↑上:焼きだんご、本当は5本でワンパック 下:“こりゃ梅え”は丸ごと一個甘酸っぱい青梅入り
江戸前のあなごも良いけど
二百年も続く“甘辛っい焼きだんご”を
串ごとがっつり釣ってやる!
品川駅周辺は再開発ラッシュが続き
高層ビルがにょっきりと立ち並んじゃって、
でも、少し歩けば川沿いに屋形船なんか見えてくる
そこは未だに漁師町の面影が残る北品川・・・
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和菓子にもいろいろあるけど
庶民のおやつ、朝生菓子の龍が“豆大福”なら
虎はなんといっても“おだんご”だ、と勝手に思ってます。
大福が“お餅”ならお団子は“ごはん”、
“辛団子”なんてまさにご飯にお醤油味ですから
まさに腹ふさぎ、朝生菓子の基本、
DNAに深〜く刻まれたお米の魅力にあらがうことは難しい。
細胞の声に素直に従って
“豆大福”にだってひけをとらない大好物です。
↑焼きおにぎりの如く
ただ幸か不幸かどうころんでも日本的な舌にはフィットするので
わりと何でもOKの許容量の広さも否めず
特別な感慨がなくても概ね、そこそこ満足しちゃう。
個人的にはコンビニの三本百円パックも滞りなくいただきます。
だからこそ!
じつはひっそりと串だんごなどを丁寧にこしらえるお店には
一目も二目も置いております。(裏試金石だったり)
甘味の脇役、ついでに買われる運命の“串だんご”にも手を抜かない和菓子屋さんってのは
親しみが湧くし心意気も感じます。
↑労働の後のうまさ、米と醤油は永久不滅の黄金の輝き
北品川「桝翁軒」は逆に名バイプレイヤーたる“焼きだんご”の方が名物。
さすがに東海道五十三次、最初の宿場町たる“品川宿”。
旧品川宿は江戸庶民の人気リゾート地だったらしいし
江戸からのの宿場町ならそりゃ団子はツキものです。
いつの時代劇だって茶店には串だんごでしょ。
お茶におだんご、花見にお団子ですよ
↑以前の店構え、甘味処もあった
その「桝翁軒」はなんと200年近く前からこの町で
杵搗きの江戸前“甘辛っな串だんご”を作っています。
北品川辺りは今では脇道となった幸運からか
浮世絵の歌川広重の五十三次を僅かに偲ばせる
“品川浦舟(溜)だまり”も残ってるし、かつての漁師町の面影も色濃く
なかなかワイルドな土地柄です。
↑利田神社そばの川にはつり船
この辺は偶然にも知人が多く気取りないというか
ま、人あたりや祭りなんかも割と荒っぽくて
ある意味肉体派江戸っ子?の多そうなパワーあるエリアです。
桝翁軒は数年前に改装、茶店の証だった甘味処もなくなり
小ぎれいな店構えに変わっていましたが、
季節の和菓子は気取りなくお茶請けには最適、夕方には売り切れる品も多いのです。
つぶしあん、こしあんどちらもうまかった。
そして
ちゃきっとした女将さんやご主人の様子や
ごっつく甘辛っのたれがたっぷりのおだんごは
まごうことなくワイルド系江戸っ子向き。
↑あんこがうまい!「おまんじゅう」と翁餅、売り切れもしばしば
すごい、というか名物のお団子は
“甘っからい醤油味の焼き団子”の一種類だけ。
草だんごやごまだれはおろか、あんこの団子もない。
思い切りよく“串”だんご、甘辛一本!のようです。
濃い〜めのワイルド系“江戸っ子には
クリームとかカレー味とかあり得ないのだろうな。
↑プロレタリアなごはん粒たっぷりのおはぎ
5本で350円、4本刺しの串だんごたちを連れて
鯨塚のある利田神社方面へとことこ歩く。
“飲み放題”の幟とかがはためく川沿いで高層ビルバックのつり船眺めて
(昔は鯨まで捕れちゃったんだから、そらー荒っぽさだって残るぜ)と
パックの中で黒っぽい濃い口醤油のたれが絡む
でこぼこっとしたうまそうな焼きだんごをひとくち。
おお、しょっぱうま〜。
さすがに200年変わらず臼と杵で新粉を搗き上げて
手できゅっと握り出して丸めた4本刺しの焼きだんご。
容姿通り、額に汗かく肉体派、プロレタリアートの朝生菓子だ
杵搗き独特のしっかりしたコシと
出来たての柔らかさと香ばしさは健在なり。
江戸前らしい、このアンビバレントな歯応えがたまりませんね。
下品と言われようが、しょっぱくてかなわん、と
揶揄されようが東京でからーい“藪蕎麦”食って育ったもんで
このワイルド系下町の味はなじみが深い。
↑どっぷりのたれが醍醐味
世にあるきれいに成形したまん丸甘いお団子はきっと永久不滅に残るし、
半永久的に24時間柔らかいのだ。
無骨ででかくて不揃いながっつりしょっぱい濃いめの味
そんなたれにどっぷりまみれたパワフルな焼きだんごを俺は好きなのだ。
好きだぜ、甘っからいがっつり4本刺しのだんごたち。
「趣」は広重さんで楽しんでね。
↑焦がし加減もワイルドで香ばしいどら焼き
※長文です。
◎★今日の和菓子語その16
「甘辛いやきだんご」
お団子と大福の大きな違いは何と言ってもその基本原料。
真っ当な「大福」の材料は“餅米”で、「だんご」は“米”
“餅米”を蒸かし上げたものをよーく搗くとそれは当然“お餅”。
簡単に言えばここに赤えんどうを混ぜ込んだもので小豆あんを包餡すれば
みんなのアイドル「豆大福」さんです。
朝生菓子の「串だんご」の原料は“うるち米”つまり普通のお米。
一般的にそれを粉にした“上新粉”を水で煉って蒸し上げます。
上新粉は精白したうるち米を水に浸けた後、粉砕して乾燥させた“米粉”
中にはこのうるち米を胴搗きで自家製粉して
米の力を充分に引き出したフレッシュな米の粉を使う店もあるようです。
(今度行こうっと。)
さらにはしっかり“うるち米”(白米飯)をストレートに搗き混んだ
ただならぬ美味しさの焼きだんごもあります。
たとえば、目白「志むら」の“甘辛団子”などははうるち米と上新粉を
併用するあたりがさすが、コシと香りも文句のつけようがないほど上等です。焼きおにぎりのおだんごバーージョン。
そしてうまいお団子には欠かせない大福同様に共通の必殺技が「杵搗き」。
串だんごに関しては「杵搗き」ならまず歯応え的には外さない。
丸め方は機械成型もあるようですが、やはり手作りの味わいが好ましい
あとはたれの味次第で基本は醤油と砂糖、
東京風のかなり醤油っからいものや砂糖の利いた甘めのものまで、
店によって味は様々、あと口の良さを求めるなら化学調味料は御法度です。
※注
目白「志むら」のおだんご記事はこちらとこちら
◎おまけの話◎
先日松島屋さんで焼き団子を買い損なってから“団子慕情”が最高潮、毎日のように食べ歩いてます。ただ今江戸ソバリエ修行期間でもあり蕎麦屋へ行きつつ団子買ってるそんな日々。桝翁軒さんはアド街でも紹介されてましたので、蕎麦店“しながわ翁”で出掛けた際に再訪した次第ですが、10年振りじゃなかろうか。
↑焦がし色のどら焼きにトレードマークの翁と四つ目桝
●お店データとあれこれ
★桝翁軒ますおうけん
住所:東京都品川区北品川1-2-8
定休:不定休(月3日回休みあり 営業時間8:00〜20:00
※
幕末の嘉永2年(1849)にはすでに創業。
「桝翁軒」という屋号には
家紋の四つ目桝と長寿を表す縁起物の翁とを合わせたもので
「ますます長く」の意味が。(参照サイトはこちら)
●菓子のデータ
・焼きだんご四つ刺しで五本で350円
*杵搗きの新粉餅、砂糖と醤油のたれ測定体重約66g〜70gくらい
賞味は1〜2日位
・こりゃ梅え120円
求肥餅に丸ごと甘酸っぱい青梅いり、白味噌あん
原材料)
測定体重約62g
・大きいおまんじゅう280円
*小麦粉生地の中につぶあんかこしあん、
注文品だが店頭にもある、つぶあんが好き。
測定体重約114g
・翁餅120円
*生八つ橋風の柔らかいきな粉の米粉餅にこしあんいり、
“おたべ”より好き。
測定体重約42g
・おはぎ100円
*つぶあんかこしあんに粒々のうるち米入
測定体重約68g
賞味は1日
・どら焼き120円
原材料)
測定体重約62g
注※
今回使用した糖度計は「ATAGO.PocketPAL-2」。
何せ素人が使っているのであくまでも目安。
今回は2〜3回の計測です。
ちなみに、この数日前に私が計測した「雪印コンデンスミルク」はBrix約70.6%でした
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甘辛いたれだけなめたい気分。
ごはん粒たっぷりのおはぎもいい。
夕食がおはぎでもノープロブレムみたいです。
私も子供の頃に母にそれをやられて「・・・」と
なりました。
でも、おやつとしてのおはぎは大好き。
お団子もおはぎも、無性に食べたくなっちゃった。
新橋、品川、泉岳寺で和菓子珍道中を組むには
素晴らしくいい条件。しょっぱうまなんですか。
そのくらい辛い方が好きかも。子供の頃は
みたらししか食べなかったのに、最近は餡子専門だったから、食べて見る価値ありそうですね。
この辺も良きところでしょうね。
早々鯨塚なんてあったんですよね。
桝翁軒inputします。
第一声、叫んでしまいました。松島屋でだんご買えなかったといっていたときは、ふふんと流しておりましたが、ちょっと流せない状況に陥りましたです。ああだんご〜甘辛だんご食いてぇ〜。
先週、神田で粟ぜんざいとホットケーキをはしごしました。
初めましてコメントありがとうございます。
そうですね、ガッツリという点で五平餅やきりたんぽも近いかもしれませんが、おだんごは新粉を煉って搗いたものなのでちょっと違ったものでしょう。おはぎはおいしかったのですがつぶれて画像が汚くて申し訳ないです。
チロリンさん
あ、最近それTVで見たかも。お母様がおはぎ得意だったのすごくよく覚えてます。お料理すごく上手ですよねー。morimotoさんがお重箱にいっぱいおはぎをもらって驚いたって話がやたら印象的で私はいまだにおはぎ見るとチロままをおもいだすのさー。お会いしたいわー。おだんごってやたら食べたくなるよね。
そうなの、アド街やってました。あの辺りは古くからの友人が多くて懐かしくて思わず行っちゃいました。古い建物とかあって良いんですよね。
車だと泉岳寺も近いですね、おだんご比べツアーが出来ますよ。私も子どもの頃からから団子専門。いつ食べてもおいしくて大好き。あれば絶対買っちゃいます。これも和菓子ですものね。鯨塚ご存じってすごいマニアック。
kozueさん
やはりこういう団子の力にはかないませんよ、降参ってかんじ。とてもうまくて腹一杯ってかんじ。ぺっとぼとるのお茶だっていけちゃう野太さが好き。がっつり食ってくれー。いいな粟ぜんざい&ホットケーキ、それも食べたいなー。竹むらいきたーい。しかし豪勢。まつやも行ったのかなー?。これだけ食べても蕎麦食べたい。玉子丼もすきなの、まつや。あれ何の話だ?
子供の頃から変わらずに好きなお団子の餡です。
画像を見て、最近お団子って食べてないなーと思いました。
今日やっとお汁粉のことをブログにアップしたのでトラックバックさせて頂きました。
私もどっぷりのタレがかかった串だんご食べたいです!!
みたらし団子、好きですがこちらには美味しいお店がないです(泣)
タレが水っぽかったり、妙に固まっていたり・・・
プリマリ母の作ったのが一番かな!?笑
ずーと前から、このタレをマフィンに使えないかと考えているんです。
そば粉で作ったきな粉マフィンに、
タレを上からかける・・・う〜ん、ありきたりだな〜
いいのが出来たら試食宜しくです!
江戸っ子団子〜!なんてうまそうな奴だ!
味もきっとチャッキチャキですね。
いつもレスにレスれなくてすみませんレス。
あんころりんさん軟弱なやらけー団子は一回シメるんですよね(笑)
この間、すごい頂き物がありましたのでご報告。
職場に浅田家の豆大福とみたらしがやってきました。なんと、各20個。
弐拾個。にじゅっこ。
重っっっっっ!!
豆大福の群れ。コレうごくんじゃねー?的ビジュアルでした。
団子にいたっては3兄弟どころの騒ぎじゃないし。
で、団子はお初だったんですが、想像以上に美味しかったです♪
やっぱり!スキだぜ浅田家。
すみません、諸事情でお返事遅くて。
“みたらし”っていつの間にか東京でも一般的な呼び名になってますからね。昔ながらの「辛だんご」とか甘辛だんごなんて言う方が朝生菓子の店では似合うきがするんです。単なる気分だけど笑。おだんごって小腹が空いた時には一番良いんですよね。甘すぎないしお醤油の味がほっとします。TBありがとうございます。とても素敵な記事ですねー。あとでそちらにもコメントさせて下さい♪
プリマリさん
あーごめんなさい、ご訪問が滞ってますわー。
そうさ、ダンゴはけちけちしないでどーっぷり行きたいですよね。囓ってはつけ囓ってはつけてお行儀悪く食べるのがおいしいよねー。そちらはお米処だからすごく美味しいダンゴがありそうなのにね。きっと粉にするより米まんまで食べる方が積極的なのかも。でも作ったら美味しいにきまってるのにね。
そば粉〜きな粉〜きゃー食いてー。しかもたれつきなんて。思いっきり和風のほうがかえっておいしそう。串に刺してディップinで食べたいなー。
お醤油きかせてね。おいしそう♪待ってるからねー楽しみです♪
うまいっすよー。あまっからーでしこしこ。
江戸っ子だんごは辛ダンゴ。最近は大人になってそうそうシメズともダンゴは許してます、大福には未だ厳しく対応してますが笑。辛ダンゴ、子供の頃はこれしか食べられなかった位です。コメントは頂けるだけで感謝感激ざんすー。気が向いたらいつでもスーパーウェルカムざんす。
ちょっとー。そういう者くれるその方にものすごく興味ありまくりー。大福だけでも相当すごいのにダンゴまでつけるってどういう趣味なのだー?
絶対強者だよね、そのチョイスのお土産って。
そもそも一体どれくらいの重さなのさ、それって。運ぶだけでもガテンなかんじ。あー浅田家のおダンゴ食べたいなー。とにかく毎日ダンゴの日々です。そばだんごそばだんごそばだんご。炭水化物の権化かも。
うふふー受けました?一幸庵のは見たことないです。でも想像すると何だかそろばん玉みたいですね。私も甘辛ダンゴは99%大好きなんです。
>子供のころはわたしも甘いものやアンコは苦手だったので、いっつもみたらしを選択していました
まったく私もその通りで大福は良いのだけど何だかあん団子が信じられなくて絶対から団子でした。いまも何もお菓子がないとスーパーでもかっちゃいますよ。黄金色。
根っからのプロレタリアみたいです笑。