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和菓子wagasi−東京のお菓子・菓子パンを歩く」
"みちのく甘党ひとり旅"の話が続きます。
「元祖仙台駄菓子本舗 熊谷屋」は300年以上の・・・
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・・伝統を誇る老舗中の老舗。
杜の都、仙台で必ず寄りたいお店のひとつでした。
東北地方の郷土菓子に興味があれば仙台駄菓子を外すことはできません。
なかでも熊谷屋は創業元禄8(1695)年、手づくりの技を継承して315年、現在九代目です。
いまなお創業時と変わらない場所で営んでいるとのことで
(どんな店だろう)と出発前から想像をパンパンに膨らませていたのです。
旧・北鍛冶町の本店
その日、突然の雨で駆け込んだ本店は地下鉄・北四番丁駅から徒歩3分ほど、市街中心から通り一本離れたエリアにありました。
元禄時代、参勤交代路で北鍛冶町と呼ばれたその地は現在は木町通と名を変え
戦時中の仙台空襲で店舗は焼失、辺り一帯も城下町らしい佇まいは残らなかったようです。
平成2年に改装した建物はいかにも清潔そうで古めかしさは微塵も感じられません。
しかし当然のことながら店内には駄菓子がずらり。
そのうえ本店ならでは!の生菓子や打菓子(落雁)も並んでいます。
特大ラクガン
東京で見かけないお菓子もたくさん♪
さて、ワタシにとって「熊谷屋」と言えば"ささらあめ"。
太い竹を削った数十本の竹ひごの先すべてにシマシマのさらし飴をつけたもので、
先代が考案したこの名菓を昭和天皇もお買い上げになったとか。
「包む─日本の伝統パッケージ 」にも掲載されている印象的なフォルムは
ワタシの子供時代にあちこちの亜流キャンデイが真似したもの。
この5月に開催された展覧会でも目立つ場所に展示されてました。
しかしいまだ実際に店頭に並んでいるのを見たことがない。
宮城ふるさとプラザや新宿高島屋においても販売がなかったので
てっきり本店限定なんだーと思い込んでました、が。
なんと数年前から製造中止だそうです、あちゃー。
ささらあめ、仙台では昔から縁日の店頭に吊るして売っていたという
伺ったところ、いまではこの竹のささらを作る職人さんがいなくなってしまったそうです。
がっかりしているとお店の方は飾ってある見本を外して見せてくださった。
(見るだけなんてすみませんね)と恐縮してらしたけどお心遣いが何よりウレシくて♪
仙台駄菓子については以前石橋屋の記事で少し書いているのでここはごく簡単に。
−−元禄時代、仙台藩から払い下げられた糒(ほしい:携帯保存できる加工米で兵糧でもあった)に庶民が工夫を重ねて黒糖や米飴・麦芽糖、きなこなどを用いて菓子に創り上げた 素朴な味わいが魅力です。また一方では塩釜に漂着した南京人が伝えた南京糖が始まりという説もあります。
百聞は一見にしかず。
ワタシがこれまで頂いた熊谷屋のお菓子を紹介します。
(文末の 店A=仙台本店、店B=新宿高島屋、店C=宮城ふるさとプラザで購入)
"仙台駄菓子袋詰"(10種):右上画像から=こうせん、しぐれねじり、ハッカ、黄金、マコロン 下左:うめぼし、うさぎ玉、ゆびわ、下右:黒ぱん 以上10種類。 詳細はこちらのカゴ菓子説明を
しそぱん:黒糖にしそ。この甘しょっぱさとムギュっとした噛みごたえがたまらん。材料:小麦粉、砂糖、卵、しそ、膨張材、水飴、ブドウ糖 店A
味噌ぱん:米と麹を使った本格ぱん。仙台味噌を用いたコクのある風味ともっちりした口あたりがいかにも伝統の味を思わせる。小麦粉、みそ、米、麹、塩、砂糖、卵、膨張剤 店B
豆糖:大豆、黒糖、水飴と超シンプルな材料だが大豆の歯ごたえで不思議と飽きない。店B
くるみゆべし、ごまっこゆべし:近ごろの東北ゆべしはアミノ酸や保湿系糖類を使ったものが多く、原材料名で気分が萎えることもたびたびですが、熊谷屋の潔い!材料にえらく感激。
くるみ:餅種、砂糖、くるみ、醤油 ごまっこ:砂糖、餅種、ごま、くるみ、醤油 店A
ごぼうきり:仙台駄菓子は大豆粉と餅種を使ったものが豊富でこれもそのひとつ。大豆粉、餅種、砂糖、水飴、黒糖 店B
仙台鉄銭:特大麦こがし。鋳銭を許された仙台藩ゆかりの菓子で形も古色も鉄銭のまま。こうせん粉(=麦こがしorはったい粉)を用い"もみ込み"の技術を生かした。麦こがしに懐かしさを覚えるヒトも少なくない。砂糖、こうせん粉、餅種、塩 店B
生菓子・いちごまんじゅう:仙台でたまにみかけるいちごまんじゅうがここにも。皮とあんにホンモノの苺を混ぜ混んでいる。小麦粉、餅粉、砂糖 白餡、苺 膨張剤 店A
生菓子・ごまもち、茶饅頭:ごまもちは中に柔らかい餅入り。ただの茶饅頭とおもったらあんにくるみが入っていてびっくり。さすが仙台 店A
再び"仙台駄菓子袋詰"からのお気に入り:マコロン、ハッカ、うさぎ玉、しぐれねじり。・・ハッカはとってもハッカ。うさぎ玉もなぜだかハッカ風味で(気のせい?)これがすごく良かった。マコロンは熊谷屋製が好みです
どの駄菓子を穏やかな甘みと素朴な味わい。
刺激的ではないけれど、じっくりと穀物の美味しさを引き出している点ではある意味洗練された食物とも言えます。
仙台駄菓子の店は数軒ありますが、各店微妙に変わるのがまた楽しい。
「元祖仙台駄菓子本舗 熊谷屋」はさすが伝統の味。
本格材料によるしっかりした味と歯ごたえはワタシにとってはたまらない魅力です。
いまだに震災の被害をそのままにした地域は少なくありませんが
こちらの本店は3月11日の揺れは恐ろしくひどかったものの 大きな被害はなかったそうです。
300年の伝統が途絶えることがなかったのには、ひとまず安心して良いのでしょうか。
なお、熊谷屋の駄菓子は都内「宮城ふるさとプラザ」で多少購入できますが、 本店から直接送ってもらう(HP通販)のもとっても楽しそうです♪
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●店と菓子のデータ
元祖仙台駄菓子本舗 熊谷屋
●おまけの話
もっと細かく写真と説明を加えたかったけれど‥あまりに目が疲れて萎えた。
あと 森の香本舗の記事で新たに得た情報を後ほど追加しておくつもり。
「ROMA」の由来です。
●過去の東北関連記事
みちのく甘党ひとり旅@仙台 賣茶翁(売茶翁)
みちのく甘党ひとり旅A仙台 賣茶翁 生菓子とどら焼き
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みちのく甘党ひとり旅C弘前/三浦煎餅店(塔下煎餅)〜特製ハード
みちのく甘党ひとり旅◎D仙台/森の香本舗
みちのく甘党ひとり旅◎E仙台/森の香本舗
白松がモナカ本舗
福島県いわき市と玉嶋屋
福島県いわき市の和菓子とパン
3月24日 東北の和菓子店
4月13日松島こうれん、石橋屋、丹六園
高島屋東北応援フェア
宮城県塩釜市/丹六園
福島/本家長門屋・かんのや 岩手/まつだ松林堂etc
宮城県塩釜市と丹六園再開
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福島県玉嶋屋の木の葉饅頭、くまたぱん本舗のくまたぱん
福島県玉嶋屋の浮草
福島県玉嶋屋の花がすみ
宮城県石橋屋+気仙沼でボランティア
宮城県/北上京だんご,壽最中.やなぎや,味佳嵯,もちっ小屋でん,もちべえ
いわて銀河プラザ
岩手県/さいとう製菓のかもめの玉子ミニ 大船渡でボランティア
ずらり30店・東北の菓子フェア@高島屋
他多数
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と食いついたのもつかの間、もうささら飴を作っていないなんてーぇぇぇ、とうちひしがれております。ああ、あこがれのささら飴。いいなあ、本物を眺めることができて。ああええわたしは写真を眺めて指をくわえますよ。(なぜかやさぐれている)
まあ味噌ぱんのおいしさを知った時点で満足していたのですが、まだまだ食べてみたいお菓子がありますねー。
こういったデカ落雁やお供え用のお菓子、仙台や弘前でやけに目につきました。惹かれるんだけどそうそう持ち帰るわけにもいかず。
>ささらあめ
そーなのよ、これってやはり知られていないことだったんですねー。きっと縁日で見ることなんてもはやあり得ないことなんでしょうか。
しそぱんがまた美味しいのですよ。しおがまもかなりイイ感じで。ほんとに駄菓子って奥が深いなあとなにか口にするたびに思い知るのですよね。