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↑上:「神馬堂」しこしこ“やきもち”中:「一和」香ばしさ最高の“あぶり餅”
下:神馬堂の素敵なアイドル(餅か?手の主か?)


昔も今も、
神社仏閣門前には場所に因んだお菓子があります。
ちょいと京都へお詣りがてら、厄落としにあれこれ戴いてきました。
あまりに欲張りすぎて神様たちもあきれているかも…

と思いきや、不思議な偶然運命を感じることも・・・


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大阪での所用のついでにせっかくだからと京都へも1日半、
神社詣資料館訪問を中心にそこにまつわるお菓子を訪ねて歩きました。

…とか言って明らかにうまいモンに釣られてお詣りしてるフシが大いにあるけどさ。
子供並だ、どこへ行っても。
ともあれ 洛北上賀茂神社、南は桂離宮門前の道すがら
気分次第で寄り道するのも一人旅の楽しさです。

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↑上賀茂神社(賀茂別雷かもわけいかづち神社)の本殿手前

今回の二日目の予定では
上賀茂神社『神馬堂』→(御倉屋)→今宮神社『一和』→「美玉屋」→『川端道喜』→「天引」→(マリーフランス)→北野天満宮『粟餅処 澤屋』→(天神堂)「老松」「日栄堂」→『京菓子資料館』→(京都御所建礼門“脇”)→(本家船はし屋)…

当初の優先順位では、『』は必須訪問先として「」内は“行けるかも?”()内は“通るかも、場所を眺めれば良し”としよう、と目論んでました。

いったいどれだけ実現できるのか、
それでは、ご一緒に2日目の朝から順にお詣りしましょうか、
多生の御利益もあるかも?

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↑明治5年創業「神馬堂」全景

さて門前の朝は早い。
こちらも早起きして京都市内の北から順に下りて参りますが
まずは洛北の神社といえば葵祭で知られる上賀茂神社から。

 上賀茂神社こと賀茂別雷(かもわけいかづち)神社の神様は遷都の以前から農耕神としてこの地に祀られています。
折しもテレビCMでは春満開の上賀茂神社が放映中ですが、
冬の参詣では当然、桜の花どころか裸の木々も目立つけど…朝の深とした境内が清々しい

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↑左:店内、朝の8時過ぎ、右に映画「寅さん」訪問のパネルあり 
右:境内の小川をバックに“やきもち”粒あん〜


京の門前菓子と言えば必ず名の挙がる上賀茂神社鳥居脇の
神馬堂」の葵餅こと“やきもち”は
ほたほたと、冬空の下で焼かれていました。

初参詣の上賀茂神社はまだ参拝客もまばらで、「神馬堂」にも客は我一人。
手慣れた(過ぎる)ほどのお店の方の話ではこちらは三個では包装紙をいただけないとのことで、
五個一包みを買い求める事に。
だって欲しいんだもん、馬の包み紙♪

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↑左が馬の包み紙、5個以上買わないといけません,結び方しびれるけど

 庶民派老舗のならいで明治5(1872)年創業の「神馬堂」にも
マスコット的存在の看板ご主人がおいでです。

ガラス戸の向こう側、ひっきりなしに“やきもち”を手で返す小柄なご主人に目礼してカメラを向けるとわざわざ冬の朝にを開けて下さった。
お礼を言うと(おおきに)、穏やかな声がかえります。
ううぅ、早起きして良かった。
ご年配のアイドル?ってだから好きだ。(トップ画像♪参照

 “やきもち”、の響きからアツアツを想像していましたが早朝のため(並ばずに買えるけど)五個包みはほとんど冷めている。
焼き立てと包み紙を引き替えにした気がする…が、
実は焼きたてより落ち着いた餅をさらに好む嗜好なので、味から言えばあんと餅が馴染んだ方が好ましい。

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↑つぶしあんがあっさり、冷めた餅が特にうまい。一個で止めるのに苦労した

だ・か・らちょい冷め“やきもち”が腹に沁みるほどおいしい。
嬉しいことに持ち帰ったものは翌朝まで食べごろだったし、固くなった餅は焼き戻しそれもまたオツな味。
ひともちで三度おいしい「神馬堂」“名物にうまいものあり、爺と餅”。
再訪を誓って。

 
次なるは京都どころかおそらく日本で一番古い甘い物屋さん、
門前の名物茶屋“あぶり餅”で知られる
一文字屋和助」こと「一和」のある今宮神社へと行く…

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↑御倉屋は紫竹の里にひっそりと。看板の文字は広辞苑編者、新村出氏の書による

、ここで向かうバスの車中、外を眺めていると
「御倉屋」
の文字が見えた!
どうやら店を開けて間もないようです。いいや、降りちゃえ

菓匠 御倉屋」はどのお菓子も予約必至お店以外では手に入れることは出来ないようです。
中でも“旅奴たびやっこ”という黒糖の焼き菓子を食通の友人(注1)から(機会があればぜひ)と薦められて、タイミングが合えば、と頭の片隅にありました。

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↑ごろりん“黒糖 旅奴”溶けた後口が沁みる、

予約はしてないが早い時間なら何とかなるかも、と
意味のない自信と供に気が付いたら、
とことこと人気のない店内へ。
通常は予約客ばかりなのでしょう、暫くあって奥から応対が。
予約してないけど“旅奴”をくっださいな〜)・・・ありました、ほくほく。

うふふふふ、早起きは三文の得、なのか945円の散財なのか…?
結果はもちろん笑顔のお買い得でした、
素朴なルックスと歯応えながらあっさりしてもコクのある
京都の黒糖つかいにはいつもいつも感心します。

ちなみにこの若干、不便な地の利で驚くほど多くの文人がこの店を贔屓していますが、味の良さはもちろん西陣に近いことや
頑固な主人の菓独特の菓子作りも関係しているのかもしれません。
しおりには独自に餡づくりのバーナーを発明したことなどが、
書かれています。

ちなみに当サイトの最多引用回数を誇る?お菓子好きの歌人、
中村汀女もまたまた歌に詠んでいました。

「『旅奴を愛でつつ 初霜や 過ぎしに人を など思うふ

そういえば、こちらの“夕ばえ”も詠んでいたなぁ。

黒糖 旅奴”は特に二〜三日置いてなじんだ物がとても自分好みでした。ありがとう友よ。再訪を誓ってバスに再乗車。

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↑大型梅干し大のカステラぼうる風焼き菓子に
さらり、だがコクのある黒糖コーティング。


・・・・閑話休題
寄り道にも満足してようやく今宮神社へ到着
 まずは参拝後、人のまばらな境内をひと回り。

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↑疫病払いの御利益の今宮神社、奉納提灯に一和とかざりやの名が見える

奉納してある提灯にも屋号があったけど、
門をでると参道の両側一和かざりやの二軒の店が向かい合い、当然激しい呼び込みがかかるはず…
が、どうやら朝一番の客らしく自ら「一和」の店先へ声を掛けて腰掛けました。

全員女性が働き手と見える「一和」ではこれまたご高齢の名物女あるじ(二十三代目)が朝一番のお茶を啜り終えた様子。
ひと言、手伝いの少女に注意を促す様子も、さすが京女、
年を重ねてもびしっとしてます。

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↑まだ半分は戸の入った早朝の店先、右:店内
 

一人前、頼むと急須でお茶が運ばれ、その場で炭火に竹串をかざして焼きあげた餅が一皿運ばれます。
指先ほどの餅をの竹串の先に刺し、黒く焦げた具合が香ばしくて、味噌風味の餅に不慣れな舌にも、じつにうまい。

元来、参拝後にいただく疫病除けの餅であるこの“あぶり餅”、
創業は今宮神社の創祀(長保三(1001)年)頃からというから
千年以上の間、参拝客に親しまれてきた御利益たっぷり、厄よけ効果抜群門前菓子という気がします。

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↑熱ーいおぶにあぶり餅一皿500円

 搗きたて餅を平たく引き千切り、
今宮神社の神事に使った“斎竹いみだけ”から作るという手製の細く割いた15本(数えてないけど)の竹串に刺し、きな粉をまぶす(この作業を見逃した〜)。
注文を受けてから、店先のこん炉の炭火で焦げ目を付けるように炙り、最後に大きな鉢の白みその甘いたれにドボんと浸けて皿に出す。

15本といっても全部で切り餅ひとつ分くらいですから本当に軽くいただけます。厄よけだもんね
その昔はこの“あぶり餅”も庶民には贅沢な門前菓子滋養の高い食べものだったようです。

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↑一人前ずつしっかり炙って香ばしく焦がす
右:店内のおくどさんと手前が“みそだれ”の大鉢
 

余談ですが、情報によっては「一和」の創業を[長保二年]としているけどそれじゃ疫病払いの神さま、今宮神社より先に始めたことになっちゃいますけど?真実は如何に…

いずれにせよ千年!せんねん!もの間、厄よけとは言え、
変わらずに参拝客が楽しみに出来る食べ物を、くり返し作り続けるということは想像も及びませんが。
搗きたて餅炭火で炙った美味さ、というのは何にも代えがたいものがありますね。

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↑あちっ、うまっ 

今宮神社への再訪を誓って、この後、北野天満宮へ向かう・・

その前に今回の訪門のもう一つの目的を果たしに北山方面へ向かいました。
・・・もちろん、嫌だ、と言われても続きます

※注:京都関係過去記事
美玉屋の記事はこちら
川端道喜の記事はこちら
その他の京都菓子関係の記事は
中村軒やら紫野源水やら宝玉堂の稲荷面やら京都総特集1やら京都総特集2など

※(注1)御倉屋の“旅奴”を薦めてくれたのは自家製「Mariのマフィン」の作り手、プリマリ嬢。ご本人のサイトはこれ。じつは洋菓子ばかりかお蕎麦や和菓子にも造詣が深く、きび糖黒糖などの菓子作りもうまい。
ちなみに今宮神社の“あぶり餅”を勧めてくれたのはyottyanさんです、皆さまの情報感謝です。

◎おまけの話◎
二月の三連休に大阪の枚方を訪ねて、その後京都IMG_3469 (2).JPGへ。
宿泊は四条河原町の木屋町通り、鴨川を挟んで南座が見えてました。

冒頭の「不思議な偶然」についてはたぶん次回あたりに登場しますが、初日にも時間的に無理、とあきらめていた資料館やお店も廻る事が出来て“充実”を上回る体力勝負の二日間となりました。
何箇所をまわったのかも未だに把握してないし食べた量も、歩行距離ももはや不明。いやはや全部書けるのか?何でこんなに筆がのろいんでしょう。

しかし関東大震災も大空襲も京都にはなかったIMG_3486 (2).JPGのだ、と
つくづく感じ入った短期滞在ではありましたが。
右の画像、上は錦市場の脇の銭湯(錦湯)と下は錦通りの近所の成人映画三本立て館!の八千代館、どちらもその存在にものすごく感動しました。観てないけど)

●お店と菓子データ
神馬堂じんばどう(上賀茂神社鳥居前)
住所:京都府京都市北区上賀茂御薗口町4
定休:火曜午後と水曜:  時間 7時〜16時・売り切終い
●最後↓に地図あり
店内に席はない。やきもちの包装紙は5個から、箱入りは10個から
・やきもち(葵餅) 一個120円
もち米の餅に小豆粒あん
測定糖度Brix約48.2%

御倉屋 みくらや
住所:京都市北区紫竹北大門町78(バス停:大宮交通公園前)
定休:1・15日 時間:9:00〜18:00 
創業 1948(昭和23)年
・旅奴一袋945円 
・黒糖をまぶした固くない焼き菓子
一個がおよそ直径3センチのボール状、数えてないが15個くらい?入っていたような…

一和=一文字屋和助(今宮神社前)
住所:京都市北区紫野今宮町69 
定休:水曜日(祝日の場合は翌日)時間10:00〜17:00
●最後に↓に地図あり 
・あぶり餅 一皿500円
持ち帰りは3人前1500円から
搗き餅にきなこ、白みそだれ

神馬堂 餅菓子屋(葵餅=やきもち)



・本文では上賀茂神社鳥居脇の「神馬堂」訪問の記事をご紹介しています。


一和 門前の腰掛け茶店



・本文では今宮神社の参道「一文字屋和助」こと一和の訪問記事をご紹介しています。


今回使用した糖度計は「ATAGO.PocketPAL-2」。
何せ素人が使っているのであくまでも目安。
今回は2〜3回の計測です。
ちなみに、この数日前に私が計測した「雪印コンデンスミルク」はBrix約70.6%でした