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「和菓子wagasi」−東京のお菓子・菓子パンを歩く

2011年05月29日

銀座/空也〜葛饅頭 水羊羹ほか・・あたらしい「空いろ」 と未来の"あん"

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五月雨をあつめて美味し…葛饅頭とか水羊羹とか

和菓子wagasi−東京のお菓子・菓子パンを歩く

空也5月下旬の生菓子です。

葛饅頭、水羊羹、胡麻求肥、浮島、蕎麦饅頭そして・・・

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・・空也双紙

考えてみると、葛饅頭、水羊羹を頂いたのははじめて。
つまりわたしゃこの時期、訪れたことがなかったわけだ空也。

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水羊羹と葛饅頭

今年初物となった葛饅頭はたっぷりの葛がうれしい。
空也は国産(鹿児島)葛粉を用いています。

葛を味わう涼菓である"くず桜"に比べ、
あんが主体の"葛饅頭"はおしなべて葛生地の厚さが薄めで
店によっては薄すぎて物足りない、と思うこともないではない。
ことしは初っ端から空也で満足させていただきました。

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(鹿児島産)葛粉を使った生地で元気豆を使ったこしあんを包んだ

空也では生菓子を年間20種類ほどこしらえます。
そのいずれもが慎み深く凛とした姿。
蓋を開けるたび、その楚々とした景色に気持ちが清々します。

白い紙箱に並ぶ
「極力甘みを抑え、余分なものをそぎ落とした端正な菓子は
きっぱりとした意志を秘めているようだ」
えーこれ空也の生菓子について某広報誌春号に書いた文章の抜き書き。
自分で自分をコピーするなんて愚の骨頂ですけど。

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葛饅頭、水羊羹、胡麻求肥はふたつずつ注文

さておき。
じつはこの取材で今年1月、空也の作業所を見せていただく機会に恵まれた。
建物の一階が店舗でその上が生菓子をこしらえる作業場。
さらに上階にあんづくりの工場があります。
そして代表菓子たる"もなか"を詰める作業は地下で行わなれ、
ここだけは数年前に機械化を果たしている。

生菓子と製餡の工場を拝見した印象は「近代的かつ、とーっても清潔」。
まさに「磨き抜かれた」といったかんじ、ピカピカに光ってました。
食品を扱うのですから当たり前と言えば当たり前ですが。

P1250969.JPG 胡麻求肥。美しい菓子は清らかな仕事場から

そして中心となっている多くの職人さんは若く、なかに女性も数名いらした。
皆さん清潔な白衣に身を包み、
キビキビとしかもにこやかに働いていたのが印象的です。

「銀座の、しかもこじんまりした老舗の2階であんこを作っている」。
ずっと前に何かでそれを読んで以来、ワタシが想像したのは
・・頑固そうな年配熟練職人さんが使い込んだ(古い)銅鍋であんを煉り、
ひょうたん型の皮にあん詰めている、とか。
あるいは
すりへった木べらで羊羹を煉り、黄身餡をひょうたん型に丸める様子など、を思い浮かべたのでした。
まさにステロタイプにどっぷりつかった、貧しき我がイマジネーション。

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ワタシ好みのしっかりした水羊羹。ごく抑えた甘さに心地良いのど越し

実際に拝見したのは午後遅くで、生菓子工場は終い支度の最中でした
(店の大きさから推せるように)けして広いとは言えないスペースながら
手入れの行き届いた道具類がきちんと収まり、磨かれたステンレスの作業台や
整然と並ぶ木製品はさすが和菓子屋、清掃用具類は風通しよく掛けられていました。

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清掃に余念のない。床は水はけのよいタイル貼り

製餡部門は超特大のさはり(あん煉用の銅鍋)やぶ厚い渋抜き用の釜が設えてあり
明るい小さな菓子工場といった雰囲気でここもピカピカ。

さすがに材料置き場には苦労しているようで
小豆やグラニュー糖の袋が数十キロ単位、
階段付近の涼しく乾いたスペースに積み重ねてありました。

取材中、女将さんは何ひとつ包み隠さず、といったかんじで
材料置き場から地下のもなか詰の場所まで歩いて案内し、
材料銘柄などスナップ撮影も許可してくださった。

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浮島にはメープルシュガーを用い、色粉など一切使わず

その鷹揚さは自信の裏付けでもあります。
信頼できる個人商店は情報公開を厭わない。
取材の折々に、そして日常的にもそう感じます。
真似るならどうぞ、といったかんじで
真っ当な材料を用い、清潔な仕事場であれば何も隠す必要はない。

さて…さて!
そんな空也が創業以来初めて、本店以外の店舗を展開するという

明治17年上野池之端で創業、戦後銀座に移りその間一度も支店を持ったことのない老舗が。
これはちょっとしたニュース。

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蕎麦饅頭。以前は蕎麦店「三城」(長野に移転)の石臼挽き蕎麦粉を用いていた

数年前から(ただいま修行中といった風情で)店頭に立たれていた五代目・山口彦之氏。以前から構想をしていたのが「世界にあんの素晴らしさを広めること」だそう。

新しい店の名は空いろ」 。
二店舗、次々にオープン予定で
空いろ」エキュート東京店 は6月 8日水曜日
空いろ」エキュート品川店は 6月20日月曜日。

じつは・・少し前に思いがけず空也の新店舗構想を知ったのですが
あの製造現場でいま以上の量を作るのはムリでは?と要らぬ心配をしてました。
職人さんを増員したようなので、どんなお店になるのかな、と興味津々。
菓子を買いに行った折に訊ねようかと思ったけれど。
(偶然ですがこの日に公になったので訊いても差し障りなかった…)

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一月の煉切りは空也に珍しく淡いが色をつけている。とはいえクチナシによるもの

・・・
四代目当主である山口元彦氏は
先代からの菓子づくりの精神、
・・つくり込み過ぎることなく、
材料を生かし、合成の着色料や添加物など一切使わない。
価格にとらわれず良質の素材を選ぶ。
飾り立てずシンプルに手づくりする・・
その方針を受け継ぎ、切り拓いてきました。

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こちら一月の薯蕷饅頭、ひと差しの紅はクチナシ色素から

こしあんに使う北海道産減農薬小豆「元気豆」をはじめ、
もっと安全にそして味の良い素材を、と追い求めこだわる姿勢。
生菓子の材料ひとつひとつに表れ、マイナーチェンジもありえる。
数年前にお身体を患われ、それゆえに探究心はいっそう強まったのだそう。

新店舗「空いろ」の概念は
「空也」で長年大切にしてきた素材へのこだわりはそのままに、
五代目が胸を張って世に送るあんこを使用、
洗練されたコンセプト、現代的センスでアレンジしたお菓子を提供」だという。

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これらの他にどんなお菓子が…

四代目が守り、深めた空也の菓子づくり。
五代目は未来へ向かって・・・
「空いろ」オープン、いまから楽しみです。

あ、そーいえば5月31日のNHKも空也登場。

※文中の某広報誌春号について問い合わせはこちら

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●過去の空也関連記事
桜餅(2011年)
桜餅と生菓子ほか(2010)
空也餅・生菓子(浮島、草求肥、蕎麦饅頭、羊羹etc)
空也もなか
生菓子(空也双紙、黄味瓢、羊羹、蕎麦饅頭etc)

●店と菓子のデータ
空也
空いろ
季節の生菓子〜5月下旬:葛饅頭、水羊羹、胡麻求肥、浮島、空也双紙、蕎麦饅頭(全9品−2040円)
※出来上がり前に入店、思わず9品選んでみた…

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生菓子のこしあんにはグラニュー糖使用

twitter


●おまけの話…長めの
空也は初代から主人は菓子づくりをしないというのが自慢、というか方針。
茶室のような店内の扁額や瓶など、どれをとってもエピソードに事欠かない。しかし、ご当主はそういったサイドストーリーを声高にするのを好まないのだそう。
さて現在、お店の切り盛りは女将さんと(五代目の姉上である)お嬢さんが中心となり、ご主人は午前中お店にいらして午後はお身体の回復療養にあててらっしゃるようです。昨年あたりはお店で姉上から教示を受ける五代目をお見かけすることもしばしば。ワタシとしては後継者がいるのね、と勝手に喜んでいました。
それどころかなんと新店舗とは。予想以上に積極的な展開は嬉しいオドロキです。それにしても名のある老舗ですから信頼と期待を裏切らないようにしなくてはなりません。
ううむ。すっごいプレッシャーだろうなあ。
(補足:五代目は大学卒業後、製菓学校を卒業、同校出身の方もこれまでに空也で製造担当。)
★そして東北
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posted by あんころりん at 18:51| 東京 ☔| Comment(8) | TrackBack(0) | 中央区 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
こーれはこれは、思いがけず嬉しい情報♪
老舗ゆえのプレッシャーも感じていらっしゃるはず。だって100点満点じゃないと許されない状況ですよね、きっと。
とにかく楽しみに待ちましょう。
Posted by kozue at 2011年05月30日 16:38
kozueさん、
刺激的な話題に乏しかった東京の和菓子周辺では久々の明るい話題です、とってもうれしい!

>100点満点
お客は暖かく見守る方ばかりでないのが現実ですからね。期待が大きいだけに、ちょっとしたほころびも目立ちゃうでしょうから。ホント大変だと思います。そう、とにかく楽しみに待ちます。
Posted by あんころりん at 2011年05月30日 18:53
私はまだ空也のお菓子はいただいたことがありません。銀座にはよくいくのですが、いつかいつかと思っていてもまだ。これを見てぜひぜひいただきたくなりました!!
Posted by min at 2011年05月30日 21:17
minさん
こんばんは。空也はこれまで要予約、というのが定説でしたが空いろは買いやすそうなのでそれもまた魅力ですね。ワタシも楽しみにしています♪
Posted by あんころりん at 2011年05月31日 22:09
空也は予約のみのお店と聞いていたので機械化が進んでいたのは意外でした。
若い職人さんが多いのは京都の人気店でも一緒ですね。 全国から菓子修行に来ているんでしょうね。

平日に休みがほぼ取れない私にとって「空いろ」は気軽に買い物ができそうです。 いつもながら情報ありがとうございます。
Posted by 笹団子 at 2011年06月02日 20:10
笹団子さん
空也は予約のみの店ではないんですよ(そうゆう印象が一人歩きしちゃってますけど)。ワタシは概ねフリで買ってますし、記事の生菓子もフラりと寄った際に、ついでに最中も二箱購入しました。
機械化といっても、最中にあんを詰める作業のみなんです。あとはすべて手作業によるものですから生菓子などはたくさんは作れないようです。
エキュートは朝早くからですからお勤めの方には便利ですね。
でももしも興味があれば銀座の本店も土曜日は夕方まで営業していますから、週末ご利用できるのではないでしょうか。
Posted by あんころりん at 2011年06月02日 22:14
初めまして
こちらの記事を参考にさせていただき、東京出張の折り、空也さんに立ち寄りましたところ、朝一に行ったのもあり、生菓子詰め合わせを購入することが出来ました。
水羊羹、葛饅頭と幸せなひと時を味わうことが出来ました。
ありがとうございました。
本も購入させて頂きました。
また、ゆっくり拝見させて頂きます。
これからも素敵なモノたちの紹介を楽しみにしています。
Posted by 黒猫珠 at 2011年06月22日 16:19
黒猫珠さん
お返事が遅くなりすみませんでした。
拙著を購入してくださってほんとうにありがとうございます。
そしてそして。
朝一で空也の生菓子が入手できたんですね、良かった〜。
>幸せ
そうですよね〜♪
お菓子がお好きなら一度は口にしてみたいお味だと思います。
先ほど空也の新しいお店の記事を書きましたので興味があったらご覧になってみてください。
Posted by あんころりん at 2011年06月25日 17:22
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