
栗まさりから生まれた
コシヒカリそのままのおだんご
秀山庵本店は戸塚駅から歩いて7分ほど。駅前の喧噪と離れた住宅街にあります。
評判のおだんごだけでなく、購入した朝生菓子・・・
人気blogランキングへ

・・すべてが感激するほどおいしかった。
始めての店で、これだけインパクト受けたのは久々。
一度きりの訪問でお店を紹介することは稀なんですけど、今度ばかりは早めにエントリーしておきます
(そうでなくともすでに記憶がとぎれとぎれに・・)。
湘南に越して一年、戸塚駅は始終スルーしてますが駅を降りたのは始めて。
ふとした思いつきで立ち寄ったお店はたいして期待もせずに道に迷いながらたどり着きました。
Web情報によると昭和47年創業の秀山庵、それではさっそくそのお菓子について。
淡いクリーム色にツブツブ混じりの“芋ようかん”は口に入れた瞬間「!!」。
ホロホロとほどけるような食感はこれまで食べたどの芋ようかんとも異なります。品の良い栗時雨のような口あたりはあたかも良質の上生菓子みたい。芋ようかん食べて(このお店タダものではない)と思ったのもはじめてかも。
淡緑がかった自然な色合いが食欲をそそる
訊けばこちらでは、地元、汲沢町の農家がつくる“くりまさり”というサツマイモを使用しているのだそう。ホクホクとした食感とまろやかな甘さが特長です。この品種、生産量はごくわずか。味は良くても見た目にバラつきがあるのと、ご覧のように色が淡いのが主産物に結びつかなかった理由と推察できます。ネットリした芋ではなくホクホクとした芋が(店の味に)必須、ということで地元農家にリクエストしたところ、このお芋に決まり。適度に芋本来の繊維やツブツブを残すのも、ホロホロした食感もあらかじめ計算された“目指す味”と言うことでしょう。淡い色を活かしたところもセンス良いよね。かなり好きです。アンチ(ってほどのことでもないけど)ねっとり芋、断然ホクホク派のワタシにとってベスト芋ようかん、かも。
美形すあま
すあまは上新粉なのか?訊くの忘れたけど、美味美味
芋ようかんでブっ飛んだところ、すあまでもびっくり。すあまにこれほどインパクト受けたのも始めて。自家製の(おいしい)すあまって昔ながらの味を継承しているのが定石なんですけど。こちらは、まずすっきりと洗練されたルックスに惹かれました、食べてみるとおどろくほど控えた甘さ。甘くないすあま、です。もっちりねっとりでなく柔らかいのにサクッと歯切れが良いところもこれまた好みでした。和菓子好きの知人たちに食べてもらいたい。

地元で評判の高いのがおだんご。これまた期待を裏切らない、と〜っても好ましいものです。
なんといってもだんご生地が美味い。一般にだんごの原料はうるち米。世にあるだんごの多くは米を挽いて粉にした“上新粉”を用いるわけですが、こちらではうるち米のままおだんごに仕上げるのだそう。タイトルにご飯、と書きましたが、
(※アップした後、加筆訂正してます。すみません、横線部分は他の話と混同して書いてしまった誤りです・・)
最初の水分だけで仕上げたおだんごは、咀嚼を迫るようなしっかりとしたコシ、そして風味があります。調整法からして力を入れているのでしょう、9種類とバラエティに富んでて目移りしてしまいます。が、まずは草だんごつぶあんとみたらしをチョイス。草だんごも好いのですが、歯ごたえ重視のワタシには、白生地だんごがツボ。気持ちよいほどグイグイ押されちまった。
このおだんごに用いるうるち米は信州上田の塩田平産コシヒカリ。女将さんのご出身が上田で、その味には自信があり使用を決めたとのこと。実際このお米を毎日炊いてご家族で召し上がり、美味しさを確認しているようです。柔らかな物腰の女将さんのピカピカ素肌はお米のせいなのだろうか。ステキな方でした。
ややコーフン気味に書き始め、長くなってきたので豆大福とジャムどら(!!)については次回書きます、ほんとに書きます。

●「秀山庵 本店」 神奈川県横浜市戸塚区戸塚町4897 木曜休
関連サイト Twitter
●おまけの話●
・ネットリ系が好きでなく安納芋を目の敵(?)にし、鳴門金時など胸が詰まりそうにホクホクした芋が好き。冬はマイ焼き芋鍋で毎日のようにホクホクしてます(それでも焼き芋見ると買っちゃう)。クリマサリ、ぜひ入手したいものです。
・ご飯のだんごといえば目黒のあやめだんご。あちらもおいしいけれど、秀山庵は別製法でまた別なおいしさです。
・戸塚へは友人チロリンさんの紹介で着物をいただくお宅を訪問する目的で。この着物ってのがすごくて。ワタシはサイズ的なこともありお母さまの貴重な(そしてとても高価な)お着物をいただきました。別な方と二人でもらい受けたのですがワタシは大島、もうひとりは結城紬や凝った意匠の留め袖など、通常ではなかなか手が出ない(出せない)ものばかり。最近は和服を着る余裕もないのですが、ここは頑張って大切に着させて頂きまする。
人気blogランキングへ

【神奈川の最新記事】
- 新丸子 岡埜栄泉の 餡サンド“八百八橋”
- 三吉野の くるみおはぎ くろまめ大福 おだんご
- 柳栄堂の あべ川餅
- 元住吉 松柏堂の 大福と おはぎ
- 和菓子一菓の いちご大福 桜餅
- 本家ときわぎ カリっとなめらかな美味ようかん“常盤木”
- べにや ひな祭りの ひとくちすあま がものすごくかわいい
- 新年の甘味オーガニック小豆のぜんざい〜ピリカアマムと江ノ島「上州屋」のし餅
- 横浜 江戸家の 栗蒸ようかんと 切山椒、しるこ用つぶあん
- 祝オープン 和菓子一菓の 栗蒸し羊羹 赤飯
- 横浜元町 金米堂本店の 冷菓いちじくようかん
- 横浜 鈴木家の 乙女餅とみたらし団子 おはぎ
- 横浜元町 金米堂本店の 涼菓甘夏ようかん
- 小田原 伊勢屋の 豆大福と すあま、焼だんご
- 鎌倉 松花堂の 小鹿
- 鎌倉 長嶋家の 松風いろいろ チェリー、柚子きんかん、ラムレーズンetc
- 鎌倉 長嶋家の いちご粟大福 と桜麩まんじゅう
- 金沢さかくら 豆大福と青しその菓子、(夏なのに)深山の雪
- いまもっとも美味しいどらやき〜逗子「こよみ」国産小麦粉を使って
- 鎌倉/惠比壽屋 長谷観音門前のおさらぎだんご
この芋ようかん、あの「栗久里」みた〜い!ホント栗のようなサツマイモ?
私もあんころりんさんと同じ〜。サツマイモは絶対ねっとり系より、喉が詰まるほどのホクホク系が好み♪
最近は安納芋の影響か、ねっとり甘〜いサツマイモが人気のようで・・・残念。
うちでもマイ焼き芋鍋が活躍中です!
以前ほどの量は食べなくなったけど、ホクホクサツマイモに当ると「あ〜幸せ〜♪」と頬張っております(笑)
お店のすあまと、“くりまさり”も気になりますね〜。
栗九里とはちょっと異なります。くりまさりは栗よりおいしい、というところからのネーミング。芋ようかんの味はホクホクとしたさつまいもを洗練させた味、かな。食感が栗っぽいですね。
なにごとも期せずして、っていうのは一番うれしいパターン。ここは単においしいだけでなく、見えないところで創意工夫しているかんじが、ワタシの心に火をつけた(笑)
買った焼き芋がネットリ系だとすごーく残念。くりまさり、どうにかして手に入れたいです〜。
ホクホク、ですよね〜。ここののりだんごは、まるで歯切れ良い磯辺巻きのようだし、つぶあんは美味いし。数本食べても飽きません。カステラや蒸しきんつばもイイっすよ。お!そろそろ卒検済んだ頃?
お返事が遅くなってすみません。っていうか!あやめだんごのお母さん、とうとう引退されたんですね、ちっとも知らなかった〜〜〜。拙著でもお世話になっておりせめてご挨拶に伺いたかった。ほかの方がそのままいらっしゃれば、味的には引き継がれることでしょう。お団子はいうまでもなくわたしゃここの赤飯が大好きなんです&ブ厚いたい焼きで好きなのはここくらいかも。
栗まさりって以前何かで見たことがあります。サツマイモってやつは、どうしても栗に対抗意識を持つんだなと思いました。こどもの喧嘩みたいだ(笑)
母方の実家が長野県小谷村で、田舎のコメはおいしくない、が母・叔母・従姉との共通の認識だったので、信州のコシヒカリ!? と思いましたが…長野県は広いですよね〜先入観を持ったらいけないと反省しよう。