お布団ではなく・・
たすきの如く
端午の節句も過ぎましたが。
前回に関連して"粽"のあれこれを思いつくままに並べました。
上の画像"利休ちまき"は京都・・・
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。
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・・「御ちまき司 川端道喜」にて
2008年7月、盛夏に調製されました。
記憶ではこの年、北山笹が不足して道喜の粽を手に入れるのが難しかった。
利休ちまきは道明寺粉でつくった甘い餅に大納言小豆を5粒乗せて二枚の笹で包み(おそらく)蒸したもの。
5枚の笹を熟練のワザで巻き上げるあの道喜粽とは趣の異なる珍しいものです。
通常は湯がいて仕上げる道喜粽ですが、これは蒸す形状ですから、それも稀です。
材料は道明寺粉、砂糖、国産小豆
もともと粽はもち米や米を材料にした食物ですから
ルーツに近いと言えばそうなのかも。
・・・おお、そうだ。
岬屋の記事で書かなかった「粽」について
ごく簡単にまとめたものを本文下に付けておきます。
孫引き情報主体のメモ程度です、悪しからず。
2008年の草ちまき、黒ちまき
同じく2008年の川端道喜から、
黒ちまき、草ちまきは10月に調製されたもの。
上用粉をベースにもち粉を加えた、いわゆる外郎粽です。
黒ちまきは黒糖を、草ちまきはよもぎの葉を混ぜ込んでいます。
上用粉、砂糖、よもぎ、もち粉(草ちまき)上用粉、砂糖、もち粉(黒ちまき)
当然ながら吉野葛の粽とは異なった味わいで、
ねっとりとした口あたりに米粉を使った特徴を感じます。
好きかと訊かれると・・・答えにくい。
でも3年半も前のことなのでいま頂くと違った印象かもしれない。
2010年はうき粉入りの草ちまき
と書いた後に思い出したのがこちらの草ちまき。
同じく川端道喜の調製ですが材料が微妙に異なります。
上用粉、砂糖、よもぎ、うき粉。うき粉は(米粉もある)小麦でん粉。
2010年5月の調製。記憶では2008年製よりも歯切れよい印象でした。
しかし、材料を変更するとは意外でした、川端道喜。
虎屋
強烈なシマシマ模様は数年前に虎屋が顧客限定につくった葛粽で初出は1823年。
水仙玉襷(すいせんたまだすき)の銘は光各上皇から下賜されたもので、
紅白の葛を撚り合わせてたすきに見立て、砂糖と葛粉とコチニール色素(自然由来)を材料に調製しています。
味の記憶がぼやけてますが、道喜と比べるとやや甘みを強く感じたような…。4月の菓子。
紅谷
こちら↑は葛と上用粉、両方を材料にした粽。
小豆あん、黒糖を加えたうえに、きなこも添付。
一本に5種類のいいとこ取り(?)印象は淡い味の羊羹粽、かな。
くず粉、とカンタンに材料表示してあったけれど、 じつはきっちり黒川本家の吉野本葛を使っているようです。
一昨年の4月、青山の老舗菓子店(大正12年創業)「紅谷」で
(材料;砂糖、小豆 黒糖、上用粉、きなこ、くず粉)
「御ちまき司 川端道喜」羊羹粽。
生まれた初めて口にした道喜の粽がこちら。
けれど久しく頂いておりません。つい水仙粽を選んでしまうのです。
もちろん羊羹粽も繊細で穏やかな味わいです。
もう少し気軽に入手できないかと思う反面、貴重なものって思っていたい乙女ゴコロ?もあり。
川端道喜の羊羹粽についてはこちらで詳しく
道喜の水仙粽
最後はやはり川端道喜の水仙粽。
結局これにつきる、というのが葛好きなワタシの印象です。
ものたりないと思うひとがいても不思議ではないシンプルさ。
岬屋と道喜の羊羹粽もすばらしいけれど。
やはり葛、という点ではこれに勝るものはない。
難を言えば入手が難しいこと。
ま、いろいろな意味で年中頂くものではないけどね。
●過去の川端道喜および粽の関連記事
(道喜の羊羹粽と水仙粽、「御ちまき司川端道喜」を訪ねて(水仙粽)、亥の子餅、はなびら餅(御菱葩))
岬屋の羊羹粽
◎粽(ちまき)
柏餅と並ぶ端午の節句の菓子として知られる"日本の粽"。
平安時代、中国から故事と共に伝わり、米を茅萱(ちがや)の葉で包んだことから"ちまき"の名が付いた。
中国の詩人"屈原"の故事に由来して「邪気を払う効あり」と信じられ、平安時代より厄除けの風習となった。現在も京都では祇園祭で配られた粽(祇園粽)を厄除けとして一年間、玄関に貼る。また大阪堺市の方違神社では5月30日に粽祭りが行われ、境内の土を真菰の葉にくるんだ厄除けの粽を授与する習慣がある。
主な調製方法はもち米、うるち米などで作った餅・団子(あるいは米のまま)を三角形や円錐形に作り、茅萱、笹などの葉で巻き、いがら、葦草などで縛った後、葉ごと蒸したり茹でて加熱して仕上げる。菓子粽には餅粽、団子粽、外郎粽、葛粽、道明寺粽、小麦粉ベースなど数種類ある。
笹で吉野葛を最初に巻いたのは京都の「御粽司 川端道喜」が最初で道喜粽、内裏粽とよばれる。川端道喜(1503年〜)は室町時代から明治遷都に至るまで350年間毎朝、御所に御朝物として餅を治めてきた老舗、として名高く、応仁の乱から約500年間、粽を調製し続けている。新潟の笹団子や九州のあくまきも粽の一種。
あくまき作り。宮崎「大迫もち店」にて。右は完成品
笹団子
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★お店のデータ
御ちまき司川端道喜
とらや
紅谷 :港区北青山3−12−12(参考サイト)
大迫もち店
大迫もち店 過去関連記事
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- 桃の節句に西王母〜こよみ
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- 水無月いろいろ〜一幸庵、心庵梅むら、大角玉屋、招福楼
- 京都/末富〜ひちぎり 今週のベストテン1位でした
- 長崎/万月堂〜桃かすてら 雛まつりに食べたい。ふわふわかすてら・とろりフォンダン..
- 浅草・千束/二葉家菓子舗〜切山椒、菊最中、栗蒸し羊羹 ほか
日本の“甘いお菓子”ではなく料理の一品ですよね。
日本のちまきっていろいろあるんですね〜。色もイロイロ。
あっ、“あくまき”も粽の一種だったんですね!まぁ、似たようなものですもんね。ただ甘くないので食べ方によっては中華風にもなるかな?
ちょっと紛らわしい質問を前回しましたが、こっちでも、端午の節句は柏餅優勢かな〜?粽もあちこちで売られていますけどね。
外郎の粽はどうもーーーです。
風雅堂と云うひろ柿で有名な和菓子屋さんの粽(餅かな?)は、昔ながらの粽で砂糖は入っていないため、砂糖醤油かわさび醤油等を付けてお召し上がり下さいとのことでした。
粽と云えば上品な甘みの葛に笹の香りの良い川端道喜製が昔ながらと思っていたので、風雅堂のような食べ方を昔風と言うのは、地域に依って作り方、食べ方が違うと云うことなんですかね。
東京を離れて初めて、東京の和菓子屋の数の多さと質の高さを認識しました。
広島から足を伸ばして、松江、萩、岩国、松山、九州などにお菓子を買いにちょくちょく行く楽しみはありますが。
あんころりんさんの記事を読んで、無性に食べたくても容易に買いに行けませんが、綺麗な写真で暫く我慢します。
お返事が遅れてすみません。
>台湾粽
以前は夢中になって料理屋に行くたび注文してました。
あくまきはやはり大陸食文化のの影響があるのかも。そうか甘くないんでしたっけ。今度いろいろ試してみようっと。キムチやごま油なんて合いそう?
こんばんは。
東京も外郎粽のほうが多いような気がします。葛より手軽で親しみやすいのかな。原料は米ですし。
風雅堂、すごい! わさび醤油ですか。試してみたい。行事の菓子は土地の特徴が見えるのが良いですね。
>広島
来年は菓子博開催。ワタシも何とかして訪れたいのです。この時期に移動されたのはグッドタイミングでは。山陰山陽 九州四国が行動範囲なんてうらやましい気が致します。
こうして並べてくださると、粽もなかなか奥が深いですね。
虎屋のシマシマが1823年初出というのも驚きでした。
そういえば幼い頃、近所に沖縄出身の方が住んでいて、粽をいただいたことをいま思い出しました。黄色く染めた糯米を円錐形に包んだもので、砂糖ときなこをつけて食べてねと。母は異文化にちょっとひいてましたけど(笑)
京都の棒状のものから新潟県、山形県の三角ちまき、鹿児島の俵状のあくまき・・・。
海外では台湾の肉粽(タイにもありますね。)東南アジアにバナナの葉やヤシの葉を使ったものがありますね。
ベトナムでは正月(テト)のおめでたい料理やバナナがもち米の中に入った日本人には考えられない粽。
http://nhajime1.exblog.jp/14810973/
http://nauanchay.blogspot.jp/2009/10/chuoi-nep-nuong-co-hinh-chi-cach-lam.html
バナナ入りは砂糖が多めでしたが、バナナの酸味と相性がよくておいしかったでした。
マレーシア・ボルネオはバナナの葉
http://www.asahi-net.or.jp/~PT3S-HSGW/html/asia/malaysia/emalay.html
4.ダヤクの村をご覧になって下さい。
インドネシアのスラウェシ島(昔セレベス島と呼ばれた)ではヤシの葉を編んだものに包まれた粽を牛モツスープに入れていただきます。
http://blog.livedoor.jp/sudakazuyo/archives/50578852.html#
http://br-zone.blogspot.jp/2012/02/coto-makassar.html
中国は笹が生い茂る大陸の南方だけでしょうね。
いくつか食べてみて やはり粽として唯一無二って思うのが水仙粽ですね。
それにどんどん葛の魅力の深さにはまっているのでこれは究極の味かもしれない。
沖縄で粽を食べた記憶ないなあ。でも鹿児島にあくまきがあるから不思議ではないですね。黄色ってクチナシってこと?
それからお菓子を月桃で挟んだり包んだしたものが多いし。好きです。
たくさん情報をありがとうございます。
バナナを使ったお料理おいしいですね、調理用はぜんぜん異なる野菜というか芋というか。南にいた頃は便利に使っていました。
パンダも粽が好きそうです、もちろんまるごと。