むっくり。味噌ぱん
らぶりい梅子。梅干ではなく
これがうわさの
先週末、宮城県北部の気仙沼市へ行ってきました。
今回、紹介したいのは気仙沼から南へ120キロ、
仙台市若林区の『石橋屋』です。
若林区はこのたびの震災で・・・
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・・津波による大きな被害を受けた地域です。
当初は若林区すべてが津波にのみ込まれたかと思われました。
以前にも書きましたが
震災後ひと月経っても宮城の老舗菓子舗三店−
丹六園、紅蓮屋心月庵(松島こうれん)、そしてこの石橋屋−
の安否確認ができなかった。
下は高島屋和菓子バイヤーH氏が5月始めに撮影した画像です。
屋根瓦が若干落下しているけれど損壊はほとんど見られません。

昭和26年建築の古民家風のお店。仙台景観重要建造物指定建物に指定
H氏に伺ったはなしでは、
地震後すぐに高台に避難した石橋屋のご主人自身が
上から眺めたところ店は津波にさらわれたかに見え、
とても無事とは思えなかったそうです。
ところが間一髪、押し寄せた津波は数十メートル先で留まり
石橋屋の店舗まで及ばなかった。
しかししばらくの間、通信は途絶えたまま、
それでも数週間後になんとか火をおこし、せめてこれくらいはと
菓子を作って近所に配っていたそうです。
干切。手でふわっとまとめた糯米おこしをきなこと蜜の薄い皮で巻く
ネチふわっの絶妙過ぎる食感は手づくりならでは…たまらん
駄菓子を配りながら、次々と目の当たりにする周囲の辛い状況に
心を痛め、涙したという。
現地に赴いたH氏によると
石橋屋から近い国道(?)を越えるとまったく異なる"とんでもない"光景が広がる。ほんの数ブロック離れただけなのに被害は凄まじかったのだそう。
*****
ワタシが実際に気仙沼で見たありさまも同様で、
ワンブロックごとに被害状況は異なり、家屋が並ぶ隣がいきなり瓦礫の山だったり
建物の表は無事かと思いきや、内部はぐしゃぐしゃ、裏に潰れた車が貼りついたり。
本来は避難場所だった南気仙沼小学校とその裏
また泥上げ作業をお手伝いした区域の数100b先は
全焼区域だったのか瓦礫の山と更地に積まれたスクラップ、
川には何台もの車が流されたままになっていた。
震災から3ヶ月近く経ったいまも、避難所で暮らす人々が多数いらっしゃり
自宅で生活するには、ひとつひとつ解決すべき問題が山積。
東京では想像しえなかった障害が数多く横たわり
復興までの道のりは長く、あまりに険しいのだと痛感したのです。
*****
さて。
ここはタフに仙台駄菓子に話をもどします。
じつは作業の休憩中、こっそりつまんでいたのは石橋屋の塩釜。
味甚粉 餅米、砂糖、しその実、塩、だけでこしらえたお菓子は
エネルギー補給にうってつけ。
甘しょっぱさが口でジュッと溶け、即充電満了!という気にさせてくれた。
板チョコ風に割って食べて万全のエネルギー補給
上菓子に対して生まれたことば駄菓子。
仙台駄菓子で名高い「石橋屋」は明治18年創業、
三代目ご主人はいまもなお手作業による駄菓子づくりを守っています。
石橋屋の二代目,石橋幸
世に存在を知らしめたお菓子の偉人。
大正時代以降、失われかけた仙台駄菓子を復活させるため
全国をたずね歩き、「駄菓子のふるさと」などの著書も多数あります。
そのなかから復元した駄菓子は約40種類あり、
石橋屋は飴屋だった初代から続く菓子を併せると、全部で60種類ほど揃うようです。
ねっちりした歯ごたえのきなこねじり(奥)さっくり柔らかめしぐれねじり(手前)どちらもきなこ、ゆべし種を黒砂糖、米飴で練ったねじり菓子
HPで駄菓子の成り立ちを読むと
まさにプロレタリアアート不屈の底力から生まれた独創的な食べもの。
封建制度のなか幕府は白砂糖の使用を上菓子屋のみに制限、
市井の菓子屋は術もなく、幕府とつながりの強い上菓子仲間に砂糖の利権を独占されてしまった。
…いまも昔もそーゆー構図って変わってないらしい。
なので、庶民が口にできるのは黒砂糖や米飴のみ。
「甘さの基準はつるし柿。黒砂糖、米飴が駄菓子の味」というのは、
そんな背景があるからでしょう。
青葉しぐれ:ごく控えた甘さにほろっと繊細なくちあたり、美味。
また伊達藩には独自の製法による非常用食糧"仙台糒"(ほしいい)があり
町民に払い下げられた糒を原料にして、
独特のおこしやきなこなどの"ねじり菓子"が生まれたわけです。
昔は保存性の高さも駄菓子の条件、
1〜2ヶ月は変わらない品質と、そして腹もちの良さが求められました。
本来はゆっくり口でころがせるような、かたさを味わう菓子だった。
そういった固い伝統菓子はヨーロッパにも見られます。
いまでは駄菓子も比較的口あたりの優しいものが主流ですが、
ワタシとしてはかつてのカタ〜い頑丈なブツを味わってもみたい。
兎玉:赤煉あんに米飴、黒砂糖、餅粉を加えて練り、すり蜜をまぶす。 「赤煉あん」は中ザラ、玉砂糖、米飴を使ったあんに味甚粉で粘りをだす(たぶん)
さて。
ワタシが石橋屋のお菓子をはじめて見たのは30年ほど前。
東京青山のスーパー「紀ノ国屋インターナショナル」の2階です。
あ、年を推してますね。
その頃の紀ノ国屋は一階に高級フルーツや輸入野菜、肉魚、
当時としては珍しい生のモッツァレラチーズなどの生鮮品と、
加島屋特製の鮭の瓶詰めなど国内各地の逸品食材が集まり、
2階はインストアベーカリーとデリのコーナー。ここでピタやドイツ黒パン、ダッチアップルパイなんか買うのが楽しみだった。
このフロアには欧米各国の袋菓子コーナーも設けられ、
一緒に並んでたのが石橋屋のマコロンだの輪南京、かりんとうなど。
輪南京ーわなんきん♪南京糖は元禄のころに塩釜 に漂着した南京人が伝えたという。練った餅粉にきなこや黒砂糖を混ぜ、上にすり蜜をかける
見ため高級感にかける石橋屋のお菓子がそこにあるのは不思議な気がしました。
でも、いまにして思えばその店の日常的な買い物客層はむしろ中高年が中心。東北にルーツを持つ経済的ゆとりのあるご家族や、
あるいは昔ながらの駄菓子を懐かしむご婦人方の琴線に触れても不思議はありません。
番茶がし:奈良時代の唐菓子:索餅(さくべい)によく似た揚げ菓子。 ぼりりんと歯ごたえがたまらん
ともあれ。
なんだかコロんとしたマコロンに惹かれて買ったのが仙台駄菓子初体験。
名前は洋菓子っぽいけどコレ何?ってかんじ。
食べてみると香ばしいかおりとザクっとした食感に「オイシイじゃん」。
そんなわけで。
郷土駄菓子における我が原風景は紀ノ国屋インターナショナル2階。
庶民の駄菓子は安価なことが求められるわけですが
ワタシには食通に愛される美味しいモノ、という肯定的な偏見があります。
いや実際オイシイんですけど。
黄粉くし南京、南京系のなかでもきなこたーっぷり
素朴な愛らしさ、じんわりしたうま味。
あるいは平凡で地味に見えるかもしれない。
限られた素材に工夫を凝らし、組み合わせの妙が随所に見られる東北駄菓子。
ワタシ的ごく最近のお気に入りは
ばん茶菓子、ぶどうにぎり、千切、みそぱん、青葉しぐれ、きなこくし南京など。
とは言え
きなこねじりやしぐれねじり、兎玉、マコロン、輪南京など…どれもこれも捨てがたい。
限られた素材をバラエティ豊かにつくりあげる知恵と工夫の詰合せ
梅子:小麦粉と麦芽水飴で練った皮できなこ生地をくるんだ
甘さもごく抑えめ、きなこや黒糖、ピーナツなどを材料にした
仙台駄菓子は和菓子洋菓子の枠を超えた、親しみやすいおやつ。
おいしく食べて被災地支援につながるうえに
きなこや黒糖など素材にはミネラルも豊富ですし
各地に伝わる郷土菓子に興味がわけば、知恵と力も湧いてくる…きっと。
日保ちの良さも魅力です。
かつて安さと腹もちが身上だった菓子は
現在、首都圏ならば高島屋や紀ノ国屋、サカガミなどで入手できます。
えそべ、ぶどうにぎり:うるち米を煎った種がベース。噛むとふにっ、口の中でしゅわっととける
冷蔵不要だし。
ポケットに塩釜、
戸棚にぶどうにぎりとか"えそべ"・・どう?。
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●過去の東北関連記事
白松がモナカ本舗
福島県いわき市と玉嶋屋
福島県いわき市の和菓子とパン
3月24日
4月13日(松島こうれん・石橋屋ほか)
高島屋東北応援フェア
宮城県塩釜市/丹六園
福島/本家長門屋・かんのや 岩手/まつだ松林堂etc
宮城県塩釜市と丹六園再開
福島県玉嶋屋の上生菓子
福島県玉嶋屋の木の葉饅頭、くまたぱん本舗のくまたぱん
福島県玉嶋屋の浮草
福島県玉嶋屋の花がすみ
他多数
●店と菓子のデータ
石橋屋
・郷土駄菓子:(9種20個入)1050円・輪南京(4個)兎玉 梅子 干切 えそべ ぶどうにぎり 青葉しぐれ きなこねじり しぐれねじり(以上各2個)・餅米 赤煉あん 砂糖 味甚粉 黄粉 小麦粉 黒糖 米飴 水飴 着色料 全脂大豆粉(遺伝子組換えでない) 落花生 膨張剤 大豆油〜サカガミ赤坂ルパ店
・番茶がし:8個630円・小麦粉 水飴 植物油〜紀ノ国屋インターナショナル
・味噌ぱん:630円・小麦粉 味噌 醤油 砂糖 膨張剤 調味料(アミノ酸等)大豆油〜サカガミ赤坂ルパ店
・塩釜:味甚粉 餅米 砂糖 しその実 塩〜高島屋日本橋本店 銘菓百選
・きなこくし南京:8枚・味甚粉 黒糖 黄粉 餅粉 全脂大豆粉(遺伝子組み換えでない)〜(紀ノ国屋インターナショナルにて)
断面〜きなこねじりとしぐれねじり。味噌ぱん
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●おまけの話
金曜深夜つくば発のバスで気仙沼市南郷へ泥上げのお手伝いに行ってきた。U字溝に詰まって沈殿した重油まみれの泥ドロをかき出す、
早い話がドブさらいです。もどりは日曜早朝。
普段から歩き過ぎだったらしく、とうとう足底腱膜炎の診断。
しかし。あまりにも、違う、ここ東京とは。
んで。NHK「和の極意・・」で放送中止となった石橋屋作業の映像、必ず広く公開してほしい。 インターネット上とかでなく。
★だから東北
高島屋新宿店「銘菓百選」
6月の催事は超充実『被災地支援、がんばろう!東日本』
できれば近々、詳細について紹介します。
いまのところ各自問い合わせてみてね。
問合わせ先・高島屋新宿店
宮城県塩釜市「丹六園」の志ほがまが無事、5/28高島屋新宿店に入荷♪美味しさに感激。
高島屋新宿店・銘菓百選「東北の味を紡いでいこう」東日本銘菓特集
も続行中。下記↓リーフレットを拡大してご覧ください。

問合わせ先・高島屋新宿店 ・銘菓百選ブログ
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石橋屋さん、津波による被災を免れたものの、大変だったようですね。 よくぞ復活しましたですね。
駄菓子は現代ではレーションと呼ばれる野戦食の応用だけに保存、携帯そして栄養価に優れているようですね。
紀伊国屋スーパーに置いてあったなんて石橋屋の駄菓子は駄菓子とはいうものの、それなりに高級ということになりますね。 昔は当たり前だった手作りということもあるのでしょう。
「直伝 和の極意彩りの和菓子 春紀行」なんですけどDVDになればいいなと思っています。
それなら番外編で宮城県の話の映像が見られるので。
足、大丈夫ですか??
地域によってはまだまだ手付かずのところもあるのでしょうね。
東北地方はまだ行った事がなく、以前から行ってみたいなぁと思っていた所です。
一日も早い復興を願っております。
「千切り」、見た目だと固そうですがきなこと蜜の皮が“ネチ”なのですな〜。
「番茶がし」は長崎にも同じようなお菓子ありますね!試してみたいお菓子がたくさん♪
なにより足、お大事にね〜年齢を重ねるごとに復活に時間がかかりますからー(いぢわる:笑)。
仙台駄菓子、いちいち心に響く商品ばかりです。炭水化物とタンパク質と糖分、カラダの即効薬ですね。わたしは以前からカゴ入り詰め合わせにあこがれております。あのカゴをどうするんだ、という話もありますが。
それにしても駄菓子って、なんでねじってあるんだろう?(笑)
恐れ入ります、ほんの一日のことでたいしたことしてないので恐縮します。なんと言っても被災地の方はずーっとお疲れで休まる間もないのですから…。
兵糧の糒は煮ればおかゆになるものですがそれを保存性の高いお菓子にしたところが庶民の賢くしたたかなところなんでしょうね。
DVDもいいですね。地上波でフツーに放送すればお菓子にさほど興味の無い方もご覧になれると思うんです。せめて無料アーカイブとして公開してほしい。
出来れば随時、お手伝いに行きたいと思ってます。足は…安静第一らしいんだけど、ワタシにはムズカシイ〜(笑)。ゴム長の底に鉄板いれてたのですが(踏抜き防止)固い靴が良くなかったらしいです。あのね、ワタシはいもすけさんお好きな食感だらけの気がしているのですよ。ただワリとドライな素材感ですけど…機会があればぜひぜひ。番茶がしは麻花見っていうのとめちゃ似てます。
寄る年波ね〜。心しときます、ってムリだけど(笑)
上の小学校から200b戻れば車が渋滞する県道で100b進めば上の画像の川という具合に少し歩くと景色が変わる。悲しさよりどうなるんだ、どうするんだと展望がつかないかんじでした。
そーだよね、なんでねじりなんでしょ?確かに捻る工程は多いけれど、それだけじゃない気がします。
グッドデザイン賞のかご、ぜひ買ったら見せてねー。55個入ってるけど日保ちするから大丈夫、なんなから手伝います(笑)
いつも、楽しく拝見させていただいて、参考にさせていただいています。
梅干のお饅頭で、私の大好きな三重県 津市「刀根屋」、ここも美味しいですよ。
駅のお土産コーナーで買えます。
石橋屋さんの記事中に『千切り(せんぎり)』と見えますが、『干切(ほしきり)』ではありませんか?
ワタシ、埼玉県熊谷市の五家宝(ごかぼう)の事を勝手に調査しておるところです。
五家宝のルーツは水戸の『吉原殿中』というお菓子らしいのですが、いかがでしょう、この『干切』は五家宝や吉原殿中をさらにさかのぼった“原型”に相当するんじゃないでしょうか?
あんころりんさんのご意見をたまわりたく存じます。
いつも読んでくださってほんとうにありがとうございます。津市「刀根屋」さんの梅干 羊羹に梅が入るなんてホントにおいしそう。ワタシの好きな菊寿堂義信の梅干にちょっと似てます。それにしても刀根屋さんの梅肉入りってすごおく惹かれます。焼物の器もステキ。最中やブッセもおいしそうな刃根屋さんの情報ありがとうございます。これからもいろいろ教えてくださいね〜♪
はじめまして、おはようございます。
ほしきり、いまの今のままでせんぎりだと思い込んでました。ご指摘ほんとうにありがとうございます。直さねば。(いいワケしますと最初に読んだ本の記載が千切りのようで。石橋屋のHPを見てもまったく気が付きませんでした。トホホ)
吉原殿中や五家宝のルーツのことに関してですが、やはり似た系統で佐賀に〈梅鉢〉というのがありまして、一説によると「龍の髭」という中国の宮廷菓子がこの梅鉢のルーツではないかと言われてています。大変高級な菓子のようでワタシはこの「龍の髭」おみやげバージョンを食べたところ(超高級版ではないのであくまでも参考ですけど)五家宝のルーツかどうかは判断つきかねねました。
おなじく佐賀の「松原おこし」など全国には糒(干飯)を使った菓子がありますから各地各時代で庶民が創意工夫をして作ったそれぞれがオリジナルなのかも知れませんね。
石橋屋さんではこの干切と同様の形状で白いものは「吉原巻」としています。ワタシはむしろ吉原殿中あるいは五家宝など各地にあるおこし風の菓子を切ったのが干切や吉原巻に継ったのではないかと思うのですがいかがでしょう。
長く読みづらくなってしまってすみません。
ワタシも最初に見たとき『せんぎり』と思って疑いませんでしたよ。
話題のNHKの番組のテキストで初めて知ったのですが、あの本…、大抵の商品名や店名には必ずフリガナがあったのに干切だけフリガナ無し…。
たぶんみんな『せんぎり』って読んじゃったことでしょう。
テレビ放送もなかったし…。
あの写真を見て『あ、五家宝の太巻きの断面だ』って思って…、しかもそれが伊達政宗の頃からあったようなので…。
ついつい『五家宝のルーツでは?』と想像をめぐらせてしまいました。
なるほど、おっしゃるように『各地各時代で庶民が創意工夫…、それぞれがオリジナル…』。
そうですね、うなづけます。
ありがとうございました。
お返事が遅くなってすみません。再度のコメントとてもとても嬉しいです♪
ほしぎり、そういえば手持ちの資料どれを見てもフリガナないので、注意不足のワタシはもし教えてくいただなくてはそのままでした、ほんとにありがとうございます。
>『五家宝のルーツでは?』と想像をめぐらせて
これまた素晴らしいイマジネーション。ルーツ探しって文化の源でもあると思います。で、あらためワタシも気になったので石橋幸吉氏の絶版になった本を取り寄せたところです。
その本で熊谷家(熊谷次郎直実)の子孫が残したふたつのお菓子に言及してまして
熊谷市の「五家宝」と宮城の熊谷村「熊谷おこし」とあります。熊谷おこしはきなこネジリみたいなもののようです。ここでワタシが思い出したのが仙台駄菓子の老舗「熊谷屋」。こちらも武州熊谷家と関係があるかもしれませんね。
かすぽんさんのおかげで興味がさらに深まりました。郷土菓子ってほんとに楽しくて美味しくて素晴らしい食文化ですね。これからもいろいろ教えてください。
またまた長くなってしまってすみません。