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「和菓子wagasi」−東京のお菓子・菓子パンを歩く

2008年10月31日

浅草『金龍山浅草餅本舗』浅草餅と切山椒〜
竜泉『おし田』モッチリ田舎まんじゅう、ふっくら白まんじゅう  浅草“酉の市”で江戸気分を楽しむ

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『おし田』ホワホワ白まんじゅう、劇的なおいしさ
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浅草仲見世『金龍山浅草餅本舗』これぞ浅草餅!
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『おし田』自家製アイスモナカ、ノン卵のシャーベット風バニラ

毎度おしらせ、あんころりんの本(ソニー・マガジンズ刊)
東京 いとしの和菓子 あんころりんのおやつめぐり』は
 紀伊国屋書店ほか全国書店で
ネットではAmazon楽天ブックス等で好評発売中。
……本でもまた東京の和菓子を日々楽しんで頂けます。

さてさて
11月の風物詩といえば酉の市(とりのいち)、お酉さまです。
おし田鷲神社の傍らで100年ほど続く
一からすべて手作りする・・・

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(小さな画像はクリックで拡大♪)

・・・おまんじゅう屋さんです。
ホッカホカに蒸しあがったおまんじゅうは二種類だけ。
そのおいしさはシンプルで強い存在感、一度食べたら記憶の底に横たわる。

小豆つぶしあんの優しい味は
丹精した、というのがほんとうにふさわしい。
ほのかな甘さでフツフツと炊かれた豆の匂い。心が躍ります。

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手前がさらに素朴な田舎まんじゅう、固くなったら蒸かして 

伸びるほどもっちりした田舎まんじゅう小麦粉だけで練り、
ふっくらフワンとした白まんじゅう粉とふくらし粉(イスパタ?)だけで作る。
どちらも口あたりが良くてもたれません。
だからついついよけいに食べてしまう。2日で4個食っ。

よけいなモノは一切使わず、
とりわけ田舎まんじゅうは冷めたらすぐ固く締まる(“いきなり団子”風生地)。
ので、蒸かし直して頂きました。待つ時間もまたおいしさ増すのだ。

おいしいものって世の中たくさんあるけれど、
あとから考えてもじんわりと幸福感が蘇る、そんな懐の深い味わい
絞り込まれた素材を熟練職人が腕によりを掛けると
「素朴で洗練された」というアンビバレントな味を作る。

おそらく、我が味の記憶では一番だと思えるおまんじゅうです。
大好きな酒まんじゅうより好きだな。

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白まんじゅう。やさしく炊いた小豆あんとふっくらした皮、出来たては最高 
3代目ご主人がすべてを仕込み蒸籠で蒸かす
 

ちなみに卵を使わない自家製アイスも、さらりシャクシャクのジェラート風。
おまんじゅうと一緒に食べてもぐったりしません(胃も心も)

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竜泉は浅草といっても入谷が近く、今川焼の『三島屋よりさらに北。
近くの「(おおとり)神社」は江戸から続く酉の市のにぎわいで知られています。

こちらは昔から開運・商売繁盛の神さまと敬われ
御祭神に感謝して来る年の開運を祈るのが11月霜月の「酉の市」。
江戸の頃は歌川広重や谷文兆も描いたほどの一大エンタテインメント。
いまでは150の熊手店が軒を並べ、参拝客で溢れかえります。

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10月末頃、鷲神社(おし田まで徒歩2分位)は酉の市の設営準備 

出店で特大熊手を買えば「よぉーっ」と景気よく手締めしてくれます。
そんな光景をTVで見たことありませんか?

店内に熊手が飾ってある食べ物屋があるでしょ、
あれは商売繁盛を願いおとりさまにお参りして入手したはずです。
最近は家内安全、合格祈願、恋愛成就にも御利益があると
一般家庭でも幸せを「かっこめ」と熊手を求めに参ります。

子供の頃には花園神社で親しんだお酉さまですが、
今年の一の酉=11月5日にはラジオで浅草のお店の話などする予定です。

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伝法院庭園から臨む五重塔 

酉の市に加えて、今年の浅草寺は11月15日まで特別記念の「大開帳」と
訪問にはまさにベストタイミング。
本堂では普段は拝見できない(お前立の)観音さまを拝めて縁が深まり、
滅多に公開されない伝法院庭園と超貴重な絵馬はどちらも必見、すごい。
ぜひこの機会を逃さずに。(料金300円で)オススメです。

ちなみに酉の市となれば浅草の店は定休日であっても商うのでご心配なく。

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そして、お酉さまといえば!「切山椒(きりざんしょ)」です。
自分にとって仲見世『金龍山浅草餅本舗』※の切山椒は 浅草詣の必須アイテムです。

この店では普段から店頭に並ぶ「切山椒」。
酉の市の際に求めずしてどーする。

色もサイズも一番繊細で、歯応えや控えた甘さも最も好ましい
いつ食べてもさっぱり爽やかでおいしいけど、お酉さまには気分も一層盛り上がる。
鷲神社境内にも切山椒は出るらしいけれど、ここで買うのが我が家の定番。
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もひとつ、見逃せないのは秋冬にのみこしらえるおいしい「浅草餅」。
ご主人自らあん取りをせずには気が済まないと言う
さっぱりとした後くちの自家製こしあん。
これをたっぷりまぶしたお餅は箸で切れるほど柔らかくなめらか。

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ひとくちサイズで後を引き、ひとりで4個は軽い。
江戸時代、この餅に上野輪王寺の宮様がえらく感激、
金龍山の名を唯一賜る店と相成った由緒あるお餅です。
(この辺はに詳しい)


昔から11月に三度酉の日があると火事が多いと言われますが、
じつに今年は三度、酉の市が立つのであります。
11月5日=一の酉、17日=二の酉、29日=三の酉)
せっかく三度もあるチャンス、逃さず“おとりさま”へ出かけてみましょ。
火の用心的戒めの心を育みつつ、なにしろ景気のイイ雰囲気が楽しめます。
江戸から続く年の瀬の風物詩、親しむには良い機会です。

やる気ある方は前夜11時15分からの宵宮祭もあります。
当日祭など詳しくはHPにて

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三島屋』と『金龍山浅草餅本舗』については
拙著「東京 いとしの和菓子」に詳しいのでぜひご覧下さい。

※近況報告と関係記事のご紹介※ 
ラジオ=11月5日の11〜11時半の間の数分間、FM「J-WAVE」で少しお話をさせていただく予定。
(J-WAVE「BOOMTOWN」内の「Daily Deli」)
浅草散歩の楽しさを切山椒を登場させつつ…なんて話はいかがでしょう。
浅草の良さってあらゆる人々が混在しているところだと思います。
そんなディープ浅草についても触れてみたいのですが。
ただちゃんと喋れるかどうかは甚だ不安が残るところで……(超アガリ症)。
ちなみに以前このコーナーでayanoさんも美しい声でお話していました。
事前収録のようでしたが、その方が良かったかなぁ…

そして、ayanoさんもジンとくる切山椒の想い出
三島屋のたこ焼きについて軽やかに綴ってらしたのでぜひご覧下さい。

それから女子向け月刊誌「spoon」にて「東京 いとしの和菓子」をご紹介いただいています。
たまさか衣装で仕事した映画も特集されているので併せてご覧下さい。
 
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●おし田(情報サイト) 
住所:東京都 台東区竜泉3-10-8 時間:9時半ぐらい〜18時ごろ・日曜定休(
●お菓子データ
・田舎まんじゅう130円
  小豆つぶしあんと小麦粉生地の蒸かし饅頭 (膨張剤不使用)
・白まんじゅう130円
小豆つぶしあんと小麦粉生地(ふくらし粉使用)の蒸かし饅頭
・アイスモナカバニラ・あずき各120円(卵不使用)

金龍山浅草餅本舗(金龍山) 
●お菓子データ
切山椒600円(上新粉、砂糖、黒糖、着色料)
浅草餅750円(餅 こしあん)※昼頃出来上がり、予約が確実


☆☆あらためてお知らせ☆☆
はじめて読まれた方のためにも、
あんころりんの本”出版の詳細です。


表紙(帯別)です♪

2008年9月25日より全国書店にて好評発売中。
ソニー・マガジンズ」刊、定価1680円(税込) A5判144P

各書店にて紀行、グルメ、菓子等のコーナーをお探し頂くかお店でおたずね下さい。
大型書店では概ね在庫しています。
Amazon」・紀伊国屋楽天ブックスYAHOO!ブックスからの購入も出来ます。

カラー写真も美麗
“いますぐ行きたい東京の和菓子屋さん”を満載。
和菓子の楽しさを再発見する
   小さな旅に出かけませんか


読者の皆さまを筆頭に 
全国の和菓子好き、甘党さん、散歩好きな方には
ぜひ読んで頂きたいと思います。


下町の和菓子めぐりに出かけたくなったら
を食べたくなったら
この本でご一緒に東京の和菓子めぐりをいたしましょう。
皆さま、何卒、ご購入の程よろしくお願いします


【台東区&江東区の最新記事】
posted by あんころりん at 07:35| 東京 ☀| Comment(17) | TrackBack(0) | 台東区&江東区 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
あんころりんさ〜ん

ら、ラヂヲ出演ですって! ぢぇ、J-WAVEですって!
おめでとうございます! あわわあわわ。
我が家のラヂヲ、録音不能なので、とても焦っています。
熱い想いを語ってきてくださいね! あわわ。
そりから女子雑誌spoon、あやしいおやじと化して
本屋でチェッキング、マーキングいたします。

そしておし田のおまんぢう。金龍山の浅草餅。
どちらも初めて知りました。
あんこ物の醍醐味って感じですね。
削ぎおとした美。かな?
4個でストップかけられるか心配ですわ。
あー! こいつぁ行くにゃあなるめぇ。
浅草の冬のにぎわい、想像するだにウッキウキです〜。
Posted by ぺなぞう at 2008年10月31日 09:26
ぺなぞうさん
う〜〜〜緊張しやすいのでなるべくこのブログを知っている人に聴いてもらおうと思ったんですけど、よけいにドキドキ。11月って年末前のせいか何となくワクワクするけど、それはお酉さまのすり込みからみたいです。おし田はまさにまんじゅう一本(とアイスだけ)。感激するおいしさです。酉の市ご一緒したいですね♪楽しみたい!
Posted by あんころりん at 2008年10月31日 21:57
こりゃまた、素朴な「白まんじゅう」が美味しそう!最近はいろいろ工夫を凝らしたお菓子がたくさん登場していますが、最後はやはりこういう素朴なお菓子に戻るのかな?ホッと落ち着きます。
そういえば、2〜3年前に上京したときに「酉の市」行きました。初めて見る光景に圧倒されました!
ラジオ出演ですかぁ!おめでとうございます〜。
しかし「J-WAVE」・・・。多分、こちらでは聞けない・・・。はぁ〜残念!でも、頑張ってくださいね〜!
Posted by いもすけ at 2008年11月01日 07:28
素朴なお菓子「白まんじゅう」。やっぱりこういうのはいつまでも続いて欲しいもの。
色々寄り道すれど、結局また必ず戻ってくる、そういうお菓子は月日が流れても残るものですよねぇ。職人さんに感謝です。
ラジオ出演、おめでとうございます!
そりゃ、聞き逃せません、といいたいところなのですが・・・。こっちでは「J-WAVE]が入りません・・・。あ〜なんてこったぁ。残念!
Posted by いもすけ at 2008年11月01日 13:04
すみませ〜ん。
一度書き込んだのですが、出来ていなかったみたいで、ダブってコメントしちゃいました。
Posted by いもすけ at 2008年11月01日 13:05
あっ。うちはラジオを聴ける環境にないことに気づきました・・・
Posted by kozue at 2008年11月02日 23:52
いもすけさん
すっごくおいしいのですよ、ここのおまんじゅう!!あまりに素朴で画像では伝わらないような気がします。酉の市はいもすけさんの地元にはない習慣ですね。数少ない機会に遭うなんてラッキーないもすけさん♪だと思います。j-wave無理ですか〜、うー残念です、念を送ってもらおうと思ってたのです、だってすでに緊張気味なんですよ。あ、それから今週メールしますね、すみません何だか落ち着かなくて。
コメントの機能がトロクて皆さんにご迷惑お掛けして済みません。
Posted by あんころりん at 2008年11月03日 23:30
kozueさん
ラジオ聴かない人って多いんですね。良かったら念だけ送って下さい(笑)。
Posted by あんころりん at 2008年11月04日 00:02
kozueさん
すみません、コメントが反映され無かったことに気が付かなかった〜。
>うちはラジオを聴ける環境にない
じゃあ、一緒に出てくれない?って遅すぎるか……。
Posted by あんころりん at 2008年11月04日 22:04
あんころりんさーん

六本木ヒルズスタジオから(かな?)お帰りなさ〜い。
ラヂオ聴けなかったけど
J-WAVEホームページで見ました!
酉の日にぴったりの浅草散歩話だったのですね。
お餅をおみやげにお持ちになったのですね。
おやじでごめんなさい。
三島屋さんにまでお話が及んだとのこと、
思う存分思いの丈をぶっつけられたことと存じます。
あんころりんさん&和菓子&お散歩ファンが
今日1日で爆発的に増えたことうけあい。わーい。
お疲れさまでした〜。
Posted by ぺなぞう at 2008年11月05日 13:01
ぺなぞうさん
いやはやなんとも、ってかんじ。
ともあれ癒しのコメントありがとうございます〜。うまく話せたのかどうか。本のプロモーションになってくれると良いのですが…。思いの丈どころか、進行通りに話すのもままならなくて。クリスさんに頼り切りでしたよ。HPの方がわかりやすくまとまっていますね。それより早く一緒にお散歩行きたいですね。
Posted by あんころりん at 2008年11月05日 16:36
J-WAVE聞きたかったです。 残念!

酉の市というと個人的にはドリフのギャグを思い出します。 いかりや長介さん亡き今ではDVDで見るしかないですが。
仕事で立ち寄った麻布十番でも規模は小さいものの酉の市をやっていましたね。

もう酉の市に切山椒の話題になるとは今年もあっという間に過ぎ去りそうです。
Posted by 笹団子 at 2008年11月05日 23:54
ラジオにご出演されたのですか!!お疲れ様です。さて、切山椒の季節の到来ですね。いつかは酉の市を散策しながら味わいたいものです。そして、田舎まんじゅう!!ついつい食べ過ぎてしまいそうです(笑)。ふかしたてに出会えると寒いなかでも幸せを感じることができますものね。ブルガリアもいよいよ冬の足音が聴こえて参りました。ホカホカおまんじゅうやおしるこのことを思い出しつつ乗り切りたいと思います。あんころりんさんもどうかご自愛下さいませ。
Posted by やたろー at 2008年11月06日 07:09
あー! あんころりんさんのラジオ聞き逃したーっっ!
でもまたまた浅草取り上げられてて嬉しいです☆
しかも最近ご無沙汰のおし田♪ あんこおいしいですよねー! さっぱりとしてて、しかもこの時期出来立てのおまんじゅうを頬張るなんて…幸せ。
金龍山のお餅もおいしそうですね! 気になってたので羨ましいなぁ。
あーあんこ食べたいよー
Posted by トッコ at 2008年11月06日 17:01
笹団子さん
一応概ねの放送内容は
http://www.j-wave.co.jp/original/boomtown/cgi-bin/contents.cgi?genre=5&id=1485&date=2008-11-05
でご覧になれます。素人が思うように話すのはむずかしいですね〜。
ホントにいつのまにか年の瀬、酉の市のあとは羽子板市、大晦日まで瞬く間ですから、年取るはずです(笑)。私も5日は麻布十番でした。
Posted by あんころりん at 2008年11月07日 18:10
やたろーさん
え。ブルガリアにお住まいだったのですか。切山椒はなさそうですね〜。ほかほかのおまんじゅうは寒さの中でもほっとさせてくれます。きっと恋しいことでしょうね。ちなみに自宅の近所にブルガリア産のモノだけ扱う小さなお店がありますが、ってあまり関係ないか。
厳冬をどうか健康に越されますよう、東京からお祈りしています。
Posted by あんころりん at 2008年11月07日 18:21
トッコさん
上の笹団子さんの返事に書いたURLで概ねの内容はご覧になれます。うまくいけば恥をしのんで放送録音分もアップしようか・・・な。おし田!ホントにおいしいですね、素朴でありながら素晴らしく繊細な風味。大好きです。切山椒はここのがやはり私にとってのスタンダードだし浅草餅も寒い時期だけのお楽しみ。甘いこしあんがしみじみおいしい。やはり仲見世でも特別なお店だと思います。
Posted by あんころりん at 2008年11月07日 19:06
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