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「和菓子wagasi」−東京のお菓子・菓子パンを歩く

2012年01月24日

名古屋/川口屋〜もろこし羹 松風 葵餅 上生菓子 もろこしって?

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和菓子wagasi−東京のお菓子・菓子パンを歩く

元禄年間創業、
名古屋の老舗「川口屋」で思い出されるのは・・・

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・・・"椿もち"。
ふわふわした口あたりと
青々とした椿の葉を帽子のように乗せた白くて丸いとキュートな姿が広く好まれているようです。

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今年の椿もち

このお菓子のポイントになるのが白い"ふわふわ"部分で"羽二重もち"とよばれます。
餅粉と白玉粉に卵白を混ぜ込んだ生地です。

"椿もち"のことは以前も書いているので詳しくはこちらをご覧いただければ。
そして川口屋の以前の記事はこちら。参考になれば。

で、このたび川口屋のお菓子でいたく気に入ったものがあったので書きます。
それがこちら"もろこし羹"。

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もろこしって言ってもとうもろこしも使ってないし、黍(きび)も入らない。
見たかんじ小豆アイスみたいですけどこの時期の棹物です。

口あたりは軽やか、空気を含んだ蒸羊羹といった風であっさりしています。
空気を含んだ、の理由は卵白かと思われます。
こちらも羽二重もち同様、卵白(おそらくメレンゲ状)を用いて。

そして小豆の風味も充分。
ここがワタシとしては心掴まれるポイントです。
印象では蒸羊羹よりも小豆の美味しさが前に出てると思う。

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で、なんで"もろこし"羹なんでしょ。

最初にワタシが名前から推測したのは、おそらく粟(あわ)羊羹的なものではないか、と。
キビもアワも似たようなものですし。
実際電話口でも「あわ羊羹みたいなものですか」と訊ねたのでした。
でも実物は違った。

むしろ秋田の郷土菓子"もろこし(諸越・唐土)"を羊羹に仕上げたような。
おそらくそういった命名だと思うんですけど。どうでしょう。
あ、もろこしっていうのは秋田のお菓子で小豆の落雁。
干菓子ですけど生もある、生もろこし。
ワタシはどちらも好きです。ほんと、小豆って美味しい。
そういや以前書いてた秋田諸越の記事。よかったら参考に。

ついでながら"あわ羊羹"というのは。例えばこんなかんじ→黄檗
岬屋でも上南羹(上南粉(糯米の粉)使用)をあわ羊羹として調製してますが。
どちらも案外重厚なものです。粟だけでなくもち米の粉も併用するからでしょうか。


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話がそれましたが川口屋の"もろこし羹"はあわ羊羹でもとうもろこしの羊羹でもない。軽やかでそこなかとなくふわりとした口あたり。
久々にほぉ っと目を見張るような棹物でした。
ちなみ川口屋の小倉羊羹もワタシは好きです。

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手前"松風 奥が葵餅

それから今回は焼菓子も買ってみた。
松風はしっとりとした焼皮にほろほろしたこしあんが入る。
葵餅は焼き込んだ生地で隠し味に醤油が使われているようです。
中はちょっと詰めたかんじのあん。

たまさか手に入れた1月の上生菓子も併せて載せましょう。
トップに写真がある 紅梅、こなしに中はこしあんです。

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蝋梅は蒸カステラ。
蝋梅の花弁っておおむね黄色っぽいけど花の中が紅いのもあるんですね。
菓子の方の紅いポチの材料は‥いら粉かなあ、羊羹ではなかった。

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すてきなタツノオトシゴの道明寺は菓銘がイイ。"我が春"。
干支とかタツとか‥そうゆう素っ気ないのは耳がおいしくないですから。
中は大島餡、つまり黒糖あん。

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ワタシは川口屋の道明寺餅が一般的なしっとりした道明寺餅よりずっっと好きです。
お餅らしくそしてテラテラしない素材感がステキ。

若菜薯蕷は伊勢芋を使った薯蕷饅頭。

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伊勢芋を使った薯蕷生地って断然おいしい、大和芋の何倍も。
だからちょい高くてもできるだけ伊勢芋にしてほしいなあ、とたびたび思います。 生地に混ぜ込んだ若菜はなんでしょう、ふきのとう?でも苦味はない。
今回の生菓子では若菜薯蕷が一番ワタシ好みでした。
でも道明寺も捨てがたいなあ。

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松風も気に入ってます


ところで。
なかなか筆が追いつかない福島、弘前(なんとまだ書く気ある)、仙台、沖縄などなど
それだけでなく日々、東京でも出会う。お菓子の数々。
なるべく頑張って書きたいと思っています。
誰が喜ぶわけでもないけれど。
では。


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★お店と菓子のデータ
川口屋
錦3丁目13-12 電話052-971-3389  休:日曜・祝祭日・第4土曜日
もろこし羹:(1500円)砂糖 小豆 寒天 卵白
松風・葵餅:(140円)小麦粉 卵 諸ゆ 小豆餡 乳 膨張剤

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・追記おまけ(1/24付)
ほんとにどうでもよいことですけど書き忘れたので。
もろこし羹から小豆を除くと淡雪羹と(材料は)おなじ。でもあんがはいることであのフワフワアワアワした食感は抑制されます。淡雪羹も悪くないけどもろこし羹の落ち着きある口あたりの方がワタシには好ましい。 でね。有名な淡雪羹の棹菓子「あわ雪」で知られる備前屋は愛知県岡崎市の老舗菓子屋。想像するに"淡雪羹"ってものの名古屋における普及率or知名度がワリと高くてそれで諸越(小豆落雁)の淡雪羹バージョンってことかい、と。そして羽二重もちは淡雪羹の餅バージョンなのかな、と想像をめぐらしたのでした。愚にもつかない話ですみません。

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posted by あんころりん at 00:04| 東京 ☔| Comment(8) | TrackBack(0) | 近畿、東海(京都、大阪、名古屋・・) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
私は喜んでおります(笑)、あんころりんさんのご報告〜♪ なので、無理の無い程度に頑張って!

「もろこし羹」ってなんだか不思議。見た目から説明されるような食感だとは思いませんでした。結構、みっちりつまり気味な方なのかな?と思ったのですが、意外やふんわり軽やか?!

「もろこし」というお菓子、こっちでも見たことあるような気がするのですが、落雁だったのかな〜?
Posted by いもすけ at 2012年01月24日 06:42
私も喜んでいるよ〜!
あんころりんさんの写真と文章が私の癒しさ〜!
いつもありがとう!
Posted by 重夢ママ at 2012年01月24日 09:28
わたしも喜びます(笑)。
それにしても、うひゃー、と声をあげましてよ。>もろこし羹。
思いっきり黄色いものを想像してしまいましたが、画像を見て「おお、秋田もろこし風の餡か!」と膝を打ちました。とってもわたし好みの気がしています。
紅梅は断面がかわいらしいハート形。まるでバレンタイン向き♪
赤い花弁の蝋梅は神代植物公園にもあります。わざわざそれをお菓子にイメージするなんて、ステキですね。
・・・と、どれもこれも素敵なお菓子で楽しくなっちゃいましたー。
Posted by kozue at 2012年01月24日 16:21
いもすけさん
いつもありがとうございます。
>喜んで
嬉しい!ホントですか、ではいもすけさんのためにも頑張ります(笑)自分で書きたいことがあるから書くのですがでも楽しみにしてくださる方がいるってやはり嬉しいんですよね、シンプルにそう思います、人間ひとりではなんにもできない、とくにワタシなんて。
もろこし 確かにそちらにあっても不思議ではないタイプのお菓子ですね、何でしょうね?
Posted by あんころりん at 2012年01月25日 00:03
重夢ママさん
おおお、久々にありがとうございます〜。
>癒しさ〜
ホントですか、って疑うわけではないのだが(笑)そう言っていただけると楽しんでくださる方がいるんだなって、単純ですが手応えを感じるものですね。本当にありがとう。なら、がんばる(←単細胞過ぎ)。
Posted by あんころりん at 2012年01月25日 00:16
kozueさん
ねーこの色、すごいでしょ。
やはりkozueさん好みではないかと睨んでました、なので書いた(ホンマかいな)。秋田諸越ってすごくおいしい割にあまり知られていない気がします。こういった銘に使われている(って勝手に決めてるけど)と思うと何だかウレシイ。
紅梅はシベを避けて刃を入れたら偶然こんな可愛らしい面が出てきました。おいしい上生菓子って割っても美しいのが常。
菓銘にしても蝋梅の紅にしてもちょっとしたひねり方が川口屋の魅力のように思います。
>わたしも喜び
えへへ、ならもっと喜ぶシロモノ出そうっと。いつもありがとう。
Posted by あんころりん at 2012年01月25日 00:29
あけましておめでとうございます。遅っっ(@_@)
今年も素敵なお菓子たち楽しませていただきます♪

もろこし羹の色がなんともいえないイイ色ですね(^^)美味しそう。

和菓子って味はもちろん見た目や食感(触感)名前も楽しめてスバラシイなぁ。と、しみじみ(^^)
Posted by あちこ at 2012年01月26日 15:01
あちこさん
あけましておめでとうございます。
こちらこそ今年もよろしくお願いします。
おっしゃるとおり微妙な色がおいしさが伝えています。
和菓子って婉曲というか"考え落ち"みたいな、そういった遊び心があるところもカッコイイなと。今年もしみじみ楽しみたいと思います。
Posted by あんころりん at 2012年01月26日 23:48
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