卯月の上生菓子4点
「高島屋新宿店」春秋の恒例、名古屋からの新幹線便。
名古屋で指折りの御菓子処『芳光』から卯月の上生菓子・・・
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・・・をはじめ5店舗の菓子を予約しました。
そのなかで「芳光」は名古屋便を予約する際に必ず数に入れているお店です。
一箱に収められた菓子は「木の芽餅」「岩根つつじ」「花あやめ」「蝶々」の4つ。
今回はいつも入っているきんとんはありませんでした。
芳光ではきんとんを殊の外気に入っていたので最初ちょっとがっかり?
・・したのもつかの間〜、
期待以上にすばらしくて、ひとりでテンション上げてました。
木の芽餅は以前に頂いて感激した大好物。
フワフワの羽二重餅ですが、
ここでいう羽二重餅はいわゆる半雪平に似た卵白を使った柔らかな生地です。
(羽二重餅についてはこちらとこちらに書いています。)
羽二重餅の上手なお店は何軒かありますが、芳光製は中の大納言粒あんがホントにすばらしい。
ほのかにただよう山椒の香りと相まって、春から初夏への趣を感じさせます。
練切で小豆こしあんをつつんだのは「岩根つつじ」。
ひねったフォルムに馬毛の漉し器に通した細か〜なきんとんが"ちょん"。
キュートで個性的な意匠は箱のなかでひときわ目をひきました。
岩根つつじはは初夏の代表的な菓名で、芳光はきんとんで作ることもあります。
(岩根つつじの記事→芳光きんとん 1と2
芳光の練切は(もちろん)白小豆あんの芋練り(ヤマイモつなぎ)。芸術的、といいたいような口あたりです。
柔らかさは言うまでもなく、抵抗なく口の中でさらりスーッと舌になじんで溶けていきます。
儚いような甘さ・・。後味の心地よさだけが印象に残りました。
艶やかな表面はとても繊細な練切を寒天がけによってコーティングしているから。
乾かないように保護しているのでしょう。
この寒天がまったく邪魔にならない口あたりなのはまさに一流の技。
透明感からして砂糖も充分に使っているはずですが、甘みも気になりません。
きんとんでなくともこの練切なら超ウェルカム。
こういった芋練切りを東京でももっと作ってほしいものです。
懐紙に外郎がくっつかないように底には細かい氷餅をまぶしている。細やかな気遣いも一流
「花あやめ」は外郎生地で中は味噌あん。
ここで味噌あんっていうのが、絶妙なバランス。
一箱4つの味が重ならないようによく考えられています。
食べる方としてはとてもうれしい、楽しい。
名古屋の上菓子店の外郎はやはり格別ですが、
白味噌あんとの相性のよさは、これまでにない抜群の好ましさでした。
ふっくらとした蝶々は薯蕷饅頭。
なかにはこれまたステキな大粒大納言の粒あん。
伊勢芋らしいふっくらもっちりとした薯蕷生地が淡い黄色の蝶々にぴったり。
なーんか、マスコットにしたいようなお饅頭じゃあありませんか。
いつにも増してバランスの良い一箱で大満足。
芳光については通年のお菓子もお願いしたのでそちらもいずれまた。
この4月の名古屋便は各店とも超充実。
また書きます。
なるべく簡単に、できるだけたくさん紹介できるよう頑張ります
(前にも同じ事書いてた・・・)。
●「芳光」ブログ内関連記事
2010年春
●高島屋・敏腕和菓子バイヤー氏のブログ「芳光のわらび餅」
☆店と菓子のデータ☆
●芳光 (北白川書房のHP情報名古屋市東区新出来1-9-1
生菓子4個入り一箱:1140円@新宿高島屋銘菓百選
名古屋直行便による当日製造品。
・木の芽餅(羽二重餅) 花あやめ(外郎) 蝶々(上用) 岩根つつじ(練切)
(砂糖 大納言 白小豆 小豆 上用粉(粳米/国産)白玉粉(餅米/国産)羽二重粉(餅米/国産)伊勢芋、小麦粉 寒天 白味噌 葛粉 卵 山椒の葉 着色料
★お世話になっている和菓子バイヤーH氏のブログ
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読み応えありオススメです。
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研ぎ澄まれたような技術とプロフェッショナルな精神を感じさせるお菓子です。粒あんのみごとな具合は群を抜いています。もなかも美味しいのよ。
東京、大阪、京都、名古屋、広島などの菓子職人が製作した工芸菓子が地域毎にまとめて並べられている「お菓子美術館」は壮観でした。写真撮影禁止のため、日が経つにつれ細かな記憶が薄れて行きますが、『本当にこれがお菓子?』と云った作品ばかりでした。
縄文時代から平成までのお菓子が展示され変遷が説明されているコーナーは、あんころりんさんがきっと気に入るだろうなどと思いながら見学していました。
「全国お菓子バザール」は150分待ちの大行列でしたが、予定していた菓子をほとんど購入でき何はともあれです。5月の連休にはフラワーフェスティバルもあるため、何時間待ちになることやらと心配になってしまいます。
何しろ人が多くて、じっくり鑑賞できる状態でなかったのが残念ですが、世の中、お菓子に興味を持つ方が多くて嬉しくなりますね。
菓子博情報ありがとうございます。私は29日を予定しているので、リアルな情報とてもありがたく助かります。しかしそんな調子なら1日あたりに変更したほうがいいのかしら・・。HPではわりと空いているようなかんじだったので、ちょっと甘くみてました。
和菓子を楽しんでもらえる機会が増えるのはうれしいですね!
馬毛裏ごし器は作る人が減って将来が不安視されているようですね。
http://kpayas.exblog.jp/15159954/
名古屋は菓子どころだなあ、と今回も実感させていただきました。来月は菊寿堂なんですね。それはとても楽しみ!です。スケジュールに入れなくては。情報ありがとうございます。
「岩根つつじ」は新緑や若葉を思わせる様な鮮やかなみどりときんとんのピンクが今の季節にぴったりな色ですね。断面図は素敵過ぎます。そんな素敵過ぎる外見を裏切らないような芸術的な味だなんてまさに完璧な一品ですね♪
岩根つつじは、今回壁に展示しているお菓子に加えた新作で、最後までオーディションに残った(笑) お菓子のひとつですわ。
寒天コーティングの照りから初夏のさわやかさが感じられる気がします。
手づくりの道具もまた後継者の問題が深刻でお菓子に関しては道具や包装なとさまざまな周辺環境も危ういので心配です。やはり馬毛は断然使い良いんです、
すみません!!お返事が後になってしまいました。
岩根つつじの色合いは菓子には珍しくキッチュな印象ですが、実際の花の色にしてみるとわりと自然にあり得そうな気がします。断面に注目してくださったのはさすが。お菓子ならではの色彩のコントラストですよねー。
蝶々のふくらみ具合はマスコットにしたくなります。岩根つつじもいろいろな意匠があるのでそれをあれこれ編んでみてほしいなー。