↑上:自家製アズキアイスのクリームあんみつは注文にて
中:よもぎダンゴあんなし、うまい
下:自家製コーヒーアイスモナカの小サイズ
本郷菊坂には樋口一葉など、
明治の文人が多く住んだ古い町並みが今でも残っています。
「ゑちごや」は菊坂下辺りの小じんまりした甘味処です。
文学散歩のご一行様にとっては曲がり角の目印のようですが、
ご近所さん達は土日ともなればおいしくて・・・
人気blogランキングへ
手軽なおやつのおまんじゅうやお団子を
次から次へと買い求めにやって来ます。
↑評判の豆大福
まさに“奇跡的”に関東大震災と第二次大戦の戦禍を逃れた本郷菊坂の一帯は
路地裏に明治の面影を残し、幾つかある名所坂道もなかなか趣があります。
週末にはカメラと地図を手に一葉の住居跡など尋ね歩く人も少なくありません。
とは言え、実際には多くの人が日常生活を営む静かな町です。
↑鎧坂(よろいざか)を下から
そしてこちらはカメラ片手に路地裏で
“コーヒーアイスもなか”なんて撮影してますから
実に中途半端なポジションなんだけどさ。
一葉よりあんこに惹かれるあんテリジェンス溢れる食い意地が全開。
文人の神様にも背かれ、おやじっぷりなトホホ造語が思わず…。
さておき
「ゑちごや」もまた創業は明治10年と古く
大正末期に甘味処になったのだそうです。
一見、目玉焼きだのラーメン中心の定食屋さんのようですが
ここで侮って通り過ぎてはあんこ好きの嗅覚を発揮してるとは言い難い。
別に言えなくても良いけど、美味しい物は見逃がせません。
はなから、店構えの醸す雰囲気が甘味好きには誘惑的。
店先右手のガラスケースには気さくな普段着の和菓子が豊富に並び、
白地ののれんには墨で抜かれた
「手作り小倉アイス」「コーヒークリーム」などの扇情的?な文字に
左手のウィンドゥには“あんみつ”らしきサンプルも見えます。
↑こしあんの“水大福”はさっぱりした葛のまんじゅう。
乾燥した冬の寒さにぷりぷりとのど越し良く、とてもお気に入り。
(て、ことはつまり
店内で甘味、散歩がてらアイスモナカ、お腹減ったら赤飯にぎり、お家で豆大福
とゑちごやさんづくしで美しく一日をまとめられるわけだ…)
と瞬く間にワクワクするような計画が頭の中を駆けめぐります。
これだけ攻められるとまたふらふらとのれんをくぐってしまいます。
(…一体何にエキサイトしてるのか)。
↑袋包みの桜もちはつぶしあんが白い皮。(紅はこしあん)焼き生地のむっちりとした食感がたまらない。
あんの塩気と葉の香りがまた良く合う
店内では定食屋とも甘味屋とも思える簡素な椅子とテーブルも却って好ましい。
メニュウの方は
新鮮な果物がたっぷり盛られた“クリームあんみつ”が何と500えーん。
実はあんみつ類は驚くほど気軽な値段にも関わらず
材料は丁寧に手作りされた上等な味のものばかり。
基本のあんこは東京風に塩梅したさっぱり塩を効かせた手作りのおいしさ。
黒蜜も飲んでしまいたいほどさらりとして後口が良い。
ふっくらと炊き上がった赤えんどうの塩気も具合良く、たっぷりの寒天もコシがあります。
中でも全種類自家製の
アズキアイス、アイスクリーム、コーヒーアイスと3種のアイス類は感激の味わい。
クリームあんみつは基本のバニラアイスだけど
お願いすればアズキアイスなどにも替えてくれます。
店内にはアイス盛り合わせもあるし
持ち帰りのモナカはなーんと大小のサイズも選べます。
↑ジェラートよりしゃきっとあっさりアズキアイス
ゑちごやさんのアイスはあんみつにのせても、あんこの邪魔をしない素敵なおいしさ。
“クリームあんみつ”は余所では滅多に注文しません。
リッチな一般的バニラアイスクリーム嬢とはあんみつ太郎部分の味を共有するのは難しい気がします。
ゑちごやさんのような昔ながらの自家製アイスの口溶けこそ
我が愛しの“クリームあんみつ”を成しえる素敵なアイス♪
そうなの、増年多糖類&高脂肪分はちょいと不要です。
↑これでも500円♪
気前よく盛られた季節ごとの生の果物も
この“アイス”や塩気の“あんこ”や絶妙な“黒蜜”の風味とも実に良く合います。
訊けば創業時は青果店だったそうで、
今でも夏にはスイカ、冬はりんごと旬の果物が
(こ、この値段で良いのか…)と思えるほど彩り良くたっぷり。
あんこと果物、果物とアイス、アイスと蜜、蜜と果物、
どのコンビネーションもパーフェクト。
本当にここの“クリームあんみつ”は最初の一杯があまりに美味しいので
満腹どころかアペタイザーになってしまうのが嬉しい困りもの。
つい帰り際に「コーヒーアイスモナカの小、持ち帰ります」と頼んでしまいます。
↑ほろ苦いおいしさコーヒーアイス
こういった下町甘味屋アイスと言えば
以前も紹介した「芋甚」の“小倉”と“バニラ”がよく知られていますが、
ゑちごやさんはそれに“コーヒー”も加えた三種。
この“コーヒーアイス”もまた「ゑちごや」さんならではの
エスプレッソ・アフォガードに劣らぬおいしさ、だと思う。
もちろんアイス自体は下町甘味アイスの正統派、
さっぱりと乳脂肪分低めの空気をあまり含まないシャキッとした口当たりで2個は軽い。
特にあんみつ食後のコーヒーアイスはさっぱりして箸休め?にも最高。
↑赤飯おにぎり、他にのり巻きやいなりも
そんなわけで?
先ほど買った赤飯おにぎりがたまらなく食べたくなります。
ので食べちゃった。
ついでに“よもぎダンゴ”にきな粉を付けてひと口ふたくち、
そうすると横にある豆大福の粒あんへの欲望がまたむくむくと膨らんで
えーい、もうどうにでもなれっと
結局半分食べてしまいました。
↑歯応え良い“よもぎダンゴ”はきなこが別添え、うまい!!
もちろんお腹と舌は大満足、せっかくなので鐙坂の方へ歩いてみよう。
時間が許せば菊坂辺りをゆっくり廻った後、
東大赤門から湯島方面へ抜けるのも好きなコースです。
一仕事終えて自宅で開いた
おそるべし魔のトライアングルのあるお菓子ケースの中では
半分に食い散らかされたよもぎダンゴと豆大福とぽっかり赤飯の空いたスペースが
抑制の利かない己の所業として目に映っています。
↑豆大福に繊細なる指跡付き断面
でもちゃんと大好きな豆大福は半分残してあるものね。
ほどよい塩気にくどさのない丁寧に炊いた粒あんが
締まりつつある餅とほくほくした赤えんどうと共に頬張ると
あまりに美味しくて
(よくまあ半分残せたな〜)と反省どころか・・・
えらい、よく我慢したと自画自賛するのは
我ながらどうかと思うけど。
ゑちごやさんの誘惑の甘味一族に
丸一日ワクワク、でろでろ。
↑桜もち(白皮)
※注
芋甚アイスの記事はこちら
◎おまけの話◎
旧名の菊坂町(現在の菊坂下辺り)は
昔は菊畑が一帯にあったので名付けられたそうです。
明治以降の文人は一葉以外にも
金田一京介、坪内逍遙など多数旧居後があり
ひと頃は宮沢賢治なども住んでおり、
あの成瀬巳喜男監督の「晩菊」の舞台でもありました。
おまけに?江戸の大火、振り袖火事の本妙寺も町内です。
これだけ盛り沢山ですから
とうぜん文学愛好者、坂道散歩ファンに行きかうこともしばしば。
文学碑バックにアイスモナカとおにぎりを撮影しているのは
いかにも妙なヤツだと思ったことでしょう。
いいのさ。羞恥心よ、さらば〜。
「ゑちごや」さんにはソバリエ修行中に偶然出っくわしました。
3代目ご主人と奥様の穏やかなもてなしと美味しい甘味ですっかりファンに。
朝生菓子もつぶしあん、こしあんどちらもおいしく餅類も美味い。よもぎダンゴと水大福も大好物。
食事類は未食ですが、もちラーメンがあるのが甘味処的で微笑ましい。
それにしても手頃すぎる値段に感謝と心配。
和甘味オアシスよ永遠なれ〜。
●お店データとあれこれ
★ゑちごや(えちごや)
住所:東京都文京区本郷4-28-9 都営地下鉄春日駅より徒歩4分くらい
定休:水曜 時間 11時00分〜18時00分
※店内は禁煙♪
◎詳細地図は下段に↓
●甘味と菓子のデータ
・クリームあんみつ
画像は“アズキアイスあんみつ” 500円
材料)自家製のこしあん、黒蜜、アイス(アズキアイスに変更可 )寒天と季節の果物
・アイスモナカ
持ち帰り用 大150円 小110円
アイスクリーム、アズキアイス、コーヒーアイス
※店内では各種類220円 盛り合わせ400円
・豆大福 120円 つぶしあん
翌日には固くなる搗き餅なので当日どうぞ。
(固いのもおいしかったけど♪)
糖度測定不可能
・よもぎダンゴ(きなこ添え) あんなし三兄弟で100円
・赤飯おにぎり100円
・水大福140円
こしあん入り葛生地まんじゅう
・桜もち130円 関東風焼き皮で折包み型。
紅はこしあん、白はつぶしあん
測定糖度不可能
|
注※
今回使用した糖度計は「ATAGO.PocketPAL-2」。
何せ素人が使っているのであくまでも目安。
今回は2〜3回の計測です。
ちなみに、この数日前に私が計測した「雪印コンデンスミルク」はBrix約70.6%でした
【千代田区 文京区の最新記事】
- 栗むし羊羹つぶあん 神田三原堂
- ゑちごや おはぎ くず桜 切り餅
- 神保町 ささまの 草だんご、桜餅
- 一幸庵の さくら餅〜餅皮白焼こしあん
- 一幸庵の さくら餅 薄墨桜と道明寺さくら
- 一幸庵の 桃のお菓子“西王母”
- 東京 和菓子薫風の 焼きとうもろこしのきんつば、赤えんどうのきんつば レモン山椒..
- 一幸庵 1月3、4週目のお菓子〜鬼遣、金縷梅&Cafe竹早72
- 一幸庵 1月2週目のお菓子〜未開紅、臘梅、福梅、寒中梅、寒中花、老松
- 一幸庵 1月1週目のお菓子〜花びら餅、十二支菓子、勅題菓、東天紅
- 神田三原堂/ベストスリーに入れたい苺大福〜桜もち、桜寿最中もいとよろし
- 神田/「珈琲専門店エース」コーヒーとのりトースト
- ああ、春のかほり〜小石川「一幸庵」の"春告ぼた餅" 月のかぞえ歌-如月
- 8年ぶりの復活!一幸庵「月のかぞえ歌」10月は“焼栗と大納言小豆のタルト”
- 神保町/駿河台下「さゝま」の木の芽田楽、清流〜薫風の菓子たち
- 茗荷谷/一幸庵〜葛の菓子、青梅、四葩の花など…6月訪問記
- 小石川/一幸庵〜菱葩たる「花びら餅」と東西15店の「はなびら餅」勢揃い
- 小石川/一幸庵 「顔見世」〜外郎製
- 残暑御見舞 京華堂利保「碧空」〜一保堂「嘉木」丸の内店
- 千駄木/ホームベーカリー リバティ〜ピーナツパン、あんドーナツ、ぶどうパン・・く..
ゑ稚児やさん、でなくゑちごやさん、盛りだくさんで
あわわあわわしております。
あんみつの缶詰でないフレッシュな果物の数々は、
元果物屋さんだったからなんですね。
果物のみならず、あらゆるパーツにそそられます。麗しそう。おいしそう。
そそられる和菓子の数々、いっぱいある中でも「袋包みの桜もち」!
葉っぱ脱がせて包みほどいて解体したい!
いや、解体する間もなくかぶりつきたい!
あんテリジェンスあふれる華麗なるあん族のゑちごやさん、
覚悟して伺う気まんまんです。鼻息荒し。
豆大福おいしそう。
Yahooグルメのブログパーツ便利ですよね♪
英語や中国語の可愛いデコメをトモダチに送る事ができるみたいだよ
((*≧ω≦*))
いつも以上にかわいく、楽しく、おもしろおかしく、デコメが作れちゃうよ!
ぜひ遊んでみてネ♪
Au:http://decoworld.jp
食べたことありませんが、アズキアイスにして正解だと思います。
クリームあんみつ食べて、お赤飯かじって、よもぎダンゴつまむ… 最高な「サンドイッチ」ですね(笑)
食べ物系のブログはじめました!
美味しいものを紹介していこうと思います!
よかったら遊びにきてね!
裏に隠れてしまっているものもあるので
カテゴリーごとに見たりしてね^^
最近の一押しスイーツは、ねずみとチーズというかわいいシュークリームを載せたよ♪
ブログ人気ランキングのボタンもよかったら押して行ってね^^!
よもぎだんご好き。よもぎの香りぷんぷんしているのが好き。でも春日のあたりって縁のない土地なのだわ〜。歩くと間違いなく楽しいところですよね。
こんばんは。はい、各パーツのクオリティはすごいし果物がとても合っています。そしていただいたアイテムすべてとてもおいしいのです。私にとってクリームあんみつが楽しみ、と言える数少ないお店。桜餅はとっても皮がもちもちでうまいよ〜。紅白イッテみたい気もします。ぜひGO!
たからにゃさん
豆大福も水大福も大変うまいです♪本当に美味しい物はおいしく実況できますねー。
ブログパーツはHPないお店紹介するのに本当に便利です。
タフィさん
アズキアイスあんみつ、なんてなかなか他では出来ないですよね。もちろん基本アイスも良いけど
アズキアイスだと一粒で二度おいしいかんじです。
サンドイッチ!ほーんと楽しいしある意味何より贅沢なフルコースのサンドイッチです。
次は記事のご感想もよろしくお願いします。
kozueさん
よもぎダンゴ、ここのはあんこヌキなのがまた良いんです。ひたすらよもぎダンゴにひたれて。
後楽園からすぐなんだけど、なかなか道路渡らないのよね。一葉の井戸を見に来る人がすごく多いけど町そのものも趣あって好きなんです。ナイス散歩コースです。
この間、浅草の和菓子屋さんが多く載っていてすごく嬉しかったです。私のお勧めは合羽橋通り近くの小さな、和菓子屋、というより製造所?のような所で売っているあんこ玉です。あんこは甘さなど人の好みがありますが、何個でも食べれてしまうような代物であります。そしてもう一つ。
水道橋にあるラク−ア近くにある、「和菓子さいとう」です。あの辺りは沢山和菓子屋さんがあり、色々買い食いしましたが、フラッと入って買った利休まんじゅうを食べた瞬間、「いい店めっけた!!」と感動しました。(ちなみに本郷3丁目近くの梅月という店もおきに入りです)
あんころりんさん、これからももっともっと和菓子道を突き進んでください!!
ps 松戸にある松久ってご存知ですか?
はじめまして。ランキングから来ました。
どれも美味しそう!!あんこ好きの私にはたまらないです。家の3チビもあんこ好き!!桜餅かわいいです♪おいしそう♪
こちら北海道。アイスはさすがに手が出ないけどコーヒーアイスも気になります。
今度通信販売してるお店なんかも知りたいです。食べたいです。
ランキングで応援しています!!
初めまして、こんにちは、コメントありがとうございます。返事が遅くてすみません。
いつも読んで下さっているなんてとてもとても嬉しいです、ありがとうございます。
お勧め♪ありがとうございます。まずは、かっぱ橋のお菓子屋さんですね、あ、きっと大きい甘納豆とか砂糖ガケのお菓子があるところでしょうか?あんこ玉は知りませんでしたよー。この次は絶対行ってみますね! 「和菓子さいとう」はひょっとしてゑちごやから近いところですか?木の看板に縦書きの店名の…。いつも前を通るときお休みだったので、すごーく気になってました。あそこは週末休みなんですよね〜。
やはりそうか頑張って行かねば。どちらも嬉しい情報です。本当にありがとうございます。
これからも皆さんの励ましと愛情とあんこ魂に支えられつつ、食い意地全開で書きますので、よろしくお願いします。小豆っておいしいですよね♪
なっつさん
初めまして、こんにちは。コメントありがとうございます。お子さん3人ですか、お忙しいことでしょうね。あんこ好きとは何とも頼もしいです。北海道では冬のアイスは寒すぎますね。そうですね、通信販売でも“これ!”というものは紹介していきます。これまでの何回か紹介してるので、良かったらご覧下さいませ〜。
http://yuki-ssg.seesaa.net/article/12322920.html
http://yuki-ssg.seesaa.net/article/16730424.html
http://yuki-ssg.seesaa.net/article/19258428.html
応援ありがとうございます。こちらからも伺います。これからもよろしくお願いします。
手軽に食べれて本当にお団子なんて
おいしそう。
やさしい手作りの味がしそうですね。
戦火を免れている昔からの風景いいですね。
最近CMでもサントリーオールドの昔からのミュージック、昔の物なのに新しいものが進出するなかしっかり周りに
溶け込みなじんでいます。
新鮮です。いつでもそこにあると言う感じは
いいですよね。
これで500円、ゑちごや、良く聞く名前です
こちらの方は最高ですね。
こんばんは、すごく返事遅れてしまいました。
良いでしょう、ゑちごやさん。居心地良くて安くておいしくて。ご主人も奥様もやさしいのでつい長居したくなりますが、お散歩しても雰囲気が良いのでのんびりぶらつくのがお勧めです。
“いつでもそこにある”って良い言葉ですね。
京都などとは異なって東京は戦禍を逃れた下町を探すのは奇跡に近いです。