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「和菓子wagasi」−東京のお菓子・菓子パンを歩く

2014年04月18日

茅ヶ崎/釜成屋総本店の姥島最中、姥島まんぢゅう、ういろうのきなこ掛〜「う」の抽斗から

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姥島最中
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ういろう(!)
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茅ヶ崎きっての老舗は弘化2年創業


パンを買って、ささっと温泉につかった後、
茅ヶ崎駅北口から5分ほどの「釜成屋総本店」で・・・

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・・・購入したのは
姥島まんぢゅうと姥島最中、それからねりようかんときなこ掛けのういろうなど。
まったく予備知識なく、あんこ的シックスセンスを働かせて訪問したんですけど、こちらはなんと江戸後期、弘化2年の創業、当代5代目の老舗和菓子店だったのでした。

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釜成屋総本店

家族経営とおぼしきお店で接客してくださった女性に屋号の由来を伺うと
江戸末期、開業の頃は葬儀のあった家では、自宅の庭で饅頭を蒸かして弔問客らに配る習慣があったのだそう。菓子屋が蒸籠や釜を各家の庭に持ち込んで蒸かすわけですが、その際、蒸し釜が鳴ることで辺りに饅頭屋の存在を知らせたのが「釜なり」屋の始まり、と伝わっているのだそう。
こういった由来が口伝で残っている菓子屋さんが地元で5代続いているなんて。
思いがけない興味深いお話に、なにげに胸中激しく昂揚。
あー、だから和菓子屋さん巡りって楽しいんだよねーっと、内的スマッシュヒット!

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姥島まんぢゅう

ならば創業から続く銘菓「姥島まんぢゅう」と「姥島最中」はもちろん外せません。
今度は“姥島”について伺うと、ここでまたまた(へーそーなんだ)話。
サザンのヒット曲以来、茅ヶ崎の名所といえば「烏帽子岩(えぼしいわ)」がまっさき挙げられますが、
あの烏帽子岩こそ、姥島なのだそう。
姥島(うばじま)とは茅ヶ崎沖の岩礁郡で(江ノ島まで海底を連なる礁(地層?)らしい)。
その岩礁のなかで最大のものがえぼし岩というわけです。いやーー知らなんだよ。


姥島まんぢゅうは黒糖と(たぶん)味噌を用いた小麦粉生地の茶饅頭で中は小豆粒あん。烏帽子岩の焼印があります。

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姥島最中 小倉あん

姥島最中は小倉だけ買いましたが、よくよく見ると青のりあんと柚子あんもあった。
烏帽子岩が浮き出た最中皮は浅い形で、最中としてはかなり薄め。3種類食べるのにちょうど良いボリュームかも。白双糖で炊いた小豆あんは甘さもほどほど。軽く一枚イケます。
でちょっとググってみると、ご存じ「う」の抽斗(by向田邦子)にも姥島最中がリストアップされていた、ほー。お店の方はご存じなのだろうか。

ほかにも
生菓子としてひと切れにした煉り羊羹があり、それがとてもすっきりした口あたり。
水羊羹と煉羊羹の間といった食感と甘みでかなりこれは好きです。
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珍しいのは中にこしあんを包んだ“ういろう”でわらび餅風にきなこをまぶしたもの。
一般的なういろうとはまったく異なる食べ心地。強いて言えば羽二重もちから粘りを抜いたような、さっぱりした餅のような・・渋抜きの丁寧なこしあんと黒須きなこを引き立ててました。

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ういろうです

定番の“鹿の子”を気に入った家族は、満腹なのについつい完食。大粒の大納言です。

接客してくださった店主の妹さんはそれぞれの賞味期間と保管方法を教えてくださった上、冷蔵OKの品と常温品の容器を別にするなど、行き届いたサービスを笑顔をひょいっとこなしてました。
初めての街でふと訪れた和菓子店でのひととき。
帰りの東海道線でカラダも心もホカホカしていたのは温泉効果だけではあるまい。うひ。

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釜成屋総本店
姥島最中(小倉、青のり、柚子)140円
姥島まんぢゅう(つぶあん茶饅頭)120円
こしあん入ういろう(きなこ掛け9
ねりようかん150円

●おまけの話●
今回は短めで歩行距離は11`とすこし。歩いてみてはじめて知ったのだけど茅ヶ崎には広大な乳業工場があるんですね。それから湘南に住んで変わったことのひとつが湘南野菜を手軽に食べられること。いまはキャベツ、トマト、苺にほうれん草、レタスにブロッコリーetc。地産地消なんて渋谷ではありえなかったけれど、湘南の苺がこれほどおいしいなんて。これまた目ウロコでした。


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ラベル:湘南 向田邦子
posted by あんころりん at 21:14| 東京 ☁| Comment(6) | TrackBack(0) | 神奈川 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
学生時代に、ゼミの旅行で吉備津神社の鳴釜神事を観に行ったことがありました。
そのときは釜が鳴らなかったので、実際にどんな音がするのか気になったまま現在に至る、です。
向田邦子が好きなお店で釜も鳴るとあっては、これは行かずばなるまいて!
Posted by チロリン at 2014年04月19日 06:56
何がびっくりって、やはり「ういろう」!
お話の内容や応対と永く続いている老舗であることからも、愛されるお店だと想像できます。すてきな記事をありがとうございました。

でも最後の写真はロコパンですよね(笑)
Posted by kozue at 2014年04月20日 15:59
姥島最中のラインナップに青のりあんが入っているのが「湘南」ですね。

烏帽子岩周辺の岩礁すべてが姥島というのは土地の人しか知りえないでしょうね。
Posted by 笹団子 at 2014年04月20日 20:39
チロリンさん
釜って、独特の存在感というか神社は知らなかったけれど神聖なかんじもがありますね。お店の方はエラくのどかといいますか、自分の店の菓子が作家と関係あるなんてご存知ないように思えます。
あ、今は釜の音は聞こえないので想像して楽しんでね。
Posted by あんころりん at 2014年04月21日 12:03
kozueさん
最後の画像はロコパンです。いやー目がすっかり悪くなっちゃってー、とワタシがいうとシャレにならないか、笑。前回記事の写真でした。
ういろうの花見だんごが並んでたけど、きな粉がけは斬新だよねー。
Posted by あんころりん at 2014年04月21日 12:10
笹団子さん
そうなんです、後から気がつきまして、青のり買わなかったことが悔やまれました。
鵠沼のビーチからも烏帽子岩は見えるのですが、姥島のことは寡聞にして知りませんでした。なるほど茅ヶ崎限定ローカルな常識なのかもしれませんね。
Posted by あんころりん at 2014年04月21日 18:50
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