラメでなく特産の“茂木びわ”を敷きつめて焼く、
やさしい口当たりのびわかすてら。 スライスした蜜漬け?のびわをスライス、
びわの形に焼いた生地にびわ酒とびわフレーバーを使い、
ふ〜んわり軽やかなカステラにフルーティな香りが広がります。
少しスライスしてはひと口、またひと口と
いつのまにやら3分の一は食べ進んでいた。
カステラをこれほど夢中で口に運んだのは初めてだ。
甘いフルーツの香り、ふんわり軽やかで後を引く。
ところで皆さん、「カステラ」お好きですか?
じつは長崎カステラ、
嫌いではないがあまり興味もなかったのです。
「福砂屋」のがおいしいな、と思っても一番細いモノを数日掛けて食べきるのがやっと。
どちらかと言えば
いわゆる「東京かすてら」などの“窯焼きかすてら”を好みます。
さっぱりとした素朴な味わいのせいでしょうか、
いつのまにやら陰を潜めてしまった東京風かすてら。
和菓子屋さんで自家製したものなど見れば買い求める。
余談ながら「東京かすてら」を本に載せなかったことが今でも心残りです。
閑話休題。
さて、長崎ローカルからすれば邪道なのか?
カステラ屋さんでない菓子屋の
シフォン風びわかすてら「黄金の雫」。
何に付けやさしくフルーティなもの、ってビギナーにまで門戸が広いもの。
特産品を使った創作的お菓子、
丁寧こしらえたものは貴重だし、土地柄や気風も伝えてくれる。
かわいい〜〜「びわもなか」(137円)中はびわの果肉ジャムを混ぜ込んだあん
やはり地元スタッフが出店するとお菓子に力がみなぎっています。
東京の感覚では日持ちしそうな菓子「かすてら巻」。
「作りたて」にこだわるにはワケがあり
だからこそ、ここの「かすてら巻」はより抗いがたい魅力を放つのです。
そして「びわかすてら黄金の雫」
98%をひとりで食べてしまった初めてのカステラ。
(さすがにひと口分けましたが)
焼き菓子3種類に夢中になれるなんて。
こんな和菓子屋、他にはない
はやくまた会いたい『茂木一○香本家』。
次は家族と共に楽しまなくては。&「べっこう羹」に興味津々
「一○香」の底には白ごまがパラリ、中はぽっかり
☆おまけの話☆
冒頭で述べたように、昨日(16日)の朝日新聞夕刊7面の書籍紹介欄に掲載されました。
それから、現在発売中の「リンカラン」にカラー1p広告があるんだけど、写真が別バージョン使用、マニアックに楽しみたい方は見てね。
今月28日の「Spoon」にも紹介されるそうです。興味のある方ご覧下さい。
クイズの件は遅れて申し訳ないです、次回発表予定で。
◎一口香レポートのこと◎
「茂木一○香本家」(もぎいちまるこうほんけ)は現在6代目、
少々入り組んだ歴史を歩んでいるようです。
はじまりは江戸後期、雑貨商を営む初祖・榎純正堂一右衛門(市衛門?)が、
中国人から唐饅頭の製法を教わったこと。
現在は(「一口香レポート」によると)ルーツを共にするという
『榎純正堂』が「一口香」の名で、
この『茂木一○香本家』が「一○香」
それぞれにこの長崎名物を作っている。
どうやら先々代あたりから2軒に分かれて、
各々の経営で独自の菓子づくりに勤しんでいるようです。
(詳細は「茂木一口香の由来」「一口香レポート」より)
ちなみに手元の1990年版「日本のお菓子」では
「茂木一○香本家」は「エノキ一○香本家」の名で紹介されている。
●茂木一○香本家HP
●お菓子データ
・黄金の雫・びわかすてら 通販有・一箱630円
表示原材料名)卵、砂糖、小麦粉、水飴、びわ酒、ブドウ糖、びわの実、びわ香料
賞味は秋冬で1ヶ月位
・カステラ巻 通販なし(黒糖カステラ有り)730円
(小田急新宿店催事にて10/7購入)
表示原材料名)鶏卵、砂糖、小麦粉、米飴、ザラメ糖、蜂蜜、醤油、大豆、膨張剤、椿油
賞味は当日できたてがオススメ(冷凍可)
・一○香 5個一袋420円(中粒、小粒有り)
表示原材料名)小麦粉、水飴、上白糖、黒砂糖、ハチミツ、ごま、重曹
賞味は90日間。湿気たら温めて冷ませば再びカリカリ香ばしい
☆☆最後に☆☆
はじめて読まれた方のためにも、
あらためて“あんころりんの本”出版のお知らせです。
「『東京 いとしの和菓子 あんころりんのおやつめぐり』」
(詳細は10/16付の朝日新聞夕刊の書籍紹介記事でもご覧戴けます。)
表紙(帯別)です♪
2008年9月25日より全国書店にて好評発売中。
「ソニー・マガジンズ」刊、定価1680円(税込) A5判144P
各書店にて国内紀行、グルメ、菓子等のコーナーをお探し頂くか、
品切れの場合もあるので店でおたずね下さい。
大型書店でないと取り扱いがないかもしれません。
地方の方は取り寄せ等が入手確実。
「Amazon」・紀伊国屋・楽天ブックス・YAHOO!ブックスからの購入も出来ます。
カラー写真も美麗
“いますぐ行きたい東京の和菓子屋さん”を満載。
和菓子の楽しさを再発見する
小さな旅に出かけませんか。
読者の皆さまを筆頭に
全国の和菓子好き、甘党さん、散歩好きな方には
ぜひ読んで頂きたいと思います。
下町の和菓子めぐりに出かけたくなったら、
都心でおいしい地方のお菓子を探索したくなったら
この本でご一緒に東京の和菓子めぐりをいたしましょう。
皆さま、何卒、ご購入の程よろしくお願いします。
※クイズの当選者発表は次回予定
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「東京いとしの和菓子」、ただいま読書中です。いつもは超絶の早さでとばし読みする読書スタイルの自分ですが、「東京いとしの和菓子」は、美味しい和菓子を脳内妄想しながら、毎日少しずつ読んでいます。
美味しそうな和菓子ばかりで、もうよだれが出そうです。
今回ご紹介の茂木一○香本家、びわ系和菓子が美味しそうだけど、キワモノ(?)かしら?と思っていました。でも、あんころりんさんご推薦なら、試してみようかな。ダイエットが一息ついたら、取り寄せてみます。
本のお買いあげありがとうございます。イマジネーションを掻きたてることが出来たら本望です。私は書いてる間いつもお腹減ってました(笑)茂木一○香本家は茂木びわの産地の江戸時代からの老舗です。びわには細やかな神経を使っているよう、びわかすてらも一○香も私は大好きです。ダイエット!いいな意志が強くて。私には絶対無理。
かすてら巻き、いいですね〜。きっと好きだわ〜。
一口香が大好きな母が一番好きなのが「茂木一○香」です。
一般的には平ぺったいですが、こちらのはまん丸なんですよね。
カステラか平戸のカスドースくらいしか知らなかったです。 枇杷は長崎県が全国の生産の三分の一を占めるだけに色々お菓子を創作されているようですね。 他にお祝いのお菓子が面白いです。
物産展では要チェックですね。
一○香をレンジでチンすると卵みたいになってしまうのでしょうか?(笑)
http://www.amazon.co.jp/%E6%8E%A2%E5%81%B5-%E3%83%8A%E3%82%A4%E3%83%88%E3%82%B9%E3%82%AF%E3%83%BC%E3%83%97DVD-Vol-1-%E5%82%91%E4%BD%9C%E9%81%B8~%E8%AC%8E%E3%81%AE%E7%88%86%E7%99%BA%E5%8D%B5%E7%B7%A8-TV%E3%83%90%E3%83%A9%E3%82%A8%E3%83%86%E3%82%A3/dp/B000EXDZ9G/ref=sr_1_1?ie=UTF8&s=dvd&qid=1224328989&sr=8-1
ざぼん!HPで見ました。すごく斬新に感じますよね、関東ではあまり果実を見る機会も少ないし。子供の頃はびわとさくらんぼが2大高級季節の果物だったのですが、アメリカンチェリーの侵略じゃない進出以降はびわだけが季節限定のスペシャリティに感じるけど、ざぼんはもっと特別感ありますね。そう、びわかすてらよりかすてら巻がkozueさん好みかも。千代香の焼きたてぜひお試し下さい。
>長崎生まれの私にとって
きゃーそうなんですか!最近長崎はいい人が多い、という印象を強めたのだけど、これで決定的だわー。お店の方に一口香が好きだ、と言ったら「長崎の方ですか?」訊かれました。地元では断然一○香が主力だけど東京では全くマイナーです、と聞いて驚きました。一口香、有名だと思ってたー。丸っこいのもかわいいし焼き直すのがまた楽しくて。
はい、新宿でみつけた長崎です。
タマゴと異なり中身がないので、いくぶんきれいに?爆発しそうな気がします。ただ水飴主体なので固まると面倒なことになりそう。タマゴはご経験ありそうですね(笑)