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「和菓子wagasi」−東京のお菓子・菓子パンを歩く

2012年03月05日

沖縄那覇/琉球菓子元祖「本家新垣菓子店」〜ちんすこう、薫餅、花ボール・・ 金楚こうは最高の焼菓子か

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和菓子wagasi−東京のお菓子・菓子パンを歩く

"ちんすこう"を沖縄みやげの地味なお菓子、
などと侮ってはいけません。
ラードを使った、数少ないお菓子で・・・

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・・・一度、美味しいものを食べたらその存在が忘れられなくなる、と思います。

ワタシにとって琉球菓子元祖「本家新垣菓子店」の金楚こう(ちんすこう)がいまのベスト。
ちなみに金楚こうの"こう"が変換できないんですが訓読みは"こなもち"です。(Weblio辞書のこちらを参照)

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琉球王朝菓子のひとつで元々は貴族の日用茶菓であった金楚こう、
意外なことに「本家新垣菓子店」金楚こうほど、差し上げた方達に喜ばれた"焼菓子"って思いつきません。
こちらの生産量は限られ日によっては予約だけで売り切れたり、午前中完売なんてこともあります。

実際。ワタシが前日に予約の電話を入れたところ、な、なんとすでに売り切れ〜。
沖縄の空也かいな、とアセりました。

以前も買いそこねた経験から、恥ずかしいくらい必死の懇願をしたため、無理くり12個入を都合していただいた。
(懇願=東京から来たんですけど以前は休業日で‥せめてひとかけらでも・・と泣き落しに近かった)

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結局当日、店では他の菓子も焼くことになったようで
思いがけず、各種を手に入れることができ、喜びもひとしお。
お店の方の対応もじつに柔和で心安らぐものでした。
ゆったりとしたオキナワンタイムを感じさせるイントネーションて素敵♪

そんな本家新垣菓子店の金楚こう、一言で形容するなら「品の良い」。
華やかではないけれど。和菓子でも洋菓子でもなく中華街のお菓子とも異なるニュートラルな味。
金楚こうの材料はシンプルで小麦粉、砂糖、ラード、膨張剤のみ。
ラード、つまり豚脂を使っているのですが、そうは思えない軽やかな口あたりです。

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ちんすこうって概ねが2枚ひと包みですけど、
他店のものは一度に一枚いただくのがやっとのおいら。
本家新垣‥のは抑えた甘さでサクサクさらり、と2枚スラっと食べ切っちゃう。
いかにも新鮮でバターを用いるクッキーやサブレに比べても、ずぅっと後味がいいのです。

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他店との違いは形にも。
空港売店にも並ぶ「新垣ちんすこう本舗」をはじめ ほとんどのちんすこうはギザギザの型で抜いたもの。
「本家新垣菓子店」では滑らかな形の木型を使っています。
そのせいなのか実際に小ぶりなのか、小さく見えますけど味はとてもヨイ。

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本家新垣菓子店では金楚こう以外にも琉球菓子を数種調製。
以前ご紹介した鶏卵こうの他
花ボール、薫餅(くんぺん)、闘鶏餃(たうちいちゃう)を手づくりしており、
いずれも琉球王朝伝承の銘菓です。

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花ボール

それにしても花ボールの出来たてがこんなにふくよかな味わいとは驚きました。
数年前に新垣ちんすこう本舗で購入したことがある花ボール。
驚くべき堅牢さでそこが魅力だったのですが、出来たてのおいしさはまた格別なんですね〜。
本家・・のもやはり2日ほどでコツコツした歯ごたえに変わるのだけどそれも好きでした。
卵を原材料とする花ボール。
こちらではサータアンダギーで有名な安室養鶏場のものを使用しています。

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焼饅頭のような"薫餅"の中は白ごま餡がたっぷり。
食べごたえのある香ばしい餡は中国菓子の遺伝子をもっとも感じます。
ごま餡が好きな方はぜひお試しを。

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過去の(新垣ちんすこう本舗 花ぼうるの記事


さて気になっていた本家新垣菓子店新垣ちんすこう本舗の関係について少し書いておきます。

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クリック

江戸時代の終わりごろ、琉球王府の御包丁人となった初代・新垣親雲上淑規(あらかきぺーちんしゅくき)。
王家(伊江家)に仕え琉球料理と菓子を調製、献上していました。

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クリック!

王朝が絶えた後も琉球菓子の伝統を受け継ぎながら、 (店で伺った話によると)四代目の折に分家したのがいまの「新垣ちんすこう本舗」「新垣カミ菓子店」なのだそう。
(参考のウィキ記述
広く知られている「新垣ちんすこう本舗」は規模を拡張、国際通りの本店をはじめ空港など販売拠点も多数。

製造方法も本家新垣‥とは異なり、さまざまな新フレイヴァをリリースしています。

一方、本家‥は家族経営による手づくりを貫き少量生産を維持。
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クリック

「新垣カミ菓子店」は本家のすぐ隣にあるので共に作業しているのかと思いきやこちらも材料はじめ製造方法は異なる別な店だそうです。

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「新垣カミ菓子店」この日は営業しておらず残念

ちなみ首里城売店では新垣カミ菓子店製を取り扱っています。
が、ワタシは残念ながら未だ口にしたことありません。

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クリック

とまあ、六代目の現在、三者三様に金楚こうを調製しているようです。
本家‥では七代目もすでに菓子づくりに加わり代々、手作りすることを大切にしています。
たしかにずば抜けておいしいと思う。

琉球菓子に興味を持たれたら、首里城城下町の住宅街で営む本家新垣菓子店の金楚こうを一度は召しがってみてほしい。


前回の本家新垣菓子店の記事
新垣ちんすこう本舗の記事
沖縄の菓子関連記事カテゴリー

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★お店と菓子のデータ
本家新垣菓子店
謝花きっぱん店
・金楚こう(ちんすこう)(一包:55円 12包一袋:650円)小麦粉、砂糖、(膨張剤)ラードbr /> ・薫餅(くんぺん)1個:110円)小麦粉、砂糖、鶏卵、ピーナツバター。ごま、膨張剤、ベーキングパウダー、植物性油脂
・花ボール1個;110円)小麦粉、砂糖、ベーキングパウダー、卵
・鶏卵こう(カップ型110円、小箱:945円):小麦粉 砂糖 鶏卵 橘餅 落花生 ベーキングパウダー 食紅

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・おまけの話
まったくの偶然ですが知人が琉球王家の末裔のご令嬢。
御殿のような庭が開放されているご実家は本家新垣菓子店からほど近い。
ああ、それなのに。年がら年中この金楚こうを食べているのかと思いきや。 ワタシが差し上げてようやく「あ、ここのがおいしい!こんなにおいしのね金楚こうって」とのたまう。
献上される方はどこの店かは意識していないのか、この方がのんびりし過ぎなのか。 彼女はお店が近所とはご存じなかったのよね。


お知らせ
●kozueさんの『役に立たないきのこの春祭り』へ行こう!
2012/3/28(水)?4/1(日) 12:00?19:00 ※最終日は16:00まで
会場:ギャラリーカフェ・テラス 東京都三鷹市下連雀1-14-1
詳細はこちら
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posted by あんころりん at 07:58| 東京 🌁| Comment(7) | TrackBack(0) | 沖縄 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
ふむふむと読み進んで行ったら、わたしの名前が出てきてびっくり! いつもありがとうございます。心より御礼申し上げます。

それにしても沖縄菓子ですよ。ちんすこうとパイナップルケーキぐらいしか食べたことがない者としては、とても興味深いです。
泣き落とし・・・その手が通じてよかったね(笑)
Posted by kozue at 2012年03月05日 17:03
kozueさん
書いてて気がついたのですが、春のきのこ祭り、ではなく「きのこの春祭り」なんですね。
そーかヤマザキじゃないのね。一人称はきのこなのね、と勝手に感心してしまった。きのこたちの春祭りに参加希望です。

ところでパイナップルケーキを食べたことのないワタシ。
Posted by あんころりん at 2012年03月06日 01:22
始めまして
ランキングサイトからお邪魔しました
大変構成等勉強になります。
当方、
Blog:貴方の未来を左右する最高の情報特集
URL:http://goodzyouhou.blog.fc2.com/
またお邪魔させてもらいます
ランキングにポチ
Posted by bunbun at 2012年03月06日 15:47
初めまして。えっくすと申します。

自分は現在鬱病闘病中の男です。

実は今月彼女の誕生日なのですが、自分で何か作ろうかと思ってネットで検索してたどり着きました。

画像が綺麗でとても分かりやすくて素敵なブログですね。今後勉強の為に何度かお邪魔させて頂きますね。

自分もブログをやってます。

http://miraiwabokuranote.blog.fc2.com/

もしよろしければ相互リンクさせてもらえませんでしょうか?

アクセス数は1500〜2000位です。

ご検討願えれば幸いです。

応援クリックして帰らせて頂きます。

失礼致します。

えっくす
Posted by えっくす at 2012年03月07日 09:33
おみやげにもらう、ちんすこうや沖縄塩ちんすこうしか食べたことがないので、ものすごく興味深い。舶来のお菓子と言ってもいいくらい琉球のお菓子もいいですね。どれだけ今までのちんすこうの食感が変わるか確かめたいです。沖縄塩ちんすこうは、結構好きですが、ほかのははっきり言ってどれも同じかなと。京都のおたべぐらいのつもりですね。コウ糕の糕は中国語ですね。
アップ出来ないですよね。文字化けしちゃう。
Posted by yottyan at 2012年03月19日 18:42
bunbun さん
訪問ありがとうございます。
えっくすさん
訪問、応援ありがとうございます。
現在、こちらからオファーした場合に限って、リンクさせていただいておりますので悪しからず。
Posted by あんころりん at 2012年03月21日 17:52
yottyanさん
琉球菓子は中国台湾のお菓子と和菓子の融合した完成形だと思いますので、興味深く感じられるかもしれません。機会があったらいろいろお試しください。

>コウ
そうなのコピペしても文字化けしちゃう。
Posted by あんころりん at 2012年03月21日 17:57
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