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「和菓子wagasi」−東京のお菓子・菓子パンを歩く

2007年01月23日

沖縄“天妃前まんじゅう”のぺーちん屋
新垣菓子店“ちいるんこう・花ぼうる”など

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↑どれがどの名前でしょう?
ちいるんこう、テンピヌメーまんじゅう、りとうぺん


ちいるんこう”“テンピヌメーまんじゅう”“りとうぺん
音だけ聞くと一体どんなお菓子?と想像がふくらみます。

沖縄は知られざるおいしいお菓子の楽園でも
あることは前回でも触れましたが
中でも“蒸し菓子”のバラエティの豊かさには
多くの人が意外に思われるのでは?・・・


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ちんすこう”ではなく“ちいるんこう:鶏卵こう”は
琉球伝承400年

優しげなルックスでも曰くありげ?な蒸し菓子で、
ルーツは中国南部という説があります。

小麦粉、砂糖、卵が基本の蒸しカステラ風で
さっぱりと食べやすく口溶け良く軽やかな舌触りで
印象としては“卵黄入りの蒸しシフォンケーキ”です。

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↑“きっぱん”の橙とピーナツの赤、ふわふわ、ではなく弾力がある

表面全体に散らした赤く染めたピーナツ
橘餅(きっぱん:柑橘類の皮の砂糖煮、言うなれば“琉球オレンジピール”)の
色合いも美しく、やさしい卵の風味も豊か。
特に袋を開けた当日は“ふっわん”とコシのある弾力が好ましく
繊細な食感と上品な味が魅力です。

“マーラーカオ:馬拉かお糕”などと異なり油脂が入らないのがポイントかも。
まったく油っぽさやべたつきもないのが魅力ですが、
当然とても乾きやすくデリケート
封を切った後は食感が変わりやすいせいか東京では見かけません。

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↑明治創業、沖縄初の菓子司としての店舗。左:左上がちんすこう、カラフルな揚げ菓子は“たうちいちゃう:闘鶏餃”

この“ちいるんこう”は伝統ある沖縄「新垣菓子店」の銘菓ですが
あの“ちんすこう:金楚こう”を創ったのがこの新垣家の先祖「新垣淑規」←読めないけど。

琉球王朝の料理人であった御先祖は中国の庖丁人から中国菓子製法を
一方では日本の柳屋善太郎(誰?)から日本の菓子の製法を学び
双方を融合させた>琉球独自の菓子の数々を作り上げたそうです。

さすが新垣菓子店は「ちんすこう本舗」だけあって
基本の材料だけを使った「ちんすこう」は1種類だけ。
ラード、砂糖(黒糖ではない)、小麦粉を練り上げ一つずつ木型で抜いて焼き上げています。
サクサクとして風味が良く数ある“ちんすこう”の中では格別においしいと思います。

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↑大のお気に入り“花ぼうる”は最強?の歯応えと控えた甘さ

新垣菓子店には他にも“李桃餅りとうぺん”や“花ぼうる”など
店頭でのみ販売するすてきなお菓子があります。
個人的には“花ぼうる”がこの訪問で最もはまったお菓子。
備長炭の如く堅固で歯応えぼりっぼり。うまいよっ。

うっかり2メートルの高さからフローリングに直撃させ(何故?)
慌てましたがどこも破損せずに感嘆!
我が史上最強の焼き菓子だ。うぅ囓りたい。

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↑市場通り菓子店の特大“花ボウル”70gで80円!新垣菓子店は13gで100円、
どちらもうまくて好みのタイプ♪


かわいい桃ちゃん♪“李桃餅”は沖縄ではおめでたい祝い菓子
かの和菓子好き歌人、中村汀女も歌に詠んでます。
驚くべき守備範囲の汀女さん。
ー李桃餅、心憎き形よ彩りよ、句を送り来しK子にー
汝がごと春はなやげる 菓子に逢ふ

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↑こう見えてもすごく堅固な焼き皮、中は胡麻とピーナツバター餡

沖縄には他にもおいしいものがたくさんあります。
ここからは天妃前まんじゅうについて

ペーチン屋」の“天妃前(テンピヌメー)まんじゅう”は
前回の“のーまんじゅう”と並ぶ沖縄三大まんじゅうのひとつで
これも蒸し菓子です。

ええと、最初に文字を見た時はうまく頭に入らなかった。
個性的な名前はその由来を知ってようやく了解。
100年程前「天妃宮」という宮が久米村にあり
そちらの境内で何件かの店が売っていたまんじゅうを
天妃前まんじゅう=天妃前(天妃ぬ前→テンピヌメー)と総称、
その中で初代の屋号が「ペーチン屋」だった
”そうです。(注1参照)
(参考資料はこちらなど)

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↑冷めても固くならないおいしい蒸しまんじゅう

昔から子供にも人気のおやつとして知られている
この“天妃前(テンピヌメー)まんじゅう”とは
丸く平たいもちもちした小麦粉系の生地の中に
はったい粉”(注2参照)と三温糖や黒糖を混ぜて作る“あん”を入れて蒸し上げ
のーまんじゅうでも紹介した月桃(げっとう、サンニン)の葉で包んだ
あっさりしたおいしいおまんじゅうです。

ペーチン屋さんでは5個一包みの
“まんじゅう”一本だけの、まさにおまんじゅう屋さん
すでに冷めているけど堅くならないようなので
宿に持ち帰って包みを開けるとこれまた素敵な
月桃の葉の香りが広がります。

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↑5個のまんじゅうが月桃の葉にくるまれて

平べったいまんじゅうは包みの中で湿り気を帯び、
手にのせるともっちりした皮の感触月桃の芳しさが広がり
何だかほっとしてお腹が空いてきます。
すこしひやりとした皮を半分に千切るとはったい粉あん
みっちりと入って本当にうまそう。

さっそく頬張るともちっとした皮が粘らず歯切れ良い。
中も小豆あんより香ばしくあっさりしているのでぺろりと1個は軽々いけます。
2個でもぺろりかも。

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↑質素な店構えと可愛らしい店内

国際通りからすこし離れた住宅街のお店で
現在は若い姉妹が跡を継ぎ二人きりですべての作業をこなし
美味しいおまんじゅう作りに勤しんでます。
その日の内にお店で売るだけ作り、発送などはしていません
他の商品はなく実にシンプルな可愛らしいお店です。

戦前、ひいおばあちゃんから始まった気さくなペーチン屋さんも4代目、
すでに100年ほどの歴史があります。

沖縄ではこういったおまんじゅう屋さん
長女を中心に女性が受け継ぐようです。
おいしい手作りのおまんじゅうたち
これからもずっとていねいに
蒸かし続けられていくんでしょうね。

元気な女子のいるところ
うまいまんじゅうあり。
かっこいいぞ、沖縄

参考資料
日刊okimag
『聞き書き 沖縄の食事』 社団法人農山魚村文化教会発行

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↑新垣菓子店の“李桃餅”中あんは胡麻とピーナツバターなど

※(注1)
最初のお店が戦禍で跡形もなくなり
戦後現在の泉崎において再開したそうですが
『聞き書 沖縄の食事
』という本には昭和15年頃
那覇市場に“の字まんじゅう”“天妃ぬ前まんじゅう”
並んでいる右の画像の見取り図を見つけ、IMG_2435a (2).JPG
詳しいことをペーチン屋の現4代目さんに伺ったところ
3代目(お母様)が亡き現在では確認する術がないのだそうです。
なお元々は中国渡来人子孫が住む村にあった「天妃宮」の場所は
現在「天妃小学校」となり
「天妃宮」自体は波之上護国寺に移っているようです。

※(注2)
「はったい粉」“はったい粉”は麦落雁などでご存じの別名“麦こがし”のこと。
沖縄方言では“ユーヌク”。大麦(裸麦)を焙煎して粉にしたものです。


◎おまけの話◎
ペーチン屋さんを訪れた際には笑顔の妹さんがお店番、
ご自身でブログも運営中と伺いその後コメント欄でも質問も
させていただき、お世話になりました。ありがとうございます。
ところで
今回の“天妃前まんじゅう”前回の“のまんじゅう”と共に
沖縄三大まんじゅうのひとつ「山城(やまぐすく)まんじゅう

調査不足のため、今回は訪問が出来ませんでした。
こちらもまた100年以上続く、おばぁたち女性による手作り蒸しまんじゅうです。
現在は首里真和志町で営業しているようですので、
興味のある方は↓など参考に確認の上訪問してみてね。
山城まんじゅう
首里城周辺伝統的スイーツ



●お店データとあれこれIMG_1685 a(2).JPG
新垣菓子店「ちんすこう本舗」
あらかきかしてん
・国際通り店
住所:沖縄県那覇市牧志1-3-68(国際通り)
定休:元旦、2日  時間:AM9:30〜PM9:00
※初代は琉球王朝時代に遡り、菓子司としての創業は明治41年。
那覇市内に支店有り

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ペーチン屋(天妃前(テンピヌメー)まんじゅう)
住所:那覇市泉崎2-10-14
営業時間:9時〜18時(売り切れ終い)
定休日:日曜日 駐車場:なし

●菓子のデータ
・ちいるんこう:鶏卵こう一本840円 
原材料)小麦粉 砂糖 卵 きっぱん ピーナツ 着色料(赤色)
測定体重約492gIMG_1786 (2).JPG
※開封後は翌日までに賞味
・りとうぺん:李桃桃90円
原材料)小麦粉、卵、砂糖、
測定体重約g
測定糖度Brix約% 
★予約が確実
・花ぼうる100円 
原材料)小麦粉 砂糖 卵黄
測定体重約13g
・ちんすこう 2個入り38円
原材料)砂糖 小麦粉 ラード 膨張剤 酸化防止剤(V.E)
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・ペーチン屋の天妃前まんじゅう5個400円 
材料:はったい粉、砂糖(三温糖、黒糖など)小麦粉など 包むための月桃の葉
添加物不使用
賞味は1日位




posted by あんころりん at 08:46| 東京 ☀| Comment(12) | TrackBack(0) | 沖縄 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
初めまして

あーもう、甘い物オンパレードにメロメロ
データ数も多くて、楽しんでおります

↓の抹茶豆腐にウルウル
Posted by ふしゃ at 2007年01月23日 17:00
ふしゃさん
こんばんは、はじめまして。
甘い物お好きならどうぞ楽しんで下さいね。
“抹茶豆腐”とは12月12日の蕎麦屋の甘味記事のですか?あれは食感がふるるっとしておいしかったのです。不思議な甘味でした。そちらにも伺いまーす。
Posted by あんころりん at 2007年01月23日 22:11
あんころりんさま

沖縄にもたくさん美味しそうなお菓子がた〜くさんあるのですね。”天妃前まんじゅう”食べたいですぅ。”ちいるんこう”は油脂を使っていなければ結構あっさりでしょうね。好みかも(?) そういえば再来月、東京へ行く予定です(先の話ですが)。「これだけは是非食べてみて!」という和菓子がありましたら、是非教えてください!!(あんこ系は何でも好きです!)
Posted by いもすけ at 2007年01月24日 07:34
やっぱり沖縄最高、お魚もすごいし
お菓子までいろいろある。
来月頭に、台湾菓子道中記を
作ろうと御菓子屋さんを検索途中ですが
沖縄にしようかな。
(でも航空券とっちゃった)
また今度にします。
沖縄行く子に、プリントアウトして
持たせてあげようかな。
ちいるんこうは中国のお菓子と言うのは
聞いたことあります。( ^^) _旦~~
と、草加せんべい食べながら読んでいる、
めちゃ和風のyottyanでした。
今、携帯変えたので頭の中大変です。
最近の携帯わかんない。
Posted by yottyan at 2007年01月24日 15:55
沖縄のお菓子ってこんなに豊富にあるんですねー。知らないものばかりです。
ゴーヤチャンプルーとかソーキソバのように沖縄食はこちらの本土でも市民権を得ましたけどお菓子はまだまだですね。
沖縄は個性的な食べ物が多いけれどお饅頭があるあたり、やっぱり日本なんだなってほっとします。
Posted by タフィー at 2007年01月25日 17:52
初めましてこんばんは。
目新しいお菓子ばかりで面白いです!
うわ〜お饅頭のこのちぎれかた(?)が
おいしいって言ってる気がする!
Posted by マイケル at 2007年01月25日 22:56
いもすけさん
こんばんは、遅くなりましってすみません。
ちいるんこうはごくあっさりです、手もべたべたしないし、おいしいです。東京にいらしゃるのですか!良いですねー。3月なら桜もちの季節ですね。東京のは道明寺でなく焼き皮なのです。
オススメ、と言うより私が好きで予約出来る(または買いやすい)がお店を少し挙げると
松島屋の豆大福、きび大福、豆餅、江戸川橋浪花家のたい焼き、うさぎやのどら焼き、日本橋三はし堂の焼ききんつば、と桜餅、金龍山の切り山椒、志むらの福餅か九十九餅、から団子、長門の切り羊かん
以上は東京ならではの味、直接お店で買った方がベターだと思います。お好みにあうかどうかは?お店はすべてこのサイトで紹介しています。
Posted by あんころりん at 2007年01月26日 00:43
yottyanさん
台湾ですか〜良いですね、記事楽しみです。
さすが!ちいるんこうの元はチータンカオという説もあります。それが何かは知らないのですが。新携帯ですか、機能は増えるばかりなんでしょうね。私は不携帯。

タフィさん
沖縄には中国風のお菓子ばかりのイメージがありますよね、お団子やおまんじゅう、お餅もおいしのです。ゴーヤチャンプルも大好きだけどお菓子もすごくおいしいのです。

マイケルさん
初めまして。コメントありがとうございます。
今回は沖縄のおやつなのでなじみの薄い物は沢山並んでいると思います。おいしいっ!て思ったのでそれが伝わって嬉しいです。沖縄は音楽も素晴らしいものがたくさん。
Posted by あんころりん at 2007年01月26日 00:56
あんころりんさま
東京銘菓、いろいろ教えてくださってありがとうございます!! たくさんありすぎて迷ってしまいます。胃袋には制限があるので全部、は無理でしょうけど、できるだけたくさん食べてみたいと思います。今から楽しみです!
Posted by いもすけ at 2007年01月26日 06:47
ピーナッツバター餡のおまんじゅうにピピッと反応して、コメント欄に参戦。 それは旨そう!
有楽町の沖縄館にはこんな美味しそうなお菓子、置いてなかったぞ〜。
楽しいお正月だったみたいですね、私も沖縄に行きたくなってしまった。
Posted by zoomania at 2007年01月27日 08:40
のー饅頭・・・懐かしい。
(前回の話題からですみません)

昔、何かの雑誌に掲載されたのを見て、これを食べることをメインの目的として、冬の那覇に行ったことを思い出しました。
あのころは携帯ストラップなんてなかったな。
月桃の葉の香りがすがすがしいんですよね。

それに、まちかじ(形と色がかわいかった!)も
懐かしい・・・。公設市場の近くにリヤカーの屋台で売ってるおばあちゃんから買ったなあ。
ちんぴんとか、うむくじてんぷらとか、いろいろ思い出しました。

おりしも、風邪をひいて臥せっていたのですが、このコラム読む前に、偶然、ベッド脇の本棚から出した古い雑誌にも載ってたんです、のー饅頭。
(ちなみに『翼の王国』でした)

私の生活に少しずつ、不思議にリンクする、あんころりんさん・・・もう他人じゃない気がしてきました。前もね、川端道喜さんの本のこと、読んだ後に散策していた西荻窪の古本屋で、川端さんの本に遭遇したんですよ。
Posted by 小熊猫 at 2007年01月27日 13:22
いもすけさん
美味しい物に会えると良いですね。お休みなど確認なさって下さい。どのお店も少量でも予約出来ます。日本橋うさぎやと長門は徒歩で移動出来ます。江戸川橋浪花家からはは群林堂
(豆大福)の方が松島屋よりは断然近いのですが、群林堂は予約できないのです。うまく時間とお腹と相談してあんこなお散歩出来ますように。
良ければメールアドレス入れて頂ければ(私以外には読めません)お返事してもう少しわかりやすくお手伝い出来ると思います。気が向いたらどうぞ。

zoomaniaさん
ピーナツバターファンだったのですね♪。李桃餅はあっさり系の中華菓子ってかんじでした。
そういえば私は有楽町の沖縄館は未チェックでした。わしたショップと同じかな〜。

小熊猫さん
え〜!!すごすぎる、のー饅頭を目的にすでに沖縄旅行を企てるなんて。こちらこそ「小熊猫さん、一体あなたは何者ですか?」と尊敬を込めて不思議な気持です。月桃の香りは私の中では沖縄のエッセンスになりつつあります。本当に新鮮な香りで、土地にあっていると思います。
ちんぴんも好きで以前市場で小さな台の上でひっそり売っているおばあの処に再訪したかったけどもう見つからなくて。しかし!まちかじの話が出来る人が読んで下さるなんて嬉しい!!です、本当に何だか赤い糸っぽいのが出ていませんか?
川端道喜の本を古本やさんで見つける小熊猫さんって特別なオーラでも放ってる気がします。
ちなみに私も西荻窪には時々出掛けます。「翼の王国」を古本で探すべきかしら。
&私は子パンダが大好きです♪四川省に行きたい。
Posted by あんころりん at 2007年01月28日 17:28
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