餅粉使用のもっちりカステラ、大納言みっちりの粒あんがうまい。画像下は総本家駿河屋の干支羊羹と佐土原人形
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今年は寅年、当然ながら12年に一度のことです。
我が家は母が年女。
なので例年より熱心にトラもの、干支菓子を購入しました。
その一つが京都の老舗「亀屋良長」が創作した
ロールカステラ風の・・・
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・・・“虎乃満喜”。
丹波大納言小豆の粒あんを
小麦粉と餅粉を用いたカステラ生地で巻いた棹菓子です。
読んで字の如く“虎の巻”に想を得た干支菓。
古い漫画で忍者が口にくわえてるアノ巻物ですが、
ルーツは中国周の時代の六つの兵法書「文・武・竜・虎・豹・犬」の一つで
もっとも難易度が高く重要なのが“虎の巻”なのだそう。
もちろんそれが虎模様であったとは思えないけれど
虎皮模様の“虎乃満喜”は巻物版ラムちゃんか。
どらやき(虎焼き)なら珍しくもないけれど
一本の棹物っていうのがやけに魅力的でした。
享和三年(1803年)創業の老舗「亀屋良長」。
代表銘菓は黒糖入りこしあん製の“鳥羽玉”
200年続く銘菓ですが残念ながらこれは未食。
この店は菓子づくりに地下から湧き出る「醒ヶ井」の水を使うことでも知られています。
この井戸は一般にも公開されて
洛中三名水のひとつであるこの水を自由に汲むことが出来ます。
これまた行ったことないけど。
ところでいま気が付いたけれど
“虎乃満喜”は「亀屋良長」創作による高島屋限定オリジナル干支菓。
終了しちゃってました、すみません。
ちなみに京都の屋号には亀屋某が多く
なかでも毎度々々混乱する
「亀屋良永」は御池煎餅、<
「亀屋清永(清長ではなく)」は清浄歓喜団、でそれぞれよく知られている。
※過去の清浄歓喜団の記事はこちらです。 でもまた京菓子舗の屋号は混乱しそう…。
閑話休題。
重厚感あるカステラと大粒大納言あんの組み合わせ。
ボリュームたっぷりでいかにも濃厚そうな雰囲気。
が。思いのほか瑞々しく軽い口あたり。
決め手は粒あんのフレッシュ感の高い味わい。
柔らかに炊いた大納言小豆の粒を崩さないように
煉りすぎず上品な甘さに仕上げています。
そして和菓子における10日程度の賞味期限ってのはビミョーな長さ。
がっちりした仕上がりよりもフレッシュな味わいを大切にしたようです。
鮮度が要、コピーライター不使用ってかんじの能書がたまらない♪京都老舗
もちっとしてもあっさりしたカステラにツブツブの餡
ついついスイスイ後を引きました。
これがこわーい。
棹菓子の恐ろしさは
チマチマ薄〜くスライス、をくり返しているうちに
ふと気が付くと10pくらい食べ進んじゃうこと。
口あたりが軽いたって粉モノと粒あんですから
カロリーなんて意識すると空恐ろしい。
ちなみに材料として一般的な長崎カステラと異なるのは
餅粉を使っているのと
もうひとつ「炭酸」つまり重曹を用いている点。
ロール状どらやきと呼ばせて
本来の長崎カステラに膨張剤の類は使いませんが、
(例えば福砂屋は卵・小麦粉・上白糖・白双糖・水飴) )
虎乃満喜は(どらやきなどと同様に)重曹でふっくらさせてる。
蜂蜜も入ってるし、粒あんの具合からして
ロール状どらやきと言えなくもない。
一期一会の限定干支菓子だったけれど
半棹タイプで復活しても良さそう…。
もうひとつは「福の寅」。
「総本家駿河屋」(和歌山)の干支羊羹です。
黄に染めた白あん羊羹に小豆かのこ(蜜炊き大粒小豆)を散らして
虎をイメージしています。
クチナシで色を出し、ベースの白あんはいんげん(=白手亡豆)を用いてます。
“福の寅”白あん羊羹には珍しく小豆のかのこ(小倉)
なぜだかここ最近、羊羹にアディクトしております。
手元に羊羹がないと不安、口サミシ〜と思うと心はよーかんを求めている。
ううむ年々甘味的にはより濃厚嗜好へと傾いているようだ。
そこで「総本家駿河屋」。
室町時代中期に創業、540年ほど続く老舗であり
和歌山ほか京都伏見などで営んでいます。
豊臣秀吉の命を受け、始めて“伏見羊羹”を調製し
その後、寒天を用い煉羊羹の製法を確立したと言われている。
本店限定「古代伏見羊羹」紅色“煉羊羹”と“夜の梅”。まわりが糖化したシャリ感が特徴
現在も元祖として「古代伏見羊羹」を代表銘菓とする
羊羹オーソリティ的ポジションにあります。
画像下は本年個人的年賀状のイメージキャラクター「佐土原人形」&「福の寅」
その元祖が調製した透明感ある黄色の小倉羊羹「福の寅」
例の如くスライススライススライス…
(よーかんこわい)と思いつつ美味しくいただきました。
2年ほど前、古代伏見羊羹「紅羊羹」と「夜の梅」を
いただいた際はさほどの印象は持たなかったけれど
羊羹アディクター(!)となりつつある現在、
いったいどう感じるだろう……。
古代伏見羊羹
まだまだ新春のお菓子はたくさん頂きましたが
目指せサクサク更新、ってことで
とりあえずは今日はここまで。
思い切りは大切だ。
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★亀屋良長百味会HP
・虎乃満喜(2010年限定干支菓子)一棹2000円
:砂糖 小豆 卵 小麦粉 餅粉 水飴 蜂蜜 炭酸 トレハロース
★総本家駿河屋
・福の寅(2010年限定干支羊羹)一棹1000円
:グラニュー糖 生餡(いんげん) 小豆かのこ(砂糖 小豆 還元水飴)水飴 寒天 クチナシ色素
※どちらも新宿高島屋 銘菓百選にて
*高 由貴子著
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それにしても、あちこちのお店のお菓子を見て、虎のイメージっていろいろ広がるんだなあと感心してます。あらためて和菓子のすばらしさを感じました。
あ、あんころりんさんは棹菓子をいただくときは思い切って棹ごといかれた方が、途中で止められるのではないかと・・・(笑)
やはり同じような感じ。
本当、どんどん食べ進んでしまうの分かります〜。
あんころりんさんは今、羊羹中毒ですか!
私、とりあえず餡子ものなら何でも・・・ってな感じです。怖いです・・・。ハハハ。
そうそう、前回の“花びら餅”って実はまだ未食なんですよねぇ〜。
古代伏見羊羹煉羊羹は私のデジカメではエンジ色になってしまいましたが、「紅羊羹」の再現だけにあんころりんさんの画像みたいにもっと明るい色なんですよね。(笑)
北海道物産展でロールケーキを買う確立が高い私にとって亀屋良長の和風ロールケーキといった感じの棹菓子、とっても気になります。 棹で売るなり、カットして売りなりでレギュラー入りしてもらいたいところです。
洋菓子にないふんわりとした生地と粒あんの組み合わせ、そそられます。
お返事が遅れてすみません。
>「高島屋限定オリジナル」にやめとこ、
そのワケは高島屋だったのか、オリジナル限定だたのか(笑)
縁起物ってやはり歴史あるお菓子を選びたくなりませんか。私は当初富山県の「虎満喜」と勘違いして予約しちゃったのです。が思った以上の鮮度と味で♪
和菓子はそのものスバリなルックスから行間を読むような創作性もあって興味をつきません。
>思い切って棹ごといかれた方が
そうか。でも薄切りした方がおいしい様な気がして…笑。
お返事が遅れてすみません。
宮崎の虎巻き、おいしそ〜!
調べると長崎や島原に黒糖虎巻きってお菓子があるそうですね。
あんこもの全般ってのもなかなかオソロシイ(笑)私は寄る年波で濃いワンショットに傾いてるようです。そちらの花びら餅も同じかんじなんでしょうか。興味湧きますね。
羊羹頻度の上昇は笹団子さんもですか。私はほんのすこし前まで絶対蒸し羊羹派だったのですが、最近は煉羊羹の濃厚な味に傾いています。
えんじ色の羊羹…おいしそうな気もします?(笑)
私は開催中の北海道展で雪だるま焼きとたいやきを頂きました〜。