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「和菓子wagasi」−東京のお菓子・菓子パンを歩く

2010年12月20日

江戸の井戸水♪岡山/古見屋羊羹〜田舎羊羹、高瀬舟羊羹
全国28店の羊羹を味わう、その23〜YOKAN羊羹collection

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手を汚さない高瀬舟羊羹、250年の伝統"田舎羊羹"

和菓子wagasi−東京のお菓子・菓子パンを歩く

転ばぬ先のようかん。

全国の羊羹自慢58店が出展した
「YOKAN羊羹Collection」@銀座三越
実際に購入&食した28店の羊羹について連日書いております。

さて、23番目に紹介するのは
岡山「古見屋羊羹」高瀬舟羊羹,田舎羊羹 ・・・


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・・・です。

YOKAN羊羹Collection」@銀座三越についてはこちら

ざっくり説明しますと、
過日開催された「YOKAN羊羹Collection」@銀座三越にて
個人的に28店合計53種の羊羹やお菓子を購入したので
11/11から(できる限り)毎日一店舗ずつ紹介しております。

22で紹介したのは 佐賀「新油屋」稲荷ようかん
こちらも併せてご覧いただけたら嬉しく思います。

というわけで。

23 岡山「「古見屋羊羹」高瀬舟羊羹、田舎羊羹

明和元年(1864年)創業、250年間受け継がれた"落合羊羹"の元祖です。

コレクション出展は商品の陳列販売のみ。
加えて場内カフェメニュー「羊羹プレート〜煎茶orほうじ茶付」のうち
一切れが"高瀬舟羊羹"でした。

IMG_2697.jpg
右から標津羊羹、小ざさ、高瀬舟羊羹。煎茶はおかわり自由

たからというわけではなく、今回は買い求めませんでした。
じつを言うとこれまで知人から頂くことしばしば。
コレクション前も古見屋の"田舎羊羹"を頂いたばかりだったのです。

さて。
落合羊羹とは岡山美作地方落合村=いまの真庭市落合の名物。
糖化して白い結晶となった表面は硬く、中はしっとりした羊羹です。
古見屋の袋書きを見ると
(…日保ちをよくする為耳を固くして居りますが決して古いのではありません、これが落合羊羹古来のものです)とある。

P1180080.JPG 古見屋の田舎羊羹 裏書

もっとも古く、250年前から伝わる"田舎羊羹"は
平たく流した羊羹を拍子木状の細切りにした切り羊羹で
現在は竹皮や経木に包んだものを紙袋に入れて売られている。
簡素だけど特徴あるパッケージ、白く硬化した"耳"、拍子木フォルム。
どれをとっても好みです。

田舎羊羹など"落合羊羹"を製造販売する店は現在全部で5店舗、
kzuyoshinoさんの記事によるとそのうち三軒は同じ道筋100メートル程の間で営んでいるのだそう。
こじんまりした静かな町内とは思えない高い密集度です。

IMG_0455 (2).JPG IMG_0451.JPG
加藤商店の"落合羊羹"(出展品ではありません)

ワタシの"初"落合羊羹は拍子木の六面全てがみごとなまでに結晶化、
あたかも鬼ザラメをまぶしたかのように"ガリガリ"とそれはステキな食感で、
たしか加藤商店製造の切ったこしあん煉羊羹の"落合羊羹"でした。

2度目に頂いた「古見屋羊羹」の田舎羊羹は小豆粒(かのこ豆)を混ぜ込んだ小倉羊羹。
コツンと硬い""の中は柔らかく、見た目よりずっとあっさり。
コロコロした豆粒がアクセントとなって食べ飽きません。
数日抛っておくとさらに糖化が進み、
ワタシはこのボリボリした食感がたまらなく好き。

IMG_2855 (2).JPG
古見屋の田舎羊羹、↑はさらに糖化を進ませたモノ


さて。
前述の羊羹プレートでは紙の小さな舟形に流した"高瀬舟羊羹"が更に小さく切って供されました。
高瀬舟羊羹は上部のみが糖化、舟底部分はしっとり。
一個ずつ分けられるので手みやげ向きです。

高瀬舟は水深の浅い河川を航行するために、吃水が浅く作られた小舟。
かつて美作辺りで山川の産物を運搬するのに活躍しており
清流、旭川の流れる落合は高瀬舟の発着場だったことから羊羹のモティーフに。

IMG_1857.JPG 古見屋の高瀬舟羊羹

そんな江戸時代の山間部の村で羊羹が生まれたワケは
御用菓子や献上品などではなく訪れた人をもてなすお菓子だったようです。(※明治以降は皇室献状菓子となっている。)

たしかに現在も備中(岡山)小豆と言えばこし餡に向く上物。
清流の水を生かし、土地の作物を使った心づくし"田舎の羊羹"というわけです。
古見屋ではいまも創業時からの井戸水に使い 落合の山麓から湧き出た天然水で羊羹を煉っている。
なるほど食べてみるとあっさり、キレ良い甘みの秘訣かもしれない。

IMG_1853.JPG IMG_1855.JPG

たしかに羊羹の構成物は"水と小豆と砂糖と少しの寒天"だけ。
良質の水が湧く地に羊羹処が多いのはじつに合点のいくことです。

でもって。
今も備中小豆で羊羹を作っているかというとそうではなく。
古見屋は北海道産えりも小豆を用いています。
地産とは言え、今や備中小豆は高級品。 かえって名にふさわしくない高価なものになってしまうのでしょう。

落合羊羹…とくに田舎羊羹と高瀬舟羊羹は
山陽エリア中心によく知られているようですが、
いずれも都内で見る機会は少ないと思います。
ワタシは4年前知人に頂くまでその存在すら知らなかった。

IMG_2858.JPGb 糖化をすすませた田舎羊羹断面

結局、一度も自腹切ったことのないのだ「古見屋羊羹」。
また到来物を心待ちにしよう、
そのほうがかえって有難みが増すというもの。
大人買いしないも潔さ、 でも…次に見たら買っちゃうんだよな…。

では、また明日…か明後日。
かなりぎりぎり今年もあと11日。

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※参考サイト落合羊羹(5店舗名あり)
お菓子買いにこッ!
まにわ落合羊羹

●“YOKAN羊羹collection”関連記事
・0(11/6)速報!銀座三越“YOKAN羊羹collection”
・1(11/11)北海道標津/標津羊羹本舗
・2(11/12)北海道北見/清月:薄荷羊羹
・3(11/13)北海道日高/八木菓子舗:元祖三石羊羹、豆ごころ
・4(11/15)宮城/白松がモナカ本舗:コーヒーヨーカン、こぐり山etc
・5(11/16)秋田/熊谷長栄堂:東雲羊羹
・6(11/17)福島/松本家:水羊かん(田舎羊羹)
・7(11/19)埼玉/太田甘池堂:古代秩父煉羊羹-田舎
・8(11/20)福島/玉嶋屋:本煉羊羹、ハートの羊羹
・9(11/22)千葉/なごみの米屋:昔羊羹,生栗むし羊羹etc
・10(11/24)東京/清月堂本店:メープルの琥珀、栗蒸し羊羹
・11(11/25)東京/青柳正家:栗具楽生、CUBE!!
・12(11/28)東京/虎屋:四季の富士,カ レ ド羊羹
・13(11/30)山形/十印:塩小倉
・14(12/2)神奈川/みのや本店:好み羊羹
・15(12/4)長野/桜井甘精堂:蒸し栗ようかん
・16(12/6)長野/竹風堂:くりづと
・17(12/7)富山/鈴木亭:杢目羊羹
・18(12/9)大阪/大阪の駿河屋:丹波づと、goshiki
・19(12/11)大阪/合資会社駿河屋:ひとくち羊羹夜の梅
・20(12/13)兵庫/藤江屋分大:丁稚羊羹
・21(12/15)栃木/吉田屋羊羹本舗:日光煉羊羹


●店と菓子のデータ
古見屋羊羹
(0867)52-000
・田舎羊羹(小豆 砂糖 寒天)
・イベント会場内カフェにて「羊羹プレートB」(735円)
=ひと切れ羊羹三種(高瀬舟羊羹、小ざさ、標津羊羹)と煎茶orほうじ茶付きセット
注:「小ざさ」以外は日替わりでした

銀座三越催事にて
銀座三越
03-3562-1111
●おまけの話●
古見屋HPの各商品(店主より一言)がココロ掴みます。
いつも落合羊羹を下さるのは母の友人。
亡くなったご主人の御実家が岡山だそうで、これまでに 田舎羊羹を3〜4回、高瀬舟羊羹を一度頂いた。
今回、堂々と岡山代表として展示された古見屋羊羹を見て知人に出会った気分でした。
改めて地図を見るとかなりピンポイントの名産品。 地元のどなたかが送って下さるのでしょうけれど ワタシにすればステキな一致(coincident)。羊羹ならではのエピソード。
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【羊羹コレクションの最新記事】
posted by あんころりん at 19:04| 東京 ☀| Comment(6) | TrackBack(0) | 羊羹コレクション | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
ふっと思い出したのは、この手の羊羹って子供の頃はまず食べる事がなかったな、と言う事。まず、周りが固いのが苦手でした。何より羊羹全般あまり好きではなかったような・・・。
と〜ころがどっこい(古っ)、ここまで餡系が好きになるとは!!
地方にいると他の地域のものってなかなか入ってこない気がするのですが、東京はさすがに全国からモノが集まってきますね。それでも落合羊羹は見かけない希少なものなのでしょうか?
田舎羊羹の断面、う〜気に入りました♪
Posted by いもすけ at 2010年12月21日 06:41
わたしはいもすけさんと逆で、子供の頃は糖化したところが好きだったはず・・・なのにどうして苦手になってしまったのだろう。なんか損してる気すらしてきましたよ、羊羹シリーズの記事で。
Posted by kozue at 2010年12月21日 18:08
いもすけさん
ワタシも砂糖まぶしたのや。糖化したものなんてごく最近まで苦手でした、甘納豆がダメだったのだから今の嗜好がウソみたい。
東京にないものたくさんあります、特に各地方の和菓子。世界中の食べ物や高級食品んは溢れてるけれど。
Posted by あんころりん at 2010年12月22日 13:06
kozueさん
え、そーなの。イケルくちだったのね。何がきっかけか、しっかり過去を洗い流してみれば(笑)
確かに羊羹を制するにはそのハンデが痛いでしょう。
Posted by あんころりん at 2010年12月22日 13:08
糖化して表面が固まった羊羹というのは結構あるんですね。

美作落合なんですが、舟を象った羊羹が名物になるだけあって町を流れる旭川は南は岡山城・瀬戸内海へ流れていて、出雲街道が近くを通っているので交通の要衝だったようですね。 遠方への御使い物にするには表面を糖化させて日持ちを良くしたのではと個人的に思います。

米子自動車道沿いなので車で松江まで行くときには立ち寄れますね。
Posted by 笹団子 at 2010年12月24日 00:10
笹団子さん
岡山城に瀬戸内海ですか〜。
二本松羊羹など参勤交代に要する7日間の道行に耐えるよう糖化させたそうです。

ドライビングアドバイスありがとうございます。その案はすてきですね、でも車売っちゃったんです〜(笑)
Posted by あんころりん at 2010年12月24日 18:57
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