「賀茂葵」ハートのおマメ 「茶寮 宝泉」趣ある門構え、黒いわらび餅は本蕨の証
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……和菓子を日々楽しんで頂けたなら…
京都での和菓子歩き&甘党三昧、
その数日間のお話し、第五回目です。
さてさて。祇園・八坂神社をあとにして
まずは二条「京華堂利保」へ立ち寄り、
そのあと下鴨の「茶寮 宝泉」へ・・・
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・・・・・
「京華堂利保」は前々から訪れたかったお店のひとつ。
季節の生菓子をはじめ、
「濤々」「京あゆ」「福寶」「しぐれ傘」…
過去に頂いたものはどれもが上質で、
丁寧にお菓子をこしらえるお店、という印象があります。
(京華堂利保の過去の記事)
京華堂利保「京あゆ」柚子が香る餡と寒天を包んだ夏の菓子、冷やすと一層美味
2年半ほど前に始めて口にしたのが「濤々」。
茶禅一味の菓子、とも言われけっして華やかではありません。
がその実、斬新で洒落た、複雑かつ妙味あふれる麩焼き煎餅サンド。
ちょっと衝撃的で、予想外のおいしさでした。
大徳寺納豆入りあんを挟んだ「濤々」。二代目が武者小路千家家元と共に考案し銘を受けた
「福寶」寿ぎに三味のお豆菓子、右は「しぐれ傘」
パッケージの意匠はどれも可愛くて秀逸
さらにその10日後には
東京まで飛行機で運ばれてきた生菓子にえらく感嘆。
すんごく奥深ぁい店だろーな、ととても興味があったのです。
町屋を手直した店には数十年も使いこまれた番重や抽斗が並ぶ。
凝った意匠の明り障子や壁面には書画を掲げ、
しっとりとした心地よさに満ちています。
予想通り、
武者小路千家をはじめ主にお茶席向けだという生菓子は店頭にはありません。
ひと箱(6個)単位で予約するのが基本とのこと。
店の方は当方のブシツケな問いや店内撮影にも快く応じて
(濤々2個のしょぼい客に…)
降り出した雨を気に留めて傘まで貸して下さった。
その心使いに雨の中も再び気持ちよく歩きだしました。
で。ここでは入手できなかった生菓子ですが
なんと数時間後、偶然頂くことになろうとは!!
………
この後バスで洛北方面へ移動、
下鴨の「茶寮 宝泉」へ。
以前訪れた黒みつ団子の「美玉屋」のすぐ南に当たります。
“あずき処”を謳う『宝泉堂』は昭和二十七年創業、
しぼり豆などの半生豆菓子が知られるように
もともと甘納豆などの卸業から菓子屋を開業したらしい。
茶寮から数分の場所では和菓子処を営んでます。
茶寮は少々わかりにくいロケーションにも関わらず
とても人気があるようです。
周囲からオススメされただけあって
降る雨に古い屋敷の茶寮は絵に描いたような趣ある佇まい。
ゆったりとした数寄屋造りは昭和頃のお屋敷のようです。
庭に面した廊下から広い奥の間の座卓へ。
先ほど餅菓子をたっぷり食べたのでここはわらび餅プリーズ。
注文後に煉りはじめるので15分ほど間があります。
床の間の前の席からも見通しは悪くない。
濡れそぼる庭を眺めているうちに時は経つ。
で、床の間の三方の飾りを訊ねたけど、お店ではご存知なかった…。 (最下段に画像)
薯蕷饅頭「冬景色」むっちりした皮にこしあん入り
さて、作りたての黒っぽいわらびもち。
まずははそのまま生でいってくれ、いえ召し上がってとのこと。
口に含むとひと口でイクか、歯で切るか悩むような
プニプルンと柔らかい粘り。
本蕨粉独特の香りと弾力があります。
そう、こ寿々のわらび餅をもっと柔らかにしたような…
まずはひとくち、その後好みで添えられた黒みつを
味わいも量も儚げなので、むしろデザートにふさわしい気もしますが。
眺めと心安らぐ時間を堪能すれば五つでも充分なのでしょう。
でも、もっと食べたい…
そうそう、黒いわらび餅と言えば高岡福信(大阪)の四角いあれを思い出す。 帰りがてら寄ってみようか。
外は雨、うう、このまま座敷に寝ころびたい。
そうもいかず、きちんと座していると結局歩きたくなる。
賀茂葵 一袋3個で578円也
ここではお菓子も販売しており、
大納言の半生菓子「賀茂葵」と薯蕷饅頭「冬景色」を買いました。
賀茂葵はハートみたいな可愛い葵の葉形に惹かれたのだけど
とても繊細上等な豆板で、そのクニ〜っとした歯ざわりがたまりません。
寒天の水分の保ち方が絶妙で小豆もおいしい。
さっすが豆は豆屋。
みっちり詰まった大納言小豆。やはり丹波が◎
さてこのあと大徳寺方面へ向かいます。
まだまだまだ続くので次回をお楽しみに〜。
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●おまけの話●
今さらですがこの日は節分。
関西の慣わし、丸かぶり寿司は巷に溢れている。
八坂神社のはす向かい「いず重」のウィンドにも、 じつに魅力的な巻き寿司、押し寿司が並んでおりました。押し寿司に食欲をそそられたのは人生初だし、始めて見る粟麩の巻き寿司のおいしそうなこと。
大阪出身の知人が押し寿司のウマさを力説したのがよくわかる。
めかぶ、あらめ、とさかのり、ひじき等々八種の海草を巻いた 海草巻500円っていうものを買って食べたのですが…うまい!!
まず酢飯がすごくいいし、具の取り合わせ方もウマい。
ああ、あの味が恋しい。
●店のデータ
★京華堂利保
明治26年創業、100年以上続く店は現在四代目
・濤々 一個252円(砂糖 煉り餡 水飴 米粉 大徳寺納豆)
・京あゆ ひと箱5尾入=昨年8月高島屋新宿店にて購入(煉り餡 砂糖、水飴、米粉、寒天、柚子、着色料)
・香菓「福寶」 ひと箱三袋入=この1月高島屋新宿店にて購入(小豆 砂糖 きなこ 青のり)
「福寶」小豆を芯に蜜ときな粉をまとわせたもの。さらに青海苔まぶしたもの
★宝泉堂(茶寮 宝泉)
・わらび餅(店内)950円・賀茂葵/3個一袋578円(砂糖 丹波大納言小豆 水飴 寒天)・薯蕷饅頭/冬景色 315円
床の間にあった謎のブツ
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ご無沙汰しております。
おりましたがこっそり記事を読んでおりました。
あいかわらずのストーカーっぷり発揮。
おいしく美しく黒いお菓子&お寿司満載ですね。
本蕨って黒いんですね!
恥ずかしながら初めて知りました。
「注文後に煉りはじめる」って!
「プニプルン」って!
ツヤツヤの画像を見ては食べ心地(こんな日本語ありか?)を
想像&妄想しております。
ううう、悩ましい。
また熱い甘いお話をお聴きするのを
楽しみにしています!
あいかわらずステキな包みにもお上品なわらび餅にも惹かれますが、何よりわたしのココロをわしっとつかんだのは「海草巻」! これ食べたい〜。いず重好き〜。(実は大阪寿司好きなのだ)
正直、詳しくないのですが京都のお寿司も関東にはなじみのないキューブのような箱寿司に鯖寿司と色々あるようですね。 味だけでなく意匠がいいです。
某鉄道会社の宣伝ではないですが、京都に行きたくなってしまいます。(苦笑)
ご無沙汰です、お元気そうで何より。本蕨粉がすべて黒いわけではないんですが、国産の黒本蕨というのがあるみたいですね。それ以上の詳しいことはわからないんですけど…。&ここのは黒糖を使っているようです。食べ心地って私も使うよー。あとから思い出したけど、箸で切りたいけどかなりムズカシイってかんじでした。ああ記憶がどんどん薄れていく…。また近々、蕎麦と甘味、やりましょう。
あぁ、いいなぁ〜〜。量が少ないのは、少ない方が
いいんですよ。儚げで抱きしめたくなる様な感覚が
いーんですよねぇ(うっとり)。
私も包装紙のステキさにドッキリ、そして海草巻き!!
美味しそ過ぎます!食べたーーい!
こ寿々のわらび餅も美味しいので大好きですが、これも食べてみたいです〜。
京都で食べ歩きしたいのに、なかなか行けません(涙)
ありがとう〜。プルプルってだけでも、プニュってわけでもないのでリエゾン?笑。京華堂利保の京あゆはすごくオススメですが、いず重の海草巻、あれは我が京都の味となりました。あと粟麩巻きってのがすごく食べたいの。あの手のお寿司は京都が断然おいしいのね〜。目からウロコでした。
やはり訪れることで得られる満足感ってありますよね〜。和風の庭にはまた雨が一層、静寂美を深くするところがあって。天気が悪いと出かけるのは大変だけど、なんかはまっちゃいます。
ほんとは寝転がって、そのまま昼寝できれば最高なんですが。
お元気ですか♪
こ寿々のワイルドさを和らげたような、ルックスと口あたりだからお好きかも。私も久々の京都。なかなか旅行も機会がないと行けませんね〜。
「ほうせん」は、10月頃にだけ限定の「栗ぜんざい」も
すごくおいしいですよ。栗あんに栗の甘露煮がはいっている
栗ずくしのお菓子です。
「ほうせん」は、かつて祇園にあった「きぬかけ菓舗」の
職人さんたちが中心になって作っているので、お菓子も
とてもよく似ています。
きぬかけ菓舗の「洛味」と、ほうせんの「ほうせん」
などは、ほとんど同じと言ってもいいかと思います。
「ほうせん」は店の一番奥で試食できるようになって
いるのですが、召し上がりましたか?
(卵白を使った白い干菓子です)
京華堂利保の生菓子は、僕はよく寺町二条の嘉木で
食べていました。嘉木では、日によって生菓子の
お店がかわるのですが、一番多く使われているのが
京華堂利保のようです。
木曜日のツアーに参加させていただいたecomacoです。
あんこ指数100のツアーでした。ありがとうございました。
帰り道「横浜組」6人で話したのですが、2点お願いがあります。
@あまりにも大人数で回る箇所が多いので、4〜5件にしていただいて、1箇所でゆっくりしたい。できれば、店主の方のお話などうかがえればうれしい。
Aお土産はいらないので、お店お店でイチオシを食べてみたい。4人で1ヶくらいでいいので。
ご検討いただければ嬉しいです。
ではまた来月。
京あゆとかわらびもちとか
もう初夏ですね。
ではまた。すみません。
ご、ごめんなさ〜い。コメントはしっかり読ませて頂いたのに、なぜかお返事せぬまま。失礼致しました。
何ごとも少なめだと、心が残ってまた次が楽しみになるものね。でも、もっと食べたかったな、お腹減ってたみたい、笑。
ハートの大納言、わらび餅おいしそ〜! 絶対おいしいというのが伝わってきましたよ。
私は川越に遊びに行った時、まめ屋というお豆を沢山扱ったお店を見つけ、それからすっかり豆一色です。そうそう、過去食べておいしいなーっと感動したものの店から消えた甘納豆が、また売られていたんです!嬉しかったー!京都は流石に遠いので近場で。
それにしてもあんころりん様のツアー羨ましすぎますわ。
お返事が遅れてすみません。栗ぜんざい、おいしそうですね。
そ、それからきぬかけ菓舗!
私はこの翌々日に立命館大学の近所のお店に行ったのですがなくなっていました〜(あとには焼鳥屋…)。近所の方の話では閉めたようで、すぐそばにご自宅があるからと教えて頂いたのですが、そちらで営業している様子はありませんでした。もうおやめになったのでしょうか…。
>嘉木で
あちゃ、ネタばらしされてしまったー。(笑)
嘉木でお菓子を頂きました〜。偶然だったのでホント、歓喜してしまいました。
先日はお疲れさまでした、晴天で何よりでした。
あんこ満喫されましたか。お腹具合や賞味期限と相談しつつ、何日かに分けて召し上がるのも“手”ですよ。
今回のご希望等について。(講座は文化センター主催なので)、まずセンターにお伝えします。お返事やご連絡はセンターから皆さんに届くと思います。今回はとりあえずこちらからお伝え致しますが、諸々の混乱を防ぐため、お手数で申し訳ありませんが、何かありましたらセンターの方に直接ご連絡頂ければと思います。よろしくお願い致します。
次回も天候に恵まれると良いですね。
いつもご覧下さってありがとうございます♪
すごい!そーいえば見たことがあります!
どうもありがとうございます。お店の方も皆さんおわかりならなっかたのに〜。
ヴーヴ・ノリコ さんはひょっとして舞いを奉納された経験もあおありなのでしょうか。博識でいらっしゃいますねー。
…それとも私がぼんやりなのか…。これからも楽しんで頂けるようちゃんと更新します。
京あゆイイでしょ。侘びというより、暮らしの彩りってかんじしょうか。またのんびり歩きたいですね。
お元気ですか!ハート大納言はホントに美味しくて豆好きに召し上がってほしいです。
川越のまめ屋!さすがトッコさん、私もハマりましたよ。味つけしていないひよこ豆なども珍しくておいしいし、乾燥甘納豆が最高でした。近所にあったらいいですよね〜〜。
京都は移動が便利でついつい歩いてしまいます。
京華堂利保さんの濤々は食べたことがありますが店舗には行ったことがないので、今回こそは行ってみます。宝泉堂さんのわらび餅も美味しそうですねぇ。雰囲気も良さそうですし。
いづ重さん、海草巻なんてあるんですか?!知らなかった…。すごーく気になります!でも季節限定だと無理かしら…。
良いですね〜。今頃京都で朝を迎えてらっしゃいますね。京華堂利保のお菓子はどれも丁寧につくられておいしいと思います。町家づくりのお店も素敵。宝泉堂のわらび餅に夢中の方は多いようです。そしてオマメものも美味。
>海草巻き
季節物かどうかはわからないけれど、他に粟麩巻きってのもおいしそうでした。
楽しんで来て下さいね〜♪
先日、谷根千の果川家、むさしやに行ったときに過去の記事を参考にさせていただきました。
面白いお店を紹介してもらいましてまことにありがとうございました。
こんにちは。
ご丁寧にありがとうございます。お役に立てれば嬉しいことです。
谷根千はイイお店がたくさんありますが、その二店は私も大好きです!