↑上:はるばる東京まで連れてきて
下:出来たての“のーまんじゅう”でかくてうまくて100円
多くのかたが沖縄のお菓子といってまず思い浮かべるのは
サーターアンダギーとちんすこう、でしょうか。
沖縄菓子=揚げ物、油脂の菓子と決めつけていませんか?
じつは“ふっくらもちもち”のおいし〜い手作りのおやつが
それはそれは豊富すぎるほどで・・・
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↑沖縄は砂辺“ぜんざいの富士屋”で富士屋ぜんざい(画像のセット290円!)
沖縄のローカルおやつは
以前紹介した富士屋などの“ぜんざい”の美味しさはもちろんのこと
ひょいっと思い浮かべるだけでも
たとえば、
小豆あんがたっぷりのふっくらした様々のおまんじゅう類や
月桃(げっとう或いはサンニン)の葉に挟んだ
“カーサムーチー(鬼餅)”を筆頭に驚くほどバリエーション豊かな餅類。
豆大福にも劣らないシコシコの“あんもち”や“トウキビ餅”など数え切れないし。
↑月桃の葉で包んだ“カーサムーチー”はムーチー(鬼餅)の日に食べる
右:豆の“フチャギ”は小豆をまぶした十五夜の餅
また焼き菓子類でもあっさりとした風味に
備長炭並?の歯応えが大好物の“花ぼうる”やら
“松風=まちかじ”などの鮮やかなルックスの
香ばしい庶民的なお菓子など美味しいものがどっさり。
どれも各お店の手作りのやさしい味わいと
沖縄ならではの工夫やルックスが
より一層のおいしさと魅力を引き出しています。
↑市場本通りの菓子店mどら焼き8個で、にひゃくえーん
右:上がらくがん、あんこロールは“マキガン”胡麻ピンクは松風(まちかじ)色には反して?あっさりして美味い
そして沖縄には“三大まんじゅう”と呼ばれる
おやつにぴったりのおまんじゅうがあります。
「ぎぼ(儀保)まんじゅう」
「天妃前(テンピヌメー)まんじゅう」
「山城(やまぐすく)まんじゅう」。
それぞれ代々受け継がれた“おばぁ”たち女性が作る
“まんじゅう一本”で100年以上の歴史を持つ
ウチナンチュー(沖縄人)が大好きな評判のまんじゅう屋さんです。
男性の菓子職人でなく“おばぁの味”というのが沖縄の特徴でしょうか。
それぞれ、おいしいと評判の家庭のおやつを
家族で作れるだけを売り出し
その中で残ってきたおまんじゅうなのかもしれません、想像だけど。
今回の沖縄滞在での目的の一つが“のーまんじゅう”こと
「ぎぼまんじゅう」を訪れること。
何だ“のーまんじゅう”って?と思いますよね。
その名の通り大きな蒸かし立ての白い生地いっぱいに
真っ赤な「の」の文字を書き入れ
最後に月桃の葉でくるんだほかほかのふっくらまんじゅう、のこと。
しかも…ただ書かれたのではなく
お店で「“の”書きますか?」と訊いてくれるので
お願いするとその場で筆使いも鮮やかに蒸かし立ての
大きなおまんじゅうに「の」を書(描)いてくれるのだそうです。
…うふふふふふふ〜。
もう話を聞いてから見たくて見たくて見たくて
“訊いて”欲しくて。書いてもらいたくて。
↑商店街ではなく住宅街的路地のお店、ナビでも迷った
ようやく機会を得てお店の前に立った時は
舞い上がって声も上ずるほど。
(何故か)意を決してガラス戸を開けるといきなりカウンター。
先客一名と我が身でもう立錐の余地がないほど。
ばんじゅうが積み重なるすぐ奥の作業場では
優しい風情の女性(おかあさん?)が立ち働いています。
もちろん品物は“のーまんじゅう”だけ、
と思ったら“のーまんじゅうストラップ”発見♪。
↑のーまんじゅうストラップ♪お店で一番高価な350円なり
ようやく注文の段となり(何故か)どきまぎして
持ち帰り分と即食い分を分けて頼むと、
(内地へですか?日持ちしませんよ)との助言で
冷めてる物を箱詰めしていただく。
もちろん月桃の葉もたっぷりと敷いてあるので安心さ。
↑蒸し上がったまんじゅうをたくさんの月桃の葉で包んでくれる
そしていよいよ!「“の”書きますか?」・・・。
訊かれた瞬間のうれしさと言ったら、あなた。
達成感以上の喜びが脳天を突き抜けるほど。でへへへへ。
もちろんそんなことはおくびにも出さず(出てたかも)
(お願いします)とあっさり一言。
書く早さと勢いに感心しつつも
ちゃんとミーハー振りも忘れず、撮影させていただきました。
ありがとうございます。
ちなみに「の」の意味はのし(熨斗)の「の」
のし紙なんてまどろっこしいことしないで
直接、おまんじゅうに書いてしまうところが
あまりにも大らかで素晴らしすぎる。
そんなおめでたいおまんじゅうですから
新年の初商いのこの日は大量に買っていく客が引きも切らさず。
↑高速“の”書き技
さて扉の外、店先で早速包みを開けると
沖縄の空の下で見る真っ赤な“の”の字と月桃の葉の色は
いっそう目出度く生き生きと力強さに溢れています。
“の”の字の一つは滲んでいるけどそれも何だかフレッシュでうれしい。
手に取るとほわーんと月桃の葉の心地良い香りが辺りに漂います。
ショウガ科の月桃には殺菌消毒及び沈静の効果があるようで
高温多湿の沖縄では様々な生菓子に重用されています。
(近年は健康食品や化粧品等も増加中)
まだほかほかに暖かいおまんじゅうは
手の平で“ふっくら”と柔らかく“ずっしり”と重い。
↑出来たて〜、月桃の葉の上で文字が滲む
沖縄の元気なおばあみたいに包容力ありそうな、
可愛いくて弾力あるおまんじゅうです。
月桃の芳しさと蒸かした小麦粉まんじゅうの香りにたまらず
手で割ってみると中からは粒々のうまそうな小豆あんがこぼれんばかりにたっぷり。
かぶりつくと空気をたっぷり孕みつつもっちりとした生地は
それはおいしくてあっさり炊いた小豆あんと共に
はぐはぐと食べてしまいます。
沖縄の朝飯をあんなに食べた後なのにさ。
“のーまんじゅう”はこう書くと単なる“あんまん”みたいですが
いわゆる中華まんとは異なり生地に油脂は含まず
(その代わりに心が込められてるはず)
そのボリュームにも関わらず
温情とあんこには常時ハングリーなのか、ちっとももたれませんでした。
ところで
実は“の”以外の文字等も頼めば書いてくれるそうです。
大忙しのこの日は遠慮しましたが“ハート”だってOK。
バレンタインデーにも注文が多いのだそうです。
今度は電話で何頼もうか、やはり“ハートマーク”と
“あ”“ん”“こ”かなぁー、
・・・って何に愛情を感じてるんだよ。
母の日にも良いですね、そういえば。
↑おいしい食べ方などのしおりも付けて。
包装紙がぐっとくる
※沖縄旅行の理由はこちらとこちら
◎おまけの話◎
三大まんじゅうのうちの天妃前まんじゅうは訪問、
次回でご紹介したいと思いますが?
その他富士屋のぜんざい、老舗の「新垣菓子店」のちいるんこうと李桃餅、
市場のお菓子通りの焼き菓子や餅菓子など
一日で精力的にまわりました。
どれもおいしくてお手頃どころか
ストレートに“安い”“うまい”“楽しい”
そして大らかな人々の温度を感じました。
浅草などは再度書く予定ですが、
沖縄のことは体内鮮度あるうちに少し書きたいな、と。
●お店データ
★ぎぼまんじゅう(儀保まんじゅう)
住所:沖縄県那覇市首里久場川町2-109-1
電話:098-884-1764
定休: 日曜 営業:9時から4〜5時位まで(売り切れ終い)
※
創業は100年以上、2004年3月頃に久場川に移転、
最寄り駅はゆいレール首里駅。
以前はその名の通り“儀保”に店を構え“ハルおばぁ”の
のーまんじゅうと評判で
今ももちろんそのおいしさと人気は変わらず。
電話予約可、電話注文による宅配可、
お店はこちらだけですが
最近では県内の幾つかのスーパーなどでも買えるそうです。
●“のまんじゅう”のデータ
・“のまんじゅう”は登録商標、
昔から沖縄ではのし代わりにのを書き縁起物として重宝されており
白い無地まんじゅうは法事用として使われる。
冷凍保存可(約20日間)冷蔵で2〜3日。
・のまんじゅう100円
材料)小豆 小麦粉 塩 砂糖 イースト、包むための月桃の葉
測定体重約128g〜138g位
測定糖度Brix約51,9%
注※
今回使用した糖度計は「ATAGO.PocketPAL-2」。
何せ素人が使っているのであくまでも目安。
今回は2〜3回の計測です。
ちなみに、この数日前に私が計測した「雪印コンデンスミルク」はBrix約70.6%でした
頼んじゃおうかな。
すごいその場で書いてくれて、この独特の
色使い。まさに和と東洋の間?
どことなく沖縄の風が流れてますね。
若人の方は良いところにすんでらっしゃるようで。涙そうそうの映画に出てきそうですね。沖縄にこんなお饅頭や和菓子があるなんて知りませんでした。ちんすこうと黒糖しか
知りません。貴重なものを見させていただきました。オブジェ了解です。
まさにおっしゃるとおり。(~o~)
おめでたい感じがします。
昔、沖縄にいったときは、とにかくブルーシールの
アイスクリームばかり食べてました。
まだ本土未上陸だったので「世の中にこんなに
おいしいアイスクリームがあるのか!?」と
ショックを受けたのでした。
のまんじゅうは未体験。ぜひ食べてみたいです。
今回の記事はまたいつもとは違った楽しさにあふれていますね。あんころりんさんが「<の>書きますか」にワクワクしている様子が目に浮かびます。わたしまで読みながらワクワクだ(笑)
区画整理とおばあが亡くなったのが重なって
閉店したと聞きました。
一度食べてみたかったのに〜。
はい、東京で味わえるんですね。
お目出たい上に可愛いくておいしいから贈り物にしたくなります。景気よくって肉まん顔負け。
どら焼きは那覇の市場通りの菓子店ので、この店は何でも安くて驚きです、お菓子もおいしくておじさんも優しかったし。
yottyanさん
おいしいですよ、頼んでみては?
この月桃の葉と白いおまんじゅうに食紅の色がワクワクします。
若人は2年位かけて何とか住めるようにしたみたい。良い感じになってましたが、考えたらあの画像は庭の倉庫だった気がします。
沖縄には東京に入ってきていないおいしいお菓子天国です、南の楽園〜。
チロリンさん
ブルーシールは貴重でしたよね!のまんじゅうも色合いと月桃の香りに南国らしさを感じます。
首里の方にいらしたらぜひ。好きな文字を書いてもらえるようです、イニシャルとかもね。
kozueさん
「のし」の“の”なんだそうです。すごいチャーミングな「のし」です。
雨天の予報だったのであきらめていたけど着いたらすっかり晴れて南国琉球気分が味わえました。
はい!わくわくどきどき、ただの子供がTVのヒーローにでも会う気分ってかんじでした。まあ、ただのお馬鹿さんだけど。我ながらよく笑い出さないでいたなーと思います。一緒にワクワクしてくれてありがとう(笑)
お名前がわかりませんが
理想型のおまんじゅうをご紹介できて良かった!
ほかほかのすてきなあん入りまんじゅうですよ♪
とうみさん!
私も当初、山城まんじゅうは4代目のオトさんが2005年にお亡くなりになってあきらめていたのですが、帰ってきて再度調べたてみたら5代目の伊波みよこさんがちゃんと現在も続けてらっしゃるようです。
ちなみに
下記の方は2006年11月30日に記事してらっしゃいました。
http://blogtripworld.seesaa.net/archives/200611.html
下記のレポートは12月のようです。
http://r.tabelog.com/okinawa/rvwdtl/140208/
もしいらっしゃる機会があれば、手に入りそうですよね。ただ電話は携帯番号の案内になっているようです。
私もすごく自分の目で見て食べたかったのです。
もっと調べれば良かった〜。
もしおまんじゅうに会えたらよろしく!です。
3年前、まだオトおばあの頃の店ですね。ここもなくなってしまって残念です。
その節は大変お世話になりました。
おかげで何も知らない京都のお菓子文化に触れる事が出来、大変感謝しています。HTさんの様なプロフェッショナルな方に読んで頂くのは気恥ずかしいのですが、気楽に感じたことを書き記しています。その中に気に留めていただける部分があれば本当に嬉しく思います。
それはともかく!し、4月ですか、とても楽しみです!詳しいことが告知されたら前回行けなかった方にも前もってお知らせしたいと思います。
あ〜〜またまたテンション上がってしまいます。
貴重な情報ありがとうございます。
前回同様、充実した内容を楽しみにしています。
浅草の金龍山の記事に検索で来たのですが、沖縄菓子の大迫力に圧倒されています
勉強させていただきまーす
初めまして、コメントありがとうございます。
kimcafeさんの記事は素晴らしいカテゴライズの方法などすごく勉強になります。
金龍山も長い歴史のお店ですが、沖縄にも100年以上のお菓子屋さんが多いようなので奥がとっても深そうです。
こちらこそぜひぜひよろしくお願いします。
ぎぼまんじゅうは是非食べてみたかったのですが
その場で「の」の字を書いてくれるとは・・?
しかも、字もリクエスト可能で、たったの百円!
これは、行かねば死んでも死に切れませんね
あんこがとろりとした粒餡なのもステキです
月桃の葉に包むというのもいいですねえ
うう、行きたい(^_^)
再訪ありがとうございます!
沖縄もおいでになってるのですね。
最近はスーパーなどにも入っているらしいけれど
絶対このライブ「の」の字を体験せねば“死んでも死にきれない”と思います(笑)。あんこもすごくおいしいし月桃の香りが琉球の和みという気がします。ぜひ!
遂に「のーまんじゅう」食べてきました
三大まんじゅうの制覇を目指したのですが・・・これしか食べられず
市場通りでも、美味しそうな餅がたくさんありましたが、なかなか手(口)が回りませんでした
でも、あんころりんさんの記事と今回の旅行で沖縄の菓子事情がだいぶ分かりましたので、次の機会もまた楽しめそうです
いろいろ情報ありがとうございました
トラックバックもさせていただきました
それはすごい!行動力に感服ですー。
のーまんじゅう、初めて行くと絶対感動しますよね〜、食べてもちゃんとおいしいから長く残ってきたのではないでしょうか。
TBもご丁寧な紹介もありがとうございます。ちなみにハワイには日系特に沖縄文化が濃厚にありますよ。沖縄からの移民の方が多かったそうです。ナントウ餅かまと餅もあるほどで。
http://yuki-ssg.seesaa.net/article/18556167.html