↑イイ匂い、古代米でも“新米餅”こんがり焼いた赤米餅
↑黒米餅には大納言粒あんがあふれる
「腹太餅」!はらふともち!
と聞いて、じぃっとしてなんていられない。
なんてったって♪
大福のルーツ、ですからね!
“憧れのアイドル”にでも会い行く気分とか?・・・
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何しろ、頭の中だけで想像してたのが
ビジュアル化、どころか“実体”を伴って現れたんだから♪
ご存じの方も多い、一幸庵限定の“月の数え歌”
新米の季節、10月はこの腹太餅だったのです。
何しろ一幸庵に俄然興味を抱いたきっかけがこの“腹太餅”。
白い餅米と赤と黒の古代米を使った三色の新米“腹太餅”、
個人的にそれは楽しみにしていました。
↑焼かなくてもうまい、三色の新米餅
だってね、“腹太餅”こそ!!
「大福」のルーツ、江戸時代の餡入り餅のことだもん。
(「腹太餅と大福」については本文後の「今日の和菓子語」をご覧下さい)
江戸の庶民はうずら型で丸っこい大ぶり餅の中心に
ちょびっとの塩餡や甘い黒砂糖をいれてかぶりつき、
お腹いっぱいにしたのでしょうか。
想像するに、おにぎりの餅バージョンてな気もする腹太餅。
新米で作った腹太“餅”っていうくらいだから
餅が“お餅”でなくては始まらない。
そして・・・期待以上に餅がうまかった!
まさにしこしこっとした食感は搗きたて餅の味。
↑ぶ厚い餅米の中は大納言粒あん
説明書には「オーブン等でこんがり焼いてから」と薦めていますが、
見るからにコシがしっかりとうまそうなお餅に
思わずそのまま齧り付いた。まずはこれも大正解。
新米の餅米の力が最大限に引き出された
咀嚼の度に味と香りをを楽しめる“ステキな歯ギレ良さ”
大好きな本来の餅の味だ。
速攻で固くなるから一個ずつ密封袋入り。
これは密封する意味がよくわかります。
何ヶ月も和菓子を保たせる為ではないので。
↑密封して8個入り、とってもお得〜
幼少時、お米屋さんから大晦日に届けられた
お正月のちん餅を思い出しました。
餅米の香りの中で切り分け作業の邪魔などしながら
かちかちに固くなる直前のまだ柔らかいお餅の端っこをつまんだ
あの味ですねー。
もちろんオススメ通りに網の上で焙れば
その香ばしさで頭もクラクラ〜。
お餅が焦げる匂いって食欲増進の合図ですね。
くんくんと鼻を鳴らせば、つくづく秋の幸福感に酔えるぞ。
赤米や黒米のお餅を焼いてると
“豊穣”感じてなおさらお腹が空いてきます
この場合は大福でなく“腹太餅”ですから
薄ーい餅にあんこたっぷりでは当然、なく
ブ厚い餅に少なめのあん。これがとても良い。
↑お餅たっぷり赤米餅
白い餅米と黒米に詰めたのは蜜漬けした大粒の大納言あん、
つやつやした粒あんはかしっかりと濃く甘く、さすがに現代風。
時代考証用でなく、“楽しくおいしい”おやつですからね。
白い餅米もちが最もコシが強く歯応えばっちりでとてもうまい。
赤と黒の古代米は粒々とした食感でまた飽きずにうまい。
これまで食べた黒米のおやつの中では最も好み、美味し。
赤米もちには一幸庵らしい淡い色のこしあん。
粒あんよりはやや抑えた甘さです。
↑ぶあつい赤米餅の中はこしあん
お餅で腹が太〜く一杯になるかと
昼飯替わりに二個半だけ頂きました。
ところが搗き立て(当日朝)のせいか?
もたれずにまたおやつにまた一個頬張っても
ちっとも飽きませんでしたねー三色だし。
腹太餅、なのに後ひき餅だった。
“飽きの来ない”腹太餅って、名前も良いけど実際にお腹もたっぷり育ちそう。
このダイエットだらけの世の中、
名実ともになかなかの反逆餅だなあ。
↑青空の下、反逆の三兄弟
ところで、ふと思い当たったのが
あの京都の「出町ふたば」の“豆餅”だ。。
まめ“もち”の意味というか魅力に今ようやく気が付きました。
(これまでどう気が付いていないかはこの記事に詳しく)
出町ふたば、では「うちは和菓子屋でなく“餅屋”です」と
雑誌でご主人が語っていましたが
なるほど、あのしっかりした餅のブ厚さに少なめのこしあんは
“おたよさんの腹太餅(注:本文下)”にかなり近いのではなかろうか?
しかも小振りだし「出町ふたば」。
あちらもまた、
小腹ふさぎのおいしいおやつ用に一工夫した“お餅”。
甘いあんこを“添え”豆も混ぜ込んだ“餅を食べる”豆餅なんでしょう。
だいぶんご無沙汰だけど俄然食べてみたくなりますね。
↑こんがり黒米餅、いい香り〜
横道に逸れましたが
一幸庵の腹太餅では
庶民が和菓子を楽しむルーツが身近になって
新米もあらためてありがた〜く、搗きたての餅もおいしい。
お米や餅菓子の本来の美味さと魅力が十二分に提供されて
まさに月の数え歌の試みとしてもうふうふと顔のほころぶ一品でした。
ちょいとお店にも親しみが増します(勝手に)。
翌々日の朝、すっかり固くなった黒米餅は
トースターで焼いて食べました。
朝飯に香ばしい新米餅はすっげえうまかった。
↑黒米餅の中は大納言粒あん
それにしても、
江戸時代の恋人達はずいぶん美味いもの頬張ってましたね。
※注
一幸庵の過去記事はあんパンと小倉水羊羹と上生菓子とあんこです
出町ふたばの過去記事はこちら
◎★今日の和菓子語14
「腹太餅と大福」
江戸後期あたりに広まった腹太餅、
その大きくてふくっとした形から鶉餅(うずらもち)、鶉焼とも言います
お餅に黒砂糖餡、あるいは塩あじの粒餡をいれたもので
その名の通り“腹を満たす”為、かなり大ぶりだったようです。
その登場の数十年後、明和8(1771)年に
おたよ、という小石川御箪笥町に住む貧しい後家さんが
(ちなみに一幸庵は現・小石川5丁目!)
知恵を絞って小振りの腹太餅に甘いあんこを詰めた“アレンジ版腹太餅”を作り
江戸の町に売り歩き、これが大ヒット!
お多福餅と名付けた“おたよさんの腹太餅”が現在の大福の原型らしい。
これは“中高の形”だったようです(「我衣」より)
寛政年間にはいつのまにか“大福餅”とうたって
餅を薄くしてあんこをたっぷりいれ形は“平型”。
“下賤の食物”などと当時の書物には書かれてますが
寒い江戸の町の夜に、火鉢で蒸し焼きにしながら売り歩き(焼き芋みたいですね)
さらに大々ヒット、町中に大福売りが見られたようです。
文政時代(1810〜30)には売り方も籠から
天秤棒に提げた抽出し式木箱(右図参照)になり一個が四文でした。
この熱々の焼大福餅が現“大福”へと繋がりなり今に至る訳です。
大ヒット定番化の元祖かも、
250年間いまだに人気の「大福」さん
そもそもオリジナルだし、えーとマックみたいなポジションか?
※参考資料
彩色江戸物売図絵:右の絵も(三谷一馬)・食いねえあんこ菓子(仲野欣子)・和菓子おもしろ百珍、和菓子の世界(中山圭子著)・日本銘菓辞典(山本候充)他
●お店データとあれこれ
★「お菓子調進所 一幸庵」
東京都文京区小石川5−3−15
9:00〜19:00 日祝休
地下鉄茗荷谷駅より徒歩5分
※
11月の「月の数え歌」は“粟ぜんざい”です。
●菓子のデータ
“10月の月の数え歌”(06年10月13日の100組限定)
・腹太餅8個入り2100円
原材料) 餅米 古代米(黒米・赤米)白ザラ糖
丹波大納言(粒あん)北海道小豆(こしあん)
測定体重 約101g(黒)約90g(赤)約93g(白)
測定糖度 Brix約63%(粒あん)約55.9%(こしあん)
賞味は3日位(固化は2日目位)冷凍可
注※
今回使用した糖度計は「ATAGO.PocketPAL-2」。
何せ素人が使っているのであくまでも目安。
今回は2回ずつの計測です。
ちなみに、この数日前に私が計測した「雪印コンデンスミルク」はBrix約70.6%でした
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焼いたのがおいしそうです。
和菓子屋情報、あんこ、餅の季節カレンダーがインプットされているあんころりんさまは本当にすごい方ですね。
こっそり立ち読みして立ち去っている今日この頃です。
茗荷谷に用事あり、用事ある所に和菓子屋あり
(出かける時には菓子屋の有無を必ずチェックしているだけ)
ってぇんで、あんころろんさんの夏あんぱんの記事以来
イッコーアンさんをマークしておりまして。
ってぇんでHP見たのが腹太餅発売の2日後でした。
な〜む〜。
「きっとあんころろんさんが記事書いてくれるよね」
と期待していましたら、あら通じてびっくり。感激。
腹太餅の現在から過去から写真から食べ方から
また前のめりで読んじゃいました。
「ハラフトモチ」と口に出した感じも良いですよね。
入れて良し出して良し。
数え歌つらつらとたどり、冬あんぱんは逃したくないと
鬼が笑うようなことを考えている今日この頃です。
腹いっぱいの記事ごちそうさまでした。
次は実食!
どちらもわたしにとっては和菓子の師匠です。
美味しそうなんて軽がるしい言葉では表現できないボリューム感のお餅ですね。百聞は一見にしかず・・。食べたーーーいっ!
ところでわたし、新米の季節にもち米をもらったことがないので(もち米はなぜか毎年どこかからいただくけれど)、新米餅って気にしたことがありませんでした。すごく損していた気分。
おたよさんの様な素晴らしいアイデアと行動力があれば一躍ベンチャー企業のエースになれそうですね〜。焼いたのは香ばしくておいしかったですよ。でも焼かずにもすごく歯応えがあり美味しかったです。
インプットはさすがに無理ですよ〜。度々チェックしてカレンダーにマークしてますから。
ぺなぞうさん
うぉーいい。嬉しいっす♪お元気ですか。
そうでしたかー惜しかったっすねー。
結局素通りしちゃいましたか?
結構生菓子も良いのあるので、次回はちらっと覗くも良しでっせ。
ところでこのスーパー歯応え餅食らいつつ
もちろん!!ぺなぞうさんのこと思い出してましたわさ。(うーこのしっこしこの餅の歯応えの喜びを共有できるヤツはぺなぞうさんだぜ)っと。本当にしこしこの歯応え好きにはもうたまらない美味さでした。ハラフトモチは君と僕の秘密の合い言葉ってことですね。わはは。
冬あんパンは一緒に楽しもうじゃないか。
鬼も笑い転げるさ。
いつもながらツボにはまった嬉しいコメントありがとうございます。
ところでジャイアント白田ならこの腹一杯餅幾つ食うんでしょうかね。
こちらこそご無沙汰してすみません。御元気ですか。
これはもう私が乗らずに誰が乗るんだ、と勝手に思いこみも激しく本当に何ヶ月も前から予約して待っていたのです。
和菓子の師匠なんて本当にとんでもありません。それこそへちまの先生などに比べたらハシにもかからない無知さ加減です。プロの和菓子職人さんなど足下にも及びませんから。
お餅はボリュームありそうなのにかなりパクパク食べてももたれませんでした。本当に美味しかったです。大福よりお餅の美味さでは抜けてましたよ。きっと来年もやるのでは。
kozueさん
江戸時代の人のセンスの良さというか言語感覚には本当に驚かされますよね。字面もステキだし音もいい。すごいコピーライトです。
古代米ってやはりなるべく持ち味そのものを生かすのが一番なのでは、とこれ食べて思いました。むらさき大福とか黒米大福とかありますが、やはり無理に柔らかく仕上げたのは持ち味が楽しみにくいです。これはぜひ“新米”でkozueさんに楽しんでいただきたいわ。今からでも新米餅米楽しめるんじゃないでしょうか。いまからせっせと損失補填しないといかんですよ(笑)
なんじゃこりゃ〜。というのがまず写真を見ての感想でした!
腹太餅、焼いた黒米餅、最高ですね。あ〜、食べたい・・・。そういえば9月に東京に行ったとき、紀の善の抹茶ババロアを食べました!東京にはまだまだ食べたい物がいっぱい!
2度目のコメントですが、毎回楽しみに読ませてもらってます!これからも美味しい情報楽しみにしてま〜す。
いけるんですね。しかも食べられそう。
これも期間限定ですか。しかも通販とかは
ないんですね。やっぱり旨い物探しは
自分の足で行かなきゃ行けないんですね。
これはつらすぎる。
良いなあ、搗き立ての餅を食べるのも良いんですが(うちは餡子と大根おろし)これ、絶対よさそうですね。今日は稲扱きで、そのもち米をこいてます。(^_^;)。天気が良すぎて暑い。
お薦めスポットがありましたら
携帯にmailください。
よろしくです。小石川もいけるかな。
携帯アドレスはmixiで。
すみません。
今回も美味しそうですね! 大福って翌日堅くなったのを軽くトースターで焼くとまた旨いんですよね〜じゅるじゅる。
私は今日銀座に行ったので、空也をのぞいてみたのですが、今日の分はおろか、今週一杯の最中は予約で売り切れ!でした。 計画的に予約しないと食べられないものってあるんですね。
こんばんは、御元気ですか?
いつも読んで下さって本当にありがとうございます。東京では楽しめましたか。
なんじゃこりゃー、ですよね、いきなりこの物体見たらパンか、がっつり飯系にも思えちゃうし、甘味かよ?ってかんじかも。でも腹太餅っていいでしょ。あんこ入りのうまい餅ですが、感激しました、かなり。
まだまだあれこれ東京にもおいしい物あるのでmたぜひ遊びに来て下さいね。情報が必要であればわかることならお手伝いしたいです。ぜひまたご連絡くださいませ〜。こちらこそどうぞよろしくお願いします。ご意見ばしばしお願いします♪
こんばんは。これは一日だけなのです、すみません。もちろん予約出来ます。
つきたての大根おろし餅って最高ですよね。あんこや納豆もおいしいですね。お家で搗きたてなんてうらやましい限りです。本日の成果はいかがでしたか?根津のたいやきは食べられたのでしょうか。
ちなみに「稲扱き」って何でしょうか?すみません無知で・・。
こんばんは、コメントありがとうございます。すごく嬉しいです♪固くなりかけた大福が好きな変わった味覚なのです。もちろんあぶって食べるのもイイですね。空也は土日休みですから木金あたりは一杯なのですよ。月火辺りが確実です。
少人数が手作りで決まった数しか作れないので予約するのが一番です、逆に何ヶ月前でも予約出来ますよ。決して高飛車な商売ではないのです、空也って。安くておいしいですよ。
一幸庵は敷居が高そうで買えなかったのですが
場所はわかりましたので、もう次回は大丈夫です。明日載せます。
たいやき、小倉アイス、豆大福、豆餅、よもぎ大福、福福、至福の時。
すみません、わかりづらくて稲核は脱穀です。
藁から籾を外す作業でした。
すみません。
お疲れ様でしたー。楽しまれて良かったで。私も嬉しいです。一幸庵は中へ入れば普通の和菓子店ですから次回ぜひ。あーあの裏に三原堂があったのです、ごめんなさい書き忘れてました。
でもたい焼きと芋甚が達成できて本当に良かったです。次回はぜひ谷中岡埜栄泉(と喜久月)へも行ってみて下さい、谷中岡埜はお店の雰囲気にも感動できます。
そうですか、脱穀なんだー良いな見てみたいです、お米の生まれるところ。