じゃがいも〜
なす〜
さつまいも〜
☆東京の和菓子めぐり、下町歩きに必携の一冊!
『東京 いとしの和菓子』は
紀伊国屋書店ほか全国書店、Amazon 等で好評発売中。
秋です、和菓子です。
じゃがいもです。
実物はさらに、雰囲気でてます。
そして、その味ときたら・・・
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…ビックリするほど!じゃっがいも〜!
本郷三原堂で見つけた“じゃがいも”と“さつまいも”。
どちらも秋の“朝生菓子”なのです。
(※朝生菓子とは朝一番に作りその日のうちに食べきる菓子のこと。餅菓子や親しみやすい季節モノなど日常の和菓子が主。)
ところで、朝生菓子っていうと、まずは大福や串団子など定番の餅菓子と、
そして昔ながらの季節菓 子ばかりを思い浮かべてしまいます。
三原堂の豆大福 しっかり搗いた餅に粒あんがウマイ
たとえば、
新春のうぐいす餅に始まり、春の桜餅、五月の柏餅やちまき
六月に水無月を作るお店もあれば
初夏からは水ようかんやくず桜。
これは壺屋総本店のくず桜、さすが熟練の味!再び心底感激
真夏は大福など餅モノを休む店も多く、笹に巻いた麩饅頭が目立つ。
お彼岸になるとおはぎやぼた餅、
秋の十五夜まではお月見のお菓子も見られます。
そんな風に、昔ながらの暮らしの歳時記や季節感を思わせるのが
朝生菓子、という印象がありました。
逆に(餅モノは別として)
創作性の高い季節モノは上生菓子の範疇、という思いこみも。
こちらは栗の朝生菓子“円栗(つぶらくり)”九月初旬早々と登場
さてまもなく栗蒸し羊羹が出始めます。
生栗を用いるなら栗蒸し羊羹をこしらえるのはお彼岸頃からでしょうか。
そう、九月始めってお菓子も端境期なんですよね〜。
そんな折、四季折々にキュートな菓子を創作している
「本郷三原堂」にはさまざまな“秋の朝生菓子”!が並んでいる。
真っ先に目に留まったのがじゃがいも&さつまいも。
“シナモン風味の皮に白あんベースのじゃがいもあん”。
じゃがいもあん!見た目だけじゃないもんね〜、と
コロシ文句のようなフレーズではありませんか。
シナモン風味やさつまいもあんの菓子はさほど珍しくないけれど
引き立て合うように並んでいると
“ワンペアで”という気になります。
皮や刻んだ芋も混ぜたさつまいもあん
さて。
ぼこぼこと芽のある男爵いも風の皮は
手ざわりもなかなか本物っぽい。
そして肝心のじゃがいもあんは、紛れもなくジャガイモ風味!
朝生菓子にもかかわらず
ベースに(白手亡でなく)稀少な白小豆の餡、というのがポイントなのか
しっとりと、しかも少々ホクっとした食感でオドロキ。
甘さが立ってない分リアルに“すごーくおいしいじゃがいも”みたいです。
でもきっちりお菓子としての満足感をもたらす仕上がり。
ほのかにシナモン風味の皮は蒸し饅頭を軽くあぶったかのような口あたりで、
“ジャガ皮”感が出ています。
形態は蒸し饅頭、上等な白小豆あんベースのじゃがいもあん
さすがでんぷんの塊、じゃがいも、
上手に使えば、こんなお菓子になるんですね。
さて。昭和七年開業の「本郷三原堂」(茗荷谷三原堂は支店)
ここ数年、柔軟な発想の生菓子が目立ちます
その多くは弱冠31歳という若い職長が創り出しており、
初夏に並んだフランボワーズあんの“あじさい”など
最近の嗜好を反映しつつ、和菓子らしさをキープ。
女将曰く“若いけれど基本を大切にする頑固職人”とのこと。
あんに木苺のリキュールとピューレを混ぜ込んだ“あじさい”茗荷谷店で昨年購入
既成概念に囚われない素材選びは
最近の和菓子作りのひとつの傾向ですが
その多くは製菓学校を経て活躍している3〜40代前後の和菓子職人さんに因るところではないか、と見ています。
研究熱心な若い職人さんたちの特徴のひとつは、
新たに取り入れる材料の使い方。
70年代頃から洋菓子系の材料を使った創作和菓子や
古典的なお菓子を洋風にアレンジしたものはあるけれど
それとは少し趣が異なる。
焦がし醤油の“おこげさん”は羽二重餅米で粒あんを包んだ創作朝生菓子
個人的な印象ですが。
フルーツや雑穀などの植物性素材(=つまりヘルシー&ナチュラル)を
新しい切り口で取り入れながら
小豆の風味を活かした餡づくりなど、
“本来の和菓子らしさ”から逸脱しないように意識したものが増えている。
そう、ある意味センス良いのだ、新世代。
いまの嗜好に合わせておしなべて甘さは控えだし。、

千駄木のむさしや“桃の桃山”

池上の大國屋“雑穀餅”
たとえば「むさしや」の丸ごと若桃が入った桃山や
「東肥軒」の生きんつば、大國屋の雑穀餅、
菓匠花見の(催事用だった)パッションフルーツやベリーの葛桜など……
嬉しいことに 皆さん熱心に取り組んでいるので上質のものが多い。
そのあたり高度経済成長期とはちょっと違う。
材料会社も次々と新しい素材を開発するし、
製菓業界専門誌などにも、さまざまな提案が成されていますから
当然、参考にすることも多いのでしょう。
「菓匠花見」'08催事限定販売の果実あんの葛桜たち。 吉野本葛使用の逸品揃い
朝生菓子に創作意欲を燃やすって
ある程度、環境が整わないとムズカシイのかもしれません。
まずは昔ながらの朝生菓子を丁寧に作り続けて頂きたいのは言うまでもなく。
でもさ たまに秀逸な創作菓子に出会うと
すっごくワクワクして
なんていうか…食い気がたぎる。
お月見の朝生菓子“なす”求肥に柚子あん
●過去の三原堂の記事
・すいか、麩饅頭,水羊羹、くず桜など
・「桃香」と栗あん「本郷焼」
・葛撰 絹ごし小豆
◎登場店関連記事
・壺屋総本店他多数
・むさしや」
・むさしや(桃山)
・東肥軒」
・大國屋
★おまけの話★
その1)例に挙げたお菓子のご主人(職人)たちは製菓学校に通った方やコンテスト入賞者。実際、製菓学校では進取の素材を使って指導しています。生徒さん制作の上生菓子を頂いたが質が高い。
その2)以前は直営である茗荷谷三原堂での買い物が多かったけれど、今年は本郷へ行く機会が増えて朝生目当てにしばしば本店に立ち寄ってます。
ところで前回の梅寿軒のカステラ以来、和菓子屋さんでカステラを見るとたまらずに購入。
東大病院からほど近い本郷三原堂では お見舞いのお持たせ用にとあらかじめ半棹を四切れスライスにしたものを販売。
今さらながら、父にも買ってあげれば良かったなーと反省するフリしながらパクついている。親不孝者。
三原堂の自家製カステラ 東大病院の見舞客に好評だとか
●店のデータ
◎本郷三原堂
初代は人形町「三原堂」で修行、昭和7年に本郷で開業。茗荷谷三原堂でも本郷本店で製造した菓子を販売しています。向の洋菓子店も直営店。
拙著「東京 いとしの和菓子」所収のお散歩エッセイに登場します。
・じゃがいも:180円(秋の朝生菓子・白小豆 小麦粉 上用粉 砂糖 じゃが芋 シナモン コーンスターチ 卵白 牛乳 バター 塩)冷暗所保存
・さつまいも:180円(秋の朝生菓子)小麦粉 砂糖 白あん 薩摩芋 さつまパウダー 水飴 生クリーム シナモン 膨張剤 着色料・おこげさん 160円 砂糖 羽二重米 小豆 米粉 醤油 トレハロース 水飴
・なす:180円(白隠元豆 砂糖 上用粉 うき粉 餅粉 本葛 柚子ピューレ 柚子オイル 白玉粉 水飴 酵素 着色料
・豆大福 (糯米 小豆 砂糖 水飴 赤えん豆)
※本文に登場する菓匠花見は浦和の和菓子店(参考サイト)。ちなみに「東京 いとしの和菓子」所収のデパ地下エッセイに登場します。
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http://hikaku-lin.com/link/register.html
こちらより、相互リンクしていただけると嬉しいです。
まだまだ、未熟なサイトですが、少しずつコンテンツを充実させていきたいと思ってます。
突然、失礼しました。
xJgy859d
写真にぶぁっと惹かれ、文章ですっと引き込まれます。
読んでいると味の想像がふっと浮かび、ほっこりできる!!
由貴子さんの大ファンです。
今回のじゃがいも、さつまいも、前回のカステラ同様、ノックアウトでございます。
ぜひとも味わってみたいものです。
実りの秋、これからますます和菓子がおいしくなる季節になりますね。すてきな写真、文章とともに、これからもたくさんの和菓子を紹介してくださいね。楽しみにしています。
北海道出身なので、久々に銘菓わかさいもが食べたくなりました♪
チロリンさんと同じく、わたしもわかさいもを食べたくなりました。
それにしても・・・やっぱり食い気なんだ(笑) いや、当然ですとも。
コメントありがとうございます。御サイトの内容を理解してからあらためて検討させていただきます。
はじめまして、いつも読んで下さってるなんて感激です、ありがとうございます。
>味の想像がふっと浮かび、ほっこり
嬉しい〜、何よりのお言葉です♪これからもそう感じて頂けるように、心して食い意地張っていきます。秋はじっくりと美味しいモノを堪能できる季節。今年は豆類が不作のようで心配ですが、きっとじゃがいもやさつまいもは充実しているでしょう。秋の和菓子は魅力一杯、ブログで一緒に楽しみましょう〜。これからもよろしくお願いします♪
北海道の方にとってわかさいもってやはり身近なんですね〜。お芋の形ってそそられますよね。
シナモン嫌う、ああそうでした、でも無視無視。
棹物ではないから、堂々と一人で召し上がって下さーい。
わかさいも、昨年買ったら環境サミットのシールがバーンと貼ってあってちょっと驚きました。
そりゃあ 食い気しかないもん。
見た目もそのまんま!一度は食べてみたいですね。
さて、いよいよ秋到来!大好きなさつまいも〜♪の季節ですぅ〜。と言いながら、新物はもうとっくに出回っており、暑い8月からすでに頂いております! あんころりんさん、待っててね〜♪
じゃがいも甘納糖
http://www.rakuten.co.jp/otaruogura/408347/389385/410954/#340670
甘納糖以外ではほとんどでんぷんくらいでしかお菓子の世界に出ることができなかったじゃがいもを主人公にした本郷三原堂さんに拍手です。
じゃがいもの和菓子なんて珍しいですよね〜。
さつまいもはどうころんでもおいしいけれどじゃがいもはいろいろ工夫が必要ですからね。
私も一応新物蒸かして食べてます。が、本場の美味しいお芋はさぞかし美味しいことでしょうね。
うわ、期待しちゃっていいんでしゅうか♪
お返事が遅くなりすみません。
じゃがいもの甘納豆もかなりのレアものですね〜、情報ありがとうございます。甘いじゃがいもお菓子は珍しいですね。私の通う和菓子スタジオの先生が著書でレシピを発表してますが、それ以外には知りません
ご訪問ありがとうございます。
和菓子のシーズンですね。
お彼岸、十五夜、お散歩もいいし。
秋はやっぱりベストですね。
そうですね、秋は和菓子がホントに恋しくて。そして美味しい季節です。
お彼岸はお萩作りですか。十五夜が楽しみです♪
あ、ちなみに白小豆です、大きくないの(笑)。
本郷にある某大学の教授に学生時にお世話になったので(所属はもちろん某大学に有らず),本郷三原堂さんにもちょくちょく行きました.しかし和菓子って見た目では中身がなかなか分からない物ですね,自分好みのお菓子をかなり見逃していたかもしれません.
個人的には初夏に出していた道明寺で青梅を包んだお菓子がミラクルヒットでした.あんこ無しなんて・・・なんて挑戦的!と思ったものです.
かなり創作系のお菓子が多いな・・・・なんて偏見を持っていましたが,そこはお店の方に構成をよく伺い,自分好みの一品を探らなければいけませんでしたね.
久しぶりに行きたくなりました.ちなみに一幸庵と一炉庵さんにも(名前が良く似ている・・・)良く行きました.
なつかしやなつかしや・・・・
お返事が遅くってすみません。
創作系のお菓子に偏見、ってすっごくよくわかります。トライして失敗することも多々ありますし。本郷(と茗荷谷)三原堂は簡単にお菓子の説明が書いてあるのが親切。さらに突っ込んで伺っても親切に教えて頂けますから、次回は参考になさってはいかがでしょうか。
青梅のお菓子、さぞおいしかったんでしょうね〜。
なすの色合いがとても素敵ですね。
こんな色大好きです。
では、応援ポチッ☆
お返事遅れてすみません。
>豆大福しか買ったことないんです
え、それは珍しいかも(笑)。
minさんかなり豆大福好きですね。つる瀬の豆餅も好きです。秋冬は餅菓子うまいですね♪