栗丸ごとゴロゴロ栗蒸し羊羹
珠洲大納言による試作品 大納言粒ツブツブ
小豆粒ツブツブ きんつば
うぐいす風“きなこ餅”甘さをググッと抑えた
和菓子店が立ち並ぶ巣鴨地蔵通り商店街ですが、
以前はさほど足が・・・・
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・・・向きませんでした。
喜福堂のあんぱん目当てに訪れた際、商店街入口あたりの軒を連ねる店で塩大福やら豆大福なんかを買ってみたけど。
でもなかなか我がハートに響かず、だった・・。
観光客もあまり目立たなくなるJR巣鴨駅から1`ほどの処に「巣鴨栄太楼」はあります。
始めて訪れたのは3年前。
落ち着きのある店構えが気に入って、ためしに焼きだんご買いに入ってみたのですけど、これが印象にのこるオイシさでした。
(みたらしでなく)焼きだんご、と呼ぶところがまた好ましい
以来、巣鴨に行くたびに寄ってます、気に入っています。
「本郷榮太楼」(閉業)からのれん分けされという、昭和5年創業のこちら。
家族で営み、餡から手づくり。
地元に寄り添ったベーシックなお菓子、朝生菓子が中心で、
華やかさはないけれど、きちんとつくっているのが伝わる味。
日々口にしながら安らぎをおぼえる。おやつに喜ばれるのって結局そんなお菓子なんだよね。
どれもほっとする味わいですが
とりわけ好きなのは“栗きんとん”(秋限定)、きんつば、栗蒸し羊羹(栗丸ごと入)、焼きだんごそして大納言粒あん。
お餅やだんご、小豆あんがおいしいのだ。
こういった日保ちしないタイプのお菓子は新鮮であることが必須。
いまさらですが、地元密着型のお店は日保ちより味に力点があるからこそ魅力がある。
(そうさ、「近所の和菓子屋さんの豆大福」やだんごが好きなのさ。)
粒が残る栗きんとん。渋い色はおいしさの証。栗が出荷される11月の半ば頃までしか調製できない
全体にかなり甘さを抑えてあり、素材の味が前面に出ていますが、
その傾向が際立っていたのが“栗きんとん”。
やや渋めの色はちょうど時期的に晩生の栗で作ったから。
白あんはまったく加えず手で裏漉した栗に少量の砂糖を加えて手練りしたものなのでとっても風味が濃い。
ほとんど家庭で作るようなノリです。
今年食べた栗きんとんではワタシ的ベストのひとつ。
豆好きゴロシのきんつば、破格(!)の130円。なかには甘さが足りない、という方も。
それからきんつば。かなりあ〜〜っさり。豆好きにはたまりません。
予想に違わずこちらでは砂糖に白双糖使用、また長年、豆は北海道産エリモ小豆を使っているそうですが、やや淡泊な豆の味が控えた甘さにジャストフィットするからでしょう。
声高にしてませんが、材料は吟味したものばかりのようですし、菓子からは真摯な仕事ぶりが感じられます。
調製はすべてご主人、若主人をはじめとする熟練職人が手がけていますが、訊くところによるとご親族のうちお二人が上生菓子の佳店「東宮」で修行されているのだそう。皆さん和菓子職人として地道に研鑽を積んでらっしゃるんでしょうね。
栗丸ごと入栗蒸し羊羹 画像は栗が少なめの箇所、実際はもっとゴロゴロごろり〜ん
こちらでは栗蒸し羊羹を2タイプ調製、どちらも棹ものですが、
ひとつは従来通り、スライスした栗を蒸し羊羹に乗せたもの、
もうひとつは丸ごとの栗をどっさり混ぜ込んだもの。
一棹1100円とは破格なお値段ですが、蜜栗も旬の時期にまとめて自家製したもの。
ベースの蒸し羊羹の味がとても好く、栗の味わいはやや野趣に富んだ素朴なものですがおやつにはぴったり。
製菓学校で学ばれた若主人(3代目くらいな)は研究熱心で、
訪問した際、たまたま入手した珠洲大納言(能登産)を炊いてみたのでと試食用にワンパック頂きました。
ほどよく渋抜きされた大納言はすばらしく美味しかった。
珠洲大納言は丹波に比べてやや皮がしっかりしているので、場合によっては皮が口に残っちゃうのですが、こちらはほんの僅かサクサク感を残した食感と風味が絶妙。田舎汁粉やどらやきにしたらどんなにか美味しかろ。
ほかに珍しいのは月餅。
和菓子の月餅ってのは初見ですが、胡桃や干しぶどうの入った焼菓子で食べやすい。
ほかにきな粉餅と栗薯蕷まんじゅうもおいしかったなぁ。
豆大福もきっちり搗いた餅でおいしい。漉し餡入りなので、希望としてはこちらの粒あんで作ってほしい。
担当講座で廻る処は、やはりというか当然、自分がおいしいと思う店。
なので来週もまた参ります「巣鴨栄太楼 地蔵通店」。
★おまけの話★
ちなみに蒲田「清野」の女性職人、中田さんが若主人をよくご存じで(製菓学校の同級生だそうで)、縁あってこちらでお菓子作りを研鑽されたこともあるのだとか。中田さんと言えばカステラですが、その彼女が栄太楼のカステラも好いですよ、と仰っていたので次回はカステラ一本獲得してやる〜。そうだ栗の時期の「清野」もいかなきゃ。
巣鴨榮太楼
・栗蒸し羊羹(栗丸ごと入)一棹1100円:砂糖、北海道小豆、栗 わらび餅(?)、でんぷん、小麦粉
・きんつば130円:砂糖、北海道小豆、小麦粉、糯粉(国内産糯米)、寒天
・豆大福:国産糯米、砂糖、小豆、赤えんどう、塩
・栗きんとん(秋限定):栗 砂糖
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能登の大納言は、和菓子業界では丹波の次に素晴らしいとされている
ようですが、一般には知名度ほとんどないですよね。
能登大納言を使った和菓子は品質に比べて価格が安いものが多いので、
個人的には“買い”だと思っています。
同じ巣鴨の地蔵通りにある「みずの」のご主人は、僕の中学校の同級生で、
僕の前の席だったこともあります。水野君、元気かな。
能登の珠洲大納言を積極的に使っているのは都内ですと一幸庵ぐらいでしょうか。8年前に比べて皮がずっと柔らかくなったような気がします(あるいは使い手が炊くコツを得たのか?)。ちなみに一幸庵もエリモ小豆ですね。
みずののご主人と同級生!巣鴨はいろいろな方の同級生がいるのかしら。水野さん、お店にいらっしゃるのか、今度のり巻き買うときに訊いてみようかしら(笑)
栗きんとんに栗蒸し羊羹、とりわけ大納言と試作品のあんこに目を奪われました!(単にあんこ好きなだけ・・・)
はぁ・・・、東京に住んでいたらな〜・・・あんころりんさんの講座、絶対受けるんだけどなぁ・・・。
宮崎も栗がおいしいし、素朴な餅菓子、お饅頭がおいしいですものね〜。
>講座
待ってます待ってます、飛行機使って来てください(笑)
今度叔母から巣鴨に付き合えと言われたら、喜んでお供することにします。
しかもほとんど他所の人が行きそうにない都電の近く。
ラインナップに華やかさは無いですが、それぞれ基本に忠実でかつリーズナブル! こういうお店が近くにあると他所へ目が向かないと思います。(笑)
まさに地域密着型ですね。
栗きんとんですが、できれば作った当日にいただくのがベストかと。(言うまでもありませんが)中津川や恵那で実感しました。
東京で中津川や恵那の栗きんとんをいただくと時たまパサパサになったハズレを引くことがあります。
○○のお店の若旦那は△△のお店のお嬢様と学校の同期というのは世間は狭いということでしょうか?(笑)
10月に銀座2丁目にオープンした石川県のあたらしいアンテナショップ・いしかわ百万石物語・江戸本店http://100mangokushop.jp/index.php 地下は石川県の和菓子が充実していました。
ただ、能登大納言となると産地が限られて国内の小豆の収量が6万8千t(平成25年度)
http://bunanomori.com/noto-azuki/01what-is.html
今のところ、石川県の和菓子店でも使っていない所が多いですが・・・。
能登大納言は販売量が57t(平成19年)と比較というより参考データですが、将来入手は困難と思われます。
珠洲大納言は能登大納言とも呼ばれるのですが珠洲市が中心に栽培されているようですが、輪島市、能登町、穴水町でも栽培されているので要望があったのかもしれないですね。
http://bunanomori.com/noto-azuki/01what-is.html
いっそ潔くばっさり殺ってもらいなさい(笑)巣鴨はJRから離れた処のほうが面白いと思います。六義園方面も庚申塚方面も悪くないです。おばさまを喜ばせて功徳を積んで(笑)。
石川県アンテナショップ、私もつい先日、冷たい雨の中
行ってきましたが、あいにく欲しいものがなくって。
清野の中田さん、お嬢様と呼ばれたらどんな顔するかしら(笑)。製菓学校の同級生ですから不思議ではないです。東京製菓卒業生は活躍している方が多くて。私が知っているだけでも10人は下りません。