岡三英堂“季子ごよみ・秋”
“四季折々”
『和菓子wagasi−東京のお菓子・菓子パンを歩く」
10月にオープンした話題の“コレド室町“。
その並びにあるのが「にほんばし島根館」です。
日本橋界隈は各地方のアンテナショップが多い。
けど、なんてたって和菓子に関しては・・
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…ココ「にほんばし島根館」が外せません。
舞い上がるほどバラエティ豊富に取り揃えています。
なにせ島根の県庁所在地は茶の湯処“松江”。
クオリティの高い和菓子屋さんが・・・ ざっくざく町中にある“らしい”。
…そーです、行ったことないのよ松江。しくしく。
ジミ、とか、もっとも位置の認知度低い県だの言われたって
和菓子好きにはあこがれの地、出雲。
神さまだって先月は皆この地に集まった。神有月。
ともあれ。
デパートや和菓子店だけでなく
各地方アンテナショップもあちこちにある日本橋で
毎度立ち寄るのが「にほんばし島根館」。
コレド…の集客を意識したのかこちらも先日リニューアルしたばかりです。
そのリニューアルオープン当日の10/15も含めて
10月中は4度訪問する機会があったのだけど
和菓子売り場はこれまで通り、変わらずとても楽しい〜。
通年商品オンリーでなく季節ごと変わるお菓子も多いなか
この秋、とりわけぐい〜っと惹きつけられたのが
「岡三英堂」の“季子ごよみ・秋”と
もう一つ「高見一力堂」の“四季折々”。
「季子ごよみ・秋」ひと箱がなんと衝撃の630円♪
どちらも平凡なネーミングでパッケージもフツー。
うっかりするとタダの土産モノにさえ見える。
だがしかし。お菓子はとっても稀なるもの。
そして奇しくもというか、予想通りというか
どちらも半生菓子でござんした。
まずは四季のお菓子「季子ごよみ・秋」。
松江の有名御菓子処「岡三英堂」は河井寛次郎命名による銘菓“日の出前”が印象に残っています。
(河井寛次郎関連記事)
皮むき餡を使った棹菓子“日の出前”(岡三英堂)
で、「季子ごよみ・秋」
“ふわんふわん”の食感が
あららららマシュマロみた〜〜い。
季節感ある素材のあわせ方はギモーブっぽいとも言えます。
(注:なぜか日本では英語と仏語の違いだけではないマシュマロ&ギモーブ)
卵白と寒天を使ったクリーム色の泡雪生地に
きざんだ栗、緑とオレンジ色の寒天片を混ぜ込んで
秋の彩りを手軽な半生菓子に仕立てています。
メレンゲ(ムラング)的な断面
テクスチャーやサイコロ状にカットしたフォルムもおしゃれだし。
何より美味しそう〜。
卵白の“メレンゲ”感に寒天による弾力を与えた、とでも言いましょうか。
キメ細かな気泡にぷりんとした口あたり。
上生菓子の淡雪羹より歯ごたえがあって後を引きます。
指で千切るとムチッと割ける。そんな触感&食感。
さらに“麦粉”を加えてあるので独特の香ばしさがある、はず。
はず、ってのは食感のインパクトが強くて “こうばしさ”の印象が薄れてしまいました。
フツーは“香ばしい!”という印象、とは知人談。
このひと箱がなんと630円というのには驚きます。
材料表示を見てもごく真っ当で好印象だし
松江の和菓子ってコストパフォーマンス高いものがホント多いです。
いろいろな意味で“見せ方”にひと工夫すれば
さらに広まると思うのですが。
もう一つの「四季折々」も季節の彩りを形にしたもの。
やはり松江でよく知られた御菓子司「高見一力堂」による半生菓子です。
これは素晴らしくよく出来たひと箱です。
「四季折々」ひと箱630えん也
四つに仕切った中にはそれぞれ
寒ごおり(すり琥珀)が2タイプ、黒糖の錦玉と白砂糖の錦玉が各一種類。
この秋バージョンでは
銀杏と菊が“寒ごおり”、栗くんが黒糖の錦玉、葉っぱが白錦玉。
かわいいし、コンパクトな割にどれもたっぷり詰めてある。
栗型は黒糖の錦玉
しかもとてもとてもクオリティが高い。
これがまた寒ごおり好きには信じられないほどのお手頃価格。
あまり価格に言及するのもヤボですが
松江のお菓子の手頃さは、つい吹聴したくなります。
まず
寒ごおりのポイントである“なめらかさ”はどこにもひけをとりません。
とろけるような口どけにさらりとした後味。
めちゃめちゃ手頃だし、自分用にはもうこれさえあれば充分かもってかんじ。
寒ごおりの菊
そして、驚いたのは錦玉(琥珀)の繊細さ!
濃茶色の栗は黒糖風味でまるでカラメルのような香ばしさ。
そしてデリケートなことに軽く噛んだだけで、シャリリと崩れる。
砂糖を控えめにしているのでしょうか、粘らず軽やかです。
軽やかなカラメルを思わせる香ばしさ、黒糖の錦玉(琥珀)
甘さもさらっとしていて2〜3個は軽い。
半生菓子の“錦玉”(琥珀)ではベストの味です。
この「四季折々」もまたごくシンプルな材料で作られており、再び好印象。
“砂糖、寒天、黒糖、着色料”漢字のみ、わかりやすい材料。
これだけで常温にてしっかり2週間日保ちします。
味よし、ボリュームOK、かわいくて安心&日常的価格。
さすが朝から食卓で薄茶を点てるという土地柄ならでは、です。
寒ごおり(すり琥珀)にグラニュー糖をまぶして
余談だけど。
半生菓子振興会(詐称、いや自称)ですから
半生菓子と見ればすかさずチェックを入れるんだけど。
こういったちょっとお土産っぽく見える(失礼)詰合わせって
日保ちを良くするようなカタカナ材料を混ぜたものが多い。ということに気づかされます。
半生なんだもん、もっとシンプルでイイのでは、と買うワタシは思うのだが。
ともあれ「季子ごよみ」も「四季折々」も冬バージョンが楽しみです。
最後に「にほんばし島根館」で購入したお気に入りをいくつか。
出西生姜をまぶした砂糖掛け黒豆“出雲国国産大豆”(北陽製茶)
大豆を使った珍しい“豆板糖”(黒糖味あり)(西八製菓)
柚子をきざみ混ぜた“柚餅子”(福田屋)
“ゆずの砂糖漬け”(西八製菓)
ぶたさんの小倉最中“しっぽもひと役”(天満屋)
栗を包んだ蕎麦薯蕷饅頭“宗納”(岡三英堂)
“宗納”はkozueさんが詳しくこちらで紹介しています。
白ごまの利いた求肥“路芝”(風流堂)
松江の不昧公三大銘菓(山川、若草、菜種の里)もそれぞれ好きですし
山川(風流堂)
画像が見つからないけれど
シベリアみたいな「錦小倉」(高見一力堂)も魅力的な和菓子です。
あーなんだか無性に食べたくなってきた。
松江に出向く予定がまったく立たないので
いましばらく「にほんばし島根館」せっせと通ってやる〜。
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・島根の和菓子 過去の関連記事
・彩雲堂 ニューヨーク菓子、栗ういろう、柚子衣、玄々ほか
●店と菓子のデータ
にほんばし島根館
03-5201-3310
岡三英堂
高見一力堂
★おまけの話★
◎再び(みたび)kozueさん編みぐるみの文化祭が11/23〜28まで千駄木空間で開催します。
詳細は作品展「役に立たないきのこの文化祭」。
こんどはきのこ。“役に立つ、立たない”決めるのはキミだ!HP必見です。
◎「にほんばし島根館」のお向かいは日本橋三越本店で地下「菓遊庵」と併せて廻ると充実の和菓子めぐりとなります。
◎コレド室町オープンに居合わせました。
ついでに新装オープンしたピカピカの「木屋」にて包丁購入。
元あった木屋の本店はすっかり閉めてコレド一階に移転。
旧い店は居心地良かったので、よく覗いていたんだけど
見通し良すぎるガラス張りの店ではなんだか焦って買い物してしまった。
タロー書房やにんべんなど周辺の老舗がコレド室町におさまったのは個人的にはちょっとつまらない。
町は変わるモノだから仕方ないんでしょうけれど。
日本橋再開発事業、橋のお掃除は楽しみにしています。
高速道路はどうなることやら。
新しい「木屋」店舗前
◎「Jogboy」というウォーキングアプリで和菓子&パン地図を こんなかんじで作っています 。歩きながら自動的に距離や時間、消費カロリーまで算出されて、写真も同時にアップ。画像アルバムと地図が同時に完成するスグレモノです。
●再びお知らせ●
・読売文化センター講座「東京のお菓子を歩く」若干名募集中、詳細はこちら と こちら
★あんころりんプロデュースのiPhone&iPadアプリ
「和菓子wagasi」−東京のお菓子・菓子パンを歩く
※内容紹介&サポートサイト
「「和菓子wagashiー東京のお菓子・菓子パンを歩く」サポート」
*高 由貴子著
『東京 いとしの和菓子 あんころりんのおやつめぐり』。
カラー写真も美麗
表紙(帯別)です♪
“いますぐ行きたい東京の和菓子屋さん、パン屋さん”を満載。
便利な地図も好評です。
東京のおやつめぐりをご一緒に。
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和菓子屋さんのあんドーナツ
にほんばし島根館、リニューアルしたのですね。
むにむにのギモーヴ風も惹かれるし、半生菓子の愛らしさも捨てがたし!
松江のお菓子はほんとに見目麗しくて素敵ですよねえ。
私は去年島根に旅行したのですが、お茶をたしなむ粋なお殿様がいた町はやっぱり違うなあと感心してしまいました。
出雲大社の遷宮が平成25年に整うそうなので、その頃にまた訪れたいなと思っています。
あんころりんさんもぜひ!
私、数年前に知りました!なのでやっぱり興味が出てくる。出雲、いつか行ってみたい所です。(一体何が目的なのか!?)
マシュマロって苦手なのですが、「季子ごよみ・秋」って落雁のようにも見えますが逆にやわやわなのですね。
東京は全国の物産館があって羨ましい〜(田舎にあってもしょうがないですもんね!)!!ホント物産館って楽しい♪今度東京行く時には「島根館」行ってみよ♪
今日たまたま島根館リニューアルが気になると話をしていたところ。うれしい記事でした〜。
一力堂は「ひとのいい老夫婦が地道に昔からのことをずっと続けているんです」ふうな雰囲気がとてもステキなお店でした。わたしはあそこの「若草」を食べて「若草はおいしいお菓子だったのだ」と発見しましたから。
はっきり申し上げますが、あんころりんさんはいずれ松江に行くべきです。風月堂や向月庵など、東京には出てこないお菓子屋さんを知るべきです!(笑)
http://www.shimanekan.jp/bsn/topic.html#nihonbashi_renewal
他に中国5県のアンテナショップのスタンプラリーを今月21日までやっているそうなのでいい機会なのかもしれません。 新宿にあった広島県のアンテナショップは残念ながら閉店になったので4つのお店のラリーなんですけどね。
高見一力堂ですが、かつては松江藩御用達を勤めていた老舗で上生菓子よりあんころりんさんお好みの半生菓子や干菓子中心だったと思います。
本店に社長がいらっしゃいまして、一つ尋ねると百答えていただけるので松江のお話を色々聞けました。 ご高齢の社長がご健在のうちに是非松江に行ってください。
お返事が遅くなりすみません。それにしても島根についてはとても好意的な印象をお持ちで、かつオススメして下さる方が多いのは驚きました。こうなりゃ次は松江目指して日銭稼がねば。
というわけで。
ぷるみえさん♪
こんにちは!コメントありがとうございます!ぷるみえさんもにほんばし島根館がお気に入りのようでウレシイです。リニューアルは主に奥の工芸品&観光ガイド部門ですが、テーブルなどが設けられてゆっくり出来る雰囲気です。それにしても島根のお菓子はホントに質が高くてリーズナブルですよね。ある販売員さん曰く、子供も日常的にお薄を点てるのよ。と。ぷるみえさんのお話でいよいよあこがれ度高まりました、25年目指します!情報ありがとうございます。
お返事遅くてすみません。ワタシも島根に注目したのは茶文化と和菓子がきっかけです。ていうか何につけても和菓子(か海)がきっかけだったりして(笑)マシュマロ苦手ですか。これはやわやわっていうよりむにむに、かな。どのみち残念ながら落雁ぽくはないのです。新宿のみやざき館も楽しいですよお。う言えば そちらの県庁脇のショップでもあれこれ買い込みました。アンテナショップって楽しいんですよねえ、ちょっとマイナーな品があったりして。
あ、そうだ!kozueさんのところに錦小倉の記事があったんだ〜。後で追加させてください。
そう、若草、全店の揃えるべきだ、島根館。と本でも書いたんだけどねえ。
わ、わかりました。そこまでkozueさんが仰るなら行きます、わたしゃ。っていうか、こんなにいろいろな方からオススメされるとは意外でした。ぜったい出雲にお菓子の神さまがいるに違いありません。がんばって風月堂や向月庵に行ってやるう〜〜〜。
そうでした、笹団子さんも松江をよくご存知なんですよね。これほどまでに訪れた方を魅了する土地柄なんですねえ、島根って。高見一力堂は何だかとてつもなく魅力的なお店のようですね。この小さな箱だけでもすごいのに、やはりお店に行かないと行けませんね。
>中国5県のアンテナショップのスタンプラリー
へえ面白いですね、情報をありがとうございます。ワタシも参加してみたいな、旅行券とか当たればなおいいですね(笑)
それから広島ショップ閉めたんですか。我が家からもっとも近いアンテナショップでしたが、毎回何も買わずに出てくる、そんなかんじだったのです、残念ながら。
ところが、5日の金曜日から今度は北海道のアンテナショップが同じ場所に開店しました。 初日の晩に行ってきましたが、混雑していました。 北海道の牧場直送の乳製品も色々置いてあるのでパン好きなあんころりんさんにはいいかもしれません。
なるほどあの場所であれば、売れ行きそこそこではキビしそうです。お隣の宮崎ショップはいつも混雑していますから。
北海道の品はいつでもどこでも人気ありますが、こちらも早速集客しているのですね。次回、立ち寄ってみます、情報ありがとうございます♪
松江の和菓子を賞賛いただき、嬉しいです♪
風月堂・向月庵は、にほんばし島根館には出店してないのでより価値ある存在なのでしょうね。
友人に和菓子を送りますが、いつも大絶賛!
”出雲蕎麦楽”はつぶあん党には絶対お勧めです。”花けしき”はかるかん風のかすてらに小豆がちりばめてあるすっきり味のお菓子です。記事になかったので書きました。HPの写真を見てください。
すみません!コメントを見落としてお返事が遅くなりました。
松江から見てくださってるなんて感激!です。
松江から和菓子が届けば皆さん大喜びでしょうね♪
出雲蕎麦楽と花けしきの情報ありがとうございます♪。さすが松江の方、おいしい御菓子をよくご存知ですね〜。じつは島根館にも置いてあるのですが、今回は書き切れませんでした。コメントフォローしていただいてとても嬉しいです。またお時間あるときに遊びに来てくださいね♪