代表的銘菓 波照間産黒糖を用いる
干菓子〜寒氷、錦玉糖、和三盆糖、押物、麦こがし、など・・
塩あんにメロメロ〜
和菓子wagasi−東京のお菓子・菓子パンを歩く」
引き続き みちのく(甘党)ひとり旅、仙台です。
「みちのく"陸奥国"とは平安時代以降「むつのくに」のこと。
東北地方の太平洋側を中心とした地域で、
現在の福島県、宮城県、岩手県、青森県にあたる。」
ウィキペディアからの丸写しですが
まさに東日本大震災に襲われた主だった地域そのものなのですね。
訪れた仙台市街はおおむね、滞りなく日常を取り戻して・・・
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・・・いるように見えますが、被害を受けた箇所にもしばしば遭遇しました。
そのことは後日、書きます。
さて「みちのく」。 美しい響きです。
仙台行きの直前、たまたま頂戴する機会に恵まれ口にしたのがこのお菓子。
仙台「蒸菓子司 賣茶翁(売茶翁)の代表的なお菓子"みちのく煎餅"(みち乃く煎餅)。
今回の"甘党ひとり旅"土産としてうってつけの品です。
そーなんです、すみません。前々回からの売茶翁のはなしが続きます。
お付き合いいただければウレシイかぎり。
美しい響きにふさわしい直径5aほどの小さな煎餅は、
地元で格別なお菓子として長く愛されているようです。
印象的な模様は波照間産黒糖を用いた自家製蜜を
一枚ずつはけ塗りしたもの。
土台となる麩焼き煎餅は特製で薄く焼かせています。
手触りの良い手漉き和紙で包む
なるほど食べてみると薄さが肝心。専用に焼いた(※)だけあります。
(※もなか皮同様、和菓子屋の"煎餅"は専門職(おかもの屋)から仕入れた品に手を加えるのが大半)
渋い干菓子ですが、美しいうえ品のよい甘さは薄茶の共にうってつけ。
茶の湯のお供や気の利いた進物用に求める方が大半らしく箱は5サイズ用意され、バラ売り(一袋6枚)もあります
都内でも茶道関係者に名高いこのお菓子を
ワタシは箱入(小)2箱とバラ一袋を買いました
手前から塩阿弥、みちのく煎餅、くめせん
煎餅は三種類、
塩蜜を掃いた麩焼き煎餅"塩阿弥"と梅餡を挟んだ煎餅"くめせん"があり
塩の効いた"塩阿弥"が気に入りました。
が、やはり"みちのく煎餅"も捨てがたい。
"くめせん"は梅餡がアメのように固い…味はとても好きなのだけど。
塩つながりでもうひとつ。
小さな3aほどの塩あん入りの落雁"塩麿"。
しおがまを彷彿をさせる塩梅はどうしたってワタシ好み、です。
相手次第では、手土産に喜ばれるのはこちらかもしれません。
塩麿落。落雁の中にぬちマース(沖縄産塩)を効かせたこしあん
とても楽しみにしていた干菓子は詰合せを一箱購入。
和三盆糖、寒氷、雲平、押物、麦こがしのほか、みちのく煎餅と柚子もちが加わります。
もう少し、工夫を凝らした半生菓子が彩りを添えるだろう、という予想はハズレ。この中では寒氷、押物あたりが腕の見せドコロだと思うのですが・・・
味については・・ちょっと理解しにくいものもあったので、
干菓子・半生菓子好きとしては残念。
右画像クリックで超拡大
それにひきかえ(?)
本煉羊羹の美味しいことと言ったら!
ひょっとするとワタシはこの本煉羊羹が一番好きかもしれない。
・・・
山岸凉子さんの自伝的漫画『恐怖の甘い物一家』のなかに
娘が父に「一番好きな食べものは?」と問うシーンがあります。
間髪入れずに答えた父親のセリフが
「そりゃあおまえ この世で一番うまいものは真っ黒い羊羹だよ」(!)
賣茶翁 本煉羊羹(煉羊羹は一種類)
ただならぬ甘党ぶりがにじむ一言。なーんか好きなんですよね。
「真っ黒い羊羹」・・そういえば(黒糖羊羹ならいざ知らず)最近あまりみかけない。
と思っていたら まさにイメージそのものの艶やかな「真っ黒い羊羹」。
見るからに重厚そうな深く黒々とした煉羊羹は
夏目漱石や谷崎潤一郎(「陰翳礼讃」)が賛美してきたた美的造形物そのもの。
その典型のごとくみごとな漆黒です。
さぞ強烈な甘さだろうと心して口にすると…
あらー。なんてすっきりした口あたり♪
充分な煉りあがりによるなめらかな舌ざわり。
賣茶翁、自家製あんの美味しさがみっちりと凝縮されているようです。
密度高そうですけどスライス&スライス&・・後を引くったらありません。
実際 三分の一を一日で平らげてしまった(その後反省)。
本煉羊羹に塩麿、玉藻羹(のこしあん)・・。
どうやらワタシはここの濃厚な"小豆あん"がとても好き、らしい。
最初はダメ、と思った"最中の月"も馴染んだ頃(2日ぐらい)に頂いたらハマってしまった。
濃厚な粒あんをたっぷり挟んだ"最中の月"
ここ数年は淡い色のあんが流行りのようで、
いかにも黒々としたあんは減る傾向にあるように感じます。
進取先取り〜というよりは
長年、伝わってきた茶菓子らしい、ねっとりと濃厚な甘みは
不思議と舌には優しく、後に残らぬキレの良さ。
たとえば・・
日本橋「ときわ木」や神楽坂「清水」の生菓子を思い出させる小豆あんでした。
いまは甘さ控えめの菓子が主流ですけれど
こっくり甘い。
時折そういった菓子をたまらなく欲するのは重ねた年 (耐性ができたとも?)のせいか。
味の幅が広がり深まるのは決して悪くないものです。
柚子もち。柚子の香の甘い求肥に和三盆糖。鶴屋吉信の柚餅をほうふつとさせる
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●過去の東北関連記事
みちのく甘党ひとり旅@仙台 賣茶翁(売茶翁)
みちのく甘党ひとり旅A仙台 賣茶翁 生菓子とどら焼き 白松がモナカ本舗
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3月24日東北の和菓子店
(4月13日)松島こうれん、石橋屋、丹六園
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宮城県塩釜市と丹六園再開
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いわて銀河プラザ
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他多数
●店と菓子のデータ
蒸菓子司 賣茶翁
宮城県仙台市青葉区春日町3-13
9時〜18時(喫茶 10時〜17時) 定休日:1日、16日
みちのく煎餅:(箱(小)750円 バラ(6枚)252円 塩麿(110円)、最中の月(1個230円)、ゆず餅バラ売り(一袋230円)干菓子詰合せ(小:1200円)本煉羊羹(1850円) 塩阿弥(バラ5枚425円)、くめせん(バラ5枚425円)
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●おまけの話
・エアコンはこの夏まだ一度も使わずおります我が家。ここのところ、オーブントースター、電子レンジ、コーヒーメーカーもほとんど使わず。 給湯システムは風呂かシャワーのときのみスイッチオン。電球は9割以上をLEDに変えたし、それから電圧ダウン(40→30)もしたけれどまったく問題ありません、ってそりゃそうか。てなわけで電気代が面白いほど目減りします。
バケットを温めるのは厚手鍋や鉄のフライパンで代用、コーヒーはやかんの湯で落とし、冷凍ごはんは蒸し器で蒸しなおす。ごはんはこの方が断然美味しい!のはウレシイ発見です。 そんでもともと、炊飯器(電子ジャー?)と電気ポットは使っていないので 家族ふたりとも一日中自宅で仕事しているわりに、かなり電気代安いのではなかろうか。
・この一ヶ月半、観た映画(@映画館)とかイベント。六ヶ所村ラプソディー、六ヶ所村通信 no.4、セヴァンの地球のなおし方、幸せの経済学・・くらいだったかなあ。キハチと萩市の食材コラボのプレス発表会に大満足。それから大田黒公園・茶室での御稽古が良かった。美術展、行きたいです。
読書。最近は江戸関係と梅原猛♪長生きしてね。
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やはり戦災で町が変わったであろう仙台なのか?戦後の創業なんですね。 初代の方の創業のお話でも聞きたいですが、天に召されたので無理ですね。
沖縄・波照間島の黒糖ですがかつての緑が主体の素朴な袋を見なくなり寂しい限りです。 いまやすっかりブランド糖になったようで。
脱線失礼しました。
この羊羹のみっちり感。
私も礼讃です!(^^)!
ああそうですよねえ真っ黒い羊羹。羊羹でも味わおうかと思ったのは、真っ黒い羊羹を最近見ないわねえ、と感じたのも潜在的理由のひとつかもしれないです。
スライス&スライス・・でしまいに丸ごとかじりついて反省、が真実ではないかと勝手に想像しておりますが・・・(笑)
最初の干菓子のお写真、あまりにかわいらしくてポストカードにしたいくらい♪
北東北では塩の使い方がどこの上菓子屋さんも長けていると感じます。美味しい物たくさん見つかりました。
>ブランド
あらそーんなんですか。
上質な和菓子に用いるのは以前から八重山黒糖(波照間産)の多いようです。簡単な粉末もありますが塊から削るほうが酸化が遅くて良いようです。ワタシもこれ使ってますが細かく削るのがすごーく面倒。
水羊羹のノド越しも捨てがたいけれど。こういった重々しいかんじが今更ながらに魅力的です。
先日の御手洗まつり記事、拝見しました、すごくステキな経験。羨ましい!
いつもながらつき合いの良さに深く感謝しておりますよ。お言葉に甘えて書きたいだけで書いちゃおう。
でしょう?あんこからして黒っぽいものが減ったせいでしょうか。真っ黒だーと思うと胡麻羊羹だったりして。
>ポストカード
えーほんとお、すっごくウレシイお褒めの言葉です。ホント嬉しいなあ。忘れずに留めておきます。