老舗の集まる堺のなかでも、
「本家小島」は創業470年、堺名物“芥子餅”の元祖として・・・
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・・・歴史ある当代20代目の菓子舗です。
室町時代の天文元年、菓子屋吉右衛門として開業、
諸外国との交流が盛んな南蛮貿易港、堺で芥子などエキゾチックな材料を用いた菓子を創案。
千利休と縁の深いこの地において、利休が好んだとされる芥子餅を一子相伝の秘法でつくり続けてきた…。
・・・ということを、ワタクシまったく知らずに、ふらりとお店を訪れました。
なぜなら堺行きを思い立ったのがその日の午前中で、前知識ゼロでの訪問。
ついでに言うと
堺にはほかにも“けし餅本舗”を名乗る「小島屋」がありまして、
そちらは都内百貨店にも入荷するそこそこ知名度高めのお店ですから、
実際にお菓子をいただいた記憶もあるんですけど、なぜだかまったく印象に残ら(興味をひかれ)なかった。
しおりの一部
だもんで、
堺に来ても「小島屋」の前は(記念撮影すらせずに)スルー、「本家小嶋」も(失礼ながら)一応、見ておこうかな、ぐらいの気持ちだったのです。
が、店の手前100b、小声で(よっしゃー!)。
看板と店構えだけで「来てよかった〜〜」ひとり盛り上がっちゃいました。
白抜き屋号ののれんががはためく仕舞た屋風の引き戸を開けると、女将と思しき物静かな女性が応対してくださいました。
芯まで凍りそうに底冷えのする日でしたが、
作業場の存在を感じさせるすこぶるワタシ好みの雰囲気のある店内では、ただお菓子を選ぶだけで晴れやかな気分にさせてくれるのでした。
陳列ケースの見本には安平(あんびん)、翁という菓子もありましたが、前日までに要予約。
こちらでいつもこしらえているのは芥子餅とニッキの2種類のみ。
ほかに泰平餅という看板銘菓もあるようですが、記憶ではこちらも予約が必要だったような・・。
芥子餅、ニッキを2個ずつ包んでいただいてる間にお願いして店を撮影させていただきました。
こしあんを包んだ求肥にびっしりと芥子をまぶした芥子餅、肉桂を練り込んだ餅でこしあんを包んだニッキ
しおりによると「・・・日数に堪えて変味することなく硬くなりとるときは遠火でお焼きくだされば…後略」とあるので、締まったやや堅めの餅が好きなワタシはすぐ食べずに、翌々日いただきました。
以前、口にした箱入りの整ったけし餅に比べると、はるかに餅菓子らしさが感じられ、ケシ粒も効果的、餡の風味もキープされているように思われました。
」
包みに描かれた、千利休キャラを眺めつつ、「・・月見花見の団楽等にお菓子は全く必要なもので御座います。是非とも本菓子を御重用くださいますようお願い致します」というしおりの能書きに味わいいっそう深まり、堺の印象を反芻するのでした。
ところで、芥子餅といえば「本家小嶋」(あるいは小島屋)ですが
肉桂餅と言えばもちろん、あのお店。
肉桂のお菓子の好きなワタシはもちろん立ち寄りましたので 近々書きます。
●本家小嶋 大阪産参考サイト
★おまけの話★
すみませーん、更新が遅れております。2週続けての雪、皆さまいかがお過ごしだったでしょうか。オイラは担当講座が中止になり一週間かけて用意した原稿がフイに。ムダな原稿書いてる合間にさっさとブログ更新すりゃいいのに。まだ独眼竜に慣れないとかなんとか、イイワケを探す軟弱者ですが、写真一枚に一行でも、更新しようと思いつつ、つい書き込んでしまう優柔不断なオイラ。潔さを心がけようと一年の計をいまさら立てるのでした。
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私も東京では、小島屋のけし餅しか食べたことがなく、訪問した際、両方を購入して食べ比べてみました。
大きさは、本家小嶋の方がやや小さく、
求肥はどちらも紅茶色で、本家小嶋の方が厚く、
堅さは、本家小嶋の方が柔らかく、
餅好きの私は、本家小島の方が好みです。
本家小嶋では5種類の菓子を製造していて、
泰平はウィンドウに展示されていませんが、安平、翁同様予約が必要です。
泰平は芥子の芥子なし、ニッキのニッキなしと言えば味は想像できるでしょうか?
次は、八・・ですね。楽しみにしています。
かん袋からは徒歩圏なので天気がいいといい散策ができそうですね。
お店の写真を見せられたら、お菓子への興味も倍増します!
なるほど。食べ比べる機会はそうはありません、貴重なお話ありがとうございます。味は好みがあるでしょうけれど、お菓子は五感で味わうとすると、入手の課程でワタシにとって数倍、本家は魅力がありました(笑)
お店でも泰平は予約であるように訊いた記憶があります。きなこの翁に興味が深まりますね。
大迫餅店(笑)。培った年月が感じられるからでしょうか、こーゆーかんじがたまりませんのよ。
小島屋は2階の喫茶も人気があるみたいですね。
でしょー。
口に運ぶまでの課程が重要なワタシにとって、味はもとよりお店の佇まいがたまりませんでしたわー。