貫禄十分、品格ある城下町弘前の重鎮として
弘前公園内弘前城天守からの眺め
和菓子wagasi−東京のお菓子・菓子パンを歩く」
夏に訪れた東北の町はとてもステキだった、
というわけで。
"みちのく甘党ひとり旅"の話を再開します。
仙台から青森県弘前市へ向かった最強モチベーションがこちら。
明治12(1879)年創業「開雲堂」・・・
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・・です。
以前からこちらの代表銘菓「卍最中」に強く興味を惹かれていたのですが、
取り寄せる機会(気概)もなく頭の片隅に突っ込んだまま。
実際に店を訪れるなんて思いも寄らなかったんですけど、
東北新幹線全線開通&JR東日本パスを利用したら行けちゃった。
さて、甘党ひとり旅。
仙台から新青森経由で弘前に到着したのは夜9時過ぎ。
翌朝、まずは弘前城天守の残る弘前公園を散策することからスタート。
園内随所の美しい景観と有名な古木を始め、広々とした緑の庭と木々のもたらす心地良さがすっかり気に入ってしまいました。
弘前公園内、左下の画像で奥に見えるのは天守。内部は史料館として公開
園内にある武徳殿は物販店と休憩所を兼ねておりはもともと武芸を鑑賞するための殿舎で なんと中は 総ひのき造り。
外観ばかりか内部も趣ある空間で古いポスターなどが展示された天井の高い喫茶室がステキ。
朝早かったためか客はワタシ一人。のんびり氷いちごを食べ、リンゴジャムを買いました。
公園に隣接する藤田記念庭園の喫茶室にも立ち寄るつもりでしたが、武徳殿と植物園でゆっくりし過ぎてしまい残念ながら今回はスルー。
おみやげにしたりんごジャムは高校で作られたもの
その後、公園前にある観光課で無料レンタサイクルを借りてやる気満々。
津軽は旧くから文化人も多く住んだ土地柄で町中には歴史ある洋風建築が多数残る美しい町。
赤レンガの「弘前昇天教会」は大正時代に建てられたゴシック様式建築。右は百石町展示館
弘前はどこに行っても人々が穏やかで親切だしそのうえ美女が多い♪
見どころも多く、のんびり和みつつ楽しく何軒かの店を廻った後、
町のメインストリート、土手町に店を構える開雲堂に到着しました。
堂々たる広い間口は創業132年の風格を感じさせます。
白漆喰の壁がかもし出す店内はモダンと伝統が融けあった独特の趣があります。
銅板の外壁が看板建築の特徴を残す 店内に曰く有りげな無垢板看板、壁面は白漆喰 洋菓子も充実、乙女好みのラブリィなケーキもズラリ
さて"卍最中"。
初めて菓銘を見たとき「かっこイイ!」と強烈なインパクトを受けました。
調べたところ「卍最中」は明治39年(1906)に初代が創製。
店のしおりには
「明治33年6月、弘前市は市章として津軽藩祖・津軽為信公の紋章を用い「卍」と定めたので明治39年秋、為信公 没後300年祭を記念して謹製‥」とあります。
また全国銘菓の資料によれば
(開雲堂は)藩への貢献によって、津軽藩の旗印である「卍」の使用を許されたとのこと。
ちなみにこの初代・木村甚之助は、津軽の地主だったけれど農地の多くを津軽藩主に献上し、菓子屋に転身したという稀有な人物。
店の来歴を見ると
初代木村甚之助が明治12年(1879)、弘前で木村菓子店を創業、
2代目は東京の老舗「塩瀬」で修業、2代目甚之助のときから「開雲堂」と改称。
3代目が木村直助。直助氏が亡くなった現在、4代目を継いだのは直助氏夫人木村ノブさんで、伝統の味を守るべく店を取り仕切っているそうです。
この直助氏は民芸協会に入会、芹沢_介や相馬貞三、高橋一智(河井寛次郎の一番弟子) 棟方志功、武者小路實篤などそうそうたる民芸関係の人々と交流していたという。
和洋融合のカッコイイ包装紙
あとから知ったのですが
24個入り卍最中の箱の掛け紙は芹沢_介によるものだそうです。
民藝好きで芹沢作品も好きなのに、お店まで行って見過ごしてしまったのをとても後悔しました。
話が前後しますが
じつはワタシ、卍最中を弘前の開雲堂本店でなく
あらかじめ6月催された東北応援フェア(新宿高島屋銘菓百選)で購入。
あこがれ(?)の卍最中は食べてみると予想をはるかに超えたおいしさでした。
卍最中もおいしかったし他のお菓子も見てみたい。
ならば直接行ってこの目で見て買ってきましょ、と思ったわけです。
白手亡あんに粒ぞろいの小豆を混ぜん込んだ
肝心の卍最中についてですが、
焦がし皮に挟んであるのは大粒の小豆を混ぜ込んだ自家製白手亡あん。
卍マークが浮き出た香ばしい皮ととろっと柔らかめのあんのハーモニーが良く、(白あんって続けて頂くと飽きてしまうことも多いのですが)
後味の良さとアクセントの小豆粒が効いて最後までおいしくいただきました。
東京で卍最中を食べちゃったワタシが弘前の本店で買いたかったのは"有明"
こちらは白い最中皮で白手芒の豆粒を散らした小豆あんを挟んだもの。
あの白あんと対をなすような小豆あんをぜひ味わってみたかった。
有明 小豆あんと白皮最中
有明はこっくりとしたこしあんに白皮の組み合わせで思ったより濃厚な口あたり。
他のお菓子をさんざん頂いた後にこの大ぶり最中を食べたワタシが間違っていた。
つぎはニュートラルな体調で再トライします。
・・・
ロシアケーキ、岩木嶺、干乃梅などなど
開雲堂ではほかにもたくさんお菓子を選びました。
とてもじゃないけれど一度に書き切れない。
なので次回に続く。
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●店と菓子のデータ
開雲堂
・卍最中(砂糖 手亡豆 小豆 もち米)
・有明:210円(砂糖 小豆 手亡豆 もち米)
●おまけの話
・ちなみ先日まで「日本民藝館」にて芹沢けい介展を開催してました。 特別展は終了したけど日によって西館(旧・柳宗悦邸)に保存されている芹沢作・型絵染小襖も観覧できます。
8月半ばに観たんですけど気持ちよかった〜。
・東北の被災地で散財するべく企てた"みちのく甘党ひとり旅"
しかし利用したJR東日本パスは青森までだって行けちゃう超スグレモノ。
せっかくなので被災地とは言い難い弘前まで思い切って足を伸ばしたのです。
その結果あらためて北東北の素晴らしさを実感、弘前はぜひとも再び訪れたい町となり、今も行きたくてたまりません。
しつこいようですがJR東日本パス復活の望みます。
●過去の東北関連記事
みちのく甘党ひとり旅@仙台 賣茶翁(売茶翁)
みちのく甘党ひとり旅A仙台 賣茶翁 生菓子とどら焼き
みちのく甘党ひとり旅B仙台 賣茶翁 みちのく煎餅ほか
みちのく甘党ひとり旅C弘前/三浦煎餅店(塔下煎餅)〜特製ハード
みちのく甘党ひとり旅◎D仙台/森の香本舗
みちのく甘党ひとり旅◎E仙台/森の香本舗
白松がモナカ本舗
福島県いわき市と玉嶋屋
福島県いわき市の和菓子とパン
3月24日 東北の和菓子店
4月13日松島こうれん、石橋屋、丹六園
高島屋東北応援フェア
宮城県塩釜市/丹六園
福島/本家長門屋・かんのや 岩手/まつだ松林堂etc
宮城県塩釜市と丹六園再開
福島県玉嶋屋の上生菓子
福島県玉嶋屋の木の葉饅頭、くまたぱん本舗のくまたぱん
福島県玉嶋屋の浮草
福島県玉嶋屋の花がすみ
宮城県石橋屋+気仙沼でボランティア
宮城県/北上京だんご,壽最中.やなぎや,味佳嵯,もちっ小屋でん,もちべえ
いわて銀河プラザ
岩手県/さいとう製菓のかもめの玉子ミニ 大船渡でボランティア
ずらり30店・東北の菓子フェア@高島屋
他多数
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それにしても趣があっていい感じのお店ですね。卍最中の「餡」に大変興味あります! 食べてみたい、「餡」!!
ええ、続きを楽しみにしておりますよ。(濃過ぎる内容による気のせいだと思いますけど、なんだかかなりの長期旅行に思えてなりません。1ヶ月ぐらい行ってた?:笑)
とってもご無沙汰しております。
数年前、ちょっぴり登場させて頂いたモノです。
変わらずのステキブログに感動(ToT)
諸事情により音信不通になってしまったことを大変申し訳なく思っております。。
今朝、とあるパン屋さんに行く夢を見まして。
ふとあんころりんさんを思い出し、コメントさせていただいた次第です。
広報部長が出張に出向かれてから遠ざかっておりました。二代目さんがいらっしゃる!!
また、遊びに来させていただきたいと思います。
卍最中、かっこいー!!
弘前、いいトコロですね〜。ワタシも早く再訪したい。りんごに桜に紅葉に和菓子に洋風建築に文学に珈琲に洋菓子に喫茶店に津軽煎餅に神社仏閣に美少女・そんなものがすべて揃ったまるで夢みたいな城下町です。ホメすぎかな、でも率直な印象です。
>長期旅行
だんだんそんな気がしてきた。
うわ、ウレシイ!お元気ですか、菊見せんべい食べるたびに思い出してましたよー。
二代目はかなり元気な小僧で、こちらも付き合うのに体力使ってます(笑)
>また、遊びに来させて
こちらこそ大大歓迎です♪
どうぞ再びよろしくお願いします。
卍最中のカッコヨさ、わかっていただけて嬉しーい。