「上菓司 岬屋」の『竹栗蒸 白小豆仕立』。
おそらく都内随一、と・・・
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・・・思われる"栗蒸し羊羹"です。
そして、白小豆の菓子のなかでも最上のひとつ、ではあるまいか。
昭和9(1933)年創業の「上菓司 岬屋」は当代三代目。
お店の詳しい話はこちらを読んでね。
「竹栗蒸」は、いまのご主人が完成させた秋限定の菓子で、
見ておわかりのように、一棹で完結しており、ひときれの販売はありません。
そうなの、竹皮包みのものは、切り口からすぐに乾燥してしまいます。
でも、断然おいしいのですよね、竹皮に直に包んで蒸し上げた"栗蒸し羊羹"。
一般に販売している岬屋の「竹栗蒸」は小豆を使ったもの。
複数の食通をはじめ、多くの菓子好きから高い評価を得ています。
たしかにとてもおいしい。ホントにおいしい。
竹栗蒸(小豆あん)
なんてたって自家製のみつ(蜜)栗がすばらしい。
どこをスライスしても、覗く黄金色の大ぶりの栗たち。
しっかり形を残しながら、歯を立てると抵抗ないほど柔らかく。
栗そのものの風味も、しっかり引き出されていて、
まさに豊潤、って形容詞がぴったり、なめらかでゴージャスな栗蒸し羊羹です。
さて、バージョン違いの「竹栗蒸 白小豆仕立」について。
備中産白小豆と上白糖だけで炊いたあんを使う、淡いクリーム色の栗蒸し羊羹です。
数年前から、基本的に一般販売をしません。
(※追記(11月3日):白小豆と白餡について、簡単に。
一般に普及している白餡の材料は白手亡豆(いんげん豆の一種)が主流。
で、白小豆、という小豆の変種があるのですが、こちらは味も香りもクセがなく上質とされ、上生菓子などに向いているのですが、なにで産出量がめちゃめちゃ少ない。ゆえに入手もしづらく、とても高価な(大納言以上に)材料なんです。今回の栗蒸し羊羹は白小豆でつくった白餡の栗蒸し羊羹なのですね。ひゅー。)
まとまった注文が入った時にだけ調製。もちろん、栗の時期に限って。
加えて、あまりに多忙なときはつくりません、というか作れない。
概ね、一回に10棹程度をまとめて調製するようです。
これが小豆の竹栗蒸を上回るほどおいしい、と思う。
あまり入手しにくいものを、吹聴するのもやぼなんですけど。
(逆に、騒げば、どこぞの百貨店で取り扱うかも、と思ったり。)
「竹栗蒸」と同じみつ栗が、同じようにふんだんに混ぜ込まれています。
どこを切っても大ぶりの栗・栗・栗。
甘さはごく控えめですのに、味わいはまったりと濃厚。
それにしても栗。
上白糖と栗だけで、これほど豊かな味わいに仕上げるには、理由があるはず。
岬屋のみつ栗は、
良質の栗を上白糖蜜でゆっくり炊き、数日かけて(段階的に蜜の濃度を増しながら)、じっくりと、蜜を含ませるように仕上げていきます。
手間と時間をかけることで、栗そのものの味わいを引き出し、自然な甘みに仕上がるのです。
やはり、丁寧にこしらえた蜜栗を使ったお菓子は、
既成の材料を使ったものとは、ひと味も二味も違う。これは口にするたびに思うこと。
というわけで、いわゆる"栗の甘露煮"と一緒にされてはイカン、と思うのでした。
それから、もう一つ。
白小豆のお菓子で、もっとも好きなのです。
なんだかんだ言っても、同じ種類の菓子なら、白小豆より小豆のほうを好むのですけどね。
こと、「竹栗蒸」に限っては、白小豆の方が好き。
単に色だけでなく、豆の良さが前面に出ているように感じます。
蒸羊羹との一体感は小豆以上。
豆のクセが少ないせいでしょうか。
今年は運良く、すでに二度も手にすることが出来ました。
嘯月も頂いたし、壽堂、文銭堂、菓匠花見、三廼舎、巌邑堂…
今年は栗蒸し羊羹づいてます。東海は残念ながら三度行って、三度とも売り切れでしたけれど。
あとはあそことあそこをいただく予定で。
そのうち頭が、栗みたいにトンガッてくるかもね。
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◎おまけの話
先日、10月期がスタートした土曜講座「和菓子を楽しむ」。折よく入手できた「竹栗蒸 白小豆仕立て」を受講者の皆さんに召し上がっていただいた。皆さん、予想以上に感激してくださって、なかには「涙が滲んちゃう」なんておっしゃる方も。これほどうまくタイミングがあうことなんて、この先とうぶん、ないだろうなあ。ホントによかった。シンプルにうれしい。こんどは何をお持ちしようかなあ。
★店と菓子のデータ
●「岬屋」(「上菓司 岬屋」)
店舗:渋谷区富ヶ谷2-17-7 03-3467-8468 日・月曜休
・「竹栗蒸 白小豆仕立」:備中白小豆、砂糖 自家製みつ栗(栗=茨城産 上白糖)小麦粉 わらび粉 竹皮(一棹2800円)
※竹栗蒸 小豆は2310円?程度で新宿高島屋 日本橋高島屋百に火曜日入荷
☆あんころ広報係☆
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色的には普通の小豆の方が惹かれますが、機会があれば(きっとないでしょうけど)白小豆も食べてみたいですなぁ〜。
水羊羹は小豆に較べて千円弱高かったですが、多少高いのでしょうね。
東京の栗蒸し羊羹と言えば、松島屋、一幸庵、ちもとの物を食べたいですね。今年は無理ですが。
先日記事に出ていた巌邑堂は故郷の和菓子屋で、気に入って頂いて、我が事のように嬉しく思やいます。
栗蒸し羊羹が看板商品で、倍の値段で良いので倍の太さの物を販売してくれればと昔から思っていますが。
それはそれとして、わたしはもっと栗蒸し羊羹を食べなければ。季節が終わってしまう前に。
衝撃の画像です。
今年の秋は色々あって、栗蒸羊羹をいただいていません。
禁断症状が出始めています。(笑)
お返事が遅くなり失礼しました。
風邪がたいへん流行しているようです。お気をつけ下さいませ。
いもすけさん
ワタシもこれしか見たことも口にしたこともありませーん。確かに色的には小豆のほうがグッときますけれど、こちらはオスス。何よりも栗がおいしくてねえ。
よかったですね〜。(ということは超絶的(?)栗蒸し羊羹が続く、ということですか!)何ごともトライするものですね。そろそろ栗の収穫期も終わり、今は貯蔵品に変わったころでしょう。旬栗を使う店はまもなく終了。じっくり今年の栗蒸し羊羹を楽しんでくださいね♪
東海は昨年、頂いたきりで今年は見送ることになりそう。
水羊羹、有名ですよね。ホントにマニアックな(笑)おいしさを熟知してらっしゃる!
あちらは粒あんですので、竹栗蒸はまた一風変わった味わいに。竹皮で蒸し上げることもあり、栗との一体感が抜群です。確か500円くらいお高いはず。
巌邑堂さんが故郷の味なんて、素敵ですね〜。カステラサンドの花邑もいただきました。そうそう、あちらも白小豆の羊羹と最中だったので驚いた記憶があります。
ワタシもこちらしか、存じ上げません。
早くしないと新栗のお菓子がなくなっちゃいますよー。この土日にでもなんとか手にできるとよいですね。
ごめんなさい、順序をすっ飛ばしてしまった。
ね、クリーム色の蒸し羊羹、竹皮に似合います。
ほんとになくなっちゃいますよ、カタネの栗パイは先々週で終わったし。文銭堂のあけびという栗の菓子も終わったし。
と脅かしておこう。
たしかに白餡というだけでも珍しいですよね、栗蒸し羊羹。
説明不足でごめんなさい。
わりと一般に普及している白餡の材料は白手亡豆(いんげん豆の一種)っていうものなんです。
で、白小豆という小豆の変種があるのですが、こちらは味も香りも品が好くて、上生菓子なんかに適しているのですが、なにそ産出量がめちゃめちゃ少ない。入手もしづらく、すごーく高価な材料なんです。
今回の栗蒸し羊羹は白小豆でつくった白餡の栗蒸し羊羹というわけです。
訊いてくださってありがとうございます。
これ本文に追加しとこうっと。
石川の松葉屋さんのが最高だと思っておりますが
白餡は初めてみました^^
こちらも試してみたい〜☆