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「和菓子wagasi」−東京のお菓子・菓子パンを歩く

2013年06月29日

名古屋/菓匠 花桔梗〜蒸菓子「朧夜」など

和菓子wagasi−東京のお菓子・菓子パンを歩く
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葛の
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道明寺米の
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こなしの

すてきな色あいでしょう。
名古屋「菓匠 花桔梗」の蒸菓子(上生菓子)です。
まことにアンチタイムリーではありますが
4月に書くべきお菓子の話を・・・


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・・・ここに書きます。

名古屋の「菓匠 花桔梗」は2007年に開業。
老舗菓子舗の多い名古屋では比較的新しい菓子屋といえます。
かくいうワタシもこの春、島屋に入荷するまではまったく未知のお店。

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同封のしおり↑には
花桔梗は「四百年の伝統を現代に伝え・・」和菓子の伝統を革新を目指す、と謳い、、
ルーツは尾張藩初代藩主から御用菓子司に任ぜられた「桔梗屋」とあります。
1610〜1650年の間に創業したと推測できる桔梗屋は、
その屋号が菓子の歴史に関する文章にたびたび登場するものです。

そして同じ名古屋の老舗菓子舗「美濃忠」ももまた桔梗屋の流れを汲むお店→
二つのお店の関係が気になりますよね。
信頼できる方から訊いた話では、
花桔梗の初代は美濃忠の御次男で、自身であらたに菓子舗をおこしたのですが、
惜しくも早逝され、いまは初代の御子息が2代目として営んでいるのだそうです。

さてお菓子。
4月20日の朝、名古屋でつくられた繊細な季節の菓子たちはその日のうちに東京で販売されました。
名古屋直行便です。

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一箱に6個入った蒸菓子はいずれも端正で、しかも6個すべてが異なる種類。
単に意匠を変えるだけに留まらないところなど、さすが菓子処名古屋の上菓子店
茶の湯の盛んな土地柄できっちりとした菓子づくりをしていることが伺えます。

そして・・お菓子の中に見え隠れするのは昨年、閉業した名古屋亀末廣のエッセンス。
と、こう書けば察しの良い方は気づかれるかと思います。
かの老舗にいらした職人さんが活躍の場をどちらに移されたのかを。



箱を開けて目にとまった瞬間、一気にテンションあげたのはこれ。
"朧夜"。

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たっぷりとした葛がたまりません。
亀末廣で調製していた、たっぷりの葛で柔らかな餡を包んだ朧夜は大のお気に入りでした。もう口にすることはないのかと落胆していたのですが、こちらで復活。なーんと喜ばしい!

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"新緑"
シンプルな意匠が好ましく思えるのはしっかりした調製だからでしょうか。
氷餅をまぶした道明寺餅で中に薄紅に染めた白小豆のこしあん。色付けに合成着色料でなくクチナシを使っている点もポイント高いかも。氷餅が効いていて、少々さっくりした口あたりになっているところが嬉しい。道明寺生地にさほど感激しないワタシですが美味しく頂きました。

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"蝶舞う"
淡くぼかしたきれいな短冊形のこなしで中に小豆こしあん。蝶の型押しがみごと。

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"杜鵑"ほととぎす
薯蕷饅頭。さすがというかやはりというか、伊勢芋を使った薯蕷饅頭は充分に気泡を含みふっくらとした仕上がり。中には、大納言か白小豆の粒あんを期待したけれど小豆のこしあん。ホトトギスの焼印にぼかした淡い緑色もクチナシによるもの。


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"躑躅"(つつじ)
白小豆あんのきんとん、中は大納言と小豆の粒あん。つなぎには求肥も山芋も使わずに小麦粉を用いたようです。こちらも色はクチナシ。亀末

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柏餅
2枚の柏葉で包んだ道明寺製。中は小豆こしあん。
柏餅が道明寺製なのは亀末廣同様です。ちなみに美濃忠は団子生地です。

亀末廣や美濃忠に比べると全体にがぐっと優しく自然な色合いで、新しさを感じさせます。
これからの独自の菓子づくりがとても楽しみですし、
材料表示もきちんとお菓子ごとに記載している心くばりにもとても好感が持てます。
ほかに花桔梗はバターを使わない和風マカロンという独自の菓子も調製しているようで、
そちらも興味をひかれるところ。

4月5月に頂いたなかで紹介したかったお菓子ははたくさんあるのですが
菓子博関連記事を優先させちゃったので間に合わなかった・・。

取り急ぎ、いやまったく急がなかったけど。
名古屋「菓匠 花桔梗」 4月の生菓子についてのメモ書きでした。

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菓匠 花桔梗
新宿高島屋・銘菓百選「4月の名古屋直行便
島屋和菓子バイヤーの楽しいブログ 愛知の銘菓たち

躑躅:砂糖 白小豆 大納言小豆 小麦粉)着色料(クチナシ)
超舞う:砂糖、白小豆、小豆 小麦粉 着色料(クチナシ)
杜鵑:砂糖,小豆、米粉(国産)伊勢芋、着色料(クチナシ)
新緑:砂糖 白小豆 道明寺米(国産)氷餅 着色料(クチナシ)
朧夜:砂糖 小豆 葛 
柏餅:砂糖 小豆 道明寺米(国産)、柏の葉
以上6個一箱 1766円

あんころ広報係
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posted by あんころりん at 17:33| 東京 ☀| Comment(2) | TrackBack(0) | 近畿、東海(京都、大阪、名古屋・・) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
花桔梗って、以前「桔梗屋」という名前だったはずなのですけど、ある日気がついたら「花桔梗」になっていて、ああやっぱり歴史ある「桔梗屋」を名乗るのはいろいろムズカシイのかなあと想像しておりました、勝手に(笑)。
で、その「桔梗屋」の上がり羊羹を、ずいぶん前(たぶん2007年より前)に、たしか伊勢丹で購入しまして、とても気に入ったのです。その後、美濃忠の上がり羊羹を食べて、ああわたしは桔梗屋のほうが好みだわと。そんなことを思い出しました。
久しぶりに花桔梗への興味がぐぐっとわいてきました!
Posted by kozue at 2013年06月29日 22:29
kozueさん
社名は「有限会社桔梗屋」になっているので、これも勝手な推測ですけどイメージ的なものとか他店と混同させないとか、そういったいろいろがあるのかも。2007年以前のことはよくわからないんですけど、機会があれば調べてみよう。
それにしてもさすが。貴重な情報ありがとうございます。
やはり名古屋モノはまずkozueさんに訊かねば、です。
Posted by あんころりん at 2013年06月29日 23:13
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