IMG_6595 (2).JPG
IMG_6632 (2).JPG
↑上:苺大福の断面
下:左から、あやめだんご、桃太郎だんご(餡)、桃太郎だんご(焼)


の季節でもある。
何と言っても果物は旬が一番、桜も散り、ぽかぽか陽気に誘われ
おいしい苺大福おだんごが食べたくなって
京橋の「桃六」へ・・・



人気blogランキングへ

人気ブログbanner_02.gif


(↓小さな画像はすべてクリックで拡大できます♪)

から初夏に向かう頃にふさわしい果物だと思う。
そして毎年、春も盛りになると苺大福を買いに出掛ける。

はハウス栽培が主流となって久しくクリスマス時期には
果物屋さんにきれいで立派なが並ぶのが当たり前、
本来、四〜五月頃が苺の旬であることは多くの人は忘れてしまったようだ。

IMG_6834 (2).JPG  ichigo91E5959F20095-thumbnail2.jpg
↑右の様なの小粒いちごが好き、シロップなども作る

しかし小粒で真っ赤に熟れた露地物のおいしさに勝るものはない!と
ぽかぽかとも真っ盛りになると八百屋さんの店先で
すっかりお手ごろ価格になった小粒の苺を箱ごと買い求めて
シロップにする(注1)のも忘れてせっせと口に運んでいく。

大粒のデコレーション用も魅惑的だが、桜の後の季節の小粒の苺を心待ちにしている。

苺大福がおいしい、と聞いてわざわざ買いに出向くこともある。
振り返ってみるとどれもなかなかの個性派揃い。
とりわけ人気も高い「翠江堂」の柔らかな“苺大福
WAGASHIまめ」の美しい大粒種あまおうの“苺大福”など
どちらも小豆のこしあんと柔らかな羽二重餅風の取り合わせが印象的だった。

mame328_003420(2).jpg
↑青山WAGASHIまめの大粒あまおうの苺大福(06年3月の記事)

一般に豆大福の名店(注2)と言われるような餅菓子屋さんでは
苺大福を作っているところは少ないようだ。

そんなことも理由かどうか、ポピュラーではあっても苺大福が邪道と思う方人も少なくない。
単に実際の味としての苺大福が好きでない方も案外多いようだ。
訊けば小豆あんの中のの食感と酸っぱい後味を嫌うと言う。

その果物の酸味小豆あんの甘さの取り合わせがとても好きなので
苺大福を初めて食べた時も家族は皆好まなかったようだが
自分だけはまったく違和感なく(おいしくてきれいだな)と思っていた。
ショートケーキは出来ればだけを食べたいと思っていたけれど
苺大福は丸ごと食べるのがずっと嬉しかった。

IMG_6543 (2).JPG
↑桃六の苺大福はつぶしあん

子どもの頃は“杏あんみつ”が甘味屋さんでの一番の好物で
杏といちごに大差なかったというわけだ。
今でも自宅で寒天を作ってあんみつにする時は、旬の果物を加えることを忘れない。

やはり苺の味と香りが苺大福の決め手だから
がおいしいと思うし、気温が上がると果汁の爽やかな味わいに一層の潤いを体感できる。
もちろん、どれもおいしく頂くけれど
もしも好みを訊かれたら
小粒の濃い味のにどちらかと言えばあんこはつぶしあんで小豆の風味があるものが好きと答える。

「桃六」はオフィスや大型店の立ち並ぶ京橋の二つのメインストリート、中央通りと昭和通りの中間辺りにひょいっとあるあたかも街中のオアシスのような和菓子屋だ。
繁華街の和菓子屋で出す赤飯などの弁当もなかなか人気があるようで
昼時には近隣に勤めるOL風女性や年配男性客がひきも切らさずにやって来る。

IMG_6676 (2).JPG
↑桃六製の赤飯弁当(天地が逆で撮影、すみません)、ささげ豆が良い

菓子の新鮮さを保つためだろう、ガラスケースにたくさん見本は並べずに
積み重なる番重から出来たてのおまんじゅう桜ふぶき」などを取り出してくれるのが嬉しい。
午後遅くには売り切れてしまうお菓子も多いようだ。

桃六の創業は明治2(1869)年と古くすでに140年もの長きを経ている。
桃太郎が描かれた包み紙には、
現在は四代目当主が昔ながらの和菓子作りを続け
初代の名「林六兵衛」から桃六と命名したことなどが書かれている(注3)。
IMG_6663 (2).JPG  IMG_6680 (2).JPG
↑薯預まんじゅう“桜ふぶき”桜花の塩漬けも良質、こしあんも美味

桃六と言えばまずは桃太郎だんごがよく知られている。
知られている、と言ってもクチコミが主だろう。
近所には中央公論社(出版社)なんかもあるけれど
何故だか今までガイドブックなどマスメディアに出ることが極端に少ないのが不思議だ。
TV番組=とんねるず食わず嫌いのおみやげだとか他にも紹介されたらしいから
完全取材拒否ってわけでもなさそう?です)。

IMG_6628 (2).JPG

さておき人気の桃太郎だんご二種類の串団子
甘い方”はたっぷりのこしあん
辛い方”は甘辛だんごでなくお醤油のつけ焼だんご注4)。
とろみのないあっさりとした見るからに素朴なお団子だ。
しこしことした歯応えのうるち米の団子は冷めると焦げたお醤油がよく沁みてくる。
鼻先に近づけただけで誰しも慣れ親しんだおいしさの記憶の中にある味が蘇るだろう。
だってお醤油とご飯の嫌いな人は滅多にはいないと思うから。
団子の頭から突き出た串とまんべんない醤油の焦げ目から
丁寧に一本ずつ焼かれた事が見てとれる。

自宅で昼時の磯辺巻きをひと切れ残してラップ紙に包み
おやつ頃に取り出して囓る、冷めてはいるが固くなる前の餅がとてもおいしいといつも思ったものだが
あの醤油が沁みてきゅっとした餅を思い出した。

IMG_6236 (2).JPG
↑鄙びた味わいの桃太郎だんご、良質の材料が不可欠だろう

苺大福と、もちろん豆大福も人気の品だ。
豆大福はとても口当たりの良いお餅で、しっとり炊かれたつぶしあんとの相性も良い。
ほどほどの量の加減と適度な甘さが上等なのは
長年培ってきた“あん作り”の奥深さだろうか。
赤えんどうはふっくら大きめだがどっさりではない。
特別に際立った特徴ある豆大福ではないけれど
調和がとれて誰にも食べやすくおいしさだけが口いっぱいに広がるやさしい味わいだ。
は柔らかでも水っぽさがなく風味が豊か。
どういうわけかまったく固くならないのが不思議で、
搗き餅ではないのかなあ?
消化の良い気がしてランチの後でも一個は食べてしまいそうだ。

IMG_6228 (2).JPG  IMG_6665 (2).JPG
↑人気の豆大福もほどよい大きさ


そして“苺大福”は桃六ならではの絶妙なバランスだ。
求肥ではなく甘くない“お餅”と“つぶしあん”というのが
やはり自分の好みなのでその段階で二重丸を付けてしまうが
甘い香りの苺は大きさと酸味が調い、しっとりなめらかな全粒あんとも好相性だ。
頬張ると柔らかだがきれの良い餅と口の中で混ざり合う感じも良い。
フルーティな苺のせいか、あまりにスムースに食べ終わってしまうので
世の中の苺大福はすべてこういったものだ、という幸福な勘違いをしてしまう。

IMG_6525 (2).JPG
↑苺大福はひとつ190円

IMG_6361 (2).JPG
↑桃六の草だんごの時期は終わった、来年まで待とう

この時期、老舗の朝生菓子屋らしく草だんごが終わると端午の節句前には柏餅あやめだんごが店頭に並ぶ。
あやめ団子”は竹串を四つに割いて団子を刺しあやめの花に見立てた物が江戸時代にあったそうだが
現在では店によってそれぞれ独自あやめ団子を作っているようだ。

桃六あやめだんごは花見団子の初夏バージョンといった三色串団子
あやめの紫、新緑の緑、黒土の濃茶の色合いが
歌舞伎などでも見かける、清々しい菖蒲の花の様な取り合わせだ。
姿は串団子でも意匠も材料も凝った作りのお菓子で、
ほのかに柚子が香るとろんと柔らかな“ういろう”を芯に塩の効いた三色のこしあんで包み
透明な寒天で艶やかに仕上げている。

IMG_6645 (2).JPG

見た目に美しいので逆に団子としても好きだろうか、と思ったが
なめらかで塩っぱい餡とろとろのういろうの取り合わせが
新鮮な上菓子風で新茶にもふさわしい。
おやつの桃太郎だんごとは違ってこちらは軽い茶席にも良いだろう。

柏餅味噌あんを選んだので、たまたま塩系のあんが揃った。
味噌あんでそのお菓子屋さんの味のポイントが何となくわかる気がする。
菓子作りで“松風”など味噌を使ったものは若干砂糖が多くなる。
味噌の塩分と風味が強いので甘さを増さないと菓子に不適当だからだ。
少ないと味噌臭さがあり、多すぎるとしつこくなる。
桃六の味噌あんの柏餅は塩梅が絶妙でくどさを感じさせず
口に入れた途端に喜んでしまった。
ひとつきりしかなかったので家族と半分に分けた。
餅のコシがとても強くて分けるのにすこし手間取った。
半分の柏餅を大切に食べたのでおいしさもひとしお、
また食べたいな、と五月五日までのカレンダーを数えてしまう。

IMG_6642 (2).JPG
↑ほのかな桃色の柏餅の味噌あん

ゴールデンウィーク前、きっと苺もさらにおいしいだろう。

※注1小粒いちごのシロップ作りの記事はこちら
※注2松島屋群林堂瑞穂谷中岡埜栄泉、などでは見かけません。西荻窪の越後鶴屋にはありますが、喜田屋さんはどうなんだろう?むさしの玉屋(小豆あんは)も不明。IMG_6660 (2).JPG
※注3包装紙には“創業百年”とあるが、“明治二年に桃六と命名”とあるのでここでは140年としました。
※注4)お店によっては生醤油だんご、焼きだんご、
珍しいところでは所沢だんご(←やまほ醤油使用)などとも呼ばている。
●注苺大福の記事は「越後鶴屋」・「翠江堂」・「WAGASHIまめ」でも

◎おまけの話◎
書きながら、記憶に蘇ったのは前々回登場した鍋横「むさしの玉屋」さんのものが最初に食べた苺大福だったと思います。
それとも元祖「苺大福」大角玉屋だったのかなあ。
むさしの玉屋のHPでは冬の雪苺しか確認出来ないのです。IMG_6502 (2).JPG
ところで老舗の朝生菓子店の大福で密封すると何故か固化しない超低速選手がたま〜にいます。以前搗き餅を柔らかく保つ作り方というのをきいた事があるけれど、(一晩冷やしてまた搗き直すというような・・・)うろおぼえですがその製法なのでしょうか。


●お店データ
★桃六ももろく
住所:東京都中央区京橋2丁目9-1
でんわ:03-3561-1746
定休:日祝  時間 9:00〜18:30 

●菓子のデータ
・苺大福190円
原材料)餅米 小豆 砂糖 澱粉 苺 IMG_6519 (2).JPG
測定体重約90〜94g
測定糖度Brix約52.3% 
・豆大福つぶしあん116円
測定糖度Brix約53.8% 
・桃太郎だんご焼だんご/餡だんご各136円
測定体重約40g(焼だんごの串ともに)
測定糖度Brix約51,2%(こし餡) 
・あやめだんご170円
材料)こしあん、ういろう、寒天など
測定体重約71g
測定糖度Brix約55.3% 
賞味は1〜2日位
・柏餅180円 IMG_6684 (2).JPG
測定糖度Brix約56.7%(味噌あん)
・桜ふぶき155円 
=薯預まんじゅう(こしあん)桜の塩漬け
測定体重約72g
測定糖度Brix約53.8%  
・赤飯弁当550円 
*お弁当は数種類あり 


今回使用した糖度計は「ATAGO.PocketPAL-2」。
何せ素人が使っているのであくまでも目安。
今回は2〜3回の計測です。
ちなみに、この数日前に私が計測した「雪印コンデンスミルク」はBrix約70.6%でした