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「和菓子wagasi」−東京のお菓子・菓子パンを歩く

2006年11月17日

「和菓子アート展」で食べる@虎屋
きんとん,稚児饅頭,アート干菓子
菓子型の和菓紙マグネット

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↑上:「「音」きんとん製 中:稚児饅頭,
下:菓子型マグネットと食べる「ことのはのあじ」


東京の虎屋ギャラリーにて開催中の「和菓子アート展」、
和菓子を源とした5作家の作品を、
五感で“遊べる”魅力的な展示です。

和紙の作品“はねる金魚鯛”で遊べるのは
木製の古い菓子型を蘇らせた・・・


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美術作家の永田哲也氏によるもので
ほかに木工作家の青柳豊和氏
ミニチュア菓子と本格工芸和菓子の福留千夏氏
アクリルオブジェの亀井紀彦氏の新進作家4人に加えて
セルフポートレイト作品などの森村泰昌氏の特別出品など
小さなスペースながら和菓子にまつわる作品ばかりが集まり
和菓子好きなら充分楽しめます。

会場に入ってまずは青柳豊和氏による
の生菓子や“栗”羊かんおまんじゅうの数々。
マグネット仕込みの楽しい作品はなめらかですべすべ
触っているだけで和みます。
ひとつひとつの和菓子の表情に温もりのある作者の視線を感じます。

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↑「ことのはのあじ」は森村泰昌氏の作り文字を和三盆糖で仕上げた干菓子、お店で購入可

一箱9個入り!のかつらの木を使った作品『温泉饅頭』は半分にパカッと割れる
断面拝見OKの大ぶり茶まんじゅう
一つずつ異なるあんこで大納言の粒々や白小豆が一個ずつころころりん♪と転がるのには喜んでしまいました。

日本自生の木の手触りにはDNA的にも、ほっとするものですが
それらを使用した作品の数々は食べ物や和菓子にも
木や人間と同様に生命が宿っている事を、ふと思わせてくれます。
作品がクラフトとしても精巧でその質の高さがあってこそ
おまんじゅうも好きなんだろうな、
とシンパシーを感じさせてくれます。“おっ、あんこだ”ってね。

青柳氏は以前からくりやあずきおせち料理などをテーマに作品を発表、
リアリティを含む“食べる的”作品は
高い技術が伴ってこそ説得力も高まるのでしょう、
皆さん手にとって楽しそうに遊んでました。すべすべころころ〜

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↑永田氏の和菓紙マグネットと森村氏の干菓子は買えるアート、稚児饅頭と共に記念撮影

永田哲也氏の作品は和紙による和菓子の大作「和菓紙」。
これは何がすごいかっていうと
そのベースになった木の菓子型の数と種類。
今では需要の減少が著しい押し物用(落雁など)の古い菓子型たちによる作品が
圧倒的な量で迫ってきます。

例えば大作の中央に配された巨大な鯛
菓子型から忠実に祝い菓子だったはずの鯛が“西乃内紙”で美しく蘇っています。
この超特大鯛の菓子型は名古屋の和菓子店のもので、
おおーさすが!結婚式の本場だ、と感嘆。

今ではこの超特大の菓子型での押し物菓子の製作はないようですが
この型から作った落雁こそスーパーアートの迫力だろうと思いが膨らみます。
うーむ見てみたいものだ。だれか名古屋セレブ作らないかい?

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↑“そぼろきんとん”は和菓子的ミニマルアートの真髄
「歌」は宮中歌会始からの菓銘、具象化の在り方に打たれてしまう


他にも“いか”やら“こ”やらの大きな菓子型を蘇らせた
和菓紙の圧倒的な数の力作ぶりにも敬意を表したくなります。

見ていて江戸時代の伊藤若冲作品の恐るべきリアリズムと生命の躍動感を思い出して
日本人の美意識には深いところで共通するものがあると感じました。
だって欲しいもん、あのリアリズム“イカとタコ”の落雁

ミニチュア菓子の福留千夏氏は製菓学校出身の和菓子作り専門家。
工芸菓子」と呼ばれる観賞用の細工を施した飾り菓子がありますが
その創作活動の中で、ミニチュア菓子が注目されたようです。

きつね面の駄菓子稲荷煎餅参照)や柏餅などがまさに豆粒大!のキュートな極小世界
思わず虫眼鏡で細部を確認しちゃいます。

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ジョージクリントンかと思いきや、その名も“きんとん”の「歌」

ところで洋菓子における和の工芸菓子に相当するピエスモンテ(飴細工等の技術)は
フランスでは世界大会も行われます。
日本人パティシェなどの見事に繊細な飴細工は
金賞受賞などでネームバリューに与える有効性を感じます。

和菓子ではもちろん世界大会もないので、
見るだけの工芸菓子はなじみも薄く注目度は低め。
この技術が注目を集めることがないのは残念、

キュートで魅力的なミニチュア菓子の横
同一作者の精巧な和菓子秋草の群れを前にして
何かにつけ和菓子の職人さんは大変だ、なんて思ってしまった。

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↑稚児饅頭は七五三のお菓子、慶事をしるす五色の薯預まんじゅう

ともあれ鳥獣人物戯画を題材にして作られた工芸菓子などまず目にすることはありませんからね。こちらもお忘れなく。

最後に和菓子職人とのコラボレーションアートの
宇空超」うくこ、その透明の美しいお菓子はアクリルを凌ぐ存在感。
すごいぞ和菓子創作家と職人さん

和やかな展示と別室のDVD「和菓子ー美とその心」で
久々にくつろぎのひとときをいただきました。

今月末まで、お近くの方はどうぞ。

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注)・生菓子、干菓子、ともに本店1階の虎屋で販売されたもの。展示作品とは別です。
・「ことのはのあじ」(虎屋)はぺなぞうさんにご提供頂きました。
・温泉マークの菓子型マグネットはスパイラルマーケット(11月15日までの販売)にて購入。11月中の販売は下記で

※関連イベント
・永田哲也氏の作品販売 
ShopMITATEにて2006年11月30日まで
港区西麻布3-16-28 ル・ベイン1階
・永田哲也「和菓紙三昧KIOKUの贈り物」
伊勢丹新宿店本店5階 ベルエクランにて
2006年11月22日〜28日
・青柳豊和氏個展「青柳家の食卓」
玉川高島屋S・C 屋上ルーフギャラリーにて
2006年12月27日〜2007年1月9日
IMG_8555 (2).JPG 

●お店データ)★「和菓子アート」展
虎屋ギャラリー
(本社・虎屋ビル2階)
住所:東京都港区赤坂4-9-22 
地下鉄「赤坂見附」駅A出口より徒歩7分
2006年11月1日(水)〜11月30日(木)10:00〜17:30
入場無料・会期中無休
虎屋とらや赤坂本店
住所:東京都港区赤坂4-9-22 同上
8:30〜20:00 [平日] 8:30〜18:00 [土曜・日曜・祝日]IMG_8561 (2).JPG
年中無休
●菓子と品物のデータ
・歌 420円
・季節の生菓子(11月前半)
宮中歌会始めのお題にちなんだ菓銘、
初出年は昭和55年。
五色のきんとん製に中は小倉あんと白小豆あん
原材料)白小豆 小豆 水飴 白玉粉 コチニール色素 クチナシ色素
測定体重約51g
消費期限 2日
・稚児饅頭ちごまんじゅう一箱10個入り1800円
・七五三のお菓子で五色の薯預まんじゅう(11月15日まで) IMG_8562 (2).JPG
原材料)砂糖 小豆 つくね芋(山芋)上用粉
コチニール色素 クチナシ色素
測定体重約21g(一個)表示は一箱容量200g
測定糖度Brix約66.9%(こしあん)
消費期限 2日
・ことのはのあじ 一箱525円
・森村泰昌氏の作品干菓子
原材料)和三盆糖 澱粉 水飴 コチニール色素
内容量18g
・温泉マーク入り和菓紙のマグネット1050円 
・永田哲也氏の作品
※青山スパイラルマーケットにて購入(ここでは販売終了)
・11月中はShopMITATEにて
原材料)茨城県“西乃内紙”
測定体重約8g
賞味はお好きに?まさか…



posted by あんころりん at 06:46| 東京 ☁| Comment(12) | TrackBack(6) | 港区&大田区 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
あんころりんさん、こんにちは〜。
写真の彩りがお正月のようで、心浮き立ちましたわ〜。

食べる和菓子そのものがアートなのを、あらためてアートにしちゃうっていう
歌舞伎の弁天小僧(男俳優が女役をやるけど実はそれは男役)的な、
行ったりきたり的な、逆転の発想的な、ああ、書きながら混乱。
とにかくそんな感じ。

あんな小さなスペースなのに、ぎゅ〜っと充実した催しでしたね〜。
おさわりOKな懐の広さがまたうれし。
再訪しちゃいそうないきおいです。
血五万、うわ、こわ、カラフル稚児まんにもあこがれつつ。
ひそかに無色の虎屋饅頭にもあこがれつつ。
おさわりしたい。いや、食いつきたい。
Posted by ぺなぞう at 2006年11月17日 09:41
きんとん綺麗です。虎屋ギャラリーって、kozueさんも紹介されてましたがすごいですね。
地五万十いや稚児饅頭も綺麗です。
お干菓子も芸術ですね。
名古屋スペシャル見てみたい。
Posted by yottyan at 2006年11月17日 13:49
こんにちは〜。 私の会社は虎屋さんから徒歩8分、まさに「お近くの方」なのですが、あんころりんさんに先越されちゃいました〜。 楽しかったみたいですね! 私も行ったら記事にするのでTBさせて下さいね。
Posted by zoomania at 2006年11月17日 13:50
奥の壮大な和菓紙の展示は、思わず夫婦してパチパチと拍手してしまいました。ほんとバカな夫婦だ。
しかしさすがあんころりんさん、すべすべころころ〜、まさにそんな感じでしたね。
ところで話は違いますが、名古屋のデパートの結納コーナーに行けば、その片鱗はうかがえると思いますよ。そりゃもう東京にはない世界が見えるから。
Posted by kozue at 2006年11月17日 18:19
和菓子アート展行ったんですね!!
私も行こうと思ってるんですよ〜♪
美味しそうですね。。。食べたいです。

木で出来た、触って遊べる和菓子なんですよね。そういうの大好きなもんで。。。
Posted by sakuya at 2006年11月17日 23:30
ぺなぞうさん
本当にありがとうございます。おかげで書けました。
すみませんうっかり頂いた旨書くの忘れてもうた。
加筆&勝手にリンクしました。
偶然にも選んだものがどれも華やかな5色、めでたさ全開。
あ、でも“P-funk”のGクリントンだとも思った私の感覚も何だか。

「宮島のだんまり」って弁天小僧だっけ?
あの幕がとても好きなのです、五色選ぶのも我ながら今、納得。
静かで華やかな歌舞伎のだんまりに近いかもしれませんね、今回の展示って。
私も野暮用があってまた行くと思います。
あ!夕方ならお会いできるのかしら〜。
一緒におさわる?木のまんじゅうたち。

yottyanさん
きれいでしょう、実物はもっときれいでした。
こんなに華やかでしかもおいしそうに見えるのは和菓子の良いところ。
虎屋ギャラリーは年に一度か二度公開するので
ぜひご覧になると良い気がします、
実際見ると本当に楽しくて。狭いから疲れないし(笑)
干菓子は本当に買えるアート作品。限定かもしれないです。

zoomaniaさん
えーそうなんですか?
とすると↑のぺなぞうさんはご近所かもしれませんね。
私は用があり20日の週も行きますよ。
またまた浅田家ファンの遭遇だー。
TB待ってますねー。楽しみだ♪

kozueさん
私もぱちぱち〜。でもびっくりして端から端まで見てたら目が痛くなりました。
パンフがないから写真撮りたいなー、あれすごいですよね。
NHKで一瞬紹介されて録画を取ったはずがペケで泣いてます〜。
ばかデッキに立腹。
ところでその話が見逃せないですね、
見たんですか、名古屋デパートの金襴ぶり。
いいなー絵はがき欲しいなーって、欲しがりすぎか。

sakuyaさん
こんにちはー。
ぜひぜひ行って楽しみを分かち合いましょう♪
木のおもちゃ的な一連の作品楽しかったです。
あー抹茶あんだ、栗だーと一人騒いでましたから。
「音」と稚児饅頭は11月前半でしたが、
後半はまたいろいろ別な生菓子ありますよ。
干菓子はあると思います。



Posted by あんころりん at 2006年11月18日 19:07
はじめましてグルメ取寄せちゃんです。
美味しいもの巡りしてたらココに辿り着きました。
どれも美味しそうで、素敵なブログですね。
楽しいひと時のお礼に応援ポチ♪(゚▽゚*)ノ
Posted by 味覚の女王?グルメ取寄せちゃん at 2006年11月19日 00:59
狭いから疲れないというのが気に入りました。(笑)。体調もこう言うの見てたら良くなりますね。寒くなりました。紅葉が色ついたら
鎌倉和菓子探索かまた下町探索、行こうと思います。力餅かな、それとももっといいものがあるかな。またあんころりんさんのコピペで
clieに仕込んでおこう。
Posted by yottyan at 2006年11月19日 08:49
味覚の女王?グルメ取寄せちゃん
初めましてコメントありがとうございます。
お気に召したものがございますか?
応援ありがとうございます。これからもよろしくお願いします。

yottyanさん
結構美術展行くと後半疲れて集中できなくなったりしますよね。ここれは絶対ないと思います。
疲れたらビデオルームでのんびり和菓子のDVDを見るのも良し♪
鎌倉も良いし下町も魅力が一杯ですものねー、悩みますよね。どんどん質問してくださーい、もしも何かわかることがあればどんどんお教えします。でもそんなに詳しくもないんですけど。
Posted by at 2006年11月21日 00:31
あんころりんさ〜ん
また菓子食べながら仮死してしまって遅くなりました!
加筆のお手間、ありがとうございます。
押し付けだったのに恐縮!

「宮島のだんまり」華やかですよねえ。
歌舞伎も和菓子も彩りが美しくてため息出ます。弁天コゾーとはまた別物のようですね。
盗みの点では共通。人々が並んじゃうのも共通。

もう野望用、いや、野暮用お済みでしょうか。
黄色い文字の虎屋看板を見ながら、再訪まだできずです。ううう。
Posted by ぺなぞう at 2006年11月21日 13:09
こんばんは。
またしても美しい和菓子にうっとりです。
そぼろきんとん美味しそうですねぇ。
稚児饅頭のお色の鮮やかさに心奪われます。
中身の餡も多いですね。
最近体から餡子が抜ける日がありません。
昨日も今日もしっかり餡子の日々なのです。
Posted by 〓RR〓 at 2006年11月24日 20:21
〓RR〓さん
こんばんは。そうです♪和菓子アート展ですから、それにふさわしいものを選んでみました。見た目重視ですが、こっくりした甘さのこしあんもたまには良いですね。稚児饅頭はお祝いの菓子にふさわしい、目にまず心地よく美味しそうですよね。上用皮がとてももっちりして味も良かったです。あんこはクセになっても栄養的に負担なさそうでついつい毎日でもいただいちゃいますね。
小豆は悪くないでしょう、と私も自分に言い聞かせてます。
Posted by あんころりん at 2006年11月26日 00:22
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