8年振りに復活した一幸庵『月のかぞえ歌』。
ひと月にその日一日だけ、決められた数だけつくられる特別な・・・
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・・・季節のお菓子。
和菓子をもっともっと楽しんでいただきたいと始められた、とても素敵なこの試みを、8年前まで毎月ワタシはどれほど楽しみにしていたことか。
(また初めてくださーい)とたびたびリクエストしていたのですが、満を持して今年8月に再開。
8月シンチェリータのジェラート、9月シェ・カザマのパンに続き、3回めの10月はヴァローナジャパンとの「焼栗と小倉大納言のタルト」。ボーダー越えのコラボレーションが続きます(来月は違うけど)。
予約してから手にするまでー菓銘のほかはどんなお菓子かわからないのでーあれこれ想像を巡らせるわけですが、毎回、予想(期待)をはるかに上回るつくりになっているのはさすが。箱を開けて(おおプロフェッショナル〜)と思わずへらへら笑っちゃってます。
さて、秋らしいオレンジと金色の箱に並んだ「焼栗と大納言小豆のタルト」。
なんてったって目をひくのは大粒の栗。
蜜煮にした栗をさっと焼いてあり、山土産(やまづと)感を高める焦げ色が食欲をそそります。
じつはこの蜜栗については個人的にエピソードがあります。
9月下旬に一幸庵の2階作業場を訪問したのは、ちょうど栗の仕込みの真っ最中。
お弟子さんたちは茨城の農家から届いたばかりの栗を選別していたところ、ご主人から「食べたことありますか」、と手渡されたのは生の剥き栗。囓ってみると・・甘い! クリーム色のきれいな実はすごく新鮮で、えぐみは感じられずほんのりと甘い。この日はお菓子作りをレクチャーしていただいたのですが、しばらくして、次に目の前にころがったのは煮上げたばかりのさきほどの栗。湯気を立てたツヤツヤの栗の蜜煮を手づかみで頬張る。甘みはギリギリまで抑えて、まったりと柔らかい。その美味いことったらありゃません。新鮮そのものの質のよいきれいな実だけを煮ているのだから美味しくないわけがありません。そんな極上の蜜栗に焼き目をつけたものが丸々一個乗っかってるのだ。
栗の話が長くなっちゃったけど、
土台はヴァローナジャパン エコール東京の協力のもとに製造されたタルトの器。
タルトは小豆にあうように特別に仕上げたようです。中に詰めたのはいかにも一幸庵の真骨頂である大粒の大納言小豆と刻んだ蜜栗を併せたもの。
全体に散らしたコロコロの小粒が“山の粧”ぽくって可愛いのですが、これが芯にシリアルの入ったミルクチョコレートと第4のチョコレート“ブロンドチョコレート”。当初は(チョコレイト・・か)とテンション低目だったワタシですが、食べてみて目からウロコがボロッボロ。ありがちな(とりあえずチョコなら)的な後付け感は皆無。絶対チョコあった方がおいしいよー。
あんとチョコを併せた和菓子で初めて大好き!と思わせていただきました。
名前はタルトですが、食べてみると完全に極上の和菓子。スバラスイ〜〜。
一幸庵の「月のかぞえ歌」、11月は「新小豆水羊羹」。
11月14日のみの販売で要事前予約、100組限定です。
・ブログ内「月のかぞえ歌」2006年の記事 粒あん水羊羹 あんパン、腹太餅、
●御菓子調進所 一幸庵
「月のかぞえ歌」〜10月「焼栗と大納言小豆のタルト」withヴァローナジャパン
砂糖、大納言小豆、寒天、栗、金箔
(タルト)小麦粉、アーモンドパウダー、粉糖、塩、無塩バター、全卵
シリアル入りミルクチョコレート。シリアル入りブロンドチョコレート
4個一箱:2500円+税
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下の部分とのバランスが何とも・・・。
断面見ると、いつものように、うっ、、、食べてみたい・・・。
しかし、餡子とチョコ、しつこくはなかったですか?
栗のお菓子がたくさん出ていますが、どれを食べようかと迷い、結局食べずに終わりそうな予感。
これは絶品といってよいもののひとつだと思います(ふだは絶品という賞賛を使うことはないのですけど)。
しつこさはまったくありません。自分で言うのも妙ですがとチョコ苦手、油脂物苦手なワタシがいうのだから、説得力あるでしょ(笑)。小粒ながら芯にシリアルが入っており、、いわゆるchocolate独特の油脂っぽさがまったく感じられないし、小豆とバランスが絶妙。食べてみて、(あ、豆(小豆とカカオ)どうしなんだー)と。
栗のおいしい土地柄だからお菓子に手が出ないの?甲斐果樹園とか今年も人気あるんでしょうねー
私、好きなものってここのこれっていうのがあったら何が何でも手に入れたいけど、特にどの商品ってわけでなく、目の前にいろいろあり過ぎるともういいやってなっちゃうんですよね〜。出来ることならぜ〜んぶ試してはみたいけど、到底それは無理だし。
ということで、結局食べずに終わってしまうかと・・・。
うん、わかります「もういいや」。ワタシの場合和菓子だとぜんぶ試してやる!となるけれど、身につける物(服とかバッグ、化粧品とか諸々)やは見るのに疲れて買わずに店を後にすることしばしばよ。ワタシは長いこと栗は加工するより茹でるのが一番!って思っていたから、わからないではありません。
8年ぶりの復活だったんですね。月日の経つのは早いものだ。というかトシとるのが早いわけだ。
まさか菓銘からこんなお菓子を想像できるはずもなく、でも復活するにはこれくらいのインパクトがないと、、、たいへんなことですよね。
お写真だけでもじゅうぶんワクワクしちゃいました〜!
小豆とチョコレートというそれぞれクセがあって主張する素材を一つにするというのはかなり難易度が高いと思います。
栗は茨城県の岩間栗でしょうか?
谷中銀座に岩間、笠間の栗を使ったお菓子のお店がありますが、中津川や小布施と比べるとこれぞ!といった商品が無いのでいろんな菓子店にアイディアを出してもらうのはいいですね。
そう、また年取るとまた時が経つのが早いんだ〜。予想を雨裏切らないというか、予想をはるかに上回るってのがプロフェッショナルだわー。6月の腹太餅も楽しみです。
蜜栗を自家製する関東の菓子店の多くは茨城産のようです。たまに愛媛とか。谷中の店は洋菓子寄りの品が多いのですが和菓子は見た目も味もおとなしい感じですね。