
宮城県塩釜市「丹六園」外観(michiwakaさん撮影)

塩釜市内、各国ボランティアの方々の働く様。ヘドロを含んだ泥も厭わずに(michiwakaさん撮影)

最新(5月2日頃)の丹六園(H氏撮影)
和菓子wagasi−東京のお菓子・菓子パンを歩く」
宮城県塩釜市宮町。
一番上の画像は震災後4月始め頃の「丹六園」です。
4月25日の記事をきっかけに送っていただいたものです。
そして上から三番目は昨日(5/2)届いたばかりの・・・
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小さな画像はクリックで拡大♪
・・・画像です。
話が前後しますが
こちらは高島屋バイヤーH氏からの撮りおろしです。
(H氏についてはこの記事で)
1番上と2番目の画像はmichiwakaさんから送っていただきました。
michiwakaさんは現在、宮城県外にお住まいです。
michiwakaさんのご実家は丹六園から250bほど北にあり
3月29日から4月5日まで手伝いのため、塩釜市にいらしたのだそうです。
そのときに撮影した画像を送っていただきました。
メールには淡々と惨状が綴られており
被災地での作業の厳しさがリアルに伝わってきます。
撮影された画像と共に胸を突くものがありました。
ここに伺ったことの一部を抜粋してご紹介します。
(南三陸市や石巻市に比べたら被害は少ない…、と前置きしつつ)
3月29日時点の塩釜は惨状を呈していたそうで
『丹六園のお向かいにある七十七銀行塩釜支店の駐車場料金徴収所のプレハブの建物は 2〜3m流されていて道路の上にありました。
塩釜港に面した地区は家が流されたりして壊滅状態の所や、
地盤沈下で傾いたりしている所もあります。
(丹六園のある)宮町付近など 港から近い市内の平地部分では建物はそれ程壊れていませんが、床上浸水の被害がでています。
(前述の)七十七銀行はいまだ(4月26日時点)に営業再開出来ていません…』

塩釜のまち(3/29〜4/5の様子)michiwakaさん撮影
丹六園は戦後、茶舗として営んでおり(※参考記事)、
現在も 『…茶器やお皿等の瀬戸物をガラスケースに入れ、
・・・高価なものから手頃なものまで、とても素敵な瀬戸物が沢山あり…』。
丹六園という名が示すように茶舗として立派な商いをしていたことを
ワタシは被災状況と共に知ったのです。
上から2枚目の写真もmichiwakaさんに送っていただいたもの。
3/29〜4/6の塩釜のようすです。
作業しているのは国内外からボランティアの方だそうです。
「…多くのボランティアの方々が被災地に入ってくださっています。
男性は泥水を含んで非常に重たくなった畳や床下のヘドロをすくって捨てるとか、女性はヘドロで汚れた床や家具をきれいにするとか、
家族だけではとてもできない仕事をしてくださっています。
3月29日に実家に来られたボランティアの方々は
18枚の畳とカーペットを剥がして捨ててくださいました。
男性8名、女性2名のチームだったそうで、
男性のうちの2名はイタリア人とインドネシア人で、
母が伺ったところによると、イタリアの方は東京在住で30名教会へ来て泊っているのことでした。
日本人だけでなく、外国の方々も助けてくださっており、本当に感謝です。
被災地はどこもまだまだ元の状態に戻るまでには時間がかかり大変です・・・』
以上がmichiwakaさんから伺った話です。

塩釜のまち(3/29〜4/5の様子)michiwakaさん撮影
と。!!
ここまで書いていたら たったいま仙台から戻られた
高島屋バイヤーH氏からのご連絡。
(※ここで、慌ててトップ画像を追加したというわけ)
丹六園"志ほがま"の販売が決まりました!!!!
高島屋新宿店・銘菓百選にて
5月の第4土曜日28日入荷で再開します。
5月2日現在「丹六園」は外観はほとんど問題ないほど回復したそうです。

現在の丹六園、店頭のガラスケースにさまざまな茶器・茶道具なども陳列された
十一代目ご主人のお話では
ボランティアの方たちが泥の除去作業を手伝ってくれなかったら、
歩いて見に来たお客さんがいなかったら、
もう私の代でお終いにする気でおりましたなどと仰っていたそうです。
一番上の画像ではわかりにくいと思いますが
震災直後は重量感のあるショーケースがひっくり返るなど、
店内は惨憺たる有様だったそうですが
今はすっかりきれいになって、(割れた)ガラスもはめなおしてもらったそうです。
(上の画像参照)
志ほがま
そして3〜4日前に志ほがまを試作するまでになり、
H氏も召し上がったとのこと。
ことのほか胸にしみる味だったでしょう。
ああ、5月28日が待ち遠しい。
塩釜のまちについて、戻られたばかりのH氏によると
やはりところどころ、全壊している家屋もあるそうです。

そして津波によるヘドロが乾燥した砂埃となり、
強風の折は花粉症用の眼鏡とマスクなしではつらく。
飛散するほこりが衣服から紙まで付着してしまうそうです。
(追記:床上浸水した場所はこの付着したヘドロを落とすのに大変な労力を要し、 紅蓮屋心月庵さんなどはいまだに清掃が終わらないのだそう。)
さらに深刻に思われるのは
多くの商店が営業をあきらめているという話。
(塩釜は)さほど被害の大きさが報道されていないだけに、救援物資も届かず、
ある程度の食料品が揃う店は、大手スーパー以外見当たらないそうです。
そのスーパーも撤退するのではないか、
町全体が廃れてしまうのではないかと
さまざまな不安にさいなまれているようです。
現実に魚や肉などの生鮮品はとても手に入りにくいのだそう。
塩釜駅近く「五嶋屋」の志ほがま。五嶋屋の被害は比較的軽いようです。※関連記事アサヒ・コム
・・・・
震災から一月半以上経ちましたが、
時間を経てさらなる困難、不安がのしかかっているのだと思います。
いつも現地から届く話に胸が締め付けられる。
michiwakaさんは5月2日から再度塩釜へ手伝いに行くと書いてらした。
そして和菓子好きなワタシに
「機会があればぜひ復興後の塩竈にお出かけください、
梅花堂のくず桜と柏餅も本当においしいですよ」と付け加えてくださいました。
季節の朝生菓子ですから現地でなくては食べられない、とも。
その梅花堂は現在営業停止中。
H氏の印象ではとりわけ(本店)一階の被害は凄まじいそうです。
ただただ近い将来の復旧を祈るばかりです。
できる限り早く宮城を訪れようと誓うワタシは
やはりただの食い意地の張った甘党ですけれど。
都心ではほぼ日常生活に戻っているため
この先ともすれば被災地への思いが薄れてしまうかもしれない。
ワタシ自身の心に留めるためにも記録しております。
そして
東北各地和菓子店の現況は画像による情報なども
新たに頂いたのでまた追って書きます。
被災地の状況は刻一刻と変わります。
書くそばから情報は更新され、手が追いつかないこともたびたび。
同時性を追求するのであればツイッターが便利だけど
ある程度、しっかりと記録に残したいことについては
やはりブログに書いていくつもり。
あたふたしますが 何とか読んでみてください。
以上、文責はあんころりん
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●過去の東北関連記事
白松がモナカ本舗
福島県いわき市と玉嶋屋
福島県いわき市の和菓子とパン
3月24日
4月13日
高島屋東北応援フェア
宮城県塩釜市/丹六園
福島/本家長門屋・かんのや 岩手/まつだ松林堂etc
他多数
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★おまけの話★
4/25時点で見た衛星写真(グーグルアース)では丹六園及び周辺に建物らしきものは見当たりませんでした。 このことから必ずしも衛星写真が修正を施さないものではない、と気が付きました。
考えてみれば災害後の不安定な様子を有体にして、犯罪等に悪用されないとは限りません。 やはり、いかに精密であっても衛星写真で世界中の状況を把握するのは困難なのですね・・。
そしていくら報道されようとも実際に現地に赴かないかぎり、本当のことはわからないのだ、とも。michiwakaさんのお話と写真から強く感じたのでした。 こうして文章にすると当たり前のようですけれど…。
●もうひとつ●
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あんころりんさんの情報はそれを忘れないためにもとても役立っています!
そのような中で「丹六園」のように再開されるお店もあり、人間の力強さを感じます。
何事も目標や夢を持つことが大切なんだな、と実感しました。
そして、私はそれを応援すること(購入する事)で復興の僅かでもお手伝いができれば、と思う意外ありません!
あんころりんさんのご報告で東北地方の和菓子事情も知る事が出来きます。ありがとうございます!
被災された方の話の中で、恐れているのは忘れ去られることだ、と仰っていました。絶対に支援を単なるブームにしてはならないと思います。またある漁業従事者の方は「応援とかがんばれと言うなら魚を買って欲しい、(その方いわく)義援金より捕った魚を食べて欲しい」とも語っていた。忘れずにたべよう。食いしんぼにぴったりの役回り。
>とても役立っています!
ありがとう!
各被災地で前へ進んでいらっしゃる人々の力強さには目を見張ります。(華やいだ気分にならなくても)日々頑張って仕事しなくては、そして微力でもブログ書かなくては、と思います。
いもすけさんのように遠くはなれていても気にかける方がいらっしゃるの発信するのもパワーにつながるように思うんです。
ワタシ自身としては大変な状況がなかなか実感出来ないのがもどかしい。さっさと被災地へ行けばいいのですが。
丹六園は店内に所狭しと瀬戸物が棚に置かれてあったので片付けは本当に大変だったと思います。 現地からの最新の画像にほっとしています。
丹六園周辺は鹽竈(しおがま)神社の門前町で古いお店が多かったと思います。 残念ながら後継者がいないお店は止めてしまうところが出るでしょうね。
それにしても報道されていない問題のほうがはるかに多いということをあらためて知りました。
現地からのお話では後継者問題以前に存続困難とする店があまりにも多いのだそうです。そうやって街全体が鬱々としてしまうのだろうかと考えると胸を痛めているだけで良いのか、と自らを問うてしまいます。