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「和菓子wagasi」−東京のお菓子・菓子パンを歩く

2015年03月08日

向島/「あんみつの深緑堂」の田舎しるこ、あんみつ

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向島って和菓子店が多いという印象がありそうです。が、さほどでもなくて、甘味処なんて一軒もなかったんんですよねー。
花街に欠かせないのがあんみつ屋さんだと思っているのにこれはどうしたことか。
・・・てな疑問・要望に応えるべく・・・

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・・・
昨年、3月オープンしたのが「あんみつの深緑堂」。
甘味ファンの心くすぐるストレートなネーミング。
和カフェではなく"甘味処"です、という気概を感じさせます。
ググってみたところ評判も上々のようで、着実にファンを増やしているようです。
(移住のため)遠くなった向島ですが
遅ればせながら2月の終わりに訪れました。

こじんまりとした店内は小豆の煮えるよい匂いが広がっていました。思わず深呼吸ーー♪
2人掛け二卓とカウンターのみで10人も入れば満席でしょうか。この日は3人連れだったのでカウンター席へ。カウンターであっても座り心地がよく、(オールド)ガールズチャットに花を咲かせる王道的過ごし方@あんみつ屋さん。

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メニューはあんみつ、クリームあんみつ、田舎じるこ、ところてんと極めて絞られています。あんみつはこしあんのみ、お汁粉は冬限定。
いまの時期はお汁粉とあんみつ、もしくはところてんのセットがあり、おいらはあんみつと小さいお汁粉のセットをチョイス。
注文を訊いてから作り始めるので、時間には余裕を持って、です。
小豆の香りが心地よくて穏やかな気分になりつつ、香りのよいほうじ茶で暖を取りながら待つことしばし。


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木製トレイに乗せられたのはあんみつと小ぶりのお椀のおしるこ、黒蜜、箸休めの塩昆布。
彩りよく器に盛られた端正なあんみつ。そこはかなとない美意識が感じられます。
お椀の蓋を取ると香ばしい焼き餅にツブツブとした田舎汁粉。おしいそう〜。さっそく頂きます。
餅の大きさと焼き加減が絶妙なお餅にあっさりとした甘みの粒あん。また食べたくなるほどよい軽やかさ。

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赤えんどう美味し!アクセントはくるみとあかすぐり、セルフィーユ 茹でたての白玉はコシがあってもっちり。

あんみつは
神津島・新島・伊豆稲取産の天草から煮る自家製寒天、馬毛のこし器で漉した小豆こしあん、自家製黒蜜は波照間産と西表島産黒糖をブレンド、抹茶と白の2色の白玉は注文を受けてから茹であげたもの。味と彩りのポイントになるのはあんず。ドライあんずのほとんどが輸入物ですがこちらは希少な国産(長野)の干しあんずをふっくらと煮あげたもの。この干しあんずが砂糖で甘みを漬けてから干したもの使用しているそうで、美しい仕上がりはその辺にもポイントがあるのかも。

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こんなふうに材料をひとつひとつ、思うままに手間ひまかけて仕上げているようです。とりわけふっくらと皮まで柔らかい赤えんどうが印象に残ったので(豆かんは?)と訊ねると、豆をたっぷり作ったときにご希望があれば、と品書きには載らない謂わば裏メニューのような存在らしい。

こしあんは水分がほどよく、なめらか。すっきりと後味がよく、黒蜜と併せても丁度よい甘みです。黒蜜もアクが少なくさらっとした仕上がりでスムース。
希少な自家製寒天(※甘味店の多くは寒天を専門業者から仕入れている)はやや小ぶりの角切り。食感はプリッとしていて好きだけど、せっかくの自家製だからもうちょい大きくてもいいなーと思っていたところ、あとで店のTwitterを見ると、たまに包丁で切った大ぶりの寒天を限定で出すらしい。そちらをぜひ食べてみたい。

とはいえ、とてもバランスのよいあんみつ&おしるこセットで甘味気分は充分満足。
これほど、細かく心配りされたあんみつ店を営んでいるのが若い男性というのが不思議でしたが。訊けばいまはなき上野「江戸っ子」と、その後新宿の老舗甘味処(だんごで有名な)で修行され、ようやく念願だったご自分のお店を開かれたとのこと。夏はかき氷を提供しているので、おそらくその道の専門家たちはすでに訪問ずみなんでしょうね。

ちなみに、ツレが頼んだクリームあんみつはアイスクリームを別添えの器で供していました。これはうれしい。
そうなの、クリームとあんが混ざっちゃうのがイヤで頼まないんですよね、クリームあんみつ。

お茶のおかわりを何度も注いでくれましたが、日本茶インストラクターの資格をお持ちだそうだとか。その辺のお話しでもあれこれ盛り上がったのでした。

●あんみつの深緑堂 Twitter
墨田区向島5-27-17 木曜休
・あんみつと小サイズおしるこのセット1000円(冬限定)※追記:富良野産赤えんどう使用、包丁切り寒天は毎月25日に。

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【和菓子、洋菓子、パンの日記の最新記事】
posted by あんころりん at 13:39| 東京 ☔| Comment(10) | TrackBack(0) | 和菓子、洋菓子、パンの日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
ここで言われている“お汁粉”って、“ぜんざい”とは言いませんか?私の感覚だと“ぜんざい”なんですけどね・・・。
地域によって言い方違うのでしょうか?

あ〜、“お汁粉”は何だかホッとする甘味ですねぇ〜♪(そういえば随分食べてないな・・・)
Posted by いもすけ at 2015年03月09日 06:14
いもすけさん
ピンポン!そう、西でいうぜんざいが関東の田舎汁粉です。で、西のおしるこは関東で御前汁粉といいますのよ。関東のぜんざいはもっと濃厚な汁気のほとんどないツブツブの甘い煮小豆かあるいは暖かいこしあん、みたいなかんじです。粒々タイプは白玉と合わせた冷やし白玉ぜんざい、こしあんタイプは暖かい粟ぜんざいが比較的ポピュラーかな。
ワタシは断然、田舎汁粉か粒々タイプの粟ぜんざいが好きです。今年はまだ2度しか食べてないなー。
Posted by あんころりん at 2015年03月09日 19:53
おしるこよりも、ぜんざいが好きです。
汁ある&なし、つぶあん&こしあん関東と関西で違うようですね。
Posted by エルザ at 2015年03月09日 21:35
あ、ここ行ってみたかったんです!甘味の干しあんずの甘酸っぱい味が好きなのですが、あれはどうやって作っているんでしょうね。普通に買う干しあんずは酸っぱくないんですよね。。。

この前今年の冬はまだ粟ぜんざいを食べていなかったことに気がついて、駆け込んでみはしで食べました。みはしのこしあん派大好きなのですが、粟ぜんざいをつぶあんで食べられるところがないか探したら、池袋の三原堂が浮かび上がったのですが、ご存知ですか?
Posted by 大食倶楽部 at 2015年03月10日 15:38
うん、うん、小豆の煮える匂いって、どうしてあんなに心安らぐのでしょうね〜。お店に入ってそんな香りに包まれたら、もうそれだけで一品いただいたような気分になります。
素敵なレポートで、お腹すいてきました。お茶にしよう〜っと。
Posted by kozue at 2015年03月10日 16:44
こんにちは☆
あんみつ美味しそう!!ぜんざいも☆
最近食べてないのですごく食べたくなりました!!

まだブログ始めたばかりですが宜しかったら見に来てください♪
Posted by ココヤスSTAFF 山エリ☆ at 2015年03月10日 17:32
皆さまお返事が遅くなってすみません。

エルザさん
西でいうぜんざいが関東の田舎しるこ、なんです。ワタシもおぜんざい(田舎しるこ)好きです〜。
Posted by あんころりん at 2015年03月15日 13:31
大食倶楽部さん
返事が遅くなってすみません。
池袋三原堂の粟ぜんざいは未食ですけど、都立大学のちもとはこしあん、粒あん選べますよー、&終わっちゃったかもしれないけれど竹早72も選べます。経験上、粒あんモノを出しているお店はだいたいお願いすれば粒と漉しどちら選べるようです。
ひょっとしてすでに池袋で制覇したのかなー。
Posted by あんころりん at 2015年03月15日 13:37
kozueさん
和菓子屋さんでも小豆の煮える香りがするとそれだけで言いお店だなー、ってホッとしちゃいます。細胞に響くんでしょうか、あんこDNA。おうちのお汁粉もいいよね。
Posted by あんころりん at 2015年03月15日 13:39
ココヤスSTAFF 山エリ☆ さん
あんみつ、ぜんざい、これを機会にぜひ。ブログ続くようお祈りしてますね。
Posted by あんころりん at 2015年03月15日 13:42
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