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「和菓子wagasi」−東京のお菓子・菓子パンを歩く

2010年12月07日

シダーバウム羊羹♪富山/鈴木亭〜杢目羊羹
全国28店の羊羹を味わう、その17〜YOKAN羊羹collection

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どこを切っても年輪年輪また年輪。
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和菓子wagasi−東京のお菓子・菓子パンを歩く

飽きないけど。

全国の羊羹自慢58店が出展した
「YOKAN羊羹Collection」@銀座三越
実際に購入&食した28店の羊羹について連日書いております。

さて、17番目に紹介するのは
富山「鈴木亭」杢目羊羹・・・


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・・・です。

YOKAN羊羹Collection」@銀座三越についてはこちら

ざっくり説明しますと、
過日開催された「YOKAN羊羹Collection」@銀座三越にて
個人的に28店合計53種の羊羹やお菓子を購入したので
11/11から(できる限り)毎日一店舗ずつ紹介しております。

16で紹介したのは 長野「竹風堂」 くりづと
8福島 「玉嶋屋」本煉羊羹、ハートの羊羹
こちらも併せてご覧いただけたら嬉しく思います。

というわけで。

17 富山「「杢目羊羹本舗 鈴木亭」杢目羊羹(もくめようかん)

慶応2(1866)年創業、現在五代目当主を中心に営む老舗。
ちなみにコレクション会場の販売は
ブログやtwitterで販促活動も行う六代目が担当したようです。

"本店"は富山の中心部、一等地の5階建てビルディング。
画像で見る限り"本社"と呼ぶほうがふさわしい店構えです。

こちらの金看板は店名に掲げる"杢目羊羹"
みごとなモワレ模様を描く美しい煉羊羹です。

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ワタシがはじめて興味をもったのは数年前、
鹿児島の蒸し菓子"木目羹(きもくかん)"の記事を書いた際、
調べるうちに富山の銘菓"杢目羊羹"の存在も知ったのです。

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こちらは鹿児島の木目羹

美しい意匠に加え"年輪"というおめでたさ。
慶弔の進物に重宝するようでとりわけ年末は多忙をきわめるという「鈴木亭」。

あらためて、店の来歴を調べるうちに
江戸幕末屈指の菓匠「越後鈴木」の系譜だと知ってびっくり。

和菓子の歴史に興味があればこの御用菓子司の名を目にしたこと、あるのでは?

江戸のガイドブック『江戸買物独案内』には
もっとも卓越した上生菓子は「金沢丹後」か「鈴木越後」のものとしています。
(「江戸買物独案内」関連記事〜 壺屋総本店)、越後屋若狭

また、『賎のをだ巻き』(しづのおだまき)という文献には
「羊羹は『鈴木越後』が頂点だわな〜」というエピソードが残されています。
これはあまりに高価な"鈴木越後"の代わりに他店の菓子でごまかしたところ
味がちがう!と言い出す食通ザムライが続出…、という話なんだけど。
武士に関わる出来事なのに(そこまでグルメ度高いか)と可笑しくなる。

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ともあれ。
鈴木亭」初代茂助さん
その江戸末期最高の菓子屋で15年の修行を積んだ後、
越後から鈴木亭の屋号を贈られて独立、故郷富山で開業。

その折、なにか訴求力の高いお菓子を作ろうと、
思いついたのが立山の奥深い山谷に林立する立山杉
その年輪の木目模様を羊羹に取り込むべく
試行錯誤を重ねた末、創製したのが杢目羊羹なのだそう。

モアレタフタを凌駕する美しさ。
146年前にこんなクリエティブな意匠を菓子に昇華させるなんて。
茂助さん、卓越したオリジナリティと審美眼をお持ちだったのでしょう。
「約145年にわたって受け継がれている製造方法は秘中の秘。
製法特許を取得した全国で唯一の羊羹」とのこと。

7(11/19)埼玉「太田甘池堂」同様、江戸煉羊羹づくりを学び
独自の羊羹を創製しながらその技を今に伝える希少な店、というわけです。

どこを切ってもくっきりと表れる年輪模様は
件の鹿児島"木目羹"とはまた異なります。
小豆こしあんと白いんげんのこしあん(白手亡餡?)を交互に落として作るようですが
どういう手順なんだろ、不思議〜。

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さて
初日購入したアルミパック入ミニサイズを食べてみると…
開封したては濃縮された甘みを感じたのですが
数時間後にいただくと小豆あんの味が落ち着いたのか
なめらかであっさりとした口あたり。
菓子作りに"延命地蔵尊の名水"という湧き水を用いるためかキレのよい後味でした。

あとから大型を買うつもりでしたが荷物が持ちきれなくなりあきらめた。
今回そーゆーパターン多いのだ。

そう思いつつHPを見直してみると
俄然、魅力的なのが"枠流し杢目羊羹"と
薄い杢目羊羹で栗あんを包んだ"杉の道"
"杉の道"ったらきれいではありませんか。
ぜひ銀座までお持ち頂きたかったわ〜。
ほかにも"水ようかん白杢目"や"丸羊羹"なんてのもソソられます。

それにしても枠流し…あったのかなあ。
いずれまた機会があることを祈ろう。

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では、またおそらく明後日。
羊羹は飽きないんだけど…

師走になにをするひとぞ。

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桜井甘精堂の過去関連記事<br />
●“YOKAN羊羹collection”関連記事
・0(11/6)速報!銀座三越“YOKAN羊羹collection”
・1(11/11)北海道標津/標津羊羹本舗
・2(11/12)北海道北見/清月:薄荷羊羹
・3(11/13)北海道日高/八木菓子舗:元祖三石羊羹、豆ごころ
・4(11/15)宮城/白松がモナカ本舗:コーヒーヨーカン、こぐり山etc
・5(11/16)秋田/熊谷長栄堂:東雲羊羹
・6(11/17)福島/松本家:水羊かん(田舎羊羹)
・7(11/19)埼玉/太田甘池堂:古代秩父煉羊羹-田舎
・8(11/20)福島/玉嶋屋:本煉羊羹、ハートの羊羹
・9(11/22)千葉/なごみの米屋:昔羊羹,生栗むし羊羹etc
・10(11/24)東京/清月堂本店:メープルの琥珀、栗蒸し羊羹
・11(11/25)東京/青柳正家:栗具楽生、CUBE!!
・12(11/28)東京/虎屋:四季の富士,カ レ ド羊羹
・13(11/30)山形/十印:塩小倉
・14(12/2)神奈川/みのや本店:好み羊羹
・15(12/4)長野/桜井甘精堂:蒸し栗ようかん
・16(12/6)長野/竹風堂:くりづと

●店と菓子のデータ
鈴木亭
076-421-4972
・杢目羊羹ミニ(200円)砂糖 小豆 白隠元 
銀座三越催事にて購入の価格
銀座三越
03-3562-1111
●おまけの話●
年輪といって思い出すのがバウムクーヘン。
引き出物など洋菓子には珍しくおめでたい品として定着する一方、そこかしこで行列店も見かけます。 ホールで売るのは珍しくない国内屈指のポピュラー欧風菓子。
先日、滞在していたドイツの友人とバウムクーヘンの話になると「これほど人気があるなんて信じられなーい、ドイ ツではホール売りなんて滅多にみかけない」とのこと。結婚式でも出すよ、と言ったら不思議そうにしてました。そういや今年のお歳暮(洋菓子版)はホーレンディッシュ…とユーハイムだった。

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【羊羹コレクションの最新記事】
posted by あんころりん at 16:47| 東京 ☀| Comment(6) | TrackBack(0) | 羊羹コレクション | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
鈴木亭は一昨年、行っています。
http://green.ap.teacup.com/gogodango/863.html

富山市の中心、西町交差点と富山城の間に店舗があります。 東京で言えば日比谷あたりにお店がある老舗といったところでしょうか?
夏だったので白杢目(しろもくめ)という水ようかんがありました。 ワッフルも人気の品のようです。

鈴木亭看板商品の杢目羊羹ですが、大型なら富山県のアンテナショップ・いきいき富山館にも置いてあります。 いきいき富山館には高岡の大野屋の「とこなつ」もあります。

いきいき富山館
http://www.toyamakan.com/
Posted by 笹団子 at 2010年12月07日 20:57
今回はすぐに“かごんま”の「木目羹」を思い浮かべました。
「鈴木亭」さんの企業秘密の製造法、どんな方法なのでしょうね?
Posted by いもすけ at 2010年12月08日 06:35
きれいな杢目〜♪
それにしても越後鈴木までさかのぼるって、なんだかドラマを感じますね。あんころりんさん、そういう話お好きでしょ? わたしも好きだけど(笑)
Posted by kozue at 2010年12月08日 14:35
笹団子さん
うわーきれいですね白杢目!さっぱりしたお味だったのでしょうね。日比谷…なんだか微妙な雰囲気ですね。
>富山館
それもあって「また今度」にしました(笑)、高島屋にも入っているしさすが大手、ですね。
Posted by あんころりん at 2010年12月09日 23:08
いもすけさん
さすがお隣り県ですねー。ところで煎粉餅や高麗餅は都城にあるのに"きもっかん"がないのが不思議でした。秘密って一子相伝なんだか職人はみな承知しているのかそこが気になります(笑)
Posted by あんころりん at 2010年12月09日 23:13
kozueさん
そういう話が好きで和菓子が好きなのではないか、と思うこともたびたび。おそらく興味の8割は"そういう話"なんですよねえ。
Posted by あんころりん at 2010年12月09日 23:17
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