さきがけ、丹波路、松風
つばき餅、いちご大福、十三里、うぐいす餅
都立大学に一幸庵の分店?
そんな話を聞いて(ほんまかいな〜)、訪れたのが5年ほど前・・・
人気blogランキングへ
・・・店頭にはためく「いちご大福」ののぼりに(朝生中心?)といぶかったのですが
ご当主に伺ったところ、茗荷谷の「御菓子調進所 一幸庵」はご親戚筋。ですが、お菓子の内容も経営も、まったく別とのことでした。(もともと、初代である御祖父様さまが大塚で創業した店の屋号が「一幸庵」。そのご子息達がそれぞれに「一幸庵」を営み始めたようです。ちなみに小石川のご当主は四男さん。)
そんなこととは関係なく、いくつかの朝生菓子が印象的だったので、そのあとも都立大学へ行った際は立ち寄らせていただいてました。
そしてついにこの1月、一年半ぶりに訪れてみると「おお!」と目を見張っちゃうくらい、ワタシにとって魅力的な生菓子がずらり。ハマりました。
大納言を挟んだ新春らしい淡桃色の外郎"さきがけ"、おなじく三角形の白い外郎生地に大粒の蜜栗をたっぷり混ぜ込んだ"丹波路"…
大納言サンド"さきがけ"(左)と栗たっぷり"丹波路" どちらも外郎生地が好い
そして。"上り羊羹"を重ねて蒸しあげた"松風"。
この"松風"、見た瞬間にときめいて、一番にコール。
"松風"というお菓子は、パリパリ薄型せんべいタイプから、卵をつかったカステラ風、松屋常盤、松屋藤兵衛に代表されるようなもっちりぎゅぎゅっ、の発酵系味噌松風など日本全国さまざまですが、こちらはふっくらと蒸したタイプ。
"上り羊羹"とは美濃忠のものがよく知られていますが、名古屋独特の蒸し羊羹でちょうど外郎と蒸し羊羹の中間のような、あっさりとした羊羹のこと。
さて、ワクワクしながら口にした「一幸庵かしこ」の上り羊かん仕立て"松風"は。
なんと言っても上り羊羹が予想よりはるかに繊細!いままで頂いたどの上がり羊羹より柔らかさが繊細で、しかしトロトロではないところがすばらしい。軽めの松風ととてもよく合っています。
その松風は味噌でなく、おそらく醤油の松風(←確認済み)。
醤油松風は、記憶では名古屋の上生菓子でときどき見かけことがあるし、たしか小石川も使っていた。味噌よりさっぱりとしてほかの生地と併せる際に適していると思います。
トップ画像の断面"十三里"、中はサツマイモあん。つばきの葉の下は道明寺で中はこしあん。
1月は、ほかにも道明寺の"つばき餅"、粒あんのうぐいす餅、紫芋で染めた求肥でさつまいもあんを包んだ"十三里"など、さりげなく洗練されたラインナップ。。さつまいもについては、タイトル長めの和風スウィートポテト「いもほり遠足いってきました」同様、おいもの味の引きだし方が好い。
和風スウィートポテトは白餡と裏漉しサツマイモを併せて皮に詰めてオーブンで焼く。香ばしい〜
打ち出し方は日常のおやつ、朝生菓子的、なのですがそこはかとなく名古屋の上菓子のような印象があったので、ご主人に訊いたところ、親方にあたる方(小石川…ではなく)が名古屋で修行されたのでその影響なのだとか。
カジュアルで親しみやすいのにオリジナリティがあって洗練されている。
僭越ないい方ですが、ここ数年でお店の底力が吹き出した気がします。…いいえ、単にワタシがトロかったのか。
白餡のいちご大福ならこちらが一番
そのうちまた紹介させていただきます、「一幸庵かしこ」。
★「一幸庵かしこ」目黒区八雲1-3-1 月曜休
十二年ほど前に八雲で開業。もち米に近江産、堆肥栽培の小豆はなどいずれも材料を吟味。餅米から蒸かして作る搗いた餅、赤飯も販売。上生菓子で名高い小石川「一幸庵」とは親戚筋にあたる。
☆おまけの話☆
ワタシがビビッときた"松風"。先月後半、(数回に分けて)40人ほどお店にお連れしたところ、奪い合いになると思っていたのですが、予想を裏切って実際に購入したのは2人だけ。一番人気は和風スウィートポテトといちご大福。オススメしたのにも関わらず、なーんだ和菓子好きも、小豆よりも芋やいちごに弱いのね〜、と腰砕け。やはりオレってマイノリティなんだ、と再確認。三度リピートしたのだ、こちらの松風さん。
人気blogランキングへ
【和菓子、洋菓子、パンの日記の最新記事】
- “をぺら”と紫陽花〜季のせ
- ためしてガッテン流 和菓子ライター高さんのかんたん手づくりあんこ
- ベーキング・ガレージ・ハリマヤの クルミベーグル有機粒あんとバターサンド
- 菊野屋製菓舗 和菓子屋の バウムクーヘンキャラメリゼ
- 熱海で甘いもの・洋菓子編 三木製菓、スナック喫茶くろんぼ
- 南青山 まめ のデラックス苺大福
- リニューアルしたとらや赤坂本店 おいしくなったあんみつと“二見潟”
- 日本橋 清寿軒の水鹿の子
- 生のさくらんぼをまるごと〜餅米でつくるさくらんぼ餅@桃太郎
- 横浜/文明堂食品工業直売所〜窯出しカステラ
- 秋葉原/和洋御菓子 松屋〜珈琲どら焼きとあんずジャムブッセ“千代田”
- 横浜/御菓子司 打出庵大黒屋 あんびん餅と水羊羮そして青梅
- 越谷「和三盆恵菓(わさんぼんけいか)」の昇り鮎と干菓子でプチ茶稽古
- とらや〜ブランデー入り羊羹「琥珀のしらべ」
- 鯛焼きのよしかわ 国産小麦粉と大納言小豆の一丁焼
- 安倍川橋のたもと「石部屋」の安倍川餅&第3回わがし甘党の会開催のお知らせ
- 阿佐ヶ谷/茶とあん(Chatoan)~レモンあんのわらび餅、三色柏餅と玄米茶
- ブーランジュリー マダムルージュの新作“ピリカアマム”
- 渋沢「さか間」の“あん・そばがき”と富士山
- 箱根ちもとの草だんご
“さきがけ”のうっすら桃色の部分って桜ですか?
桜餅のシーズンですね。こちらは道明寺粉の桜餅しか見かけないので、関東風の桜餅は一度食べてみたいです!
あんころりんさんはどちらがお好み?
先日、地元デパートで開催されていた加賀のれん市で売っていた「あんず餅」を食べましたが、なかなかイケました!
ですよね〜。
うっすら桃色は残念ながら、デザイン上のもので味はプレイン。
都内も最近は道明寺のほうが人気があるそうで、両方作るお店のほうが優勢です。焼皮はわりと簡単につくれるので、オウチで作ってみるのもいいかも。ちなみにワタシは断然焼皮派・・・ですが、道明寺でなく餅米でつくったもの(これはレア)は大好きです。
あんず餅、いいな〜ワタシもぜったい好みだと思います♪
でもここ数週間、夫婦でスイートポテト熱がなかなか満たされずにいるので、いもほり遠足いってきました(長っ!)に心奪われております(笑)
ああ、椿餅もうぐいす餅も、季節のうちにいただかなくては。
他にも「一幸庵」というお店はあるのでしょうか?
いいですよ、このスウィートポテト。バターが強すぎないので後味が優しいんです。苺大福もまとまったかんじ。
なんとも色気っていううか魅力あるでしょ、松風。味は見た目以上だったし。こちらは流し固めたお菓子を三角形で提供することが多いように思いますが、こういった棹ものも好いな、と。いもほり…は当初、あまり興味なかったんですけど食べたらとっても好みだったのだ。
そろそろ桜餅ですよ〜。
小石川は京菓子だけでなく名古屋、江戸のお菓子もたくさん調製してらっしゃいますよ。ご主人が長く修行されていたのは名古屋の老舗「川口屋」なんです。かといって、かしこのご主人の修行先というわけではないのですが。たまたまなんですけど、そこが面白いなーと。一幸庵という屋号はワタシはほかに知りませんが、国内探せばあると思います。
色々検索すると、かならずあんころりんさんのブログに到着してしまうのが不思議です(笑)。
こちらの和菓子もそそられますね。
ブログにも書いたのですが、長年住み慣れた吉祥寺を離れ、今埼玉県民です(笑)。
とにかく洋菓子和菓子ともお店がないのが悲しいです(涙)。
どこか出かけたときに、見つける楽しみはできましたが…。
ところで、検索でひっかかったのは宮崎の“味のくらや”さんです。
2月の半ばに宮崎に行ったとき、駅前にあった味のくらやさんに一目ぼれ。
美味しい!美味しすぎる!
来年行ったら、あんころりんさんが色々紹介されたいたおやつゲトしてきたいと思います。
あんころりんさんのブログにリンクさせてくださいね〜。
ふかふか♪
ご無沙汰していますー、リンクとコメントとってもうれしいです。
宮崎いらしたんですね。ヒトも、食事もお菓子もおいしいし、海もきれいだし、いいところですよねー。ふかふかは衝撃的なおやつでした。行く先々にいろいろなふくれ菓子があって、端からぜんぶ食べてみたーい!と思ったことを思い出します。
おふたりは越谷でしたっけ。ワタシも湘南に越したので、お気持ちお察しします。朝一番で焼きたてバゲット食べてたのが夢のようざんす。