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「和菓子wagasi」−東京のお菓子・菓子パンを歩く

2012年08月05日

「とらや」と東北〜「テマヒマ展」の味噌黒米餅とずんだ羹

和菓子wagasi−東京のお菓子・菓子パンを歩く

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道明寺ではなく
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伝統の津軽飴も登場


開催中の「テマヒマ展〈東北の食と住〉」を再び訪れました。
プレスプレビューを一度、拝見しているのですが、
もう一度、じっくり・・・

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・・堪能したいが為に炎天下の訪問決行。
メゲずに行ってよかった〜。

テマヒマ展」は4月27日に始まった東京ミッドタウン「21_21デザインサイト」の企画展。21_21デザインサイトは三宅一生、佐藤 卓、深澤直人の三氏がディレクターを務めるデザイン施設です。

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一番手前の菓子が津軽駄菓子の糸引き。プレスプレビューでのメモ用画像(場内は撮影禁止)

昨年は東北大震災を受けて7月に三宅一生ディレクションの特別企画「東北の底力、心と光…」を開催。
フットワークの軽さと実行力をみせていました。
今回は前述の佐藤 卓氏と深澤直人氏がそれぞれの視点から東北の食と住に視点を当てた内容で4ヶ月間の開催。
東北の長い厳冬期を越すなかで根気よくくり返され、培われてきた手仕事。
「食と住」を通して、手間と時間(ひま)を惜しまない東北の精神に敬意を払った内容です。

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味噌(秋田)黒米(岩手)餅とずんだ(山形)羹カッコ内は産地

会場は映像と実物展示で構成。"いぶりがっこ"がほのかに香る会場に東北各地=仙台、会津、鶴岡、盛岡、角館、津軽の駄菓子がずらり、と並んでそれだけでも見応え充分。
津軽駄菓子の「糸引き」は、昭和駄菓子の糸引き飴の原型なんだーと発見もあって新鮮かつ楽しい〜。

そのうえ映像が素晴らしい。
映像ブースでは、笹巻、きりたんぽ、あぶら麸、りんご箱、りんご剪定鋏、奥会津網組細工/マタタビ細工、会津木綿など、食と住にまつわる手仕事と関わる人々の存在感を伝えています。
よかったー、あれ観ると絶対、雪の東北を訪れたくなると思う。

そして、和菓子好きなら釘付けになるのが
「味噌黒米餅」と「寒仕込み雪見蔵」の記録映像。
こちらは会場奥で随時流されています。

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「味噌黒米餅」は秋田県・石孫本店の味噌「寒仕込み 雪見蔵」を原材料にとらやが開発調製したもので、開催期間中はとらやミッドタウン店限定で販売。
さまざまな東北の食材から試行錯誤の上に選ばれたのがこのお味噌。
映像では開発した選・和菓子職、佐藤氏が、冬の味噌蔵を訪れ実際に仕込み作業を目の当たりしながら 手近な道具でこの味噌黒米餅をつくっていく。できた餅は味噌蔵で働く方達に食べてもらうというドキュメンタリー。

安政二年(1855年)創業、味噌・醤油を醸造する「石孫本店」の蔵での 味噌仕込み作業は興味深いものです。麹って目で見えるのがカワイイ。
それに
とらやの佐藤氏が粉寒天で味噌寒天作ったり、黒米粉と上新粉を混ぜて小鍋で蒸したり、餅とりの澱粉を払ってホットプレートで焼き目つけていく作業映像の楽しいことと言ったらない。
ま、極めてマニアックな視点からの感想はありますが。

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こちら石孫本店の「みそたまり」は会場で購入可

この味噌黒米餅、4月に食べて「すごくおいしかった」んです。
映像をあらためて見ると、おいしさの秘密が少し解けたような。

岩手県産黒米(粉)と新粉を併せて蒸した黒米餅の中は、味噌寒天の角切りを包んだ小豆こし餡。
甘いこしあんに寒天の味噌風味がアクセントになって焼き目をつけた香ばしい餅と相性が好いのです。
この「雪見蔵」は麹を通常の味噌の4倍以上いれた、もっとも甘口の味噌
(一般的な味噌で麹は大豆の7割程度、雪見蔵は大豆の3倍量使うのだそう)。
素朴な風土のなかで贅沢ともてなしの気持ちを表したもの、と説明にありました。
濃厚な甘いお味噌だから個性の強い黒米やとらやのこしあんに負けないのでしょう。
それぞれの素材の持ち味が生かされた素朴な、飽きのこない口あたり。
甘い味噌を食べてみたいなあ、と思わせてくれました。ちなみに。900円はリーズナブル。


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もうひとつの企画展限定菓子「ずんだ羹」は7月から販売(それもあって夏の再訪)。

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「ずんだ羹」アップ。山形県産だだちゃ豆の枝豆を裏漉して琥珀羹(錦玉)に加えた。ずんだのツブツブ感に見た目が道明寺羹ぽい。が、豆風味の爽やかな琥珀羹。小豆練羊羹と重ねた

くどいようですが、映像ブースの映像は、ものをつくる人々の魅力が充分に引き出されいて素晴らしい。
ぜひ多くの方に観てほしいと思います。
そして味噌黒米餅のドキュメント映像も和菓子好きにはとっても楽しい はず。

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伝統的製法の麦芽糖 武内製飴所「津軽飴」も購入できます

「食」の展示は4ヶ月間長期に渡るため保存処理が施されているものが多いのは致し方ないところ。
それでも干大根やあぶら麸がぶら下がるなか、東北駄菓子大集合は楽しい。
「住」にまつわる箒や曲げわっぱ、ボッコ靴などの道具たちは展示という非日常のなかでも、微笑ましいような魅力をたたえています。使われるさまは想像力で膨らませよう。

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各種駄菓子も販売♪今回は盛岡駄菓子の関口屋の石衣をチョイス、大好きな味噌ぱんもあった

●関連記事
・岩手の駄菓子など
・仙台駄菓子 石橋屋 ・仙台駄菓子 熊谷屋
・会津駄菓子
・津軽せんべい三浦屋
カテゴリー 東北の和菓子一覧

★お店と菓子のデータ
とらやミッドタウン店
味噌黒米餅:420円(黒米粉 新粉 小豆 味噌 寒天 澱粉)※個人的に真夏は食べる直前15分位、冷やすと美味しい、と思う
ずんだ羹:420円(枝豆(大豆) 砂糖結合水飴(=カップリングシュガー)小豆 寒天
※砂糖結合水飴=ショ糖にぶどう糖を結合させた甘味料
テマヒマ展
石孫本店
津軽飴 武内製飴所
関口菓子舗
あんころ広報係
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詳細はこちら。 ※講座「東京のお菓子を歩く」は現在全3クラス共、満員ですがキャンセル待ちは受けているそうです。詳細は事業本部まで。おまたせしている方、10月期募集はまもなく開始予定。空席出ると思います。
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この記事へのコメント
あらためて会場の雰囲気を思い出しました。楽しい展示でしたね〜。
「みそたまり」をはじめ、気になって手に取りつつも後の用事のために買わなかったものばかりなので、ちょっと悔しい思いもしてます(笑)
Posted by kozue at 2012年08月06日 16:58
kozueさん
プレビューの時は物販がなかったので、今回はその意味でもウキウキししちゃいました。味噌黒米餅、ワタシ的にヒットだったので、みそたまりも迷わずに。
そうだ!記事に書くの忘れちゃったけど11日には開発した方の話を聞くイベントがあるんですよー。申し込んだので割引券使ってまた行きまーす。
Posted by あんころりん at 2012年08月07日 15:11
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