別名 津軽富士。美しい岩木山の夏♪
ドーナツでは
じゅわーん。
和菓子wagasi−東京のお菓子・菓子パンを歩く」
「みちのく甘党ひとり旅」I
おおげさなサブタイトルが長期旅行みたいですが。
お菓子の宝庫、青森県弘前市。
そこで出会った老舗「開雲堂」は
オリジナル菓子があまりに種類豊富で・・・
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・・バラエティに富み、そしてどれもが魅力的。
代表銘菓「卍最中」と「有明」は前々回で
洋菓子のロシアケーキとアップルパイ、和生菓子のくず桜は前回、その魅力について書きました
今回はこのほかに買ったお菓子をできるだけ紹介します。
和の焼菓子で一番気に入ったのがこちら。
若草山。材料は小麦粉、卵、砂糖、水飴、小豆あん 抹茶 膨張剤
「若草山」。地味な外見ですがとぉっても印象に残る味わいでした。
2枚の焼皮にあんを挟んだどらやき風焼菓子で、
材料だけで推すとほとんどどらやきと変わりません。
ところが食べてみると、あんドーナツっぽい。
実際は揚げてないので強いて言えばブッセに近いのかもしれないけど、
まぶしたグラニュー糖によるものか、膨張剤を使った小麦粉生地だからなのか。なんだか「あんドーナツ」。でも和菓子。
グラニュー糖によるしっとり感が絶妙な皮とこしあんの馴染み具合がまったり。
揚菓子ではないのでもたれずに後を引きます。
断面はブッセに似てる?
厳密に言うとブッセもカステラも重曹やベーキングパウダーなど膨張剤類を使わないオーブン菓子。
どらやきは重曹などを用いてオーブンでなく銅板で焼く焼菓子。ドーナツは、もちろん揚菓子です。 "若草山"はどれにも似ていてどれでもない、そしてクセになるおいしさ。
「岩木嶺」は以前から気になっていたお菓子です。
爽やかな絵柄と洗練された色あいがイメージを掻き立てました。
空に映える秀峰"岩木山"を表した夏のお菓子で
塩釜で絵柄をつくり、雲平が白いフレームのようにくるんでいます。
津軽富士とも呼ばれる岩木山は津軽の方にとって特別な山。
塩釜の白い部分に散らしたくるみは空に羽ばたく鳥、なのでしょうか。
抹茶と黒ゴマの二種類 塩釜部分
胡麻とくるみを合わせたものでは
岩手県遠野の銘菓「明けがらす」を彷彿とさせますが、
"岩木嶺"の材料は砂糖、もち米、クルミ、黒ゴマor抹茶のみ、とごくシンプル。
いわゆる"しおがま"的な塩気はまったく感じられず、この説明で塩釜だと認識した次第。
雲平には珍しくさっぱりした甘さですし、胡麻や抹茶の風味の生きた半生風の上品なお菓子。ワタシは好き。
和わわっふる
ワッフルは開雲堂和菓子部門に並んでいました。
そう和菓子屋さんのワッフルの定番、卵入りの生地で杏ジャムをくるりと巻いたタイプです。
東京でもこういったワッフルを調整する和菓子店はありますがいずれも老舗。
紀文堂(麻布十番)!東海! 岡埜栄泉(虎ノ門)、豊島屋(本店)などなど。
杏ジャムは自家製のようですし焼き型もキュートな開雲堂製。気に入っています。
"干乃梅"は津軽に伝わるシソぐるみの梅干をかたどったこの地ならでは菓子。
こしあんをごく薄い求肥でくるみ、さらに塩漬けのシソの葉で包んで 仕上げに砂糖をふりかけています。
弘前ではこういった"干乃梅"的お菓子を何度か見かけました。
他と比べたところ開雲堂はシソの葉が厚めでしっかりしていました。
まるで塩を吹いた梅干しのような見た目は唾液分泌を促すことこのうえない。
わかっちゃいるのに梅干しをイメージしながら口に入れると、
ほのしょっぱさとこしあんの甘さが「じゅわーん」。
シソの風味の効いた甘じょっぱさ。ワタシも好きですが男子に人気が高かった。
津軽焼の壺に入ったものもあるそうで、さすが民藝運動と関わりある老舗。
テンパッていたせいかしっかり見てこなかったのが残念です。
梅干と言えば、大阪「菊寿堂義信」の銘菓"梅干し"も壷入りがありました、味はまったく違うけど。
開雲堂の薄雪
りんごを使った"うす雪"も青森にふさわしい品。
薄くスライスしたドライりんごみたいですが
りんごの果肉を砂糖で煮て、寒天を加えた日保ちのよい和菓子です。
やはり似たタイプのものをいくつかの店でつくっていて、
ワタシは前に東京で手に入れた「甘栄堂」"薄雪"の印象がとても良かった。
(※参考までに青森「翁屋」のりんご菓子"薄紅"はまた別なタイプ)
甘栄堂の薄雪(※甘栄堂もこのあと立ち寄っているので後日書きたい‥)
せっかくなので開雲堂のも一枚買ってみました。
こちらはねっとりとちょうど"みすず飴"のような食感。甘栄堂とはまた違った趣でした。
それからピリッとした塩味クッキー"グレサン"、
弘前城のメインキャラ"たか丸くん"の"薄合わせ"を本店で
代表銘菓"松風"、林檎羊羹を高島屋で購入、
ケシを使った"グレサン"は松風のアレンジ版なのかな、とか思いつつ、
すべておいしく頂きました。
最後に
"アポロ"はネーミングが気に入ってひとつだけ購入。
バターとミルクをつかった白あん入りの焼菓子です。
おそらくアポロ11号月面着陸の年に作られたのだろうなあ、
今も店頭に並んでいるのは好評だったからかしらん、と想像を巡らせて頂きました。
こういったメモリアル系お菓子もフツーに継続する(勝手な解釈で納得してるけど)、そんなゆるやかさ。
好きだなあ、弘前・・そして東北。
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●開雲堂
・若草山
・ワッフル(卵/砂糖/小麦粉/ハチミツ/水飴/杏/ペクチン/酸味料/膨張剤)
・岩木嶺(抹茶・黒ゴマ)(5月頃から11月頃限定)
・干乃梅(砂糖,小豆、白玉粉、水飴、しその葉)
・松風(新宿高島屋・銘菓百選催事で購入)
・林檎羊羹(新宿高島屋・銘菓百選催事で購入)
・グレサン(小麦粉 砂糖 バター 塩 けしの実 ラム酒 ラムフレーバー)
・薄合わせ
・薄雪(りんご果肉 砂糖 寒天 水あめ)
・アポロ(砂糖 手亡豆 小麦粉 卵 バター 膨張剤 コンデンスミルク 南瓜の種)
●おまけの話
・どうゆうわけか、開雲堂を紹介した書籍二冊とも店名を「開運堂」と誤記している。なもんで、当初はいくら検索しても思ったように結果が出なかった。両書とも大好きな本ですけどこんなこともあるのだ。
・この10月に自由が丘で和菓子の講座を予定しています。
開講決定は人数次第だそうですので、興味のある方はこのずっと下↓にある★★部分からチェックしてくださいませ。
(何気に切羽詰まってます)
●過去の東北関連記事
陸前高田より・ボランティアと実りの秋と郷土菓子
みちのく甘党ひとり旅@仙台 賣茶翁(売茶翁)
みちのく甘党ひとり旅A仙台 賣茶翁 生菓子とどら焼き
みちのく甘党ひとり旅B仙台 賣茶翁 みちのく煎餅ほか
みちのく甘党ひとり旅C弘前/三浦煎餅店(塔下煎餅)〜特製ハード
みちのく甘党ひとり旅D仙台/森の香本舗
みちのく甘党ひとり旅E仙台/森の香本舗
みちのく甘党ひとり旅F熊谷屋
みちのく甘党ひとり旅G開雲堂
白松がモナカ本舗
福島県いわき市と玉嶋屋
福島県いわき市の和菓子とパン
3月24日 東北の和菓子店
4月13日松島こうれん、石橋屋、丹六園
高島屋東北応援フェア
宮城県塩釜市/丹六園
福島/本家長門屋・かんのや 岩手/まつだ松林堂etc
宮城県塩釜市と丹六園再開
福島県玉嶋屋の上生菓子
福島県玉嶋屋の木の葉饅頭、くまたぱん本舗のくまたぱん
福島県玉嶋屋の浮草
福島県玉嶋屋の花がすみ
(ボラ)宮城県石橋屋+気仙沼でボランティア
宮城県/北上京だんご,壽最中.やなぎや,味佳嵯,もちっ小屋でん,もちべえ
いわて銀河プラザ
(ボラ)岩手県/さいとう製菓のかもめの玉子ミニ 大船渡でボランティア
ずらり30店・東北の菓子フェア@高島屋
他多数
●お知らせ●
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どれもこれもキュートで麗しくて抱きしめたくなるような逸品ばかりですね。
薄雪の“穴”まで美しいその姿にはほれぼれしてしまいました(前回のロシアケーキにもやられてしまいました!)。
甘栄堂さんの薄雪のクラシカルなパッケージも素敵。続きが楽しみです。
やっぱり城下町の御菓子屋さんにハズレはないですね〜。
そして和菓子屋さんとは思えないほどポップな焼き型のワッフル♪
前の記事もあわせて、どれもこれも魅力的で興味深いお菓子ばかりでしたー。
で、開雲堂には何日くらい滞在したのかしら?(笑)
こんにちは。
どれもこれもお店が大事にしてきたお菓子、という気がします。そんな愛おしさが滲み出ていますよね。薄雪も楚々とした魅力にあふれていて、津軽の人のりんごに対する思いみたいのを感じます。
甘栄堂はまたお店の方がじつにチャーミングでして。津軽弁ってほんとにいいなあと。
青森に恋してしまったワタシ。ぷるみえさんの東北レポート、どれも羨ましく拝見しました。
でしょ、ワタシも最初はあんドーナツのつもりで食べ始めて、ふと揚げてないことに気が付いたのです(ニブイ)。こういったPOPなかんじが津軽の和菓子はゴロゴロしてるんです。
滞在期間ねえ・・・
開雲堂では人生の何分の一かを過ごしたハズです(笑)。
ずいぶん遅いコメントになってしまいすみません。が、コメントせずにはいられない!
私より開雲堂のことをよくご存知で頭が下がります。(買い占めましたね!)再認識しました。甘栄堂も楽しみにしております♪
11月にできれば帰省したいです。ブログ取材も兼ねて(←大袈裟)ものすごく久しぶりに弘前公園の「菊と紅葉まつり」が見たいからです。りんご公園で開催される「りんご収穫祭」というのも初めて訪れてみたいです。巨大アップルパイの実演販売ですって☆まだ帰れるかわかりませんが、ご報告しますね♪
http://www.hirosaki.co.jp/images/kanko/11momiji/flyer.pdf
いつでもコメントは大大歓迎です!ヨソ者ですので後がないから必死に買いあさったといいますか(笑)りんご収穫祭、とってもひかれる〜。年内に再訪できればと希望は膨らむのですがどうなることやら・・・。
調度ご報告しようと思っていたのですが、「手紙」は今回のボランティアバスで70名くらいが閲覧しました。詳しくはまたあらためてご連絡しますね。ほんとにいろいろありがとうございます。