吉野本葛を生かし、さらっと
お試し用 3本束
まもなくお節句、連休中の東京が好きです。
♪ちぃま〜きぃ食べ食べにいさーんがぁ〜
・・岬屋「羊羹粽」は吉野本葛製です。
いわゆる煉羊羹・・・
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・・ではありません。
粽…ちまき、と言えば端午の節句。
「背くらべ」を毎年のように歌った記憶はあるけれど
東京ではあまり一般的ではありません。
むしろ、台湾料理で食べる方がポピュラーか。
それから笹団子、あちらも粽の類です。
あらためて。
岬屋の羊羹粽は吉野本葛、自家製こしあん、上白糖だけを材料にした葛製の粽です。
端午の節句の折はこの羊羹粽と、葛と砂糖だけの水仙粽をつくります。
爽やかな笹の香り、葛らしいもったりふるんとした口あたり。
癒されるような、穏やかな味わい。
のどかに節句を祝うにこれほどふさわしいお菓子はありません。
思い出しただけ心地好い風が。
これも薬草たる吉野本葛の成せるワザでしょうか、いえホント風邪には葛根湯。
ちなみに森野吉野葛本舗も400年の由緒ある老舗、HP読むとシビレます。
手で食べても良いけど、ここは黒文字でゆったりと
さて。
岬屋では葛を完全に煉りあげた「本返し」の状態で笹にくるみ、い草で巻き上げて完成。
道喜粽と異なり、巻いた後は湯がきません。
なのでほどきやすく、蒸し直すことなくそのままいただける。笹の香りは淡めです。
これはいまはなき赤坂「ちまきや東洛堂」の製法を踏襲したもので、
東洛堂は茶席で頂きやすいように道喜の製法から本返しに変えていったようです。
道喜 水仙粽 5本束
そうなの、名人と言われた岬屋初代が修行を積んだ「ちまきや東洛堂」は 京都「御粽司 川端道喜」の流れをくむ店だったのです。
京都で粽と言えばもちろん「御ちまき司 川端道喜」。
500年以上も粽を調製、文亀三年(1503年)創業の禁裏御用を務めた京都でも屈指の老舗です。
(道喜の羊羹粽と水仙粽、川端道喜本店(水仙粽)、亥の子餅、はなびら餅(御菱葩))
川端道喜 水仙粽
孫弟子?とも言える岬屋が粽に使う笹は3〜4枚(道喜は5枚)、道喜粽同様 一束5本(※1)。
湯がく必要がないためか若干短めで比較的コンパクトな印象ですが、
笹をきりりと束ねた立ち姿、清々した趣は端午の節句にふさわしい。
岬屋 3本束
柏餅優勢の東京にあって、
長年、葛製の粽を調製してきた岬屋は茶道関係、美食家たちが信頼を寄せるもの。
当然、お節句は引く手あまたで予約なしの入手は無理かと思われます。
でも多分おそらく今ならまだ間に合うかも? れっつとらい、でんわ急げ。
岬屋の柏餅 蒸かした上新粉を石臼で搗きあげた餅、節句の時期は餅を搗く音が店内に響く
おいらは今年、4月中に2度頂く機会に恵まれました。
繊細で豊かな葛の口あたりってホントつくづく好きなんだなあ。
研究熱心な三代目ご主人にたっぷりお話を伺うことも出来て大満足。
上白糖を使う理由もとても興味深く、研究方法やこぼれ話など楽しかった。
どこかにメモしておかないと。
岬屋 特別注文の10本束
そう言えば。
本返しの葛を使う岬屋は初めての方には羊羹粽をオススメする傾向にあるみたい。ご主人は当初、ワタシに羊羹粽を薦めてました。
(※1)店売りは5本束=節句時は要予約、3本束は百貨店にて販売
●過去の岬屋記事 水ようかん 葛まんじゅう他 そば薯蕷まんじゅう
あらためて自分用メモに岬屋の来歴を下↓にまとめておきます。
●店舗情報
・「岬屋」(「上菓子 岬屋」)
店舗:渋谷区富ヶ谷2-17-7 03-3467-8468 日・月曜休
来歴: 昭和9(1933)年、現在の東急渋谷本店裏に創業。
初代(享年82)が亡くなった6年後の昭和53年、二代目である父も他界。 三代目を継いだ渡邊氏の6年という短い修行期間を助けたのは高校時代、祖父の頃から手伝っていた経験という。店主となった後も古書・資料を熱心に研究。向上心高くいまもなお日々、研鑽を積む。
菓子づくりにおいては伝統の製法を守り、基本となるあんづくりに注意を払う。 上菓子屋であっても柏餅の餅は石臼で胴搗きし、上白糖を用いることであん炊きの水の量を極力抑えるなど「探究心」を絶やさない。各種素材を吟味(葛、上新粉、い草etc)、渋く抑えた味わいの菓子を得意とし、 大日本茶道学会(応挙庵茶会、新年主菓子など)をはじめ茶道関係者に評判が高く、 羊羹粽、栗蒸し羊羹は美食家にも愛用されている。
名人であった初代は京都「御粽司 川端道喜」の流れを汲む赤坂「ちまきや東洛堂」(閉店)にて修行。
★ 博識の渡邊さんと菓子のお話をしているとつきることがなく、勉強になります。時間に余裕のあった頃は探してきた古書や虎屋文庫編「和菓子」など読んで実際に試作する日々だったそうです。★
・代表菓子:羊羹粽(4〜5月)、羊羹(松重ね)"古代蒸"、季節の上生菓子、栗蒸し羊羹など
※週一回 日本橋三越菓遊庵(木)新宿高島屋銘菓百選(火)東急本店(木)クイーンズ伊勢丹に入荷
特別注文限定「古代蒸」 柔らかで繊細な甘さの浮島
※屋号:現在メディア等オフシャルには「京菓子 岬屋」を使用していません。「岬屋」あるいは「上菓子 岬屋」。上菓子は献上菓子を意味します。包装紙等は「京菓子 岬屋」のままで。
●菓子のデータ
羊羹粽:各一本360円(自家製こしあん(小豆、上白糖)(森野吉野葛本舗・みゆき印)、上白糖) 〜店売りは5本束=節句時は要予約、3本束は百貨店で販売
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★おまけの話
1)ちまきや東洛堂は20年程前までアメリカ大使館の向かい辺りに営んでたそうですが、 お話しでは後継者がなくアークヒルズ建設に伴い店を閉めてしまったといいます。
2)次回は道喜粽など粽をまとめよう、自称 道喜ミーハー。
3)ふと思い出しのだけど。昨日、5月1日はブログ開始7周年でした。・・見直さないようにしよう。
いつも読んでくださる皆さま、ホントにありがとうございます。なかなか上手に書けないけれど続けていきたいと思っています。 今後ともよろしくお願いします。
あんころりん
●お知らせ●
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★読売文化センター自由が丘:土曜講座「和菓子を楽しむ」
詳細はこちら。 全国のお菓子を味わい、由来などお菓子にまつわるお話しをします。例:越後屋若狭、松川、wagasi asobi、岬屋、一幸庵、ゼリーのイエ…など
★書籍『東京 いとしの和菓子 あんころりんのおやつめぐり』
美麗カラー写真と共に“東京の和菓子屋、パン屋”満載。地図付き。
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いかにも良い香りがしそう!
なるほど、東急本店で木曜日…むふふ。
端午の節句もそろそろですが、やはり私の地元埼玉も柏餅が一般的です!粽は殆ど食べた事がなかったし、あるといえばおこわが入ったものぐらい(*^^*)
あんころりんさんのブログを見ていなかったらきっと中に羊羹が入ってるなんて驚いたと思います^_^;
吉野本葛を使った羊羹粽、きっと繊細な味なんでしょうね♪新宿高島屋でも登場するのですね。こんどぜひ覗いてみます!!
hamaccoさん
節句近辺は予約したほうが無難です。三本束は手軽ですよね。あ、それから8月盛夏の時期に一回だけ東横の地下一階に出店します、それいいですよ。
お元気ですか、いつもご覧くださってありがとうございます。
>スカイツリー
おお、確かに!てっぺんがすこし傾いたところも同じかも。
関東は柏餅ですよね、王道はこしあん。
子供の頃、お節句の際に一度だけ食べた粽がおいしくなかったことだけ覚えてます(笑)
葛がベースなのでとてもあっさり、品の良い口あたりの蒸し羊羹といったところでしょうか。
>高島屋
週替わりの生菓子もいいですよー。
あちこちでこいのぼりがヒラヒラ〜っと舞っているこの時期、本当に気持ちが良いっすね♪
粽に柏餅、まだいただいておりませぬ・・・。
ムム、台湾料理の粽ってやっぱりこういうの??
ブログ開設7周年、おめでとうございます〜〜〜!これからも楽しみにしておりますので、出来るだけ続けて頂きとうございまする〜〜。
あ、やはりそちらは粽優勢なんですか?
都心は鯉のぼりが元気に空を泳ぐを見るのはごく稀です。さっき見たのはベランダの物干し棹を利用して泳がせていた・・。昔は庭で悠々と泳いでいたけどね。
中華風ちまきはまったく別ものです。三角粽で中は味付きおこわで具だくさん(卵、チャーシュー、干しエビ、干し椎茸など)蒸したて熱々をいただきます。あ、書いてたら食べたくなってきた〜。
>7周年
ありがとうございます。
ここまでこぎつけたのもいもすけさんをはじめ皆さんが読んでくださるからです。
これからもどうぞよろしくお願いします♪
岬屋さんの粽はどっしりと構えた印象ですね。
ところで東京にもちまきやがあったんて、驚きました!
やはり慣れてないと難しいそうです、粽まき作業。餅菓子の名店でもちまきは仕入れたもの販売していたり。作業の難易度とかも関係して作る店が少ないのだと思われます。
赤坂ちまきやの画像、7年くらい前にネットで見たことあるのですが今は検索しても出てこない。たしか名古屋のむらさきやも関係してるとかしてないとか 記憶が定かでないけど。