「うみのパン」薪窯で焼く“きなこクリームよもぎパン” 飫肥〜城の中の小学校給食パン

　
　
　　
　　
ごまクリームよもぎ、宮崎名物？“じゃりパン”、チーズ塩こんぶパンの底　昭和30年頃建造「しおの家」

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「うみのパン」。
久々に登場、パンの話。
いま熱烈に好きなのが「うみのパン」。

地図にその名を見つけたときから
「これは…？パン屋さん？」と、とても興味を惹かれ・・・

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たので、（本数の少ない）電車と貸自転車でひょこひょこ出かけてみた。

「江戸時代みたいな町がある」
そう聞いて、宮崎でぜひ立ち寄りたいと思っていたのが日南の飫肥。

おびと読みますが、“九州の小京都”の別名がある美しい城下町。
九州で最初に国の「伝統的建造物群保存地区」に選ばれています。
そこには、以前から気になっていた“おきよせんべい”の「松家」もある。

　
豫章館（よしょうかん）。飫肥藩主・伊東家の庭　
鯉が水路を泳ぐ楽しい城下町　

「おきよせんべい」は搗き餅を一丁焼にした名菓で、
それについては別な機会に書くとして。

とにかく、飫肥に行こうと決めてから
gooのタウンページで見つけた「しおの家　うみのパン」
しおの家？うみのパン？


調べてみると
“まちづくりグループ「飫肥楽市楽座」”に関わるお店でした。
グループの会長は、水や保存料を使わず国産小麦粉（ハルユタカ）パンを焼いているパン屋さん。
情報では「手間がかかってもアトピー用パンはレギュラーパンより安価に提供」という話もあった。
な〜んて聞くと、ちょっと身構えてしまいそうだけれど
フツーに昔ながらのおやつパンやコロッケパンを焼いているみたい。

　
我がベスト“ピーナツパン”
右：パン底のうえにパン底乗せぇて〜。上から小倉あんよもぎ、メープルバタークリームかぼちゃ、チーズ塩こんぶ、

地に足が着いた、という印象ですが、
どうやら熱心にパンを好む人々のアンテナには未だ引っかかっていない（たぶん）。
しかし、ワタクシには激しく魅力的に思えた。

だってさ…
ジャムパン（とピーナツパン）があるんだも〜ん。
（それは私的にパン屋の試金石となる重要なファクターであります。）

し、しかも。薪窯で焼いていると言うではないか。
ああ、これはひょっとすると
我が理想の“おやつパン”の店ではなかろうか？

てなわけで。
JR宮崎駅からガラガラに空いた２両編成の日南線で飫肥駅へ。
飫肥駅からは（電話で呼び出す）貸自転車で町めぐり。


下りは白い２両、上りは黄色い１両、楽しい日南線♪

酒谷川を渡ると白壁づくりの本町商人通りが伸びている。
飫肥城跡を中心に主な観光名所はこぢんまりとまとまって
道ばたの水路には悠々と泳ぐ鯉の群れ。
静かな城下町にはのんびりした時間が流れていました。

難なくたどりついた「しおの家」
表には薪窯の燃料となる木の端材が積まれています。
建物の入り口には煉瓦造りの薪窯が設えてあるばかり、
人影もなく、陳列台などはありません。

　
店の前には木の端材　右：イイ匂い♪ベーコンエピ、フランスパン系は４種のエピのみ　

声をかけると奥から、見るからに人の良さそうな男性が出てきました。
この方がパンを焼いている＆町づくりグループの会長さん。
基本は配達販売。
取り立ててお店は構えずパン焼きも配達も一人でこなしている。

運良く出発直前に到着したようで、
すでにパンはライトバンに積み込まれています。

　

車の荷台に並んだパンはどれも焼きたて。
ビニール袋を通しても、おいしそうな香りが漂ってくるようだ。

<きなこクリームよもぎ、白あんよもぎ、ピーナツパン、コロッケパン
イチゴジャムパン、メロンパン、ベーコンエピ、塩こんぶパン。

お腹はぺこぺこだが一人には充分すぎる量。
ここで少し食べたい、そして残りを預かって頂きたいと頼むと
出かけてしまうので好きにして、適当に取りに来て下さい、とのこと。
いいなーユルめのお返事（笑）ホント穏やかな町なんですね。



それでは。
深い草色からしてあまりに魅力的な“よもぎパン”のきなこクリームからいただきましょう。

　
ごまクリームよもぎ＆メープルバタークリームかぼちゃ　

……う、うまい！
これほどおいしいよもぎパンは始めてだ〜。
強い、というよりは深く甘い草の香り、味。
これまで食べてきたよもぎ風味パンやお菓子とは別物です。
適度な歯応えもサイコ〜、
うまい、うまい、うま〜い。

　　
きなこクリームよもぎ。絶妙な弾力の生地！美しい草色同様、草の甘さとほろ苦さが爆発する。クリームがまた美味　

宮崎でふんだんに採れるよもぎは驚くほど上質である、
と、今回の旅で強く感じたのですが、

　
見よ！宮崎よもぎの炸裂するパワー。宮崎市内「大迫もち店♪」の草餅　

よもぎ苦手な方にこそ、味わって欲しいおいしいよもぎパン。
ワタクシ自身、こんな風によもぎに魅力を感じたのは宮崎よもぎのおかげです。

プレーンな生地もまた心地よい香りで、
薪窯で焼いたパンの美味しさと言ったらありません。
ふっくら柔らかなおやつパンであっても、生地に力がある。
このビミョーな歯ごたえ、好みのド真ん中。

基本のパン生地材料に気を配っているのはもちろんですが
（北海道産産ハルユタカ、都城中村牧場牛乳、粗糖、天然塩、バター、酵母）
かといって、一般的なパン窯で同じ味に仕上がるとも思えません。
やはり薪窯に拠るところってすっごく大きいのではなかろうか？
ごはんだってピザだって直火窯（釜）で調理すると圧倒的にうまい。

　　
煉瓦を積んだ手製の薪窯、七輪の上はダッチオーブン？　右：無着色のメロンパン


そしてフィリング！とりわけおやつ系がステキ。
落花生をザックリ刻んでざっと磨りつぶしただけ
（に違いない）“ピーナツクリーム”やら
大粒の白いんげん豆をツブツブに炊いた“白つぶあん”だの、

　　
何故か？白粒あんのおいしさの方が目立つ宮崎あんこ事情　右：子供たちに人気♪小倉あんよもぎ


練ったきなこに黒ゴマを気前良くブチ込んだ、きなこクリーム♪など。
これをよもぎパンに挟んだ“よもぎきなこクリーム”ったらもう…。
ああ、あの味をもう一度。

そうそう、目当てのイチゴジャムパン！
予想をはるかに超えて、最上級の好ましさです♪
　　
いとしのイチゴジャムパン♪

どれも手を加えすぎないその微妙なかんじ。
日持ちさせようという気配すらないパンの数々。
素材の味が活かされた具材はパンのおいしさと相まって
食べることがしみじみうれしくなる。

で、このステキな「うみのパン」、
なんと小学校の給食にも用いられているのだそう。
日南のサーフィンツアーメンバーの一人は飫肥小学校の出身。
曰く「うみパン、給食で食べてました」とな。

　
飫肥城と小学校へ通じる大手門

この小学校ってのがふるっていてなんと飫肥城内にある。
毎日大手門をくぐって学校に通い、
給食には薪窯で焼いた“うみパン”が出される。
な〜〜てま、幸せな小学校ライフなんでしょ、人生観かわりそ…。

ちなみに
その名に大した意味はないという「うみのパン」。
店の建物はかつて塩の専売所だったことから「しおの家」の名があるので
その流れなのでしょうか。

後日、波乗りメンバー数名と再訪したのは、配達後の午後２時過ぎ。
量産できないので（そりゃそーだ）ほとんどのパンが売り切れ。
食パンが味わえなかったのが少し（ものすごく）心残りです。


給食に使うのだろうか。食べ損ねた　山形食パン　

あのよもぎパンと一緒に送ってもらえないか、と
フツフツと考える今日この頃。
……「うみのパン」、取り寄せても食べたいなあ。

　
　

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うみのパンのじゃりパン　

★おまけの話★
宮崎市周辺のそこら中で見かける“じゃりパン”。
紛れもないローカルフードですが、基本はコッペパンに白く甘い（チープな）クリームを挟んだだけのもの。
で、このクリーム、混ぜ込んだだけの砂糖が 食べると“ジャリジャリ”と音を立てる。 擬音が呼称化したじつにローカル色豊かなシロモノです。
ミカエル堂というこれまた給食パンを製造する宮崎市内の古くからある店がオリジナルですが 、じつに多くのパン屋で作っている。
それこそナチュラルテイストの天然酵母パンの店からセブンイレブンやスーパーでも見かけましたが、クリームのそのものチープな味わいは変わらない。　　子供の頃のおやつを求める気持ちを満たすには、何よりも食べ慣れた味ってことでしょうか。
あ、きらいではありませんでしたよ、じゃりパン。ジャリっと。

　

ミカエル堂　フランソワ（スーパー）　エーケーエム（セブンイレブン）

●参考サーフサイト「DOTUBE サーフログ」「i-Surfer BLOG！」
●店のデータ
●「うみのパン」宮崎県日南市飫肥2-12-13　
※参考サイト　
アトピー用、糖尿病用注文可。相談に応じます。
●パンのデータ　
110円＝イチゴジャムパン　　
130円＝ピーナツパン　メロンパン　塩こんぶパン　小倉あんよもぎ、白あんよもぎ
140円＝小倉あんよもぎ　白あんよもぎ　コロッケパン　ごまクリームよもぎ　きなこクリームよもぎ　メープルバタークリームかぼちゃ　じゃりパンかぼちゃ　チーズ塩こんぶパン
160円＝ベーコンエピ　
国内産小麦＝北海道産ハルユタカ（100％）、酵母、粗糖、天然塩、バター、牛乳（都城中村牧場）



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Comments

ひゃ〜すごいすごい、とっても魅力的なパンではありませんかっ！（みるからに、あんころりんさん好み：笑）
それにしてもすんごいインパクト、ごまクリームよもぎパン。こういうパン、ときどきむさぼり食いたくなりますよねえ。
・・・徐々に復活中です、わたし。

Posted by kozue at 2009年08月03日 15:16

kozueさん
うわーい、お元気ですか！
うひひ、kozueさんの目にも魅力的に見えますか、ごまクリームよもぎ。こんなドツボのパンに予想外会えるから旅って楽しいよね〜。ちなみに最初に買った「きなこクリームよもぎ」と再訪で買った「ごまクリームよもぎ」はどう見ても同じ種類。おそらく最初の方がシール貼り間違えたらしい。なので、きなこクリームもあらためてむさぼり食いたいと思っています。
ただただひたすらに（笑）kozueさんの復活を心底待っておりますわよ♪

Posted by あんころりん at 2009年08月03日 17:30

気になっていた“うみのパン”。
こうやって実物見ちゃうとこりゃ行かなきゃ！
よもぎ、惹かれます・・・。
気長〜に待ってもらえればよもぎパンに山形食パン買ってきてお送りしますよ〜♪
新物のサツマイモもたくさん出回り始めたので、それもおまけに・・・。

Posted by いもすけ at 2009年08月04日 06:48

いもすけさん♪
ね、ね、イイでしょ、うみのパン。いもすけさんも気に入るような気がします。確実入手は電話予約をオススメします。何ならメニュー表があるからファックスしますよー。ありがとうございます。パンは自分でも電話してみようと思っています（話では送ってくれそうだったの）。
＞新物の
はや〜い。さすが九州ですね。時間のあるときに気が向いたらぜひお願いします。と相変わらず遠慮しないワタシ（笑）。
大迫もち店、ちゃんと書きたいんですよね…。

Posted by あんころりん at 2009年08月04日 11:49

給食とかにこんなの出された日にゃ、大人になってから食べるパンがみんなまずく感じちゃうんじゃないですか。
素朴でいいですね。うちの近くのヨモギも
強いですが、パンに草餅にこのよもぎパワーは
すごいですね。
ああこの白あんなら食べれそうな気がする。

こういう原料に近い食べ物。ううん
好きです。

今、ちょうど家では金時を日光干しして
赤飯用の豆を作ってます。

いろいろな時に使うため、一升びんに貯蔵します。

Posted by yottyan at 2009年08月05日 18:14

宮崎県の飫肥といえば練物の「飫肥天」と思っていたのですが、粉モノもあるんですね。

じゃりパンなんですが、新宿みやざき館ＫＯＮＮＥには置いてないみたいです。　そのうち様子を見に行きますけど。（笑）

久々に宮崎県まで行きたくなりました。（汗）

Posted by 笹団子 at 2009年08月05日 20:09

ブログ拝見させていただきました☆
自称、飫肥の宣伝部長こと、「ベースボールボーイ」でございます。

先日は大変お世話になりました。

宮崎・・・しかも、地元の地元である「日南市飫肥」に興味を持っていただき、またこのように詳しく記事をアップしていただき地元人として、とても嬉しく思います(^^)/

飫肥の子供達は、間違いなく「うみのパン」のパンを食べてすくすくと育っています。
私の親も未だに食べ続けています。(笑)

写真でも一部アップされていますが、小学校や大手門、城下町や鯉の放流・・・良いこと悪いこと、、、学生時代の記憶が蘇ってきます。
この年になって考えると、感慨深いものがありますね(*^_^*)

現在は東京で生活していますが、この記事を見て改めて思いました。。。
「良い環境で育ったのだなぁ〜」と。

ここ数年、宮崎の知名度はかなり上がっていますが、「うみのパン」のようなローカル店はなかなか宣伝されません。(地元人としてはその方が良い??(笑))

テレビ等で宣伝されているお店だけでなく、こだわりを持っているお店は他にもたくさんあります。
もっともっと沢山の方に宮崎のローカルな部分を感じてもらいたいですね。

最後に一言！
あんころりんさん、おおきんな！

やっちみろかい！飫肥！！

Posted by ベースボールボーイ at 2009年08月05日 23:46

yottyanさん♪
残念ながら私の給食パンはひどいものでした。それで未だにおいしいパンに飢えてるのかも。
＞うちの近くのヨモギ
いいなあ、yottyanさんのお家でも自家製餅米でよもぎ餅作るのですか。
＞白あん
食べたときに真っ先に思い出したのはyottyanさん（笑）ぜひ食べて頂きたいですねー。
＞赤飯用
えっ、金時でお赤飯なんですか、北海道みたいですね。自家製ならさぞおいしいんだろうなあ。
ああ何だかいつもうらやましがってばかりの私…（笑）

Posted by あんころりん at 2009年08月06日 17:34

笹団子さん
さすが博識者、おび天、ご存知なんですか。
↑のベースボールボーイさんに頂いたおび天、とてもおいしかった〜。甘くておやつにもぴったりでした。おきよせんべいもとってもよかったです。
＞KONNNE
ほんと、そのうちにジャリパンも置くのではないでしょうか。ただ日持ちするものになるでしょうね。宮崎いいところですよね。

Posted by あんころりん at 2009年08月06日 17:39

ベースボールボーイさん
こんにちは、飫肥宣伝部長！
遅ればせながらお誕生日おめでとうございま〜す♪　こちらこそ、いろいろありがとうございます、チキン南蛮もおび天も☆みっつでしたー。

離れてみてわかる、故郷の良さってあるのでしょうね。　とりわけ飫肥のように、穏やかな土地柄に歴史と文化、豊かな自然とそして「うみのパン」（笑）。恵まれ過ぎるほどの環境で育まれたは宝くじ並みにラッキーなのでは。

＞おおきんな！
こちらこそ、おおきんな♪
＞やっちみろかい！飫肥！！
お、ネイティブ宮崎ですね、うう、ビギナーには難しいぞ。
でもなんとなく…
“よっしゃーやっちみるぜ〜！”
また海で会いましょうね〜。

Posted by あんころりん at 2009年08月06日 18:01

素朴な感じがしますね

Posted by あう at 2009年08月13日 19:45

あうさん
そうですね、奇をてらっていないパンです。

Posted by あんころりん at 2009年08月15日 16:40

あんころりんさん“うみのパン”宮崎に行ったら必ず行きたいですね♪

とにかく個性的で美味しそうなパンの宝庫です(＾_＾)

Posted by グルマン大島 at 2011年01月18日 19:06

グルマン大島さん
こんばんは♪ご訪問ありがとうございます。
ぜひ！お薦めしたいパン屋さんです。タイミングによって売り切れるので可能なら予約をオススメします。アクセスに工夫がいるかもしれませんがステキな町ですよ〜。

Posted by あんころりん at 2011年01月20日 23:38