岩永梅寿軒のカステラ
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カステラ好きですか?
ホンの数年前まで長崎カステラってあまり興味が・・・
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…なかったんですよねー。
えー、“長崎カステラ”とあえてことわったのは
いわゆる“東京カステラ”
―大きく焼いて切り分ける長崎カステラとは異なり、一本ずつ銅釜型で焼いた底のザラメ塊がないタイプ―
は好きな焼菓子でしたから
(ちなみに東京カステラといっても和楽紅屋やアイドルグループではありません)。
あい変わらず、嗜好はマイノリティですが。
“釜カステラ”や“東京カステラ”のことはいずれまた。
これは岐阜・松浦軒本舗の〈かすてーら〉、一本ずつ銅型でやく“釜カステラ”
長崎カステラについては
ほんの数年前まで頂戴モノ(←ほとんど文明堂)しか知らず。
卵をたっぷりと使った生地、底に固まるザラメ糖のこってりした甘さ
あまりおいしさのポイントが判らず
ちいとも興味がありませんでした。
えーと。文明堂が悪いってわけではなく、
我が家では「文明堂=三笠山」だったので
カステラには夢中になれなかっただけ
…何だか言い訳がましくなってきた。
東京カステラby上野風月堂も“釜カステラ”、底のザラメ糖がないあっさりした焼き上がり
さて
たまたま長崎フェアを開催中だった銀座三越で、
見つけたのが岩永梅寿軒の“もしほ草”。
波打つ海辺の香りを昆布にあらわし、百年長生の茶媒として文人茶客の絶賛を博している、とのこと
「岩永梅寿軒」は創業天保元年、長崎の老舗御菓子司です。
屋号の前に“寒菊本家”と謳っているように、
よく知られているのは銘菓“寒菊”と“もしほ草”。
カステラ専門店ではありません。
年に8回ほど作るという“寒菊”は未だにお味を知りません。
なので、これを召し上がったというkozueさんの記事を読んであこがれております。
ちなみに、今回も書き出したのは「福砂屋&編みぐるみ」を読んで、
そういや…と思い出したのがきっかけだし。
ホントいつもお世話になってます。
これも長崎フェアにて。美味しかった寿堂製菓の“なんや餅”(715円)
ともあれ
思いがけず“もしほ草”に出くわしたのはなんたる幸運♪
しかもイベント開催中には“カステラ”も入荷するという。
食べた〜〜〜い、けど再訪する予定はない。
まあ、いいや。
だってすぐ脇では、大好きな"茂木一○香のかすてら巻”を実演販売中♪
今回はレギュラーと黒糖風味の2種類を買おう。
これ食べれば満足して、岩永梅寿軒のことはあきらめるであろう。
しかしながら。
今回もすっげーおいしかった焼きたての茂木一○香“かすてら巻”。
(茂木一○香“カステラ焼き”の詳しい記事はこちらです。)
これがかえって、カステラ欲する心に火を付けてしまった。
茂木一○香のかすてら巻(各700円)、
片方が低いのは三越のヒトが焼きたてを重ねて封入した為(涙)
しかたなく(?)カステラ入荷日、ムリヤリ銀座方面に遠回りして購入。
おそるべし我が食い意地。
ステキな包装紙は“もしほ草”と同じ。
中世スペイン帆船を描いた箱に納まった、
カステラの焼き色ときたら。
しっとりと艶っぽく、あたかも褐色の美女のようではありませんか。
(たまたま映像で拝見したのですが、)
ひと窯ひと窯ご当主がつききりで焼き上げ、
木箱に収めて一晩寝かせるという梅寿軒のカステラ
フワフワ、っていうのでなく弾力があってしっかりした食べ心地。
“むちむち”っと目が詰まった生地に歯がほわんと吸い込まれるような気がします。
香りも柔らかで、焼き上がりを充分に馴染ませたからなのか、
広がりのあるふっくらとした味わいには
尖ったかんじがまったくありません。
言うなれば寛容な大人のオンナってかんじ。
すっごく好みのまろやかさだ。
と思ったら、材料に蜂蜜を使っていません。
おそらくポイントはそのへんかな。
底の砂糖も塊が目立たず、甘さに丸みがあります。
そして!とにかく後を引く。
食感よろしくまろやかなカステラというのは
いくら食べても飽きが来ないのだ…こわ〜い。
1p程のスライスをくり返しているうちに、
ふと気が付くと7pくらい胃袋に納まっている。
でもカステラってカロリー高そう、と不安がよぎって箱にしまうんだけど
しばらくすると、またスライススライス…
うほ、アディクトしてる。
すんごくイケナイ行動みたいではありませんか。
とうとう生まれて初めて1号カステラを完食いたしました
(もちろん、一日だけではありません)。
〈もしほ草〉藻塩草とは塩を作るときに用いる海草、なのだそう
そうそう、もう一つの長崎銘菓である
「もしほ草」は昆布を練り込んだ薄切りの求肥。
長年、茶菓として評判が高く侘びた佇まいのお菓子です。
たっぷりまぶした砂糖が長崎らしい素朴な味わいで
お裾分けした方にも大好評。
たしかに甘いけれど、こちらも不思議と後を引く。
ところで、購入の5日後、
偶然にも岩永梅寿軒のカステラづくりを紹介するTV番組が放映された。
ご当主がひとつひとつ誠実に焼き上げる様子に
あらためて、丁寧に手作りされたものって底力があるんだな〜、
と驚嘆せずにはいられませんでした。
取り寄せようかなあ……
それよりも…
行きたいなあ、長崎。
♪kozueさんの「岩永梅寿軒」記事
・寒菊
・カステラ
●過去の「九州地方の菓子」記事
・長崎 茂木一○香「桃かすてら」
・長崎 茂木一○香「かすてら巻 一口香 びわかすてら」
・宮崎「桃かすてら」
" target="_blank">うみのパン」
・宮崎「鯨ようかん」
・鹿児島 中川家「ぢゃんぼ餅」
・鹿児島県ショップ「木目羹」
・鹿児島 天文館むじゃき 「白熊」 「白熊 その2」
●過去のカステラ関連記事
・「香風 祖師谷店」
・バナナ饅頭「名代芭蕉」釣鐘屋本舗
・コテイベーカリー「シベリア」
・築地木村家「シベリア」と梅花亭「仏蘭西饅頭」
★おまけの話★
カステラは室町時代から伝わる南蛮菓子、つまり和菓子です、って当たり前の話ですが。
本文中にあるTV番組で「カステラに合う意外な飲み物とは?」って出題があり、 答えが緑茶。クイズにするなよと思ったけれど、どうやらカステラが和菓子だと知らない人も少なくないようです。
ボウロや金平糖など南蛮菓子はすべて和菓子の範疇なんですけどね。
知らなかったーと言えば……長崎カステラって地域団体商標というものなんですね。今回の包装紙にも長崎カステラ認定証が貼ってありました。
これ長崎の人々には常識なんでしょうか。
それから茂木一○香の販売員さんは今回もきめ細かい対応でしたから。
●店のデータ
★岩永梅寿軒
・通販ページ
・参考ページ
・長崎カステラ:1470円(一本580g:鶏卵 砂糖 小麦粉 水飴)
・もしほ草:700円(ひと箱240g:砂糖 餅粉 水飴 昆布)
(2点とも銀座三越 菓遊庵にて)
★寿堂製菓(なんや餅)(オーライ!長崎)
★茂木一○香本家(かすてら巻)
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美味しい物に出会って、ハマってしまうことってありますよね!!
こちらにもとても人気があるカステラがあるので、
次回お持ちしたいと思います♪
なんと、そのお店は結婚前にPップが働いて
いたお店なのです(*^∀^*)
寒菊はきっとお好きだと思っておりますが、カステラをお気に召したとは、なんだかわたしも嬉しくてたまりません〜。長崎カステラを贈ると、たいがい「文明堂とは違うわね」の言葉が返ってきます。やはり東京では文明堂が基準なんですね。
それにしてもあなたはなんてラッキー&食い意地の張った人なのでしょう(笑)。
吉祥寺東急の九州物産展でときどき「もしほ草」が出るのですが、なにしろ数が少なくて、毎度毎度売り切れなのです。うらやましい〜。
http://www.moshio.co.jp/process/index.html
海水をくみ上げ藻に水分を吸わせて塩分濃度を高めて最後に煮詰めて結晶にするそうです。
塩の結晶を模して作ったのが宮城県の落雁・志ほがです。
しかし、求肥に昆布を練りこむとはよそに無いですね。
お返事遅くなってすみません。
そうなの、興味がなかっただけによほどのインパクトがなければ響かないから、その威力たるや!
同じようにおいしいものに出会うかもって、最近は目を皿のようにして探してしまいます(笑9。
pちゃんのいたお店!!それって○○糸ってところかな。もしも時間があったらよろしくね♪
寒菊は今年伊勢丹に入ったのに、ぐずぐずしていて逃してしまいまいした、記事を読み直してすごく悔やんでます〜。カステラはまさに目からウロコ!福砂屋もおいしいけれど、梅寿軒はど真ん中に来ました♪、お店にいらしたなんて、ホントうらやましいな。
もしほ草、そーいえば最後のひとつだったわ。
私の人生のあらゆる“運”はすべて食べものに使ってしまっているのかも(笑)
へ〜ホンダワラで作るんですね。どんな味なんでしょう。
昆布飴などは昔から親しみがあっていまだによく食べます。海草が好きなので気にしているせいか、時折地味に?つくっているものに遭遇します。これまでに福井の紅屋、京都の長久堂のものが記憶にあるのですが、いずれにせよメジャーな和菓子ではないようです。
地味につくっている“求肥昆布”って書き入れるの忘れてました〜。
中学のとき、私は、この岩永梅寿軒のカステラを、修学旅行の合間を縫って、電車を乗り継いで、買ってきましたよ!!やはり、いまや庶民菓子となっているカステラでも、ここのカステラの味は全然違いますね、
文明堂の五三焼カステラも、大量生産に違いない!!やはりカステラの本家は長崎である!!
お店によって随分違う物ですか?
あっ、かすてら巻きは何だかすごく懐かしい感じ・・・。
×宮城県の落雁・志ほがです。
○宮城県塩釜市の銘菓で落雁の「志ほがま」です。
塩釜の皆さん、失礼しました。
求肥昆布のお菓子は探せば結構あるかもしれないですね。
コメントありがとうございます♪
中学生ですでに岩永梅寿軒をスペシャルなお店と認識してるなんて、すごい食通!!うらやましい〜。私もその頃にこのカステラを食べていればお菓子のとらえ方が変わっていたかもしれません。
長崎カステラは長崎の手作り店製を頂くのが一番なんでしょうね。
そちらにはおいしくて安価なふくれ菓子があるからカステラはさほど燃えないのでしょうか。
和菓子屋さんの焼き菓子って元々好きなんですが
私もカステラが気になってしかたないのは梅寿軒以来なんです。
でもかすてら巻きが“なつかしい”って言うのが私にはオドロキ。ああ年なんだわ〜(笑)
ご丁寧にありがとうございます。
宮城銘菓、丹六園の「志ほがま」は私の好きなお菓子のひとつなんです。以前こちらでご紹介しています。
http://yuki-ssg.seesaa.net/article/39430890.html
もしほ草の写真を見てコメントを書かせていただいています。
どんな味のお菓子なんでしょうね。
ぜひ一度食べてみたいです。
こんばんは、コメントありがとうございます。
もしほ草は昆布風味の甘い求肥餅です。なかなか関東では手に入りにくいようですが、機会があったらぜひ召し上がってみてくださいね。
あと神戸元町商店街にある元祖長崎カステラ総本舗というお店は元治元年創業を謳っていますが、「探偵ナイトスクープ」で取り上げられるほど怪しいお店です。怪しい店内及び店主とは裏腹にカステラそのものは意外なほど美味しいんですが、カステラの常識を完全に抜け出てるんですよね(^^;) 昔は近隣店舗と揉めたり客に説教したりしていましたが、最近は80を超える高齢のためかご主人は丸くなられたと言う話を聞いたりします(笑)。
す、すみませ〜ん、コメント見落としていました。
>長崎にすごく美味しいカステラを作る小さなお店が
それは雪屋でしょうか、いらしたことがあるんですね、羨ましい〜!
元祖長崎カステラ総本舗もすごいですね、ご主人が元気なうちにぜひ訪問したいです。梅寿軒以来すっごくカステラモードなので興味津々です。いつも貴重で楽しく興味深い情報をホントにありがとうございます♪