とろろ〜〜ん♪激しくうまい!ダンゴじゃないのよ、ほっほ〜
☆あんころりんの本『東京 いとしの和菓子』は
紀伊国屋書店ほか全国書店、Amazon 等で好評発売中。
……和菓子と散歩を日々楽しんで頂けたなら…
なぜか九州、です 。
和菓子とパン、そして波を求めて南の国へGO!
まずは鹿児島空港から磯海岸へ直行。
お目当ては『本家 中川家』のぢゃんぼ餅〜〜・・・
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桜島を臨む錦江湾の海水浴場、磯海岸までは空港からおよそ車で30分。
磯という町は島津家の別邸『仙巌園』で知られています。
浜辺からは徒歩7分くらいでしょうか。
磯庭園と呼ばれる仙巌園は見どころも多く、
入場料千円で出入り自由。
桜島を借景とした日本庭園や竹林、裏山…
そしてかっこいい明治建築(近代工業の礎となった鉄工所資料館)など
隅々まで手入れの行き届いたじつに気持ちの良い散歩コース。
島津家の菩提寺「鶴嶺神社(つるがねじんじゃ)」 ○に十の家紋
園内至る所に手入れの良い花木を植栽
脈々と受け継がれた島津家の精神いまなお健在、
潤沢な資金を注いで保持している、といった印象を受けました。
混雑はしてなかったけれど観光客は次々と団体バスで訪問していた。
さて それにひきかえ。
海水浴シーズン以外の海水浴場がどこもそうであるように
季節はずれの磯海岸は散歩する人さえもなく裏ぶれた様子。
軽食&おみやげ屋と思しき店がぽつぽつと並んでいます。
中川家の左側「平田屋」 浜の入り口「広津家」軽食とぢゃんぼ
しかしながら。
我が目的はこの浜辺の名物“両棒餅”なるもの。
「両棒餅」と書いて“ぢゃんぼ餅”。
磯海岸には6軒ほど“ぢゃんぼ餅”の店があるという。
そのなかでも慶応元(1865)年創業、140年続く最古参、
『本家 中川家』が作る“両棒餅”を是非とも食べてみたかった。
しばし探し歩く内に“むむむ休業してるかも…”と不安がよぎる。
結局砂浜でなく車道沿いに、その看板はありました。
思い描いたような年季の入った佇まい♪
串に刺したお餅を食べるにはいかにもふさわしいではありませんか。
きゃ〜っ。と一気に高まる期待、テンションはぱつんぱつん。
味のある佇まい「本家 中川家」…なかがわけ、ではない。not吉本
ちなみに左隣にはやはり“ぢゃんぼ餅”の看板を掲げるやや新しめの平田屋。
右隣にはスタンド売店風のぢゃんぼ餅屋と3軒が並んでいました。
金曜の昼前、中川家に入ると客はワタクシ達だけ。
奥の座敷に座るやいなや「一人前12本ですが、一人分?二人分?」と訊かれます。
そう、ここは両棒餅ひと筋、注文を受けてから焼き始める。
飯モノはもちろん、コーヒーすらありません。
そして寛容なことに一人ひと皿でなくてもOK。
二人でひと皿頼んでもちゃーんとお茶も楊枝も人数分を供してくれます。
添えられた漬け物もイイ感じ♪気が利いてるぅ。
お茶もたっぷり、たくわんぴったり
廊下のガラス戸越しには桜島。
この日は降り注ぐ火山灰がやけに多くて
窓は開けられず、曇天の下その雄大な姿もボーンヤリ。
が。ほどなく運ばれた“ぢゃんぼ餅”のうまそうなこと!!
二本の串に刺してあるのは作りたての白い餅。
そう、串だんごではありません、串餅なのだ。
たったいま焼きあげたばかり、こうばしいおコゲに
トロんトロんの濃いたれがたっぷり。
この香り、このツヤ、もうたまりませ〜ん。
びよーんとウマサが突き抜ける
柔らかさとしっかりとしたコシは餅米ならでは。
ひとくちサイズのお餅はびよよーんとみごとな弾力。
うう、絶妙な歯応えについつい後を引く。
ほど良く甘辛いたれも美味。皿ごとなめちゃいたい。
次々と口に運んで、結局最後は取りあいに。
いや〜〜〜ウマイぞ、ぢゃんぼ餅!
で、ですね。
驚いたことにこのたれ、どう見ても醤油ベースなのですが
なんと味噌だれ、醤油は一滴も使ってない。
味噌にザラメ糖を加え葛でとろみをつけ、
最後に一子相伝のあるモノを加えるのだそう
この秘伝の味噌だれは自家製の味噌から自家製の完全手作り。
しかし「味噌づくりはもう私でおしまい」と三代目女将。
2本の竹串も自家製!
上新粉の団子ではなく、餅です、と誇りが垣間見える。
毎朝欠かさずに、新潟産餅米を蒸かして搗く手作りの餅。
直火で炙った出来たてほやほやに味噌だれがからめば
誰しもがその魅力には抗えない。
なのに…代々女性が店を取り仕切る中川家。
土地柄、家は鉄工所も営み女性陣担当のぢゃんぼ餅は
後継者の予定がないのでしょうか。
……
高松宮御夫妻は中央のテーブル席でぢゃんぼ餅を召し上がる
とはいえ、その人気は幅広い。
映画「男はつらいよ」の最終章では寅さんが立ち寄り、
(一度は観たのですが、記憶が…)
そして、高松宮殿下はここのぢゃんぼ餅がいたくお気に召して
たびたび店内で召し上がっていくとのこと。
加えて、空港まで美智子皇后の為にお届けにあがったこともあるそうな。
うーむ皇室から渥美清までその魅力は行き渡っているのかあ。
遅ればせながら、あんころりんも。
ここで「両棒餅」の由来を少々。
“両棒”は字の如く二本の竹串。意味するは武士の魂、刀の二本差。
“両”を中国では“りゃん”と言い、
それをなまって鹿児島では“ぢゃん”と発音。
二本棒、つまり両=ぢゃん+棒=ぼ、それでぢゃんぼ餅。
白い餅に武士の魂を突いたってわけです。
磯庭園内にもぢゃんぼ餅の茶店
そもそもは天保の頃15`離れた“谷山”の名物で
磯御殿に滞在する島津家の殿様に献上したのだという。
時を経て西南の役後、
磯庭園の庭番をする男が浜で両棒餅を作ったのが
磯海岸名物のはじまり、と言われています。
海水浴場に似合う両棒餅までにも島津家の歴史は関わっているのでした。
100年ほど使いこんだ厨房、注文を受けてコンロで焼く
ところで。平日に客が来るのかと思いきや
あたかもドライブスルーの如く、
車の窓から品物を受け取り、さっと走り去るドライバーたち。
そんな持ち帰り客がたびたびやってきました。
仕事中の移動らしくおやつにひと包みってなかんじでしょう。
持ち帰りもまた良さそうだ。
この次はは桜島を眺めつつ、ぢゃんぼ餅。
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●過去の「九州地方の菓子」記事
・鹿児島県ショップ「木目羹」
・長崎 茂木一○香「桃かすてら」
・長崎 茂木一○香「かすてら巻 一口香 びわかすてら」
・鹿児島 天文館むじゃき 「白熊」 「白熊 その2」
●過去の東京 いとしの和菓子関連記事
和菓子のブログを始めたワケとは?
速報!「東京いとしの和菓子」出版決定
『東京 いとしの和菓子』登場店の取材裏話
他多数
・参考書籍 九州銘菓紀行
・I-SuferのSHOPブログ
○にじゅのじ
★おまけの話★
6〜7月にかけてサーフィンがらみで鹿児島、宮崎を訪問。
家族は制作したサーフサイトに関わるサーフィンスクールのイントラもお手伝い中。今回は生徒さんが参加予定の大会&イベントへ同行。
で、こちらは4日間単独行動、和菓子とパンを探索。
その後宮崎日南で波乗りを楽しみ、波乗りと和菓子どちらも堪能しました。
さて、この磯庭園で目に付くのは○に十、島津藩の家紋です。
東京で見るとなんてことないマークですが。
このエリアではこの○十をキリリと使いこなしてなかなかカッコイイ。
そこでハッと思い出したのが「鹿児島おはら節」。
その昔、姉が大ファンだった西郷輝彦って歌手がしじゅう歌っていたのだ。
でその詞に ♪見えた見えたよ 松〜原越しにぃ ○に十の字の…♪
子供心に「まるにジュノジノ」ってナンだ?と…
何十年の時を経て「あ!これか〜〜」と心底納得したのでした。
●店のデータ
・「本家 中川家」 鹿児島市吉野町磯9673
・ぐるなび
●菓子のデータ
・ぢゃんぼ餅 ひと皿12個 500円 持ち帰り可
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和菓子の楽しさを再発見する
小さな旅に出かけませんか。
★ぽち情報★
☆季刊誌「蕎麦春秋」四月号にて蕎麦店レポート(「あさだ」「更里」)を書いています。
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しかも中川屋さんということは、私が食べたのと同じお店。店内の写真、確かに見覚えあります^^
うれしかったので自分の日記のURLはっていきますー。
じゃんぼ餅の中川家はどことなく、京都のあぶり餅とスタイルが似ていますね。 かつては京の都にもあったのか?鹿児島でアレンジされたのか?
駅員の格好をしたダミ声の店員さんがいなくてなによりです。(笑)
鹿児島は独自の文化の上に黒砂糖を使うお菓子が多くある海外の影響を受けたのか?というものが結構あって面白いですね。
個性的で好きな所の一つです。
>「木目羹」
富山の鈴木亭さんが「杢目(もくめ)羊羹」というものを製造・販売されています。 こちらも京都起源か?
鈴木亭さんの話は近日中に投稿します。
いや〜私知りませんでしたよ。
しかし、ちょいと涼しくなったら(まだまだこれから夏だと言うのに・・・)“ぢゃんぼ餅”目指して鹿児島へレッツゴー!ですね♪
うわ〜、まさかぢゃんぼ餅をご存知だなんて!しかも前情報なしに中川家を選ぶなんて、さすが
アンテナ感度良好ですね〜。私は味噌とは思わないでパクパク食べちゃったけど。何よりもみごとな桜島が羨ましいです。「翔ぶが如く」興味がわきました。
大会は江口浜で開催予定だったのですが、こんな土砂降りに(笑)。
http://i-surfer.jp/surfingschool/1266
ぢゃんぼ餅、本数といい、私もあぶり餅を思い出しました。
九州全体に南蛮菓子が豊富ですよね。ふくれ菓子やげたんはなどはやすごーくおいしかった〜。そういえば全国的に庶民のお菓子は黒糖を使うモノが多いみたいです。それから宮崎、鹿児島は朝鮮半島の菓子の影響が色濃く感じられます。
木目模様ってきれいですね♪
その節はホントにホントにありがとうございます♪ そうこれがぢゃんぼ餅!機会があったらぜひぜひ〜。ちょうど私が行ったときに浜の手入れをしていたようです、水もきれいだし、桜島を眺めつつ12本喰らいついて(笑)くださーい。次回ハシゴを目指そうかな〜。
わからないお味なのでしょうね。寅さんから皇后まで愛するというお餅。
いやあ鹿児島まで行く価値ありますね。
中川家という名前がいいですね。
覚えやすい。
鹿児島はラーメン屋さんにも、漬物(つぼ漬や
沢庵)が出ますが、口直しに良いですね。
お茶がおいしそうだし、本当に軽食代わりに
なりますね。
あぶり餅好きな私なら好きな味かも
しれません。
しかし和菓子の追求はかかさないですね。
他の用事で行かれても
ちゃんとここまでレポなさるあんころりんさんは
すごすぎます。
これもなくなってしまうのは残念ですね。
丸に十、島津藩ですね。
また篤姫で有名になってましたね。
丸に十の字のおはら節良く聴きましたね。
おつり百円札できませんでしたか?
もう流通してないか。
鹿児島へ行くと、よく百円札をお釣りで
いただいた記憶があります。
見た目だけでなく味も醤油風で私にはわかりませんでした〜。鹿児島や宮崎は茶処でパックでなくちゃんと葉っぱで煎れてくれるのでおいしいですね。焼だんごが好きなら間違えのない味ですよー。
行く先々で土地のお菓子をいただくのが何よりモノ楽しみ。つまりタダの食いしんぼのややゆがんだ情熱です(笑)。
>おつり百円札できませんでしたか?
え!そーなんですか!さすがに2009年ともなればそれはありませんでした(笑)。
ぢゃんぼ餅は見るからにみたらし団子の
お醤油あんですが、お味噌なんですね。
甘辛い味噌をつけて、焼いたお団子は見かけますが
こんな風に葛を使ったあんタイプは珍しいですね。
宮崎はサーフポイントが沢山あるんですよね。
日南海岸は椰子の木が道路沿いに植えられ
南国ムード満点ですよね。
いい波に乗れましたか?
>楽しみ。つまりタダの食いしんぼのややゆがんだ情熱です(笑)。
甘いものがお好きなら極めて正常な願望だと思いますよ。(笑)
時代劇「水戸黄門」に出ている(た)お調子者キャラの昔・うっかり八兵衛、今・おけらの新助はその代表なんじゃないでしょうか?(あんころりんさんのことをお調子者と言うわけではありませんが(笑)。
あれは各地の名産の宣伝になるから重要な役回りという話を聞いたこともありますが。
そういえば、熊本に「朝鮮飴」というお菓子がありましたね。
つい最近「中川家のぢゃんぼ餅」という字面を見て、あこがれていたのですよ。写真もないのに(笑)。そしてあんころりんさんがそれをレポートしてくださるなんて〜〜〜♪
もちろん記事を読んでさらにさらにあこがれております。
ほんとに不思議な味噌だれです。
宮崎は国内屈指のサーフポイント。日南ですごく楽しめましたよ〜♪ 鹿児島はひどい雨だったようですが、私の方はずっと天気に恵まれたのでした。
はい、お調子者ですので。
朝鮮飴、飴より求肥に近いですね。つい最近まで全く好きではありませんでしたが、最近ようやくちょっとおいしいな、と思えるようになりました。
えっ!いったいどこでその文字をみかけたのでしょうか、そっちが気になります〜。
それにしても、やはりおかしいっていうか、妙というか…(笑)。まさがぢゃんぼ餅までシンクロするなんてさすがにただごとではない気がします(笑)。ぜひぜひ、鹿児島へお出かけの際は召し上がって見て下さい。ちなみに高松宮殿下の席は真ん中のテーブル席ですので(と薦めている)。
すっごく美味しそうなお団子です、今再度見たらすごくお腹が空いてきました(ただいま夜中の3時)
太陽くん、その後もいい子にしてますか^0^♪
少し大きくなっているんでしょうね^^
夜中にこのブログは危険です、ご注意を(笑)。
いろいろお世話になっています。おかげさまで元気に過ごしています。機会があったら遊びに来て下さいね〜。