↑煉り切りではない、大きな5色まんじゅう、その名も玉饅
和菓子でちょっとだけ良いもの、っていうと
何を選びますか?
より大きくより華やかにイケる味の「お宝饅頭」
より軽くより爽やかにグレードアップの「とらやき(濁音抜き)」
さてどちら?・・・
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両方イケるクチですが。
ぽちっと贅沢でおいしいものを、
自分のためにひとつ、
あるいは小さな手みやげに心もちいいものを、という場合
「きれいだし、ちょっと贅沢感あり」と
結局は煉り切りなどの上生菓子を選ぶようになりがち。
あるいはひたすら見た目で干菓子っていうのもありか。
確かに美味しいけれど。
視覚と大脳にはうれしいのだけど。
↑この後登場の軽やか“濁音なし”グレード高めの断面
「はふはふぱくり」と
ほっぺたに訴えかける感覚にはなかなか及ばない。
実際、手みやげにしても
和菓子になじみの薄い人や特に男子にはやはり受けが今ひとつかも
たい焼きやどらやき、大福そして“おまんじゅう”。
この手の朝生菓子や焼き菓子の力強い魅力には皆が抗いがたい。
ゆえに、たい焼や大福行列には年配男子まで加わって、
手にした時は頬をゆるめてパクついています。
しかしながら、
この手のあんこ菓子で豪華さを演出するには
量が欲しいところ。
一つ二つでは「私へのご褒美感」薄いし
チョい知ってる年長者へのおみやげには少量ではつらい。
↑専用の秘密、ではない小箱
そこでチョコレートや洋生菓子を携えることになります。
でもねー「カロリーがねー」という方や
ご年配男子にはさしてウケないことも。(自分自身もその手は苦手)
そんな時にはね、これとこれとこれとこれ、を。
見目も“ちょっとだけ”華やかでインパクトあり。
でも味わいは親しみやすい和菓子たち。
最初のこれ、は「玉英堂彦九郎」の「玉饅」。
平たく言えば「でかい栗入りまんじゅう」五層の断面図付き、
であります。
まずはこの「玉饅」大きくて腰高。しかもゴージャスな「五色」
豪華かつその大きさに「た、食べきれない・・」と思いきや、
いえ大きいからこそ、甘さがとてもさっぱり控えめで
しかも本当においしい「おまんじゅう」。
↑美味大型、すべすべ美白の肌はエステではなく薯預生地
見た目の濃さに反してさらりとした味わいで
結構イイ意味で予想を裏切ってくれるなかなかの切れ者です。
ゆえに食べ始めると止まらない、これが。
糖度もかなり低めのようで。
断面の正体は小豆粒あんに白あんベースのふた色、
中心の蜜煮の丹波栗も決して甘すぎず
バランスが誠によろしいようで。
皮も美味い。
山芋生地を使った薯預まんじゅうも世に数あれど
こちらの生地はかなり抑えた香りにふんわりとねばりあるコシが
大きなまんじゅうを食感良くまとめています。
↑玉英堂人形町本店
薯預生地は小麦粉生地の皮と比べると、
ぱさつきにくい上に色白美肌で味もぐっと上等です。
おそらく「煉り切り」一個に苦労しちゃうひとでも
このデカまんじゅうの方が案外クリアしやすい。と思う。
そもそも半分ずつ頂いてもまた楽しうれし。
装いもシンプルな白い表装の小箱。
中には専用の敷き紙と共に
真っ白な腰高のすべすべ球体が行儀良く小ぎれいに納めてあり
開けた時にも我ながら
「ポチ、イイもの買った〜」とちいさく充実感が味わえる。
しかも丸いすべっとした肌の中が五色とは。
コフレとか輸入雑貨を買う「私ご褒美感」的楽しみもあります。
↑虎家喜のパラフィン紙の包装、これを剥がすことが
…続いての「これ」は「とらやき=虎家喜」。
“ど”ら焼きから濁音を外しただけあって
味も濁音なしの軽やかさでトラトララ〜♪
皮が決定的に軽く、
どら焼き独特のしっとりした食感から離れて、ふわりとさわやか。
おそらく蜂蜜を使用していないのでは?
どら焼き好きなら「亀十」を思い出す方もいるかも。
「亀十」より小豆あんがあっさりした印象で更にいただきやすい。
しかも小振り(価格は反比例してますが)。
真夏など結構ヘビーに感じるどら焼きですが
これならば春夏秋冬老若男女24×7デイズ、
受け入れ可能な焼き菓子です。ぱくり。
↑紙をはがしてようやく虎模様に変身
装いも紙包みのため(これが虎模様の仕掛け)
和菓子モードが高めで心遣いの手みやげにも相応しい。
どら焼きはおやつには最高だけど
麗しげな年長者などは手がべたつくのを気にしがちですから。
これ携えて行けば「あら、気の利くこと」って
持ち株あがる可能性ありか。なくても良いが、うまいから。
何よりお腹にもたれないのがお茶菓子には嬉しい。
小豆粒あんは見た印象よりずっとさっぱりとしている。
↑左はご存じ日本橋うさぎやのどら焼き136g、虎家喜は軽量60g
どら焼きとしてはかなり控えた糖度です。朝生並ではないか?
実際「日本橋うさぎや」
のどら焼きと比べても変わらない、
むしろ控えめかも、という糖度です。
ついでに体重も半分ほどの軽量級。タイニイタイガー。
がっつり行く時はやはり濁音の付いた方にして下さいね。
これまでは“がっつりたっぷりの濁音”を登場させてますから
ご参考(注1)して頂ければウレしい限り。
↑おいしい断面、左は虎家喜、右が日本橋うさぎや
和菓子は時にハレのもの(慶弔含めて)、
少し特別でしかし頬ゆるむおいしさ、
その手も一つ二つはテリトリーに治めたい時に使える
切れモノいくつか登場させました。
長くなってきたので残りの「これ」はまた続く。
◎おまけの話◎
今回の「玉英堂」は「玉英堂彦九郎」の名で知られる京菓子屋さん。
ところで彦九郎って誰?と思いませんか。
お店の前にも木像があり、名前にある「彦九郎」は
江戸時代後期の尊皇思想家「高山彦九郎」(酒飲み)が
茶店で酒を飲んだからとか。
和菓子職人でも創業者でもご主人の名前でもありません、悪しからず。
どういうわけか、どのガイドにもHPにもこの人のこと説明していないのだが
絶対多くのひとが何らかの勘違いしているのじゃないか?
お店の創業は安土桃山時代だし。ある意味最近?足された名前なわけです。
「彦九郎」の名前を付けた由来は店のしおりなどにもあるんですけどね。
(注1)右サイドバーのカテゴリーから「どら焼き」をご覧下さい
「上野&日本橋うさぎや」「雷門おがわ」他いろいろ書いてますので
↑虎家喜のシンボル、進物用箱にも使用
●お店データ
日本橋人形町 京菓子 玉英堂
・本店東京都中央区日本橋人形町2-3-2 玉英堂ビル1F
水天宮駅から徒歩3分、甘酒横丁の角
平日土曜9:30 - 21:00 日祝09:30 - 17:00 最終日曜休
・室町支店東京都中央区日本橋室町1-12-11
三越前駅から徒歩2分
↓こちらは室町支店です
※「玉英堂彦九郎」の名で知られる京菓子屋
京都三条で安土桃山時代の天正四年(1586年)創業、昭和29年(1954年)東京移転。
近年は能関係の関わりもあり演しものに因んだ季節の上生菓子なども創作しているようです
↑この次はこれ
●お菓子データ
・玉饅(正式名=お宝饅頭) 一個550円 箱代50円
測定体重約119g
測定糖度Brix約47,5%(小豆あん)約54.4%(白あん)約53.4%(栗)
原材料 小豆、栗、砂糖、薯預 着色料(青1号 赤104 黄4)
・虎家喜 220円 測定体重約60g 測定糖度約53.1%
原材料 卵、砂糖、小麦粉、小豆、膨張剤
span style="color:#FF0000;">注※
今回使用した糖度計は「ATAGO.PocketPAL-2」。
何せ素人が使っているのであくまでも目安。
今回は数多くて各種1〜2回ずつの計測ですし。
ちなみに、この数日前に私が計測した「雪印コンデンスミルク」はBrix約70.6%でした
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文章を読んでいると、おっ饅頭だ。すぐ自分の頭の中とお腹の中と相談。(別に相談しなくてもいいんだが)食べれるかなとか、でも低度の甘みというのは、なんともいい。これで一口食べるたびに変わって行く見た目と楽しみ。
いいですね。正直練りきりは、見て楽しみ
味わいの方はまあ、そこそこなんだろうと
いつも思い、あまり大きい物や派手な物は
食べる時は興ざめな機がありますよね。
というか勿体ない気もありますし。
(まあ洋菓子よりはないんですが)
こんなお饅頭はそれを満たすお饅頭ですね。
(なに言ってんだろ俺)
虎家喜は和菓子しげたハマのトラ茶ゃんに
似てるのかな。
人形町ってすごいですね。
山手線じゃなくても行けるし。(^_^;)
すっきりした気分です。ヒコクロー。
あこがれの玉饅。断面美しいですね。湖面(じゃないけど)に映えますね。
マカロンに続いて贈り贈られしたい菓子ですわ。
自分用に買うのはちょっとどきどき。
自分にご褒美上げられるくらい手柄を上げたあかつきに買おう。いつだ。
とらやきバック、いや、トラックバックさせていただきました。
「とらやきひとつくたさい」と、濁音なしで1個だけ買った時のネタです。
紙を脱がすと虎があらわれるってぇのはおろろきでした。
こんばんは、いつも速攻のコメントありがとうございます。すみません、分かり難い文章でした。早速タイトルとトップ写真のキャプションを変更しました、これなら解りやすいでしょうか?本当に文章ではいつも苦労します。さて本題の饅頭は本当におまんじゅうとしてとっても美味しいのです。甘すぎないし、パク付ける味なんですよー、見た感じと違っておなか一杯食べたくなるおいしさです。人形町はもうパラダイスみたいな街でいつもパニックになっちゃうのです。今度ツアーでもしたいもんです。
★ぺなぞうさ〜ん
被告ローって何回やっても変換されるけど、それはともかく。しかし大酒飲みが酒飲んで100年も名前残せるってなんか簡単でおかしい。ぺなぞうさんもどこかの甘味屋で大酒飲んだら名前残せるかも。でも何でそれで名前にしたんだろうか、玉英堂??玉饅、贈ったるわいな、この私が。ぺなぞうファンだから、ごひいきさんからの贈り物ってことでどう?なかなか良い選択でしょうタニマチからの贈られものとしては。とらやきバック私からも後ほどお願い致しますわん。これなら脱がし忘れないですねー絶対に。
ありがたいし、おもしろいです。
もう読んでいて、疲れなくのめりこんで入ってしまいますので即効よんじゃいます。
次回作が待ち遠しく、まるで週間連載のようです。連休明けで休みがもらえたら人形町ツアーやるかも知れないのでその節は宜しくお願いいたします。<m(__)m>
いえいえいえ。とっても有り難いのです、例えばちょっと読みにくいとか言って頂ける事など。自分の文章は客観的になかなか読む事できないので下手すると独りよがりになってしまいます。でもそれを言って頂けるのは何よりも素晴らしいアドバイスになります。皆さんご自分の事を振り返るせいかそういったアドバイスはなさりにくいと思うので今回みたいな小さな親切は心から大歓迎です。むしとYOSHIさんの様なヘビー読者にはその点のご意見をこちらからお願いしたいのです。どうかお願いですからこれからも絶対!遠慮などせずバンバンこの手の感想を是非ともお願いします。もしして頂けたら何よりの応援にもなるのです。これからもよろしくお願いしますねー、YOSHIさんにしか頼めないです、こんなの。
そうでしょー♪こういう小さいセンスが老舗のお店って愛らしいんですものね、だから和菓子屋さんは本店行くのが好きです、さすがはanpannさん!和菓子通ですね。
本当はTBだけして失礼しようと思ったのですが、
あまりに素晴らしい内容に感動!!
歴史までお勉強させていただきました(笑)
古くても最近のでもコメント&TB嬉しいです、ありがとうございます♪
しかもお褒め頂きまして、“素晴らしい”、なんてたけさんから感想を頂けるなんて大感激です。調べるのは地味な作業ですが、どうしても知りたいことがあるとついついそいちらに時間をかけてしまいますが、気に留めて頂けるのは嬉しいです。