↑上:銀杏,秋風,菊一輪 中:かぐや姫 下:松の翠
やはり書きたい恋文ってのがあるらしい
「紫野源水」は老舗「源水」からのれん分けをして
京洛北、紫野の地に店を開き22年という
すこし若い和菓子屋さんです・・・
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過日東京で行われた“京都の銘菓撰集”では
最も新鮮な衝撃を覚えたお店の一つです
10月のある日、新幹線で大切に運ばれてきた
僅か12包みほどの上生菓子,その中の一箱を手にした小さな幸福にしばし一人で興奮。
↑外郎皮製“銀杏”のぼかし色
わくわくしながら蓋を開けた時の驚きたるや。
(おおっ…きれい)迫る夕方の光の中で
思わず手を止めて魅入ってしまうほど。
予想を遙かに超えて洗練された色と形は
美術展でハートを捕まれたような魅力に溢れてました。
柔らかな色彩りとさらりと端正な菓子の意匠に目を見張り
さらに心打たれたのは三つのお菓子の繊細なハーモニー、
淡く煙るような調べはまさにゲイジュツいっぷくのえ。
↑きんとん製“秋風”
暗くなりかけた外光を恨みながらカメラに納め
はやる心でお茶といただくその味わいには、
いやー。一粒で2度びっくりグリコをはるかに凌ぐ(そりゃね)
心わしづかみ具合です。
きんとん製の銘は“秋風”
風が冷たさを増す頃の緑が少しずつ秋色に変わる落葉樹の景色です。
色彩センスが良いなー。
目だけで堪能しておなか一杯、なわけないので
たまらず黒文字を入れると“すぅっ”としてサクッ。え、サクッ?
中は丁寧に渋抜きされた小倉あん。
驚いたのは、見るからには粒々の小倉あんであっさりした炊き上がりは大福にも合いそう。
上生菓子にこのフレッシュな小倉あんとは、初体験
(うわ、うまそう)と見ると豆の中がみっちりと白く
手の込んだこしらえ方が伺えます。
↑中があっさり仕上がった柔らかな小倉あん
そぼろきんとんの柔らかさはもちろんのこと
後味はただ清くその抑えた甘さとスムースな味わいには
ほんとうに目からウロコがばっさりたたき落とされた。
ただストレートにおいしさの余韻にひたひた〜。
“五感で堪能”を実感しつつ「味」もずば抜けて好み。
生き生きとした豆の味わいも残す淡く品の良い甘さの中あん。
吟味された材料なんでしょうね、
と思ったら丹波の農家に小豆の有機栽培を依頼していると聞きます。
あと口よい甘さはやはり白ザラ糖です。
↑美しい!銀杏の外郎地と中の白小豆粒あん
↑繊細な形に色も見事
微妙に色付く葉を映した“銀杏”は
外郎(ういろう)皮が洗練されて舌触りもなめらか。
その重なり加減ににまず黒文字を入れる感触が心地よい。
包まれたのが白小豆の粒あんとは新鮮です。
白小豆はややねっとりと柔らかで外郎皮にほど良い。
印象的な意匠が美しいけど
ほとんど道具を使わない手仕事と聞き、目をこらすと
確かに色のぼかしと皮のたたみだけで仕上げてます
すご過ぎます、感動です、センス良すぎ〜。
和の洗練がこんな美を生み出すのね。
↑三色ぼかした煉り切り“菊一輪”中は白小豆こしあん
“京都の銘菓撰集”では
40種類以上のお菓子を短期間に楽しんで十二分に満足、
その後今なお、忘れられない味というのはどうしたものかと
京都へコンタクトを取った…。
そりゃあなた電話して「すみません、一体どうなってるのさ」
と突然、言いがかりを付けたのではなく
遠方で感激したけれど、何か送って頂けるものはありますか
と極めて生産的なお願いをしたわけで。
そこでお店のぐっと懐に入る人肌の温度ある対応があれば
300キロの距離も縮むってものです。
だから来ました、あきらめたつもりの“松の翠”が宅急便で京都から。
半生のひとくち菓子ですが
あっさりした羊羹の上に大納言を乗せて寒天と砂糖で固めたもの。
あえて例えるなら“和のトリュフ”。
チョコレートやボンボン的にひとくち甘いもの、という時にふさわしく
その後味の良さが個人的には、はるかに嬉しい。
あまりにあと味が清々するのでもう一本となるのが困りもの。
なお本家「源水」にも“ときわ木”という似たお菓子があり、
そちらも頂いてみたいですね
↑羊羹に大納言を重ね寒天で固めたフィンガースウィーツ
ともあれ京都から送って頂いた甲斐あり
こちらもとても好きになりました。一菓一会の連続なり
どきどきするほどおいしい物は誰がどんな風に作るのかな
と興味がつきないが
職人である主の精魂込めたお菓子作りは
創意工夫には余念がなくより良い素材の努力を惜しまず
美への探求心がとても深いと聞いてます。
↑とろんと柔らかな蒸しあんに栗が丸一個
送っていただいた栗入り菓子“かぐや姫”のように
親しみあるお菓子も多く
一層の幅広い人気につながっている和菓子屋さん、らしい。
だから、行ってみたいな♪よその町〜。
…百菓百会になりそうだが。
※京都の銘菓撰集の記事
秋の京都コレクション全部見せます:後編の記事はこちら
秋の京都コレクション全部見せます:前編の記事はこちら
・中村軒の麦代餅の記事
・川端道喜の道喜粽の記事
・宝玉堂の稲荷煎餅&京華堂利保のおしるこ竹の露
。
◎おまけの話◎
引きずる新宿タカシマヤ「京都の銘菓撰集」、
あれだけ集中して食べてもまた恋しいなんていくつか心残りもあったのです。松の翠もその一つ。
一菓一会は松の翠の掛け紙の文字ですが「紫野源水」の生菓子とはまさにそれ。感動に等しいものがありました。
紫野源水では弟子も取らずお菓子作り以外は奥様担当とのことで、うるせーあんこファンのお願いも
結構はんなりと楽しげに受けてくれました。
“きんとん”は宅急便ではさすがに無理だったけど。
ところで京都ものは“松楽”のおはぎ断面などリクエスト特集も実現したいのですが
もう遅いかな?
●お店データとあれこれ
★紫野源水
住所:京都市北区北大路新町下ル
アクセス/地下鉄北大路駅より徒歩5分
定休:日曜日・祝日 営業時間9時〜19時
※創業 1984(昭和59)年。
15年の修行の後納得いく創意工夫の菓子作りを目指したとインタビュー記事などに
ありますが、その真摯な姿勢はお菓子に表れていました。
ご主人は1825(文政8)年創業の老舗菓子司の三男。
●菓子のデータ
・秋風
・そぼろきんとんに小豆小倉あん
測定体重約g
糖度測定不可能
測定糖度Brix約%
賞味は日位
・銀杏
外郎皮みに白小豆粒あん
測定糖度Brix約45%
・菊一輪 >
煉り切り、栗蜜煮、白こしあん
測定糖度Brix約50%
※以上の上生菓子は三個一包みで1050円(タカシマヤにて)
・松の翠一箱10本入1480円
測定体重約20〜21g
測定糖度Brix約70%
賞味は10日位
・かぐや姫一個350円
測定体重約42〜43g
測定糖度Brix約50.4%(蒸しあん)
賞味は2日位
注※
今回使用した糖度計は「ATAGO.PocketPAL-2」。
何せ素人が使っているのであくまでも目安。
今回は2〜3回の計測です。
ちなみに、この数日前に私が計測した「雪印コンデンスミルク」はBrix約70.6%でした
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京都までTELを入れ、お取り寄せされるとは。
あんころりんさんの頼みなら宅急便も
すっ飛んで来たに違いありません。
まさにぜんまい仕掛けのパンダが動いてるかのごとく。
しかし京言葉は良いですね。はんなりですか。
この前京都展でも京都弁が飛びかってました。
落ち着きますね。
かぐや姫、単純そうだけど綺麗です。
本日、文銭堂豆大福予約入れました。
新橋店です。夕方行きます。
その前にぶらぶらするかも。(^_^)v
「松の翠」、羊羹+大納言のあまりのおいしさにひっくり返りそうになりました(ごちそうさまでした!)。たったひと口でびっくりです。
そーなんです、もう驚き桃の木に衝撃的。松の翠は送ってもらえます。かぐや姫はとろんとした栗蒸し羊かん風です。文銭堂はうまく手に入りましたか?楽しくお買い物できたなら嬉しいのですが。
kozueさん
で、でしょう?あー良かった、甘すぎることなく気に入って頂けましたか。ね、ひとくちの半生であれだから、上生の新鮮なのをぜひ、」kozueさんにはじっくり味わって欲しい〜、やはりメールを地道にしようかなー。こちらこそ渋皮さん、品良くて嬉しかったです、すみません私信だが。
あんころりん姉さんに殴られそう!?ですが
この時、あまりにお菓子を沢山買い過ぎて
このお菓子を2個冷凍したのです・・・
後悔したのは言うまでもありません^^;
後、ご存知かと思いますが
「御倉屋」の黒糖を使ったお菓子
「黒糖旅奴」もあんころりんさん、お好きじゃないかな〜
ブログにいちようupしましたので
よろしくお願いします。
超、おいしい、何個でも行けます。
さすがお薦め。!(^^)!
こんばんは遅くなりまして。
かぐや姫も独特の食感ですね、冷凍したの見てみたい〜笑。でも私も試しに一個冷蔵してみました。常温保存てあったけど、締まった感じを見たくて。私はそれも好きでした。ってこれこそ殴られそう。
黒糖旅奴は本でしか知りません、だから京都くわしくないのです。そういえば見た感じと素材感がプリマリさんのお菓子に似てますね。こんどトライしたいな。情報ありがとうございます。
ちなみにその本には「こんな御菓子をしっていることを人に知らせたくなる洒落味の御菓子…」だって、笑。まさしくその通り。
yottyanさん
良かったです♪記事は拝読しました、楽しそうー
これからもいろいろ情報交換したいですね。
いつもご報告ありがとうございます。喜んでらっしゃると嬉しいです