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「和菓子wagasi」−東京のお菓子・菓子パンを歩く

2014年05月09日

神保町/駿河台下「さゝま」の木の芽田楽、清流〜薫風の菓子たち

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木の芽田楽、プリっと美味い柏餅
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清流 黒糖羊羹と吉野羹の組合せ


神田駿河台下の風流な佇まい、といえば「御菓子処さゝま」。
昭和4年の創業で茶席用生菓子と干菓子(半生菓子)をひとつひとつ・・・・

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・・・人の手で調製しています。

4月は4度も通う機会があり、久々に生菓子、半生菓子ともに堪能しました。
なかでもっとも印象に残っているのがこちら木の芽田楽。

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不用意な持ち運びでよじれてしまった、すみません


風薫るこの季節ならではの木の芽(山椒の葉)を添えた生菓子です。
木の芽を使った菓子といえば、塩芳軒の薯蕷饅頭芳光の羽二重餅を思い浮かべます。それから一幸庵もたしか木の芽を乗せた餅があったような・・・。あとは、玉嶋屋の焼菓子(「よってかざんしょ」?)や群馬か栃木の玉子煎餅に山椒の葉を付けたものが記憶にあります。

そのなかで、
豆腐に見立てた求肥に甘い京白味噌あんをかけて青竹の串を刺した菓子の田楽。
飾りじゃないのよ葉っぱはほーほー。木の芽なくしては菓子銘だって成立しないわけで。
京味噌の菓子がお得意のさゝまらしく、ややしっかりした食感の求肥にほの甘辛い白味噌餡は、絶妙といえる組合せでした。
なによりシンプルな意匠がよかった。皐月の茶の友はこれぐらいがちょうどいいのでは。

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4月の上生菓子 “菜種”はカルメラ(カリカリのメレンゲ)をまぶした白餡入り求肥


たまたまなんですけど、さゝまの生菓子では矩形のものが印象に残ってます。
4月のお気に入りは上南羹と小倉羊羹を併せた“春霞”。
普段はあまり好まない上南羹ですが、これは歯切れ良くさっぱりとした甘さで好きでした。
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“春霞”立ててみた。上南粉を使った上南羹は甘いものが多いけれどこちらはあっさりとした口あたり

そして5月は“木の芽田楽”と、吉野羹と黒糖羊羹を併せた“清流”。
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吉野葛を使った吉野羹を得意の黒糖羊羹と併せた。ここの黒糖羊羹はキレのよい甘さが特徴

してみるとワタシは羊羹系と相性がよろしいってことね。

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みごとな手仕事は煉切“吉野山”。ワタシとの相性はボチボチ

もちろん半生菓子は外せません。
4月の黒糖の錦玉や寒氷、5月の餅羹“鮎”など、手づくりの茶席菓子ならではの好いものでした。
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上段中央は黒糖の錦玉“ひさご”、左は寒氷“桜”

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寒天と寒梅粉を合わせた餅羹“鮎”。黒ごまで目を、ひれの茶色が肉桂です


ちなみに5年前は苦手だった松葉最中ですがいまでは好物。餡の味が多少はわかるようになったのか、さらに食い意地が張ってきたのか。
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通年の人気菓子“松葉最中”。コクのあるこしあんは上等なチョコトリュフのようでもある


最後に・・・柏餅おいしかったー。
亀澤堂で味噌餡、さゝまでこしあんの柏餅を購入しましたが、どちらもさすが!
シコシコとした歯切れ良さでベタついたところが一切ありません。
このきりりとした歯ごたえは東京老舗の朝生ならではだなあ、と神奈川県民になったいましみじみ思う。
ワタシにとって朝生菓子、とりわけうるち米、餅米ものは江戸ものが心地好いようです。

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上新粉の柏餅、シンプルなだけに店によって食感も仕上がりも様々

※“木の芽田楽”は当日の賞味期限ですが、購入の際、木の芽を別添え、にしてもらって翌日(自分で載せて)頂いても差し支えないそうです。ちなみに5月10日までって今年は明日までの提供だった、急げ〜


御菓子処さゝま
生菓子一個330円。柏餅〔朝生)は上生よりやや安価で290円ぐらい?

☆おまけの話☆
久々に本郷周辺を歩けば、手焼き煎餅の小さなお店「草加堂」が立ち蕎麦屋に変わったことにうなだれ、と思ったらな、なんと!明月堂に「世代交代のため長期休業いたします、ありがとうございました」の張り紙が。2月頃からこの状態らしい。マヌビッシュも9日まで休みだったので(こちらは単にGWがらみの休み)寄る予定の店が3軒減ってしまった。なので、半ばヤケになって後楽園ムーミンベーカリーでフィンランドパンをごそごそ購入。やけにカバンがずっしりと重くなったのに電車が遅れたのは誰のせいでもないけれど。
うーーー本郷はいったいどうなっているのだああぁぁぁ泣。あんぱん、ロックケーキ、甘食が大好きだったのにい。
あ。藤沢本町の藤長も閉業していた、がっくり。

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posted by あんころりん at 16:22| 東京 ☀| Comment(8) | TrackBack(0) | 千代田区 文京区 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
昔ながらのお菓子(パン)は、だんだん好まれなくなってきたのでしょうかね・・・。
今はアメリカ等から流行りものがたくさん入ってきてるし。
いいお店は続いてほしいものです・・・(というか単なる自分の好み???)。
Posted by いもすけ at 2014年05月10日 06:22
私もさゝまの「木の芽田楽」は好物です。
山椒がピリットしていますね。
5月製造菓子では、緑色の求肥で漉餡を包み、周りに大和芋の雲綿を付けた「卯の花」、来月は錦玉羹の「玉川」が製造されますが、これらも大変好きです。
私も神保町近辺と行くと、必ず他に、橘昌文銭堂、亀澤堂と行きます。

明月堂は世代交代とのことで、伝統のある「甘食」が復活されればと思いますが、ポテトサラダやタマゴを挟んだドッグが意外と美味しかった記憶があります。

遠路マヌビッシュを訪問してお休みだったのは、お気の毒でしたね。
東京に住んでいると、山手線内は地下鉄を利用すると訪問しやすのですが、藤沢方面からだと大変でしょう。
色々情報をありがとうございます。
Posted by 宮 at 2014年05月10日 08:54
さゝまのお菓子はいつ見ても気持ちがよい〜。
柏餅って、ほんとうにお店によって違いますよね。毎年「今年はどこのにしようかな〜」と思いながら、結局ほとんど同じものになっています。
Posted by kozue at 2014年05月12日 16:43
本郷(具体的には地下鉄本郷三丁目や東大赤門界隈)や神田神保町付近には色々お店がありますが、少しづつ伝統のお店が減っているようで寂しいですね。

山椒なんですけど、内陸の京都で保存のためか?東京より好まれているように感じます。 山椒風味のあられとかちりめん山椒とか・・。山椒自体は和歌山産らしいですが。
お江戸のお菓子で山椒というとこちらを知るきっかけになった切り山椒くらいしか知らなかったので実は色々こちらでも使われているんだなと思いました。

東京ドームシティのフィンランドのパン屋ですが、実は以前何度か買っています。 ライ麦を使ったロシアのようなヨーロッパなようなといった印象でした。
Posted by 笹団子 at 2014年05月14日 19:34
いもすけさん
甘食といえば明月堂という繁盛店で後継者もいたのに何故!ってかんじなんですよー。次回、ご一緒に巡ることができているとよいのですが・・・
Posted by あんころりん at 2014年05月16日 05:42
宮さん
玉川、ワタシも好きです。最初にブログにさゝまかいたのは玉川だった記憶が。
>ドッグ
そうなんですよー、そういった総菜パンがおいしいので昼時などいつも店内は混雑するほどの人気店だったのに・・。ワタシの勝手な解釈では4代目(5代目だったかな?)が新たなパンの研修中で休業していると思いたいのですが。マヌビッシュは昨日行ってきました、今月は本郷通いなのでした。
Posted by あんころりん at 2014年05月16日 05:47
kozueさん
さゝまのきっぱりした様子の菓子はいかにも神田という気がします。柏餅、今年はやたら味噌餡食べました。餅のおいしさで言えばはやはり亀澤堂とさゝまだったかなー。
Posted by あんころりん at 2014年05月16日 05:50
笹団子さん
そうですねー、近畿ではおかずの友にたくさん山椒つかいますね。東京はお煎餅とそれからなんと言っても七味にたくさん使っていますね。ムーミンベーカリーでニョロニョロやミーのパンを選ぶ紳士のお姿を拝見してみたいです(笑)
Posted by あんころりん at 2014年05月16日 05:52
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