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「和菓子wagasi」−東京のお菓子・菓子パンを歩く

2010年01月29日

八百源來弘堂(大阪)肉桂楽〜堺伝承かすてーら
ジャリジャリ+シナモンの相乗効果

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肉桂とシナモンの違いは?
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前回からのカステラつながりでもうひとつ。
大阪の老舗「八百源來弘堂から
堺伝承かすてーら“肉桂楽”。

肉桂は好みを選ぶスパイスのひとつ。
肉桂=ニッキ…つまりシナモン・・・・

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(↓小さな画像はすべてクリックで拡大できます♪)

・・・・のことですが独特の甘い香りは
ある種、漢方薬的でもあります。
日本肉桂とシナモンの違いこういうことだそうで。
金つばの幸福堂 幸せ和菓子日記ではプロの視点から興味深い説明をなさっている。


香りは甘いけれど
味の方はピリッとスパイシーで苦みもある。
まるで艶っぽい女のひとみたいです。
そういや手作りのニッキ飴なんてメントールよりもひりひりする。

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すべて手づくりの谷中「後藤の飴」もっとも辛口はニッキ飴



さて元禄元(1688)年創業「八百源來弘堂」。
320年以上続く老舗の真骨頂は肉桂を使った和菓子です。
代表銘菓の〔肉桂餅〕〔肉桂涼感] など読んで字の如く。

そして〔肉桂楽〕はニッキ風味のかすてーら
か〜なり好きです。

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肉桂涼感:竹流し水羊羹(材料:白豆 砂糖 寒天 肉桂 葛粉 調味料(アミノ酸等))


カステラのバリエーションによくある抹茶やココア風味。
それらに興味を惹かれることは稀なのですが
和のシナモン肉桂=ニッキ”とカステラの取りあわせ。
ありそうでなかった…少なくとも私は知らなかった。

実物を目の前にして材料表示を見ると
鶏卵 砂糖 小麦粉 水飴 もち米飴 肉桂 白双糖(ザラメ)

膨張剤の類を使わずに
白双糖としかももち米飴を用いている…。
こりゃかなり本格的なカステラに思えます。
加えて“底にザラメ入り”の宣伝文句も魅力的だったので
予定を変更して獲得しました。

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ちなみに白双糖(しろざらとう)とは純度の高い砂糖(氷砂糖に次ぐ)で
すっきりとした甘さが特徴。

上生菓子の他たとえば
松島屋の粒あん清寿軒のどらやき柳屋のたいやきなど
後くちの良い小豆あんに用いられています。
そう言えば麻布十番「紀文堂」人形焼のあんには
さらに稀少な鬼双糖を使っています。
それから一元屋のきんつばは氷砂糖だ。

も一つ,もち米飴について
水飴の類で上質(高級)とされている。
コクのある風味と艶やかな色合いはカステラに欠かせないと
松翁軒ほかで使われています。
〔※参考品:古式もち米飴

とまあ、例の如くジャケ買いならぬ“クレジット(表示)買い”したわけです。

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デパートで楽しいのはクレジットタイトル〔表示〕買い出来ること
ところでダウンロード世代にジャケ買いはあるのか?

さっそく箱を開けるとぷうんと漂う肉桂の香り
ところが。
箱入り5切れ中の最初のひと切れでは(底面ザラメはどこ?)って程度。
まあお目当てのニッキ風味は充分なので(いっかー)。
さほど落胆もせず二切れ目をいただくと
(お〜っ来た!)

底面にたっぷりの白双糖(ザラメ)がザリザリザリっと。
食感とキレの良い甘さがニッキ風味によくあうこと。
一躍魅力的なカステラに豹変したようだ。
ウマサ五倍増であります。

家族も(これはうまいっ)と。
正月から取りあうように平らげました。

IMG_8581-1.JPG

取りあわせってホントに不思議。
もしも底のザラメパンチ!なければ平凡な印象で終わっちゃったでしょう。

ちなみに“バラつき”は製法によるものでしょうか
カステラ本家「福砂屋」や「松翁軒」の製法は
白双糖はあらかじめ敷くのではなく、生地に用いて底に残るように焼き上げるという。
そして、まんべんなくザラメが行き渡るように
木べらで混ぜ合わせる“泡切り”作業が欠かせないのだそう。

肉桂楽
“あらかじめザラメ”製法?or泡切りが9割程度?
…そうやって重箱の隅をつつくなよ、と自分でも思うけど。

いずれにせよ、ザラメ含有部分は。
また食べてみたいと思わせるクセになる味わいでした。

IMG_8576-1.JPG


ところでなぜに大阪の堺でカステラなのか?

堺は安土桃山時代、長崎同様に国際貿易港のある自由都市。
東方のベニスと称され
琉球から砂糖、南方からは香木香料など珍しい品が豊富に出回っていたという。
南蛮菓子カステラ香料の肉桂もポルトガル交易でもたらされた貴重品。

というわけで現代に16世紀を彷彿とさせうる
肉桂とカステラを合体させ創作したようです。
なるほど。

ちなみに長崎は伝オランダ、堺は伝ポルトガルと言われている。
でも長崎カステラのパッケージってポルトガル風だったような?

・・・うっかりするとここでまた探索迷路からエンドレスに…。


ともあれ。
500年経っても
オリエンタルムード漂うニッキの香しさ
+ザリザリザラメは魅惑的。

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★おまけの話★
今年は元旦法事用菓子のほとんどを新宿高島屋で購入したので
一月は地方銘菓記事が続いてしまいました。
例年であれば大晦日に淺草詣するんだけど、この年末年始は 家族が入院という事態。これがたまたま高島屋から徒歩5分の病院だったので毎日利用させて頂きました。

いまはいつもの様に東京のお店にせっせと通っております。
好みのアノ店この菓子をご紹介したくサクサク更新目指したい。
が、今回も仕上げにだらだら足かけ5日…

八百源來弘堂
肉桂楽一包み(5切れ)900円 取り寄せ可
鶏卵 砂糖 小麦粉 水飴 もち米飴 肉桂 白双糖〔ザラメ) ※どちらも新宿高島屋 銘菓百選にて

高 由貴子著
東京 いとしの和菓子 あんころりんのおやつめぐり

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posted by あんころりん at 07:26| 東京 ☀| Comment(13) | TrackBack(0) | 近畿、東海(京都、大阪、名古屋・・) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
うちの旦那はカステラの底にざらめがついていないと、
「そんなものはカステラにあらず」と立腹します(笑)。
昔はみんなジャリジャリだったよね。
カステラとシナモン、相性よさそう〜♡
Posted by チロリン at 2010年01月29日 12:15
はじめまして。
こちらのブログに出会って以来、眠っていた
我が内のあんこDNAが火を噴くように目覚めまして、
御本やこちらの記事を参考に、たくさんの素敵な
お菓子にめぐり合えました。ありがとうございます。

八百源來弘堂も気になって気になって
取り寄せしようか迷っている最中の記事でしたので
びっくりして思わず書き込みしてしまいました。
取り寄せます。ええ、絶対に。決定です。

あんころりんさんのおかげで
地元の小さな和菓子屋さんの貴重さにも気づき、
有名店や老舗等に負けずとも劣らない
お菓子たちにも出会えました。
機会があればぜひ紹介させていただきたいです。
(あ、ちなみに地元は深川です)
それでは長々失礼いたしました。
今後とも素敵なブログを楽しみにしています。
Posted by わこ at 2010年01月29日 13:46
うをうをうを〜ものすごく興味あるぞ〜〜〜。
でも我が家にはシナモン、肉桂と聞いただけで顔を背けるヤツがおりますゆえ、わたしはひとりで外出した時にシナモンドーナツなどを密かに食べているわけです。
機会があったらこっそり隠れ食いをしてみたいと思います(笑)
Posted by kozue at 2010年01月29日 17:30
年末年始は大変だったようですね。

実は去年、堺の八百源來弘堂で肉桂楽を試食させていただきまいた。 これも買って帰りたかったのですが、見送りました・・・。(涙)

肉桂餅と肉桂羊羹の詰め合わせを購入しましたが、箱のイラストは南蛮人でしたよ。
http://green.ap.teacup.com/gogodango/929.html
Posted by 笹団子 at 2010年01月29日 21:01
連投失礼します。

お店の外観画像は以下のリンクにあります。
店内にはニッキの香りが漂っていました。
http://photozou.jp/photo/show/273256/26868267
Posted by 笹団子 at 2010年01月29日 21:52
チロリンさん
お久しぶり〜。
じつは私、昔はあのジャリジャリ苦手だったのよ。旦那さん、甘いモノが苦手だと思ってたけどカステラザラメはお好きなだったのね。シナモン、焼き菓子には合いますね。
Posted by あんころりん at 2010年01月29日 23:49
カステラって滅多に食べる事ないんです。
甘すぎる〜のがちょっと・・・。
でも、なぜかあんころりんさんの文章と画像を見ると絶対美味いに違いないと思わせるのです。
不思議な力をお持ちで・・・(笑)。

ニッキはちと苦手ですが(ニッキ飴など特に)、シナモンはだ〜い好きです。
Posted by いもすけ at 2010年01月30日 06:42
わこさん
はじめまして。いつも読んで下さってありがとうございます。本もお読み頂いたとのこと感謝感激です。
和菓子って魅力に気づくと奥の深さもあってどんどんひきこまれてしまいます。ご近所の和菓子屋を愛用できるわこさん、きっと感受性がゆたかなんでしょうね。深川は良い和菓子屋さんがたくさんありそう、いろいろ教えて下さい♪
八百源來弘堂、私的には水羊羹はさほどピンとこなかったのですが、肉桂楽はヒットでした。お取り寄せで好みのお菓子巡り会えるよう祈ってます♪
またいつでも気軽にコメントください、私もさらにモチベーションあがります!
Posted by あんころりん at 2010年01月30日 23:31
kozueさん
いいでしょ〜これ。当初他のかすてらを予約してたのですが急遽変更してしまった
「肉桂は好みを選ぶ」って話はkozue家を念頭においていたからとも言えます(笑)。
しかしシナモンてかなりいろいろな焼き菓子やヴィエノワズリに使われているからなかなかご苦労でしょう。肉桂楽はスライスしてあるから一人でこそこそ楽しんで下さーい。
Posted by あんころりん at 2010年01月30日 23:38
笹団子さん
ご心配恐れ入ります。
いらしたんですか〜、うらやましい!肉桂餅、東京でも購入できるけど、出来るなら本店で購入したいと思っていました。画像情報ありがとうございます。どれも興味深く楽しいですねー。なかなか各地方に出向くことがならないのですが。笹団子さんのお話読むとやはり本店に行きたくなります。
いいなあ香りがするお店、ステキです♪
Posted by あんころりん at 2010年01月31日 17:39
いもすけさん
私もつい最近まで、おいしいと思えるカステラに出会えず興味もなかったのですよ。長崎にはたくさんおいしい店があるようです。って別にそうお近いわけでもないですね(笑)
>文章と画像を見ると絶対美味いに違いないと思わせる
なんて嬉しいこと仰る(笑)。単にホントにおいしいと感じているからだと思いますよ。食いしん坊の勲章かしら。
Posted by あんころりん at 2010年01月31日 17:44
数々のお褒めの言葉ありがとうございます
ザラメの件は私も満足していないんです
その点はこれから勉強しなければと
江戸時代に鎖国 長崎だけ貿易港となって
堺は忘れ去られてしまいおよそ400年
以来の 堺ならではのカステラの創作です
お許しください ごひいきよろしく
八百源店主
Posted by シナモン王子 at 2010年01月31日 18:52
シナモン王子さん
初めましてこんばんは。コメントありがとうございます♪
こちらこそ、御店主自らご訪問いただき恐縮です。肉桂楽、インパクトあるおいしさを堪能させて頂きました、おいしいお菓子をありがとうございます。そしてもっとおいしくなるのは大歓迎です♪
食べる方はラクチンですから好き勝手な感想を述べております。
堺のお話はとても興味深く読みました。和菓子に惹きつけられるのは背景にある歴史や物語が魅力的だからなのです。
八百源來弘堂のお菓子づくりこれからも期待しております。
Posted by あんころりん at 2010年02月01日 23:22
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