↑ねじりの清浄歓喜団 右はキュートなうねり縞「波の音」
気志団、ではもちろんなくて。
「清浄歓喜団」せいじょうかんきだん
かなりの硬派だが。
うねる貝、こと「波の音」は
赤坂塩野の夏のアイドル、なんてったって。
夏が来〜れば思いだ・・去年もいたよね?君・・・
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赤坂塩野の「波の音」、
東京ではちょいマイナー?な“こなし”製の上生菓子。
↑やりがい、ホラ貝、波の音
細かなラインはすべてレリーフ的すごい技
今年も塩野の季節菓子として登場、
ネジリの効いたキュートなフォルムばかりか
さっぱりした甘さとしっかりした食感がとても好み。
剥がせばみごとに剥がれる(剥がすなよ)貝の殻。
趣向と技巧の極みかな、細かな貝の縞まで見せてくれる。
↑巻いた貝殻部分はすべて立体、
その上それぞれに縞々模様が浮き出てる
冬にご紹介した柚子饅頭にも負けぬおいしさと
パンチとテクの効いた愛らしさ。
花街育ちの実力派実録アイドルシリーズ。
かのタランティーノにもお薦めできる?
錦玉羹(きんぎょくかん)だけが
夏のアイドル、いえ生菓子じゃあございません。
↑さざれ石は錦玉製、
中は色とりどりの白あんと大納言粒
よろしくどうぞおたのみ申します。
ツボは振らない、「波の音」イエぃ♪
ありえないツーショット、硬派菓子代表は
650年間!も個性派硬派で通す
「清浄歓喜団・せいじょうかんきだん」
学ラン無用の清廉潔白ごりっごり。
そいやっ!
↑うねる頭部は八等分
これは奈良時代頃に遣唐使が伝えた
唐菓子(とうがし)の代表8種のひとつ
「団喜だんき」のこと。
気志団もドレッドも関係ないし
揚げシュウマイでも、もちろんない。
超個性的なおひねりフォルムからは想像しにくいが
この団喜は古い絵では丸いお団子状。
「団子だんご」の語源の一説もさありなん。
↑塩野のキュートな生菓子の後ろに佇む歓喜団
手前左は岩清水、右奥が葛焼き
現在の八つの結びは八葉の蓮華をあらわして
きゅっとした「金袋」の形に至る経緯にも興味津々。
お供物の“うねねじ個性派”までなるには
素敵なセンスのお寺の方が650年の間にはいたのかと、
想像するのがまた楽しい。
さて、この団喜=清浄歓喜団は
聖天さま=歓喜天(注1)にお供えする物だそうで。
東京で聖天さま、と言えば
浅草待乳山の聖天さま。
そうか“あそこ”に供えれば良いのか。(下段注1参照)
↑カタツムリ、ではなく岩清水断面をクリックで拡大。ちょっと個性派
硬派の上に好みのルックスのこの団喜、
端的には“こし餡入りの揚げ菓子”です。
単なる嗜好品として捉えると
揚げた“がりんがりん”のしびれる固さは
おおっ。20分掛けて胡麻油で揚げた真面目な固さ
ここがツボです、好みの硬派。
例えるなら
あのねじって揚げた中国のかりんとう
「麻花兒(マファール)」的皮に
こしあんをいれひねった揚げ菓子。
↑弱気?な葛焼きの上に清浄歓喜団
“唐菓子”由来だけあって。形も味も似ている。
(※麻花兒は“そうめん”の元らしいけど)
お供えらしく
小麦粉皮の“ねじねじうねうね”部分に
7種の独特の香り(注2)が重要な「清め」の意味。
お菓子的には焙っていただくと風味増加だが
中の甘いこしあんにもごま油が染みて
味的に“だーい好き”な人が多いとはあまり思えない?
変わった名前だが渋い菓子かも。
↑焙って底部を割っていただく流儀?
でも硬派ですから、個性派ですから、
650年続く清めの縁起物ですから
細かいことを言っては野暮。
以前は予約なしでは入手出来なかったようですが
現在はネット通販も可能。
情報によると
作るのも修行?だそうで
現在も当主が月二回のみ調整の際には
生臭いものは食べずに清めてから臨む、と言うことです
それがネットで購入出来るならすごい?
↑軟派の個性派?岩清水
大納言に求肥で豪華
硬派な魅力に歯応え充分、噛めば噛む程味のある
伝統の興味深いアイドル、いえ唐菓子。
機会あればぜひ。
関東なら、
浅草待乳山の聖天さんにお持ちすると喜んでくれるはず。
・・ひょっとして恋愛成就と関係あるかも?
いや、ないか・・
しかしその使い方まちがってないか?硬派として
・・・
誰も“硬派宣言”していないけど。
↑水ようかん、夏の重要なバイプレーヤー
※注
(注1)聖天さま=歓喜天は天台宗や真言宗の神様、
文筆家の杉浦日向子さんによれば
「・・待乳山の聖天さん・・・は別名は歓喜天。
男女の神様が包容し合っている尊像で和合の神様です。
江戸っ子には古くから人気のそれはそれは心強い神様・・・」
(「一日江戸人」より)だそうです。
そういう神様にお供えするお菓子なのか〜ほっほう。
おやじ喜びそうなお話。、ええ、むろん喜びましたから。
ちなみに歓喜天のルーツはインドのガネーシャとも言うけど
あれは確か商売繁盛の庶民に大人気の象神さんだが。
とにかく怖くなさそうな神様。歓喜、ですからね。
お菓子は硬派、だけど。
(注2)白檀、竜脳、桂皮末などの香りだそうですが、
伝来当時は栗や柿、杏などの木の実を甘草やあまずらなどの薬草で味付つけし、
甘味をだしており、現在の小豆あんは江戸中期以降のこと。
参考資料はこちら
また「歓喜団」については
糯米、緑豆、蒸餅、乾蓮、華末、白芥子、石蜜などを合わせて作ること、
という資料(不空絹?索経)があるようです。「和菓子風土記」から
↑さざれ石、横断面
※注
以前の
赤坂塩野の記事はこちら
杉浦日向子さんの追悼記事はこちら
◎おまけの話◎
「清浄歓喜団」と「波の音」どちらが重い?
歓喜団君も結構ずっしりですが、波の音嬢は“こなし”にあんこ入り。
測定したらたまたま「同じ」体重。
太めなのか小振りなのか・・。
・・今回はたまたま新宿高島屋にて
またまた「一枚流し麻布あんみつ羊かん」を購入。
塩野も一緒に出店中でついつい手が出て、帰り際には
珍しく歓喜団君にもお会いしたので連れ帰りました。
おかげですごいツーショットとなりました。
おそらく、二度あることではなさそうです。
↑ついつい。
●お店データ
★ 京御菓子司 亀屋清永
京都市東山区祇園町南側534
営業時間 午前8時半〜午後5時半 水曜日休
※
※創業元和三年(1617年)
●菓子のデータ
・清浄歓喜団(せいじょうかんきだん)一個525円
測定体重約42g
測定糖度Brix約72.7%(こし餡部分)
◎お店の説明では
「その秘法を比叡山の阿闍梨(あじゃり)より教わったもので
精進潔斉の上、月に一日と十五日を中心に調整」とのこと。
↓コロネではなく波の音
●お店データ
★赤坂「御菓子司 塩野」
東京都港区赤坂二町目十三番地二号
千代田線赤坂駅2番出口より徒歩1分
銀座線・丸の内線赤坂見附駅徒歩10分
銀座線・南北線溜池山王駅より徒歩5分
営業時間 9:00〜19:00(平日) 〜17:00(祝・土曜) 日休
※
当サイトの塩野の記事はこちら
●季節の生菓子(夏)のデータ
※価格はすべて一個320円
・波の音
こなし製小豆こしあん入り
測定体重約42g
測定糖度Brix43.6%約%(こし餡部分)
・石清水いわしみず
測定体重45g
・水ようかん
測定体重70g ※糖度測定不可能
・葛焼き
くず製に大納言入り
測定体重66g
・さざれ石
錦玉製に餡入り
測定体重52g
・生菓子の原材料
小豆、白小豆、手亡豆、砂糖、寒天、大納言小豆
佃芋、葛粉、米粉、小麦粉、卵、柚子、
着色料=コチニール、クチナシ、βカロチン
青色1号、黄色4号
注※
今回使用した糖度計は「ATAGO.PocketPAL-2」。
何せ素人が使っているのであくまでも目安。
今回は各種1〜2回ずつの計測です。
ちなみに、この数日前に私が計測した「雪印コンデンスミルク」はBrix約70.6%でした
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清浄歓喜団がネット購入できるって、なんだかありがたみががく〜んと落ちてしまうような気がするのはわたしだけでしょうか。あまりにも偶然に入手できたときは思わずずりずり頬ずりしてしまいましたよ。でもいちどいただいたら十分だと思ったけどねー
最近キングコングDVDで見たもんで。(^_^;)
またまた菓子團ばりの、面白いネタ記事を
惜しみなく出していただけるなんぞ
師匠、復活ですね。
座布団何枚お配りしましょうか。
夏は夏でいいですね。
この和菓子と、冷茶、団扇、蚊取り線香、
縁台があれば、日本の夏ですね。
玉屋、鍵屋ァー。
ヒュー〜 ポン。 ザー。
しかし清浄歓喜団は硬派そう。☆
そうだ、以前書いてらした。良かったらTBしてねぜひ。そうなんですネットなの。驚きました、だって絶対本店オンリーだと思ってましたから。その清めの1日と15日に当主しか作らないのに可能なのかな?でもちゃんと書いてありましたけ。20分揚げるって1時間に3回しか出来ないし。と不思議ですが。たしかに一個500円をもう一度って味ではないけど。ははは可愛い?からね。
YOSHIさん
モスラ〜〜。そうですね。モスラって呼べば良かったなー。残念。というわけで座布団5枚YOSHIさんへー。そうそうその日本の夏キンチョーの夏、最高ですね、やりたいですね。今年は香取ぶた買おうかなー。線香花火付きで。
復活・・そうですYOSHIさんのおかげかも。聞いてもらってついでに書いちゃったから。もうすっかり元気にもりもり食ってます。感謝です近所?の電気屋さん。・・硬派っすよー先輩、忍耐オスっっ!
麻花兒(私はよりよりと呼んでます)大好きです。ぼりぼり、がりがりやります。歯がためになるので、あごが発達してます。歯の悪い人要注意でしょうか。
まきまき貝、皮を端からそーっと剥がしてたべてから餡子だけ一口で頬張ってもいいですか。
もちろんこういうことする時は一人、にんまりしながらやります。←危ない人です。
あくびちゃん!確かにアラビアーンな感じしますねー。唐菓子、しかも真言密教などにお供えするからシルクロードっぽいのかも。あの中華の「ねじねじ(と呼んでます)」気持ちよい歯応えですよね、食べ始めると止まらない危険ぶつですね。
うふふふ。私も剥がしましたよ〜〜。きれーいに剥がれてすっごく気分良いです、にんまりは・・・していたかどうかそれすらわかんないですー。危ないっこ同士ですね。ぺろん。ぜひ頬張ってくださいませ。
そして夏のアイドル寒天寄せ。この技術は日本ならではでしょう。日本人は暑さを紛らわすためにいろいろな手法で夏を楽しんできたのだと思いますが、夏の和菓子って楽しいですね♪
こんばんは、コメントありがとうございます。
今回は偶然出来たカップル?です。気に入っていただけてとても嬉しい♪です。
貝の「波の音」という名も涼しげですが細かな技の美しさがまさに日本ならではかな、と思います。錦玉羹はどれもきれいで味はともかく?つい手が出ますよね。やはり生菓子は見てつくづく楽しめる上においしく頂けるから食いしん坊の私も好きです。また遊びにいらしてくださいねー。
こんばんは!いつもコメントありがとうございます。いつも励ましていただいて感謝です。
そうですか〜。て、いうことは和菓子タウン赤坂の至近距離にお勤めなんですね♪。昨年10月11月に赤坂特集してますが、浅田家という朝生菓子のお店は豆大福などがお手頃でおいしいんです、割と個性的な味だけど私が好きです、機会があったら。
そうですよねー結局おいしいおやつは庶民派和菓子です、私だってたい焼きや大福、おはぎの粒あんが一番です。上生はやはりたまに雰囲気を楽しみたい、ってかんじです。ただ子供の時は上生の方が好きでした、段々子供化してるみたい。 でも塩野の上生はおいしいです、次回気が向いたらどうぞ。
たい時には最高ですよね。お茶と一緒にちびりちびりといただきます。次は上生にぜひ♪あ、どらも美味しかったですよん。ボリュームが欲しい時にいいですよね。どらは。
赤坂特集、拝見させていただきますね。そっかあ・・赤坂って和菓子タウンだったんですか!楽しみが増えました。浅田屋さん、探してみます。
それは知らなかった!
亀屋清永でしか作ってないと思ってました。
チェック!
すみません書き方悪くてお分かりになりづらいですよね。
上生菓子は赤坂塩野のものですが、歓喜団はたまたま新宿タカシマヤで少量販売しておりました。
珍しくどちらも短期間にタカシマヤに同時期出ていたのでこのツーショットになりました。赤坂で歓喜団はまずは購入不可能と思います。走らないで下さいませ。