八重葎
山土産
京都「末富」新栗の生菓子です。
八重葎・・・読めますか?
むろん…ワタシは読めなかった・・・
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・・。
やえむぐら と読みます。
恥をしのんでお店で伺いました。
葎、なんて生まれて始めて見る文字、と思ったら
百人一首詠まれていました。
八重葎(やへむぐら) しげれる宿の さびしきに
人こそ見えね 秋は来にけり
恵慶法師(47番) 『拾遺集』秋・140
ここから引っ張って来ました。
これまたまったく記憶にありません。
小倉百人一首は、ひと通り目を通したつもりでも、
まったく身についていなかったのがバレバレです。
ちょっとググってみると、
八重葎 ヤエムグラ は
アカネ科の越年草。道端の雑草としてごく普通にみられる。種子はひっつき虫の性質も持つ。→(ウィキ)
「葎(ムグラ)」というのは繁茂してやぶを作る蔓草の総称だそうですが,実際の八重葎は蔓性ではなく、他に,ムグラという名前が付く植物としては,カナムグラというのがあり。
百人一首の中の「やへむぐら」というのは,カナムグラであろう、と推測されています。
→参考文と画像
ああ、そうなのね、ならばカナムグラ
末富のお菓子は というと。
そんな「荒れ果てた家にからみついた蔓草」、とは思えない。
野の花を思わせる、柔らかな色あい。
栗を混ぜ込んだきんとんです。
中は小豆こし餡、下には白小豆入のきんとんを敷いた、
ゴージャスなダブルきんとん。
「山土産」やまづと、は
10月頃の栗を使った菓子の銘としては定番と言いますか。
ふっくらと柔らかな薯蕷(山芋)生地に
柔らかで風味のよい蜜栗と小豆こし餡を、 巻き込んで、蒸しあげたお菓子。
棹物を切り分けたかたちです。
栗のおいしさは言うまでもなく、
やはり薯蕷製はこの時期にぐっと食感と風味が増します。
二切れ入っていたけれど、こちらの方が先に消えて行きました。
棹物ですから、調製するにはある程度の数が必要と思われます。
機会を逸しずに、持ち帰ってよかった。
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★お店と菓子のデータ
末富(京都) :075(351)0808
参考関係サイト 新宿高島屋
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相も変わらず雅な名前と外観、お味のようです。
和菓子で栗をそぼろにしたものというと岐阜の恵那・中津川の(現地の方は東濃地方といっているようです)栗粉餅しか知らないのですが、きんとんに使うのも珍しいと思います。
しかも土台が白小豆のきんとんとはなんとゴージャスな! さぞやクリーミーな舌触りと栗の風味のお口に秋が広がるといった感じなのでしょうか?
山土産もシンプルながらそれでいてそれぞれの素材が高いレベルのお菓子のようですね。
最近、三代目の山口冨蔵氏があまりメディアに出ていないような気がするのですが、お忙しいのでしょうか?
荒れ果てた家にからみついた蔓草に見えないのは賛同しますが、わたしにはいわゆるヤエムグラのひっつき虫に見えます(笑)。
それにしても、山土産を見ていたら薯蕷饅頭を食べたくなりました!
東京でも上生菓子の店の多くは、栗あんのそぼろきんとんを調製してますよ、とらやの栗粉餅など代表的ですし。越後屋若狭もそのひとつでしょうか。機会があればお試しを。
三代目は毎日お忙しくしてらっしゃると思われます。なんといっても本業は御菓子司ですものね。
そうでしょ、ワタシも、最初はヤエムグラで納得するところだったもの。
薯蕷部分がたっぷりの厚さでもモチモチ過ぎず、栗との相性のよさに感服したかんじ。なので買いすぎを後悔するところ、よかったーと深く納得したのでした。