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「和菓子wagasi」−東京のお菓子・菓子パンを歩く

2016年04月26日

阿佐ヶ谷に「ちもと総本店」が!〜軽井沢の名高き老舗が都内進出

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天然氷あんず
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田舎しるこ。餅も自家製♪
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ちもと餅、そば団子、焼団子

あの名店がなんと都内に登場!
そう、軽井沢で夏の短期間だけの営業で知られる老舗の・・・・

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・・・甘味和菓子処「ちもと総本店」。
1900年1月1日創業、116年の歴史ある老舗は都立大や箱根、市川など各地にある「ちもと」の本家的存在であります。


かつて初台(渋谷区)にも「ちもと」がありまして
こちらで上生菓子と栗蒸し羊羹の味を覚えたワタクシ。
おかげで、幼少時に(上生菓子は特別なおいしいモノ!)と刷り込まれ、
こうやって、食い意地のはったブログを続けることになったわけですから、ちもとに足を向けて休むことなどできまへん(?)。
栗蒸し羊羹に関しても(竹皮に直接包んで蒸しあげる棒状がおいしい)、という認識は小学校2年で出来上がっちゃったので、幸か不幸かいまもその呪縛から逃れることが出来ずにおります。
・・ああ、あの初台ちもとの栗蒸し羊羹が忘れられない…。
という世迷い言はさておき。

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おそらく70年以上前、新宿で営んでいた頃のマッチ箱。お願いして撮影させていただきました。


日暮里界隈にはじまり、銀座や新宿で営んでいた「ちもと総本店」は支店も数カ所ありましたが、戦後、支店のあった軽井沢に本拠地を移してしまった。
いまだ軽井沢のお店に赴いたことのないワタクシにとってはちょっとしたあこがれでした。

それが、なんと。
突如、阿佐ヶ谷に出店!!
捻挫した膝の治療中に、その知らせを受けたおいら。
治療台に寝転びながら「え!先々週、阿佐ヶ谷行ったけれど、なかったよ〜〜」。
そう、3月末に阿佐ヶ谷へ行きましたが、その数日後の4月1日開店したばかりだったのです。

知らせてくれたのは、鎌倉山の和菓子作家「わ菓子 徳」細内氏。
軽井沢の総本店を訪問中に、この情報について☎してくれたのですが
そもそも、細内氏も(閉業した)鎌倉「ちもとや」のご子息であるわけで、鎌倉「ちもとや」もやはり、初代は総本店と深い関わりがあったようです。

さて、阿佐ヶ谷のお店は、4月16日に始めて訪問。
朝一番乗り10時半に、天然氷あんずと田舎しるこを頂きました
(11時開店ですが、準備次第でその前でも入店できるそうです)。

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トップに自家製の蜜煮あんずを載せた"天然氷あんず"は蜜におなじく自家製あんず蜜を使ったもので、果肉ピュレ状ではありませんが、蜜に凝縮された香りが上菓子のようで、品のよい甘さ。
ふんわり優しい口あたりのかき氷によくあっていました。色合いもおとなしいので若人たちにはピンとこないかも、ですが。
ちもとの初代である千本三冬氏が掲げる三要素「清美、秀麗、滋味」にふさわしい甘味でしょう。

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田舎しるこ(粒あん) フツフツとした小豆と自家製餅の香ばしさがたまらない

楽しみにしていた田舎しるこは期待を上回るおいしさ。芯まで柔らかく炊きあがった小豆粒の量も充分だし、甘さもほどほど。
なにより焼餅のおいしさにのけぞりました。箸で切れるほど柔らかく、しかもさっくりふんわり。焼き加減も絶妙で、香ばしく、そして穀物の旨みも感じられます。最近食べた焼きもちのなかでは最上級。(煮た餅を好まないワタシだからこそ)あらためてお餅って大切なんだなーと。

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そして、ちもとと言えば"ちもと餅"。
店内でいただくことも出来ますが、そば団子、焼団子とともにおみやげに包んでもらいました(持ち帰りは各1個からOK)。
ちもと餅はそれぞれの「ちもと」が独自にアレンジして、名前も各店で異なります。
都立大の"八雲もち"、箱根は"湯もち"、市川の手児奈の里、初台では"幸もち"でした。
いずれも、竹皮に包まれた風情あるお餅で。卵白をつかったふんわりとろけるような食感が魅力。
"ちもと餅"は刻んだ胡桃をたっぷり混ぜ込んだ黒糖風味。弾力あるメレンゲ風の口あたりは、どなたにも喜ばれるお餅でしょう。

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しおりによると江戸時代から菓子づくりに勤しんでいた


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そば団子

ちもとの特徴のひとつに"渋きらずの餡"があります。
そば団子にも使われていて、近年、主力になりつつある渋きり餡の藤色ではなく、渋切らず独特の濃い小豆色。
濃厚そうに見えますが、さっぱりとした甘さでアクも感じられません。
小豆の風味だけをそのままになめらかでそして、食べつけるとクセになる。
オトナの小豆ってかんじですね。

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中の団子生地は長野産そば粉100%、つまり生粉生地。つくりたてはとても柔らかいけれど時間が経つと堅くなります。生粉と聞いて蕎麦好きは見逃せませんわな。
この生粉団子に渋切らずの餡がとてもよく合います。

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しっかりとした歯ごたえの焼団子は生醤油味。
自宅ではグリルで温め直していただきましたが
店内であれば焼き立てが供されます。次回は中でいただきたいな。

阿佐ヶ谷のお店を営むのは、総本店の御主人と女将。
若旦那と思いきや、すでに代表でいらっしゃいます。
(記憶があやふやで・・3代目か5代目だったか・・?)。
穏やかな人柄の美男美女ですが、一から手づくりする本格甘味のお店の味を守る心意気は充分。

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ちもと総本店と阿佐ヶ谷店、双方を守る店主ご夫妻。

ここ2〜3年、都内のかき氷店やカフェは増える一方ですが、甘味喫茶は減るばかり。
でも、街に一軒は欲しいよね、手づくり餡のあんみつ、おしるこ、おだんごのお店。
地域の方が集まるおいし〜い甘味処。
ぜひぜひ、頑張って続けて頂きたいものです。

ところで、ここ1〜2年、東京の和菓子周りがちょっぴり元気。
新しいお店がぽつりぽつりと誕生しています。
諸事情から更新が滞っていましたけれど
がんばって、そのへんレポートしていこうと思います。

次回はあの新店舗。お楽しみに。


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◎ちもと総本店 東京店:杉並区阿佐谷南1-14-13(パールセンター内)
☎03-6454-6042


*おまけの話*
介護ライフときたらまあ、次から次へと予想外の事態が起きる。自分が膝を痛めたと思ったら、次は久々に救急車に同乗するはめに〜なんてことが日常茶飯事。他人事だと思っていたことが、あれこれ起こるわなあ。あまりに頻発するもんで、細かいことは忘れてしまいます。
さておき。都内和菓子店、新しいお店を紹介する機会が皆無に近い状態でしたが、ちょっと楽しくなってきたかも。がんばれあんこ。

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posted by あんころりん at 12:15| 東京 ☁| Comment(6) | TrackBack(0) | 中野区・杉並区・武蔵野&多摩地区 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
あんころりんさん

先日はありがとうございました。

今月、岐阜、名古屋、豊橋、浜松あたりで和菓子
めぐりをして、なかなかよいお菓子も見つかった
ので、ブログ久しぶりに更新しようかなと思って
います。

介護のほう、たいへんなようですが、ご自愛
ください。
Posted by 和三坊主 at 2016年04月28日 13:47
和三坊主さん
こちらこそ、ありがとうございます!!岐阜ですか、いいですね〜。豊橋、浜松はほぼ未踏なんです。楽しい旅のようでよかったですね〜。ブログ楽しみにしています。羊羹、温存してますよ。でも夏前に手を出しそう(笑)介護ライフはなかなか手強い相手です。
Posted by あんころりん at 2016年04月29日 12:34
行きたかった〜阿佐ヶ谷は和菓子や甘味どころが多くていいですね。

ところで日本に無事生還しました。もうあっちの島には戻りません!
Posted by 大食倶楽部 at 2016年04月30日 20:41
大食倶楽部さん
生還おめでとう〜!!
阿佐ヶ谷はこれから見逃せませんよ!
今回はどのへんが縄張りになったのでしょうか。
Posted by あんころりん at 2016年05月01日 11:07
おからだお大事にね。

阿佐ヶ谷久しく行ってないです!
こんなステキなお店ができたなら、ぜひ行かなくちゃ!!
楽しい情報ありがとうございました!!!
Posted by kozue at 2016年05月02日 17:49
kozueさん
ご心配おかけしてすみません。ありがとうございます。
ここはまたすぐ行きたいな、と思います。阿佐ヶ谷はさらに楽しくなってますねー。
Posted by あんころりん at 2016年05月05日 01:00
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