あんころりんのiPhoneアプリ
「和菓子wagasi」−東京のお菓子・菓子パンを歩く

2006年07月25日

本物のきんつば,幾久しく
美味すぎて日本橋三はし堂

IMG_1487 (2).JPG
↑きんつば、小豆と砂糖だけの見事な粒あん、寒天は使わず

何はさておき「焼ききんつば」がおいしくて
うばわれ目もくらむばかり、
美しき小豆あんはかの「日本橋三はし堂、
8代目の職人が今を引き継ぐ、下町らしくも・・・


人気blogランキングへ

人気ブログbanner_02.gif

創業150年余りの
品良い味わいが定評の完全手作り和菓子店。

初めて食べた時のこと、
たちどころにわかる、きんつばの段違いの味わいと言ったら。
ほほほ、ストレートに驚きました。

IMG_1408 (2).JPG
↑重ねたきんつばチントンシャン

しっかりとした小豆の一粒一粒が品良くしかし、濃い豆の味わい
また驚くほどに繊細で伸びの良い皮の舌心地。

気取らずに食べられる丹精した「きんつば」のうれしさで
鏡を見たら、間違いなく頬が緩みアホ顔だったな。

材料はいたって簡素、
小豆と砂糖と小麦粉ただそれだけ。

IMG_1417 (3).JPG
↑いきなり断面拡大で美味しさ感じて

これだけでどういうわけかおいしい。
それは何故だかわからないのがシロウトの幸せ。
ただただ嬉しくてうまくて。

丹精した”としか言いようのない
微妙な配合やらタイミングなど、
すべての調和と技術が完全なのだろう。
まごう事なき「職人の手」による技のすごさに
素直に深く「感動」してしまいます。

IMG_1529 (2).JPG←夏の生きんつば「清流」

ただのお菓子を何も知らぬ人間が食べてが動かされる。
これぞ江戸から受け継がれる
「幾久しい」素晴らしい下町の技と心じゃないの?
いいんだ、もし意味違っても。

ともあれ
それが感じられるものに出会ったうれしさ、うまさと楽しさ。
はあ〜甘露、甘露。・・っておやじどころか、もはや好々爺気分。

ところで。
多くの「焼ききんつば」の小豆あんには寒天が使われています。

IMG_1618 (2).JPG
↑朝方炊いた粒あんも購入可能

これまでにも登場した美味いきんつばの各店に於いては
きんつばの名店「徳太楼」「一元屋」、
栗きんつばの「花園饅頭」などで一様に寒天を使い
長野の「和泉庄いずしょう」では寒天は不使用で水飴入り。
それぞれに美味しい物でありますが。

あんの品の良さに込められたのは
三はし堂の製餡所としてのプライドなのか。
当然、価格にも比例しますが、寒天を使わない仕上りに
やはり、というべきか。さすがに餡の味がほんとうに「すごい」。

IMG_1521 (2).JPG
↑清流側面、生きんつばの透明感は寒天使い

何せ、食べた相手のリアクションをみると
面白いほど、一様に目を丸くして
ベタなくらいに「おいしい〜」と驚きます。試してみてね。

これまでの美味しいきんつば達との“さらなる食感の違い”、
ストレートなの味わいが、
やたら早いリアクションに繋がるみたい。ははは。

IMG_1552 (2).JPG
↑紫陽花は細かな錦玉に白あん、中に求肥をひそめて

この「きんつば」は間違いなく、あんこ好きにはうれしいお味。
そしてまた
上生菓子にも驚く美味しさがあります。

この夏の季節菓子でも口に入れた途端
ことさらにうれしさを感じた物がこちら

生きんつばの「清流」、水羊羹、そしてワイン羹
ええっわいん?和菓子的にはキワモノでは・・
と思うでしょう。
思いましたよ、なぜワイン?と。

IMG_1532 (2).JPG
↑美的かつ美味、ワイン羹、道明寺羹

逆にあれだけの菓子をつくるのだから
よくよくのこと、と妙な期待?も

ワインジュレやソルベなどリカー系涼菓は多いが
これまで別段おいしいと思った記憶はない。
たしなまないので殊更ワインも嬉しくない、
ゆえに“菓子として”のおいしさだけが頼み。

ワイン羹」は
スムースな甘さほのかな酸味のバランスに優れ、
寒天の涼菓としてまずおいしい。
切れの良いゼリーと言おうか、舌触りは当然なめらか、
白の餡玉はほのかなアクセントとして最適

IMG_1543 (3).JPG
↑左道明寺羹、右ワイン羹をぜひ拡大

夏の上生の寒天菓子はおしなべて“錦玉羹”のように甘さが強い。
個人的に、
お薄でいただいても凝ったビジュアルであっても
どうも美味しい印象に至らない。

ワイン羹は見た目にもとても洒落て
むしろ削ぎ落としたフォルムと色合いの美しさに惹かれて求めたのです。
口に運んでみて、それはワインの香り高く風味豊かな水羊羹。
派手ではない分、味わい深く、ぐっと楽しいお菓子で
味においても周囲には感激の声。

IMG_1518 (2).JPG
↑こしあんの品良さは色に出にけり水羊羹

水羊羹」も大きな期待の上を行く素晴らしい品の良さ。
こちらのこしあんのさらりとして格別においしいこと、
食べればすぐにわかります。まさに上品。
あんと寒天と水との絶妙なバランスで
水羊羹」として仕上がっています。

きんつばの後に頂いたので
相当のプレッシャー(誰に?水羊羹にか)が。
にも拘わらず、うれしい〜驚きでまたまた頬ゆるむ〜。

IMG_1581 (2).JPG
↑絶対に必ずクリック拡大
道明寺羹の底にはごく僅かに水色が掃かれている
これぞ和菓子の繊細な美


機械も使わず、毎朝炊くというあん、冷凍は一切しないそうです。
これは繊維の破壊を招き舌触りが変質するの嫌ってのこと。
老舗の和菓子店として製餡所として
守るところはしっかり守っているから
この味が出来るのでしょう。

餡があんですから
ほかにもただならぬ美味しい生菓子がどっさり。

IMG_1609 (2).JPG
↑宝最中は胡麻あん

道明寺羹煉り切りなども大変おいしく
最中なども相当な実力のものです

IMG_1603 (2).JPG
↑繊細な皮が魅力,小判最中の粒あん。こしあんもあり

ところで。製餡所の併設ということで
三はし堂には「イイもの」があるんですよ。
粒あんとこしあん、生一本そのまんま。うれしい〜。

どちらも実にあっさりとして家庭で楽しむには最適なお味。
そのままでも良し、お菓子作りにも良し。
・・って、あまりにうまくて生のまま完食してまったが。
お菓子も作ってみたかったな。

IMG_1616 (2).JPG

三はし堂では久々に深い感動を得た
江戸の佇まいを感じさせる上等なお菓子の味でした。

うれしくて楽しい、お菓子一つで心に沁みるなんて
本当の職人技とは何よりも敬愛すべきと、
あらためて思う“きんつば”は我が母(注1)なり・・?

IMG_1485 (2).JPG
↑寒天不使用で固めたきんつば小豆あん

※注
・(注1)「きんつばはあんこの母」説の記事はこちら
・徳太楼の記事はこちら
・一元屋の記事はこちら
・花園饅頭と和泉庄の記事はこちら

◎★今日の和菓子語5
「きんつば」
※簡単な歴史などについてはこの過去記事
吉原の花柳界ときんつばの由来」の項をご参考までに。
IMG_1391 (2).JPG
現在では寒天などで固めた(三はし堂は不使用)直方体の餡に
水溶きの小麦粉をつけて六方を焼く物(焼き金つば)が主流。
 元々は丸い“刀つば風”の形だったようだ。
当初京都で流行した銀つばという餡入り焼き餅が
享保年間に江戸に伝わり小麦粉皮に変わり金つばになったとされる。
銀から金への移行については諸説様々。
詳しくは過去記事をどうぞ。

◎おまけ後記◎
IMG_1561 (2).JPG
↑夏の煉りきり、朝顔

三はし堂」はこの1月にのりたま(げ)さんからお薦めがあり
すぐ後、偶然にも伊勢丹新宿店にて遭遇&入手。
以後きんつばを数回体験、早いところ本店へ行かねばと。
上生菓子
「どうしてこういう味になるのか?」
という職人技を心底楽しませていただきました。
最近の確実な情報はサイト内でのご推奨の言葉かも。感謝。

●お店データとあれこれ
日本橋三はし堂
住所: 東京都日本橋中洲7-1
定休: 日祝  時間9:30〜16:30(土曜は12:00まで)
IMG_1379 (2).JPG
☆他の出店は
・銀 座 松 屋(月・水・金)・日本橋 高島屋(火)
・新宿伊勢丹不定期

※創業150年余り、八代目職人の手仕事による
日本橋三はし堂」。
何故か店舗には苦労するようで、再初は両国に始まり
60年代に浜町へ移転、その後98年に浜町中の橋から
今の清洲橋のたもとへ移りお店を再開、
現在は小堀製餡所の一角で和菓子部としての小体な営み。

IMG_1388 (2).JPG
↑さりげなく、しかし美しい包装技術は和菓子店ならでは
しかし、包装一つ取っても進物用はテープ一枚使わぬ
昔ながらの和菓子の店らしさがあり、親切で気持ち良い対応。
(考えるだけで幸福感まみれ)
茶席菓子を中心に丹精した菓子作りは定評がある。
また製餡所の餡は一流和菓子店
(玉英堂、銀座あけぼの、柳橋梅花亭、人形町亀井堂etc)
で使用されている。
ちなみにHPの文章の内容がとても素敵、
昔ながらの心休まる丁寧さを感じます。好き。

IMG_1617 (2).JPG
↑朝に炊いたこしあんも購入可

●菓子のデータ
焼ききんつば以外の生菓子は240円
・きんつば250円
原材料)北海撰り小豆、砂糖、小麦粉
測定体重約62g〜66g
測定糖度Brix約46.5% 
冷蔵不可
・水羊羹 
測定体重約51g
測定糖度不可能
・ワイン羹 
中に白あん玉入り
測定体重約50g
測定糖度不可能
・清流(生きんつば) 4月下旬〜8月
※生きんつばは季節毎に変わる
測定体重約49g
測定糖度Brix約47.4% 
・道明寺羹 
測定体重約52g
測定糖度Brix約46.5% 
・あじさい 
(錦玉と白あんに求肥入り)紫陽花の葉包み
測定体重約54g
測定糖度Brix約60.4%(白あん) 
・朝顔 
煉り切りにこしあん入り
測定体重約42g
測定糖度Brix約52.6% 
IMG_1596 (2).JPG
・宝最中180円
ゴマ餡 
測定体重約32g
測定糖度Brix約65.5% 
・小判最中190円 粒あん(こしあんあり)
測定体重約41g
測定糖度Brix約65.9% 
・粒あん200g入り350円 
測定体重約230g(多めに入ってた)
測定糖度Brix約52.5% 
・こしあん200g入り 
測定体重約230g(多めに入ってた)
測定糖度Brix約54.3% 

IMG_1569 (2).JPG
 

今回使用した糖度計は「ATAGO.PocketPAL-2」。
何せ素人が使っているのであくまでも目安。
今回は2〜3回の計測です。
ちなみに、この数日前に私が計測した「雪印コンデンスミルク」はBrix約70.6%でした

posted by あんころりん at 19:37| 東京 ☁| Comment(12) | TrackBack(0) | 中央区 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
またまた来ました。
いや〜、和菓子は美味しいだけでなく見た目も綺麗なところがとても好きです。おいしそう!
きんつばも煉りきりも全部おいしそうですね。
私は煉りきりを緑茶と一緒にゆっくりいただくのが一番幸せな時です。

Posted by sakuya at 2006年07月25日 22:52
「絶対にクリック拡大」のかけ声で
拡大しまくりました。
どれもこれもまあ美しい〜〜〜。
ラストの1枚なんて、そのまま広告になりそう。
個人的には「道明寺羹」、いただいてみたいです。
Posted by チロリン at 2006年07月26日 03:10
あらら、↑で、また名前入れるの忘れました(恥)
Posted by チロリン at 2006年07月26日 03:12
「ごめんください、餡子ください。」

今朝の新聞に和菓子店が値上げという記事が出てました。理由は原油高騰で砂糖の値段に影響が出たからとのこと。砂糖も輸入しているのですね。
ご参考まででした。
Posted by anpann at 2006年07月26日 09:04
あんころりんさんがお褒めならこのきんつばも
本望でしょう。しかし至って簡素な材料でここまでしびれさす技は、ニクズクか高麗人参か(チャングムの見すぎ)。
道明寺羹は、もちろんクリックしましたよ。
見事ですね。この和菓子には見てるだけで
売り物とは思えない。紫陽花も清流も毒毒しくなく、食べてもいいですよと言わんばかりの
粋な仕上がり。職人の技ですね。
お客様に食べさせてなんぼですから。
どこから食うんだという洋菓子にはない
和の世界ですね。
Posted by yottyan at 2006年07月26日 11:44
生きんつば「清流」。見事ですね〜。
庶民のお菓子、きんつばを上生菓子並みに引き上げていますね。
大阪では庶民的なきんつばは「出入橋きんつば」さんか「喜八洲」さんがメジャーかと思います。
時々凍らせてガジガジするきんつばもなかなか美味しいですよ。
Posted by あんこなんばーわん at 2006年07月26日 20:49
三はし堂サン 一度はtryすべき店だなぁと
羊羹いや痛感!
Posted by 雨漏り書斎主人 at 2006年07月26日 21:11
sakuyaさん
こんばんは!嬉しいですね連続コメント♪
そう、和菓子は五感でおいしいのが良いですよね〜。こんなに綺麗でしかもおいしくおまけに栄養的にも優等生!緑茶に煉りきりはほんとに「あー良かったー」ってつくづくくつろげますよね。和菓子って良いことばかりです。

チロリンさん
ありがとう、そそのかされてくれて。今回みたい生菓子は大きくして見ないと和菓子と作った人にもうしわけない気がしちゃいます。道明寺羹はふつふつした食感がさっぱりしてすごく良かったです。いつの日にかお持ちしたいわ。
anpann さん
へい。らっしゃい。ここのあんこはイキがいいよ!
・・えーそうなんですか。値上げは大手や量販物だけかしら?砂糖は店によっていろいろでしょうね。大手は輸入物も多いような気がします。完全偏見だけど。

yottyanさん
本当にほれましたよ。このきんつば始めどのお菓子も。ワイン羹は地味だけど驚きの味です。
上生菓子も食べ安くてておいしいものもあるんです。「食べて良いですよ」って良いですね♪可愛らしい、やさしい言い回し。和菓子にふさわしいです、あんこって包容力ありますね。

あんこなんばーわんさん
こんばんは。いつもありがとうございます。
本当に品の良い味わいのきんつばで目を見張るおいしさなんです。出入橋きんつば」さんか「喜八洲」さんも興味あります。どんなかんじでしょう。食べてみたいです。
凍らせる!すごいですね。新技だ、真夏にはたしかにいいですね。今度お安いので試してみます。
しかし、あんこ探求心がすごい!尊敬します。
Posted by あんころりん at 2006年07月26日 23:01
あんころりんさま、こんばんは。ご無沙汰いたしております。
それにしても・・。
夏の和菓子、万歳!
どの写真を拝見しても美しいですね。
おまけに毎度のことながら美味しそう!
今夜は金つばが行進♪してくる夢を見そうです。
練りきりの朝顔も綺麗な色ですねえ。食べるのがもったいないくらい。(でも間違いなく、目の前にあったらいただきます)
伝統だけでなく、ワイン羹などの新しい味にもチャレンジするお店の心意気、学ぶことがたくさんありますね。
Posted by keko at 2006年07月27日 00:13
雨漏り書斎主人 さん
ぜひどうぞ。私は大好きなお店です。
ひっそりしていて良いです。

kekoさん
こんばんは。こちらこそご訪問もしないですみません。
本当にここまで見事で美味な夏の和菓子が揃うお店は無いような気がします。見た目以上に味が良いのです♪きんつばは行進させてお届けしたいです。絶対kekoさんもお気に召すと思います。
ワイン羹がこれまでにないくらいおいしい寒天の夏菓子でびっくりしてしまいました。立派なお店です、尊敬しちゃいます。心意気と実力が伴うお店です。
Posted by あんころりん at 2006年07月27日 22:58
 あんころりんさん、本当に本当にご無沙汰しております。
 三はし堂の和菓子について書かれていたとは〜〜。しかも私ごときの現在休業状態なブログまでリンクして頂いて、恭悦至極でございます...。
 昔(20年以上!)、特にとーってもとーっても上生菓子が上品で美しく美味しかった、という記憶だけで、あんころりんさんに、お店のHPお勧めして、「食べてみて〜」などと押し売りして、今は記憶程美味しくなかったら...と実は後でくよくよしておりました。
 そうですか!美しく美味しいままだったのですね(^^)しかもワイン羹などという今風な(^^;お菓子まで...。
 私、月いちの高田馬場通いの途中で寄りたい場所に三はし堂さんも入ってるのに、未だ行かずじまいです(;_;)あんころりんさんの爪の垢、頂きたいかも。
Posted by のりたま(げ) at 2006年07月28日 00:44
のりたま(げ) さん
わざわざコメント下さってありがとうございます。お忙しいのに引っ張り出して恐縮です。
「三はし堂に絶対に行かねば」気分はのりたまげさんの“せい”ですよー。おかげでこんなに力入りまくって長文になってしまいました。(笑)
本当に素晴らしいお店を教えていただき感激してしまいました。完璧なまでの味わいの数々です。のりたまげさんの舌は信頼しております。たいやきから始まり蕎麦やら何やら。いろいろ参考になり、嬉しい限りです。三はし堂さんは新規のお菓子も驚くべき完成度と味わいです。お体に気を付けつついつかまた寄ってみて下さい。きっと昔と同じかそれ以上のお菓子だと思います。
また気が向いたら遊びに来てね♪ありがとうございます。私の爪の垢は毒かも。
Posted by あんころりん at 2006年07月28日 15:11
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]


この記事へのトラックバック
・街歩き、お店巡りに! 歩きながら距離や時間、消費カロリーを算出、写真保存機能付。
散歩計GPS

・わんこ好き、ネコ好きに!
わんわんセッション
にゃんにゃんセッション




facebook あんころりん